この記事では誘導法によるキャッシュ・フロー計算書を、バランス・ベクトルによって表現する方法について述べます。
誘導法とは、
キャッシュ・フローを計算するために、収入及び支出の勘定組織を設け、そのつどそれらを独自の勘定に記録し、それに基づいて誘導的にキャッシュ・フローを計算(鎌田『キャッシュ・フロー会計の原理』p.297)
する方法のことをいいます。平たく言えば、損益計算書のような独立の科目を設けて仕訳を切り、キャッシュ・フロー計算書をダイレクトに作成しようというアプローチです。キャッシュ・フロー計算書の意義、作成方法については別の記事をご覧ください。
日々の取引でキャッシュが変動する場合に、キャッシュ・フロー計算書の項目を用いて仕訳を切ることで、キャッシュ・フロー計算書の作成負荷が大幅に低減されることがと期待されます。
以下では誘導法によるキャッシュ・フロー計算書を、バランス・ベクトルを用いて作成してみます。この記事で提案する方法は参考文献に示されている方法と異なり、既存の複式簿記の構造を変えることなく実現可能な方法です。
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