2021年 6月 の投稿一覧

研究の進め方について〜論文は,まず書く〜

ひらめいたアイデアや仮説を検証し考察してから論文を書こうと思っても,書けません。なぜなら,検証や考察に終わりはなく,自分が納得の行く結論にはいつまで経ってもたどり着けないからです。研究者としての探究心があればあるほど,分析の「終わり」は遠いと感じるでしょう。

論文を書き進めるために大切なことは,考えたことを論文にまとめるのではなく,論文を書きながら考えをまとめるのだという意識を持つことです。論文を研究の最終工程と捉えるのではなく,研究を効果的に進めるためのプロセスと考えるのです。

研究しながら論文を書き進めることで,得られるメリットがあります。

第一に,自分のアイデアをすぐに誰かに見せられるようになります。これによってアドバイスや意見をもらいやすくなります。予め自分以外の研究者から論文に対する意見をもらい,それをもとに改善を行うことで,研究をよりよいものにできます。

第二に,論文を書く過程で考えが整理され,新たな研究アイデアが湧きます。ゼロから考察を行うのは難しいものですが,自分の考えを都度文書化することで,自分の理解を客観視できます。自分の考えをアウトプットしながら思案を巡らせることで,足場を固めながら前に進むことができ,そこから別の研究アイデアを得ることも可能になります。

このように,論文は研究のまとめとして執筆するのではなく,研究の進捗に合わせ書き続けていくと効果的です。

このアプローチは社会人博士として数多くの研究業績を挙げた中川さんにご教示いただきました,どうもありがとうございます。


家計簿を複式簿記で行うメリットはあるのか

家計簿を複式簿記で行うメリットがSNSで話題になりました。

この記事では複式簿記の検証可能性という観点から,家計簿を複式簿記で行うメリットについて述べたいと思います。

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日本簿記学会第37回関東部会の参加報告

2021/06/26に開催された日本簿記学会第37回関東部会に参加しましたので,その内容を簡単にまとめます。

準備委員長の戸田先生はじめ,委員会の大田先生,小川先生,平井先生,真鍋先生に厚く御礼申し上げます。

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簿記・会計の数学研究における歴史的背景と問題意識

1960年代の会計の数理研究

1960年代に会計や複式簿記に対する数学的な研究が進みました。当時はコンピュータの黎明期であり,会計をIT環境に載せるという社会的な課題感がありました。その期待に応えるべく,会計学者は簿記や会計を数学の言葉で表現することで,簿記や会計をコンピュータに実装する礎を築きました。

簿記・会計の公理化に挑んだ天才たち

こういった歴史的背景を踏まえながら,今日において会計や簿記を数学的に研究することの意義を考えるのは重要です。

今日のIT技術と問題意識

今や複式簿記を用いた会計はIT技術なしには成り立っていません。コンピュータによって会計帳簿を作成することは,会計実務の前提となっています。

そんな現環境において,1960年代当時のようなモチベーションで会計や簿記の数学的研究を進めるのはあまり得策ではないかもしれません。時代の変化を認識し,今日の社会環境に合うような目的意識で簿記や会計の数学的研究を進めていく必要があります。

例えば,クラウド会計システムなどは比較的新しい技術であり,今日の会計を支えています。クラウド会計システムならではの問題や課題が見つかれば,それを数学的に表すことで,現代的な課題を解決することにつながります。

ここでも,現状をよく理解し問題意識を持つことが重要といえるでしょう。

課題ドリブンで学ぶ

ニーズ・ベースの研究,シーズ・ベースの研究

時間内にできることをやればOK,という考え方でストレスが減る

「時間内にできることをやればOK」という考え方で物事に臨むと,ストレスをあまり受けずに済みます。

あらかじめ時間を決めておき,おおまかな作業内容も決めておくと,習慣がしやすいです。たとえば,私は最近,平日朝は英語を読むこととブログを書くことを習慣にしています。作業内容は,英語の論文の要約を日本語訳することと,自分が今考えていることを短いブログ記事にまとめることです。所要時間は会社に行くまでの30分と決めています。

しかし,その時間を超えてタスクが発生してしまうと,他の予定に悪影響を及ぼしたり,タスクが終わらないことに対して焦りを感じてしまいます。これでは習慣づけを阻害することにつながりかねません。

そういった状況を回避するために重要なのが「時間内にできることをやればOK」という考え方です。

この考え方を実行に移すと,あらかじめ予定していた時間を超えて作業をすることがなくなるので,他のタスクを犠牲にすることなく,目的のタスクを終わらせることができます。

もちろん,そのタスクについて,一定の質や量のアウトプットが求められている場合には,「時間内にできることをやればOK」という考え方は必ずしもふさわしくありません。求められるアウトプットの要件を満たせないのであれば,いくら時間内に終えたとしても,本当に達成すべき目的が達成できないからです。

しかし,学習の勉強の習慣付けのように,必ずしも進捗が重視されないようなケースであったり,思案を巡らす時間を確保するという目的であれば,「時間内にできることをやればOK」という考え方は自分を追い込まなくて済むので,ストレス軽減に役立ちます。

必ずしも成果を目的としないタスクについて,あらかじめ時間を決めて,その時間内にできることをやるという考え方で望むことで,ストレスが軽減されます。

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