こんにちは、毛糸です。
先日ツイッターで、経理に携わる方の、こんなつぶやきを見つけました。
「経理職員は手取り足取りの指示を望んでいるのだろうか?」
「問題に直面したとき、上司が、どうしたらいいと思う?と聞くと、フリーズしてしまう」
というものです。
果たして、意見を求められたときに思考停止してしまう経理職員(以下、部下と呼びましょう)は、どんな気持ちでいるのでしょう?
上司が期待するような適切な回答が返ってくるには、どうしたらいいでしょう?
問いかけにこたえられない部下の気持ちと、上司の取るべき行動について、一緒に考えてみましょう。
明確な目的意識が思考を育む
「どうしたらいいと思う?」
この質問に部下が主体的に意見を述べるには、明確な目的意識が必要です。
明確な目的意識は、ビジョン、ゴール、行動基準とも言い換えられるでしょう。
意思決定の根拠となる考え方やルールのようなものです。
明確な目的意識があることで、眼の前の問題とゴールとの差異を見極め、自律的に考え行動するきっかけが生まれます。
例を出しましょう。ディズニーランドのスタッフです。
ディズニーランドの園内は大変綺麗で、スタッフの対応も大変よく、入園者の満足感に大きく貢献しています。
スタッフの殆どはアルバイトですが、果たして彼らは、上司や先輩から綿密な指導や指示を得ているのでしょうか?
違います。彼らは明確な目的意識を持っているため、園内の様々な問題に自律的に取り組めているのです。
ディズニーランドのスタッフには、以下のような共通の目的意識、ミッションが強く刷り込まれています。
「私はディズニーランドが、幸福を感じてもらえる場所、大人も子供も、ともに生命の驚異や冒険を体験し、楽しい思い出を作ってもらえるような場所であってほしいと願っています。」ウォルト・ディズニー
人々に幸福を届ける、という明確な目的意識をすべてのスタッフが持っているため、高いホスピタリティを提供できるのです。
この例からも分かる通り、明確な目的意識は、思考を育み、自律的行動を促すきっかけになります。
部下の目的意識とは何だったのか?
ではいったい、経理職員の部下はどんな目的意識で動いていたのでしょうか?
私が多くの会社のコンサルティングに関わってきた中で感じた、経理職員の目的意識は、
堅確な経理作業の遂行
です。
ミスなく、きれいに決算作業を完遂することが、多くの経理担当者の目的になっています。
しかし、「ミスなく」を目的としている、というところには、落とし穴があります。
それは、いざ問題が発生してしまったときには、目的を見失ってしまう、ということです。
「ミスなく仕事をすることが目的だったのに、ミスが起きてしまった、もうだめだ……」
そう考えて思考停止に陥ってしまう、それが今回の問題の原因です。
問題が起きた際に明確な目的意識がないために、課題に対処できない。
なのでフリーズしてしまう、というわけです。
決して、この部下が怠慢だ、というわけではありません。
普通の経理職員が普通に抱く「ミスなく完遂する」という目的意識では、問題が置きたときに対処できない、ということです。
上司が見せるべき目的意識
明確な目的意識があれば思考のきっかけになる。
しかし部下には問題が起きた時に持てる目的意識がない。
それがこの問題の根幹です。
したがって、上司がとるべき行動は、問題が起きた時に明確な目的意識を部下が持てるようコーチする、ということです。
今回の経理の話で言えば、
経理の目的は「企業活動を適切に外部に伝えること」
という目的意識が考えられます。
企業活動を外部に伝えるために、ミスなく作業を完遂する、という関係にあるため、
このような大きな目的意識を部下に提示することは、部下がすでに持っていた目的意識にも整合しています。
このように、問題が起きた時にもブレずに対応するための指針となるような明確な目的意識を提示することが、上司が果たすべき役割です。
部下は往々にして、小さな目的意識を抱きがちです。
上司はそんな部下の意識を否定することなく、より広い視野で明確な目的意識を提示してあげる必要があります。