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金融


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投資初心者に個人向け国債を勧める4つの理由

こんにちは、毛糸です。

本記事では、将来が不安なので資産運用に興味がある、という人に向けて、個人向け国債をおすすめする理由について述べます。

いまは銀行に預けていても、ほんの少しの利息しかもらえませんから、少しでも増える方法を知りたい、という人はたくさんいます。

資産運用に興味を持っていて、これから勉強を始めてみたい人には、この本を是非読んでみてください。本記事はこちらの内容を参考にしています。

この本の中で、頑張って稼いだお金を絶対に失いたくないという初心者に、投資のプロ、山崎元氏があっさりとこう言います。

『個人向け国債』ってやつを買うといい

この記事では、資産運用初心者に国債をおすすめする4つの理由についてお話します。

元本保証である

お金の増やし方を教えてください!』でおすすめされている個人向け国債とは日本政府が発行する債券(国債)のことです。

個人が日本政府にお金を貸し付け、「あなたからいくら借りました、利息をつけて返します」という証明書をもらいます。これが個人向け国債です。

国が返済を保証するため、投資額が減ってしまうことはありません。

日本政府が破綻するような極めて混沌とした状況が起こらない限り、必ず返ってくる元本保証の金融商品が個人向け国債なのです。

途中で売ってしまったりしてしまうと損が出ることもありますが、売却しない限り、元本が保証されます。

したがって、お金を絶対に減らしたくないという人には、個人向け国債はいい選択肢になります。

利率が高い

定期預金の利率は、メガバンクで0.01%ほどです。

しかし、個人向け国債の利率は最低でも0.05%が保証されています。

いまはマイナス金利の世の中なので、個人向け国債の利率もさほど高くありませんが、銀行に預けているよりも高い利回りが得られます。

変動金利型というタイプの個人向け国債だと、将来金利が上昇したときに、国債の金利も上がるようになっているので、銀行預金より利息が低いということにもなりにくいです。

国が財政破綻したり、戦争に負けたり、革命が起きたり、そういう超レアなケースのリスクを負う代わりに、幾らかの利息をあげる、という設計だということです。

いつでも換金できる

個人向け国債は1年間保有すれば、一部の利息を諦めるだけで自由に換金することができます。

過去2回分(1年分)の利息を返すだけなので、実質的に元本割れすることはありません

個人向け国債を、1年ものの定期預金で、利息が銀行より高い、と考えても差し支えないでしょう。

 

手数料がかからない

個人向け国債の購入にかかる手数料は、原則としてかかりません

お金の増やし方を教えてください!』ではネット証券の利用をおすすめしていますが、ネット証券で購入すれば、個人向け国債の購入手数料はゼロです。

ネット証券に口座を開設するのは無料で、維持費用もかかりませんし、銀行のような煩わしい営業トークを聞く必要もありません。

ネット証券の最大手はSBI証券です。

▼SBI証券の口座開設はこちらから、無料です。



投資初心者が買うべきおすすめの個人向け国債は変動10年

個人向け国債には3種類あります。

  • 固定金利型3年満期
  • 固定金利型5年満期
  • 変動金利型10年満期

の3つです。

固定型は金利が変わらないタイプで、将来、世の中の金利が上がっても、購入時の金利で利率が固定されます。

もう一つの変動型は、世の中の金利の変動に連動して、利率が変わるタイプです。

おすすめなのは変動10年です。

変動型であれば、将来金利が上がったときも、銀行に預けるのと比べてものすごく損をすることはありません。

金利が高くなったときは、それに連動して利率が上がるので、これからの上昇余地があるといえます。

 

