Q. どうして決算整理が必要なの?
A. 期中に会計処理を行わなかった取引を,期末の経済状態に合わせて仕訳にする必要があるから。
期中の会計処理は主に,知覚できる事象を対象としています。たとえば商品を販売したり,備品を購入したりした場合には,請求書や領収書などの証憑が発行されますし,銀行振込を行ったりします。これらは物品の移動や人間の行動といった物理的な変化を伴い,知覚しやすいものです。
しかし,会計の対象となる取引には,知覚しづらい対象もあります。たとえば以下のような未払利息の例があります。
借入を行うと,決められた利息を支払う必要が生じます。利息の支払いは決められた期日に行いますので,その期日が来るまでは利息にかんする物理的な変化は生じません。
しかし,資金を借りているという状態(資金を貸してくれるというサービスを得ている状態)は,支払期限が到来していないときにも続いており,会計上はその期間にかかる支払利息は「未払利息」として会計処理する必要があります。
このように,物理的変化を伴わず知覚しづらい現象や状態であっても,期末の経済的な実態に合わせて会計処理を要するケースは多々あります。
こうした取引を期末という一定のタイミングで会計処理するのが,決算整理なのです。
参考文献
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