会計と簿記の公理化。その大いなる挑戦の旗手となった二人の天才を紹介します。
また、2020年にオランダの会計学者が新たに公理を提示した論文も紹介します。
リチャード・マテシッチ
マテシッチは行列簿記の研究でも知られています。簿記と会計の本質を探求し続けた、会計学界の巨人です。
1964年の書籍で、会計の公理を提示しました。
Accounting and analytical methods: measurement and projection of income and wealth in the micro-and macro-economy
井尻雄二
井尻先生は我が国が生んだ会計界のレジェンドです。彼は1975年の書籍”Theory of accounting measurement”の中で、会計の公理を提示しています。
この書籍は日本語版も出版されました(絶版です)。
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井尻は複式簿記の拡張という問題に取り組み、あの三式簿記を生み出しました。
井尻の三式簿記(時制的、微分的三式簿記)については、以下の記事もご覧ください。
最近の研究
オランダのエラスムス・ロッテルダム大学のルネ・サンダー准教授は2020年の論文で、複式簿記会計の公理を提示しています。
Renes, Sander. “When Debit= Credit, The balance constraint in bookkeeping, its causes and consequences for accounting.” (2020).(LINK)
6つの公理を示しており、そのうちの4つは前述のマテシッチと井尻の論文と同一です。
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