まとめ

投資初心者に個人向け国債をおすすめする4つの理由について説明しました。

もしかしたら、なぜこんなお得な商品をみんなやらないのか?と疑問に思われる方もいるかもしれません。

お金の増やし方を教えてください!』では、山崎氏がこう述べています。

それは、知らないから。

世の中には知っているだけで得することってたくさんあるの。だから金融の正しい知識をつけることは大切なことなの

お金のことはきちんと勉強して、資産形成に役立てたいですね。

お金の増やし方を教えてください!』は初心者にわかりやすく投資について説明している良書なので、これから勉強する人はまずこの本を手に取るのをおすすめします。

『外資系金融のExcel作成術』誤植?数字が合わない理由と解決策

こんにちは、毛糸です。

本記事では『外資系金融のExcel作成術』に含まれるつまづきポイントについて解説します。

この本には誤植(とは言えないけれど、初心者はかなりつまずきやすいポイント)があり、本に書いてある通りに財務モデルを組んでも、本に書いてある数字と一致しません。

今回は、この解決方法について説明します。

誤植?数字が合わない理由と解決策

本書の後半、財務モデルのパートには、本の通りに入力しても、本の結果と一致しない箇所があります。

具体的には、p132の前提条件を以下の通り入力したあとに、p135の予測財務数値の設備投資以下の金額が、本と一致しなくなります。

この前提条件のもとでは以下のように、1年目以降の数値が、テキストの内容と一致しません

誤植かとも思いましたが、外資系金融でエクセルニンジャと呼ばれた著者が凡ミスをするはずありません。

実は、この不一致は、本書をよく読むことで解決できます。

p133に、前提条件についてこのように書いてあります。

それぞれの値は、過去実績や事業計画を基に決めます。今回は、過去5年の平均や直近の数値を参考にして決定しました。

この文章が極めて重要なポイントです。

普通に読んでいくと、p132の前提条件は青文字になっていますから、本書p106のルールに従うと、これはインプットとしてセルに直接入力された(ベタ打ちされた)ものと考えてしまいます。

これがつまずきポイントです。

実は、p132の前提条件は、過去5年の平均や直近の数値を関数を用いて計算された数値を入力する必要があるのです。

また、表示されていませんが小数点以下に数字が隠れています。

したがって、テキストに示されている数値をベタ打ちするのではなく、過去の財務数値から関数を用いて「計算」する必要があります。

実際に、以下のように前提条件を「計算」すると、以下のような前提条件になります。小数点以下に数字が隠れていることがわかるでしょう。

このような前提条件にすると、財務モデルの数値は、テキストの金額とぴったり一致します。

本書の「青文字はベタ打ち」というルールに忠実に従い、テキストに書いてあるとおりに数字を入力した人はほぼ100%、初見でこの問題に出くわすでしょう。

ネット検索では「誤植である」「修正を期待」というレビューが散見されますが、テキストの表示がややミスリーディングなだけで、誤植とは言えません。

テキストをよく読み、懐疑心を持って考えてみると、発見できる内容であったと思います。

まとめ

本記事では『外資系金融のExcel作成術』の誤植と思われる箇所について、その理由と解決策を説明しました。

文章をよく読み、批判的にテキストを読むことが試される内容だったと言えるでしょう。

もしこの記事がお役に立てたなら、SNSで発信していただけると、とても嬉しいです。

「リスクをとる」とは何か?よくある誤解と本当の意味。

こんにちは、毛糸です。

資産運用や、何かに挑戦するときに

リスクをとる

という言葉を使いますね。

仮想通貨バブルの最中には盛んに「リスクをとれ!」と叫ばれていましたし、今も起業や副業の文脈で「リスクを取ろう!」と声を大きくしているインフルエンサーがたくさんいます。

しかし、「リスクをとる」ということがどういうことか、十分に理解している人は多くないようです。

「リスクをとればリターンが得られるんでしょう?」という考えでは、きっと後悔するでしょう。

今回はこの「リスクをとる」ということの本当の意味について考えていこうと思います。

「リスク」の意味

リスク、という言葉を日本語訳するとき、多くの人は「危険」という言葉を充てるでしょう。

Wikipediaの「リスク」のページにも、

OXFORD現代英英辞典によると、”the probability of something bad happening at some time in the future(将来のいずれかの時において何か悪い事象が起こる可能性)” とされている。

