企業が発行する株式の価値を算定するために,株主資本コストが必要になります。株主資本コストの推定は会計研究の重要なトピックの一つであり,理論面と実証面から研究が進められています。本記事では株主資本コストの推定に関する近年の研究と,それを理解するために役立つ資料・教材をまとめます。
目次
JARDIS 日本ディスクロージャー研究学会 研究ノート 会計情報に基づく現在価値関係
大阪大学の椎葉先生による現在価値恒等式に関する研究ノートです。Vuolteenaho(2000,2002)による現在価値恒等式の導出を詳しく解説し,一般的な企業価値評価モデルとの対比を行っています。
企業価値評価・現在価値関係に関する研究(阪大椎葉先生webページ)
椎葉先生のWebページでは会計情報に基づく価値評価と資本コスト推計に関する資料・教材が数多く提供されており,非常に教育的です(ありがとうございます!)
先般行われた第1回『企業会計』カンファレンスで村宮先生からご報告がありましたが,椎葉先生のwebページの資料はその基礎となる内容です。
時間的に変動する株主資本コストの推計手法(大分大小野先生論文)
大分大学の小野先生による,Lyle, Callen, and Elliott (RAST, 2013)の解説論文です。確率的割引ファクターに基づく価値評価をベースとしています