『独学大全』第10章「集めた資料を整理する」で紹介されている要素マトリクスは,集めた文献を同じ視点で読み,整理するためのテクニックです。
文献の「要素」もしくは「視点」を予め定めておき,その情報を拾うように文献を読むことによって,たくさんの論文を同じ視点・同じクオリティーで読むことが可能になります。
書籍の中で挙げられている必須のトピックは,次の3つです:
- 著者や題名,掲載誌などの書誌情報
- 発行年(年代順にソートするため)
- 研究目的(仮説やリサーチクエスチョンを含む)
あまりたくさんの要素を挙げると機動力が落ちるので,自分が文献を読む目的に沿って,本当に知りたい情報のみを拾うのがいいのかもしれません。
『独学大全』その他のトピックとして10以上の視点を挙げています。私がこれから研究したいと考えている「複式簿記の数学的研究」について要素マトリクスを作るなら,次のようなトピックを挙げます:
- 分析の手法と前提,用いる数学概念
- 研究の著者によって書かれた意義,長所・短所
- その研究の価値・貢献・新規性は何か
- 残された課題・限界は何か
- 論文に示された方法の中で厳し過ぎる条件はないか
- 応用上の困難になりうる可能性はないか
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