という記載があります。

つまり、リスクとは悪いことが起こる可能性、というのが一般的な意味です。

一方、「リスクをとる」という言葉を使うときには、やや意味が異なります。

「リスクをとる」と言ったときの「リスク」とは、経済学上のリスクを指します。

経済学(特に金融経済学)においてリスクとは、ある事象の不確実性を意味し、良いことも悪いことも含めて、将来の結果が予期できないことを意味します。

「リスクとは分散や標準偏差のことだ!」という専門的な主張も、不確実性の度合いが、分散や標準偏差で測られることを意味しています。

この定義に当てはめると、「リスクをとる」とは、結果が不確実な試みに参加する、という意味になります。

将来の収益が予測できない株式投資や、上手くいくかわからない起業などは、まさしくこの意味で「リスクをとる」ことなのです。

「リスクをとる」の本当の意味は、上手くいかない未来を覚悟するということ

老後の貯えを充実させるため、若い時からリスクをとって資産運用をしましょう、と金融機関からの勧められることがあります。

こちらの記事でも、老後を安定して生活するためには、1億円の財産が必要であると金融機関に教えられたという話が載っています。
参考記事:「老後に1億」まじめな人ほど要注意!思い込みが家計を脅かす

この記事を見る限り、高い利回りの商品を積み立て購入すれば(リスクをとれば)将来に1億円の財産を築ける、といった説明がされているようです。

しかし、この説明は「リスクをとる」ということを十分に説明しているとは言えません。

すでに述べた通り、「リスクをとる」とは、、結果が不確実な試みに参加する、という意味です。

ここで大事なのは、将来利益になるか損失になるかはわからない、ということです。

参考記事ではさも「リスクをとれば安定した老後が迎えられますよ」と言わんばかりですが、これは誤りです。

リスクをとるというのは、目標期限までの不確実な値動きを我慢すれば、目標期限には高い実現収益が得られる、という意味ではないのです。

つたない絵ですが、図示するとこういうことです。

リスクをとるということは、将来損失が生じることを覚悟する、ということでもあります。
参考記事の例でいえば、高利回りな投資商品を購入することで、「期待値の上では」利益が得られるでしょう。
しかし、実際の運用成否は現時点ではわからず、元本を棄損してしまう可能性もある、ということです。
運用結果が好ましくない状況となる可能性もあるということは、老後に1億円の財産を築くどころか、資産が目減りしてしまう可能性もある、ということです。
このリスクの「ダウンサイド」に関する理解は、一般に十分理解されているとは言えません。
金融機関などでは、将来必要な資金を確保するためこれくらいの利回りが必要だからこのくらいのリスクをとる、というリターンベースの投資計画を提案されることもあります。
しかし、リスクをとる、ということは、好ましくない結果になることを覚悟する、ということですから、望む未来が手に入らなくなる未来も、当然あるわけです。
初心者がまず手に取るべき投資の入門書として推薦する『お金は寝かせて増やしなさい』にも、リスクに対する理解の甘さに警鐘を鳴らしています。

まとめ

リスクとは、不確実性であるということ、そして「リスクをとる」とは、上手くいかない未来を覚悟することであるということをお話ししました。

もちろん「リスクをとる」ことにより、高い収益を得る未来も、当然待ち構えています。

リスクが損失として顕在化することを恐れるあまり、チャレンジすべき機会を逃してしまうのも考え物です。

「リスクをとる」ということを安易に捉えず、自分が許容できる範囲内で挑戦していくことが大切です。

投資信託はインデックスか、アクティブか。日経ヴェリタスの記事を読み解く

こんにちは、毛糸です。

投資信託の愛好家には、

アクティブ型投資信託の多くはインデックスに勝てない

という主張をする方が多くいます。
ファンドマネジャーが銘柄を選定し、売買のタイミングを図るアクティブ運用は、平均的にはインデックスを上回る成果は上げられない、という主張です。
この主張に関して、日経ヴェリタス 2019年3月31日号に興味深い記事が載っていたので、紹介します。

アクティブはインデックスに勝てないのか?

