資本と負債の中間項目は、会計にどんな影響を及ぼすのか

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

企業の資金調達は資本と負債に大別されます。これらは自己資本・他人資本ともよばれ、その性質は大きく異なっています。

しかし、近年の金融技術の発展と制度の整備により、資本と負債の中間的な性質の資金調達手段が普及してきています。たとえば、新株予約権付社債、優先株式はその例です。

曖昧になりつつある負債と資本の境界線

これらは中間的項目は、重要な財務数値にも影響を与えます。例えば企業の財務健全性を表す指標である負債比率が挙げられます。

負債比率は負債による資本調達によって上昇(悪化)するため、資本と負債の中間的な証券を発行した際に、それが負債として計上されることで、企業の財務健全性を損なうと判断される場合があります。

また、資本と負債の違いは、利益計算にも影響します。

通常、資本主(株主)との取引からは損益が認識されません。一方、債権者との取引からは損益が認識されます。

この基本的な考え方に基けば、資本と負債の中間的な資金調達を行なった場合に、それが資本に計上されるか負債に計上されるかで、資金提供者との取引にかかる取引が損益に影響するか否かという重要な差異が生じます。

以上のように、資本と負債の中間的性格の資金調達は、会計情報の利用者や利益計算に重要な影響を与えるのです。

【参考文献】

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*