「会計上の取引ではない」を数学的に定義する

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企業におけるあらゆる状態変化が会計情報に反映されるわけではありません。

たとえば、企業の役員の交代は、企業の状態を変化させる重要な理由と考えられますが、役員の交代に関する会計処理はありません。

このような「会計上の取引ではない」状態変化は、数学的にどのように表したらよいのでしょうか。

ひとつの考え方は、ある状態遷移\( f\)に関して、その会計的な表現\(\boldsymbol{v }=C_A(f)\)が恒等写像になるとき、\( f\)を「会計上の取引ではない」と定義するというものです。

【参考記事】【君の知らない複式簿記8】会計は写像であり、関手である。

\(\boldsymbol{v }=C_A(f)\)が恒等写像になるということは、\( f\)という状態遷移がおきても、会計状態には変化がない(つまり仕訳を行わない)ということです。

このような\( f\)は、少なくとも\( C_A\)という会計規則に基づく限りにおいては、会計情報にはなんら影響を及ぼさないという意味で「会計上の取引ではない」と考えられます。

このような考え方は、以下のテキスト第6章において、会計システムをオートマトンとして描く際に述べられています。

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