社会人になってから「学生時代にもっと勉強すればよかった」と後悔することがたまにあります。
またそれに似た後悔として、社会人になりたての頃に受けた研修をもっと真面目に受ければよかったと思う時もあります。
どうしてこんな後悔が生まれるのでしょうか。
こうした後悔には、どんな気持ちで向き合えばよいのでしょうか。
時間の限界効用と学ぶインセンティブ
若い頃はいろいろな楽しみがあり、また、忙しくもあります。
そういう時期というのは、いわば時間の価値が大きい時期であると言えます。若い時期の1時間は、自由に使えればとても楽しい時間を過ごせるので、その価値が大きいということです。
経済学の言葉をつかうと、時間の限界効用が大きい、といえます。
時間の限界効用が大きいときには、相当有意義な講義や研修でないと、受ける気持ちが起きません。他に有意義な時間の使い方がたくさんあるからです。
したがって、若い頃によい講義や研修に参加する機会が得られても、それを有効活用するインセンティブは、あまり大きくないのです。
しかし、良い研修は、真面目に受けてこそ価値があり、役立ちます。若い頃に参加を強制するのは、ある意味もったいないと言えるでしょう。
学びの機会を生かす社会的な取り組み
この問題を解決するにはどうしたらいいのでしょうか。
一つの解決策は、授業や研修の価値がわかるようになった時に、それに参加するような仕組みを作ることです。
社会人になって様々な課題意識を持てるようになってから、大学の授業を受けることで、きっと新たな気づきが得られます。
最近は社会人の学び直しの重要性も認識されています。
価値ある学びの機会を、年齢制限を設けずに提供することが、教育機関に求められているような気がします。
「もっと勉強すれば」という後悔への向き合い方
もっと勉強すればよかったと感じるということは、自分はいま、学ぶ理由を見つけたということです。
何を学んだら良いのかが明確になった、とも言えます。
勉強する目的やゴールが明確になったときの勉強方法は、比較的簡単に見つかります。
達成したい目標から逆算して、今の自分にないスキルを身につけられるように、自習をしたらよいのです。
もちろん、学生時代のように懇切丁寧に指導してくれる先生や、講義の時間はないかもしれません。
しかし、今は勉強方法をまとめた良い書籍も出ているので、自習・独学は比較的容易です。ネットで教材を得ることもできます。
「もっと勉強すればよかった」と後悔し、自暴自棄になるのではなく、それをモチベーションとして、自分をより成長させるような勉強をしたいものです。
以下の書籍は、独学のための方法論やモチベーションの保ち方、勉強した内容のまとめ方などをかなり具体的に説明したバイブル的な本です。