エンジニアやコンサルタントの業務はプロジェクト単位で管理されます。
プロジェクトを成功に導くための管理手法は「プロジェクト・マネジメント」(プロマネ)と呼ばれ、十分な経験を持った専門職がその職務を担います。
本記事ではプロマネ業務における膨大な蓄積を体系的に整理した「PMBOK(ピンボック:プロジェクトマネジメント知識体系)」を紹介します。
目次
PMBOKとは何か
PMBOK(Project Management Body Of Knowledge, プロジェクトマネジメント知識体系)とは、プロジェクトマネジメント協会が発行するプロジェクトマネジメントの指針です。
米国から始まったプロジェクトマネジメントの歴史を体系的に整理し、実務から得られた知見や手法をPMBOKガイドとして公表しています。いわば、プロジェクトマネジメントの世界標準です。
プロジェクトマネジメントの「優れた実務慣行」を斟酌して作成されており、PMBOKガイドを読むことで有用な参考情報を得ることができます。
PMBOKガイドがどんな役に立つのか
PMBOKは人類のプロマネの歴史を体系的に整理した、プロマネの羅針盤です。多くの事例と世界中の専門家・プロジェクトマネジャーからのフィードバックが反映されています。
PMBOKガイドでは以下のような内容が扱われています。
プロジェクトとプロマネの定義
そもそもプロジェクトとは何なのか。日常の業務とはどのように異なっていて、プロジェクトには一般にどんな性質があるのか。
また、プロマネとはいかなる業務を指すのか。プロマネを行う際に気を付けるべきポイントはなにか。
プロジェクト・マネジャーの役割
プロジェクト・マネジャーにはどんな役割が期待されているのか。どういったスキルが必要なのか。
プロジェクト・マネジメントの具体的な方法論
プロジェクトのスケジュール、コスト、品質、リソース、リスク、関係者のマネジメントをいかに行うべきか。
プロジェクトのプロセス群
プロジェクトの5つのプロセス:立ち上げ、計画、実行、監視・コントロール、終結と、それぞれのプロセスで行うべきことは何か。
誰がPMBOKガイドを読むべきか
PMBOKガイドは特定の業界のみを対象としているわけではありません。プロジェクトの定義を満たす多くのケースにおいて、PMBOKガイドは活用できます。たとえば、
- 各種コンサルティング業務、特に大規模な案件
- 新サービスの立ち上げプロジェクト
- 知人とのイベント開催
- 共同研究
などにも活用できるでしょう。
私が属している会計業界であれば、例えばある年の監査業務であるとか、企業に対する財務コンサルティング業務において、PMBOKが活用できます。
PMBOKにはスケジュール管理や人員を含む資源の管理、プロジェクト遂行に関するお客様との交渉などに役立つ知識が体系的にまとまっています。
プロジェクトを「炎上」させないためにPMBOKは役立つのではないでしょうか。
参考文献
この記事は以下の書籍を参考にしました。PMBOK資格用のテキストですが、わかりやすく説明してあり、資格を目指さない人でも大いに参考になります。
プロジェクト・マネジメントの心得や方法論については多くの書籍が出ています。その中でも以下のテキストは有用です。プロマネの原則や、プロジェクトの離着陸時の心がけなど、学びの多い一冊です。