需要と供給から考える監査報酬

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こんにちは、毛糸です。

日本は欧米と比べ、監査報酬が低いと言われています。

特に業界では最近、監査報酬をいかに上げるかという話がよく取り上げられます。

監査報酬というのは、監査というサービスに対して支払う価格のことですから、そのサービスの需要と供給で決まります。

もしたくさん報酬を払わなければ監査受けられないということになれば、嫌でも監査報酬は上がるでしょう。

最近は大手監査法人を中心に、ハイリスクな新興企業を安価で受けるようなことをしなくなってきています。

一昔前は、後の大規模クライアントを期待してか、ベンチャーを破格の監査報酬で獲得しては、現場を疲弊させてきました。

しかし、昨今の働き方改革により、そういった案件に資源を咲くのが難しくなりつつあるようです。

個人的には、それはいい傾向だと思います。

監査サービスの需要と供給

会計不正が市場を賑わせる昨今、多少高くても高品質な監査法人を使いたいというステークホルダーの希望はあるでしょうし、

一方の監査法人も無尽蔵にリソースがあるわけではないことをよく思い知ったでしょううから、

監査報酬アップの土壌は整いつつあるのではないかと思います。

監査サービスの供給側から見ると、働き方改革で従来のジュニアの残業頼りのやり方は通用しなくなり、そのしわ寄せがシニア層へ来ているようですが、ここに十分な手当てがされないと、いよいよ監査法人の運営が危うくなります。

そうなれば、報酬効率の良いクライアントしか残せなくなり、供給はタイトになってくるはずです。

もちろん大手監査法人以下、中堅以下が受け皿になって監査サービスの供給を下支えすることは考えられますが、過度に低廉の報酬は維持できないでしょう。

監査の需要側から見ると、監査なしには資本市場への参加が難しいこともあり、必要コストとして監査の需要は底堅いように思います。

ただ、一方で、監査が必要な会社でいることのメリットは徐々に小さくなっているような気がしています。

監査(を要する会社であること)のコストが大きければ、じゃあ上場辞めようかとか、合同会社でいいかとか、そういう話になるので、監査報酬上げるなら監査報酬に見合う経済的メリットがあることを強調しないといけません。

いずれにせよ、監査法人側もクライアントに対する価値というものに向き合わねば、納得感ある監査報酬アップはできないでしょう。

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