企業活動の「地図」としての会計

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「会計の本質は地図作成の本質と同じである」

会計学者デービッド・ソロモンズはそのような言葉を残したと『新・現代会計入門』に書いてあります。

地図の善し悪しは、それがどれだけ正確に事実を描写しているかによって評価されます。地図が正確に描かれていてはじめて、私たちはその地図を使って行動することができます。

会計の本質もこれと同じです。

会計に求められるのはビジネスの実態を忠実に描写していることであり、忠実に描写してはじめて、私たちは会計情報を役立てることができます。

【参考記事】会計と圏論における「忠実」:概念フレームワークと関手の定義に触れながら

地図の作成と同じく、会計基準の作成においても正確性を追求すべきという考え方の背景には、会計基準の中立性という考え方があります。

会計基準の中立性とは、会計基準の存在によって特定の行動や結果を生じさせるようなバイアスが存在しないことをいいます。

偏ったり歪んだ地図は使いづらいものです。なるべく正確に(バイアスなく)地図が作成されていることが望ましいのと同様に、会計にも偏りがないルールが求められます。

中立的に作られた会計ルールがあってはじめて、私たちは会計という地図を頼りに、企業活動の実体を正確に理解することができるのです。

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