過去を振り返り「あのときこうすべきだった」と後悔するのは、誰にでもあります。この後悔は、正解の選択ができなかったことに関する後悔といえます。
しかし、後悔先に立たずという言葉もあるように、この気持を回避するのは難しいことです。
今の情報で過去を振り返ると、後悔は必ず起こる
今の自分が過去を振り返って「あのときこうすべきだった」と後悔するのは当たり前です。なぜなら、その当時よりも今のほうがより豊富な情報を持っているのであり、今の情報に基づくよりよい選択が過去にあったと気づけるのは、過去を振り返ったときのみだからです。
過去にその選択ができたかは、別の話です。
多くの場合、当時は当時でやるべきこと・やりたいことをやっていたはずで、そのとき最も正しい・満足するであろう選択を行っていたはずです。
点と点の繋がりを予想するのは困難
Appleの創業者のひとりスティーブ・ジョブズは2005年のスタンフォード大学のスピーチで、人生における様々な選択や経験を「点(dot)」と表現し、点と点がどう繋がるかを予め知ることはできないという言葉を残しています。
将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。
(出典:「ハングリーであれ。愚か者であれ」 ジョブズ氏スピーチ全訳 米スタンフォード大卒業式(2005年6月)にて 日経新聞 2011年10月9日 12:00)
あとから振り返って「もっといい位置に点が打てていれば」(つまり、あのときこんな選択をしていれば)と思うこともありますが、そういった上手な点の打ち方を、現在進行系で打つのは難しいんだろうと思います。
過去を振り返ったときにはじめて「あの点と点は繋がっていたんだ」「この点と点は繋げることができそうだ」と気付けるのであり、事前に点の繋がりをデザインするのは困難です。
ジョブズのメッセージは”Connecting the dots”と呼ばれていますが、これは過去を振り返ったときに起こるものなのです。
自分の選択を正解にするという考え方
あとから振り返っても正しい選択だったと思える行動をするのは難しいです。正解を選ぶのは難しい、といってもいいでしょう。
しかし、自分のキャリアや人生を「成功」に導くには、正解を選ぶことは重要だと思われます。
正解の選択肢を選ぶのは難しい、しかし正解を選んで成功を勝ち取りたい。
そんな気持ちを成就させるにはどうしたら良いのでしょうか。
1つの指針は「自分の選択を正解にする」ということです。
この言葉は私が尊敬する会計士の先生のツイートに由来します。
自分の選択が正解かどうかはわからないけれど、選択したあとの行動次第で、その選択を「正解」にすることはできるという意味です。
今の自分が過去を振り返って「〇〇すべきだった」と後悔するのは当たり前で、今のほうがより豊富な情報を持っているのだから、それに適したより良い選択肢も過去にはあっただろう。
しかし過去にその選択ができたかは別の話で、多くの場合、当時は当時やるべきこと・やりたいことをやっていたはずだ。
— 毛糸@博士課程 (@keito_oz) April 11, 2021