確率制御のテキスト|停止時刻までの最適化問題についてのメモ

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こんにちは、毛糸です。

最近、確率制御の勉強をしています。

確率制御とは、確率的に変動する状態に依存して値が決まる目的関数を最小化するように、目的関数や状態に働きかけるような制御変数を決める問題のことです。

たとえば製造業において、製品の価格(状態変数)が自社の供給量(制御変数)によって決まる場合に、コストを最小化するにはどのように供給量をコントロールすべきか、というような問題を扱うことが出来ます。

私はこの確率制御の理論を、会計学に応用できないか試行中です。

確率制御は確率論の応用的トピックですが、日本語の本もいくつか出ています。

確率制御の基礎と応用 (ファイナンス・ライブラリー)』は経済学やファイナンスへの応用を見据えながら、確率制御の基本的事項と応用的内容を解説した本です。

確率微分方程式とその応用』は確率論の基礎知識をコンパクトに解説しつつ、確率制御や工学・ファイナンスへの応用にも章を割いて説明している良書です。

確率論ハンドブック』は確率解析の祖、伊藤清氏が生前構想したという現代確率論の総合解説書であり、確率論の基礎と応用について、その内容と参考書が多数載っています。

私も確率制御の勉強をするに当たり、『確率論ハンドブック』の該当の章を読み込みました。

確率論ハンドブック』の確率制御の章は有限区間の場合しか扱っていませんが、ファイナンスや経済学の文脈においては、期間が無限のものや、停止時刻までの区間を考える必要があります。

そういった応用的な確率制御の理論については、『確率論ハンドブック』のなかのリファレンスで、以下の書籍を参照せよと書いてありました。

Controlled Markov Processes and Viscosity Solutions』はまず、確率的でない決定論的な最適制御理論からはじめ、粘性解(Viscosity solution)と呼ばれる広い意味での「解」について解説したあと、確率制御の解説に移ります。

確率制御についての専門書だけあって、『確率論ハンドブック』でさらっと述べられた内容はすべて厳密な形で説明してありますし、無限期間の問題や停止時刻までの最適化問題についても扱っています。

確率制御の深い理解を得たいときに手に取る本としては、とても良い選択だったと思います。

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