「Connected Papers」で文献調査を楽しく効率的に

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研究や勉強を進めるにあたって、すでにある研究を理解することは重要です。

この記事では,先行研究を効率的に,そして楽しく行うためのサービス「Connected Papers」を紹介します。

先行研究の意義

先行研究を詳しく調べるのはとても重要なことです。

学問は膨大な積み重ねの上に成り立っています。その学問の大きな流れの中に、自分の研究を適切に位置づけることで、自分の研究の価値を他者に理解してもらいやすくなります。

また,新しい発見を目的にせずとも,知識を得てそれを活用したいと考えた場合には,先行研究を理解するのが有用です。

論文には、その研究が参照した,他の文献の情報が含まれています。そうした論文の引用関係をたどっていくことで,その分野の中心的な論文や書籍を見つけることができます。

引用関係をグラフで表すConnected Papers

Connected Papers」は,論文の類似度をグラフ(ネットワーク図)で表してくれるサービスです。ここでいう類似度は、引用関係やビブリオグラフィック・カップリングとよばれる概念に関係する尺度です。

ある論文が他のどんな論文を引用しているかは,その論文を見ればわかります。また,ある論文が他のどんな論文に引用されているかも,Google Scholarなどを使えば調べられます。しかし,これらを一つ一つ目で見て辿っていくのは骨の折れる作業です。

「Connected Papers」はそんな論文の引用関係を含む類似度をグラフで表すことで,論文間の関係を直感的に理解することができます。

以下の図はConnected Papersを使って,ファイナンスで最も有名な論文”The Pricing of Options and Corporate Liabilities”(Black and Scholes 1973)をサーチしてみた結果です。

Connected Papers

 

真ん中にある論文Black and Scholes(1973)と関係のある論文たちが,ネットワークで表されています。丸が論文,それらをつなぐ線が引用関係です。丸の大きさは引用数,丸の濃さは年代,線の濃さは論文の類似度を表しています(グラフ左下の[?]マークより)。

検索にはdoi(デジタルオブジェクト識別子,論文の電子版に割り当てられた識別コード),arXivのURL,論文タイトルなどを入力します。

Connected Papersを先行研究の調査に役立てる

先行研究を調べるにあたっては,そのテーマの中心となる論文を見つけることが重要です。上の図においては,Black and Scholes(1973)と関係のあるMerton(1974)のあたりに、まとまりがあります。このMerton(1974)という論文は大きな丸なので,このテーマの中心的文献であることが伺えます。こうした研究のまとまりや重要性を知るのに,ネットワーク図はとても役に立ちます。

興味がある論文が昔のものだった場合,それが最近のどんな研究に引用されているかを知るのも重要です。Connected Papersのグラフにおける丸の濃さは年代を表しているので,最近のものを優先的にピックアップできます。

サーチした論文に関連するもののうち,それよりも古い先駆的な研究(Prior works)と,より若い派生的な研究(Derivative works)を調べることもできます。グラフ画面の左上に,それぞれのリストを表示するボタンがあります。

まとめ

論文の引用関係をグラフィカルに表してくれるサービス,Connected Papersの紹介でした。

このサービスを教えてくださったKiichiさん( @Ki_chi ),どうもありがとうございました。

参考文献

先行研究の調査を効果的にすすめる手法として,『独学大全』の「文献たぐりよせ」というテクニックが役に立ちます。文献たぐりよせは,引用関係と著者に着目して,ある分野の中心となる文献を探す手法です。先行研究の効率が悪くて悩んでいる人は,是非読んでみてください。Connected Papersと合わせて行えば,先行研究のストレスが緩和されますよ。

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