投資の分散効果や手間の最小化の観点から投資信託を選択する人達の間で、次のような主張をよく目にします。

アクティブ型投資信託の多くはインデックスに勝てない

例えば、インデックス投資の入門書であり、優れた解説書である『お金は寝かせて増やしなさい』には、

大半の投資信託が市場平均のインデックスに負けてしまうという結果が、古今東西明らかになっています。

と書かれています。

大手投信評価会社モーニングスターの2016年の分析でも、

2014年、2015年と2年連続で40%を下回り、2016年も9月末までの年初来で39%と低迷している。

という結果が出ています。

このように、アクティブ型投資信託は、少なくともインデックスに「常勝」する存在ではないことが、データから明らかになっています。

では、直近のデータまで含めた成績はどうなっているのでしょうか。

インデックス優位の常識を疑う

日経ヴェリタス 2019年3月31日号は「インデックス優位」という主張に対し「二元論で投信を評価するのは少々乱暴」と述べています。

記事では運用期間5年以上の追加型株式投信について運用成果をまとめており、その結果、5年、10年のリターンはアクティブ型がインデックス型を上回っていることが明らかになっています。

(出典:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO42785400S9A320C1000000/)

特に中小型株投信のリターンが大きく、記事ではインデックスの3倍近い信託報酬を控除してもなお収益を稼いでいることを強調しています。

また、日本株式以外の資産クラスについても、例えば新興国債券については、アクティブ型がインデックス型の成績を上回っていることが明らかになっています。

記事では、インデックスかアクティブかの二元論ではなく、どんな分析・情報が投資家にとって有用なのか議論をすべきと締めくくっており、インデックス優位という「常識」に疑問を投げかけています。

結局、インデックスか、アクティブか

金融工学・ファイナンスの標準的な枠組みにおいて、「最適」なポートフォリオは広く分散されたものであるべき、という結論が出ています

CAPM(資本資産評価モデル)やその派生形・拡張系の多くは、市場ポートフォリオと呼ばれる極めて広範な分散ポートフォリオに投資することが、投資家の効用を最大化させることを証明しています。

したがって、金融工学が依拠する前提に立てば、広く分散されたポートフォリオとしてインデックスを保有することは一定の合理性があります。

ただし、金融工学が依拠する前提が現実に成り立っていないことも十分にありえるため、現実的にはインデックスが唯一絶対の投資手法であるとは言えません

また、インデックスかアクティブを過去データから分析する際も、過去の実績がそのまま将来にも当てはまるとは限らないため、過去データによる結論を一般論として解釈するのも危険です。

将来の予測ができず、投資の成果も確率的に決まる以上、ある一期間のデータを取り上げて、勝った負けたというのはナンセンスです。

より科学的に、統計的に立証されたアプローチにのっとった分析を行うことが重要です。

まとめ

アクティブはインデックスに勝るか。

その問いかけに対する答えは、過去の特定の期間データを分析するだけでは、結論づけることはできません。

統計的科学的に、一歩進んだ分析が必要です。

少なくとも「インデックス優位」という「常識」を疑うことを気づかせてくれた日経ヴェリタス 2019年3月31日号の記事は、一読に値するものでしょう。

なお、インデックス投資に関する基本的な事項を学ぶための教科書としては、下記の本をおすすめしておきます。

レバレッジETFのブルベアショートが必ずしも儲からない理由を数式で示す

こんにちは、毛糸です。

先日こんなつぶやきを見つけました。

この戦略が「けっこうな利回りになる」のは、偶然なのか、それとも市場原理に基づく収益機会なのか、

金融工学で大学院まで出てる毛糸は大変気になりましたので、少し掘り下げて考えてみます。

結論から言うと、レバETFのブルベアショートは必ず儲かる戦略ではありません

この理由を、今回は数式で示します

レバレッジETFとはなにか?(レバレッジとインバース、ブルとベア)

そもそもレバレッジETF(レバETF)とはなんでしょうか?

