「会計とはなんなのだろう」ということを、最近よく考えます。
教科書的な答えとしては、企業の経済活動や状態を貨幣額などを用いて測定し報告するシステム、ということになるでしょう。会計は経済活動の写像である、というフレーズで語られることもあります。
ただ、会計学の教科書に書いてあるこういった説明は、どうにもふわっとしているなぁという印象を抱きます。
どういう点が「ふわっとしている」と感じるかというと、例えば
- 貨幣額「など」と言われたときに、貨幣額でないどんな尺度なら会計といってよいのか
- 測定とは画一的なルールなのか、測定者によって変わってもいいものなのか
- 報告書の形式は決まっているのか
などが必ずしも明確でない点です。
極端な例ですが、ある日の経営者の気分指数を一定の報告書を作成し公表したとき、それは会計と言えるのでしょうか。
気分指数という尺度をもち、経営者の気分を測定し、所定の様式で報告しているうえに、経営者の気分は企業の経営に大きな影響を及ぼしますから、会計の要件に合致しそうともいえます。
しかしこんな情報は会計とみなさないという立場の意見が多いでしょう。
ところが、このような情報がなぜ会計ではないのか、もっと言えば会計情報とそうでない情報を隔てる境界はどこにあるのかと問われると、明確な答えがぱっと思い浮かびません。
冒頭の会計の定義からは、会計と会計以外の境目が、はっきりと読み取れない気がするのです。
私以外 私じゃないの 当たり前だけどね
という曲があった気がしますが、
会計以外 会計じゃないの 当たり前だけどね
と言い切れるほど、会計と会計以外の境界について理解できていないなぁと気づいた、そんなお話でした。
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