梶浦『数物系のための圏論』は圏論のホモロジー代数的側面に関する入門書です。
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圏論のホモロジー代数的側面がそもそも入門的内容ではないので,このテキストも相当にハイレベルですが,興味深いトピックを数多く扱っています。
本書で語られる中心的な概念は,導来圏,三角圏,\( A_\infty\)圏で,これらは物理学における弦理論の定式化に用いられます。
\( A_\infty\)圏のなかで特別なものに深谷圏があります。
深谷圏の対象は D-Brane で、射は Stringであると考えることができます。
『数物系のための圏論』では深谷圏は第1章「背景と概観」に登場するだけですが,その基礎となる\( A_\infty\)圏については第7章で詳しく論じられています。
弦理論と深谷圏について完全に理解したい方は、以下の動画をご覧ください。
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第1章「背景と概観」では数理物理において圏論がどう使われているのかを知ることができます。
第2章「集合論,環と加群の基礎」では代数学の基礎を復習しています。
第3章「ベクトル空間と加群のホモロジー代数」ではベクトル空間とその一般化である加群について復習し,ホモロジー代数の知識を整理しています。
第4章「導来圏」以降が本格的な内容です。以下に章目次だけ挙げておきます。
第5章「三角圏」
第6章「有限次元代数の表現理論」
第7章「\( A_\infty\)圏と三角圏」
より詳細な目次はサイエンス社のHPからどうぞ。