暗号は秘密を守るための重要な技術です。
情報を伝えたい相手以外に情報を漏らさないよう、暗号は古くから工夫されてきました。
近年ではビットコインなどの暗号資産(少し前の言い方では、仮想通貨)を支える技術として、暗号は重要な役割を果たしています。
本記事ではそんな暗号の技術のうち、準同型暗号と呼ばれるものの参考文献を紹介します。
情報を暗号化すると、これを元に戻す(復号する)ことなしには、情報を知ることはできません。当然、暗号化したままの情報では、検索を行ったり、計算をしたりするのは困難です。
最近のデータサイエンスの流行もあって、機密情報に統計処理を行い分析を行いたいというニーズは多いと思われますが、データを暗号化してから統計処理をすることはできず、どうしても機密情報そのものにアクセスせざるを得ません。
機密情報そのものを扱うということは、当然それが漏洩するリスクも負ってしまうことになります。
情報を加工したい、しかし情報そのものは持ちたくない。そんな課題を解決するのが「準同型暗号」という技術です。
準同型暗号を使うと「暗号のまま計算できる」ようになります。
機密情報そのものを持つことなく、機密情報を加工して得られる結論が手に入るのです。
準同型暗号は、そのアイデア自体は40年ほど前に既に認識されていましたが、ここ20年ほどで急速に研究が進んでいるようです。
準同型暗号に関する書籍・テキストは少なく、日本語の文献では以下のテキストに詳しい説明があります。
準同型暗号をわかりやすく解説した論文はいくつかあり、以下では準同型暗号の応用例についても述べられているので、とても参考になります。
量子コンピュータの脅威を考慮した高機能暗号:格子問題に基づく準同型暗号とその応用, 四方順司, 2019
公開鍵暗号型の高機能暗号を巡る研究動向, 清藤武暢、青野良範、四方順司, 2017
「暗号のまま計算できる技術」、準同型暗号。
ぜひ勉強してみてはいかがでしょうか。
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