接続行列も隣接行列も,ともにグラフを行列で表現したものです。
本記事ではそれらの定義と,複式簿記との関係を簡単にまとめます。
頂点集合の要素数は\( n\)とし,そのインデックスを\( i=1,2,\cdots,n\)とします。辺集合の要素数は\( m\)とし,そのインデックスを\( j=1,2,\cdots,m\)とします。
接続行列
\( n\times m\)行列として定義されます。辺\( j\)が頂点\(i_1 \)から頂点\( i_2\)に向かっているとき,接続行列\( M\)の第\( j\)列について,第\( i_1\)行目に\( -1\)が,第\( i_2\)行目に\( 1\)が入力されます。
複式簿記との関係
グラフが複式簿記の有向グラフを表しているとき,接続行列における各列はバランスベクトルになります。
隣接行列
\( n\times n\)行列として定義されます。頂点\(i_1 \)と頂点\( i_2\)の間に辺が存在するとき,隣接行列\( A\)の\((i_1,i_2)\)成分と\((i_2,i_1)\)成分に\( 1\)が入力されます。この定義から,隣接行列は対称行列です。
複式簿記との関係
行列簿記は隣接行列です。
ラプラシアン行列
隣接行列を\(A \),その次数行列を\( D\)とします。次数行列とは\( n\times n\)対角行列であって,対角成分には各頂点から伸びる辺の数を入力したものです。
このとき,\( L=D-A\)で定義される行列を,ラプラシアン行列といいます。
接続行列\( M\)をとると,ラプラシアン行列を\( L=M^{\textsf{T}}M\)と表せます。
参考文献
リンク