レバレッジETFとは、ある指数(TOPIXやS&Pなど)の日次騰落率の2倍の騰落率となるよう設計されたETFのことです。

日経225が今日2%上昇したとき、日経レバレッジETFは4%上昇する、というイメージです。

レバレッジETFの逆パターンもあります。

ある指数(TOPIXやS&Pなど)の日次騰落率の-2倍の騰落率となるよう設計されたETFがあり、これを(ダブル)インバースETFといいます。

日経225が今日2%上昇したとき、日経ダブルインバースETFは4%下落する(−4%上昇する)、というイメージです。

レバレッジETFをブル、インバースETFをベア、と呼ぶこともあります。

ブル(雄牛)は角を上へ突き上げるイメージから上昇を、ベア(熊)は爪を下へひっかくイメージから下落を象徴しています。

まとめです。

  • レバレッジETFは、指数の日次変動の2倍の動きをする
  • レバETFをブルとも言う
  • インバースETFは、指数の日次変動の−2倍の値動きをする
  • インバETFをベアとも言う
このレバ・インバETFには、日々の値動きが指数の3倍になるような商品も設計されています。

レバレッジETFのブルベアショート戦略とはなにか

では、最初に取り上げたツイートにもあった「レバETFのブルベアショート」とはどんな戦略なのでしょうか?

まず前提となるのが、「レバETFは減価する」という主張です。

レバレッジETFは長期で保有すると減価するため、長期投資に向かない、とされています。

こちらのサイトでも数値例を使って、長期投資に向かない理由を説明しています。

ここで、こんなことを思いつきます。

レバETF(ブル)とインバETF(ベア)を両方買うと、
日々の変動は完全に相殺される。
しかし、レバ・インバETFは減価するのだから、
このポートフォリオをショート(売建)することで、
リスクなしに収益が得られるのではないか?

こんな考えから生まれたのが「レバETFのブルベアショート」という戦略です。
本記事では、この戦略が「リスクなしに収益が得られる」ような取引ではないことを数式を使って説明します。

レバレッジETFはなぜ減価するのか

レバETFについて、

「日々の変動率の2倍動くのだから、長期で持っていても単純に指数の2倍になるだけでは?」

と思われる方もいるでしょう。

しかしこれは誤りです。

こちらのサイトでは「相加平均(算術平均)と相乗平均(幾何平均)」の考え方を使って、この考え方が誤りであることを説明しています。

本記事では「ETFの減価」とはどういうことか、より一般的に、数式で説明してみましょう。

レバETFが減価する(?)数学的理由

【0日目】
指数に1円を、2倍のレバETFにも同じく1円を投資することを考えます。

【1日目】
指数の変動率が\( r_1\)%だったとしましょう。

指数は変動し、\( 1+r_1\)円になります。

レバETFは変動率の2倍の値動きをするので、\( 1+2r_1\)円になります。

【2日目】
指数の変動率が\( r_2\)%だったとしましょう。

指数は変動し、\( (1+r_1)(1+r_2)=(1+r_1+r_2+r_1r_2)\)円になります。

\( 1+r_1+r_2\)円、ではありませんよ。

変動「率」は掛け算で増えていきます、複利効果というやつです。

\( r_1r_2\)の項が、複利効果を表しています。

レバETFは変動率の2倍の値動きをするので、\( (1+2r_1)(1+2r_2)=(1+2r_1+2r_2+4r_1r_2)\)円になります。

この式を少し変形して

\[ \begin{split}
1+2r_1+2r_2+4r_1r_2=1+2(r_1+r_2+r_1r_2)+2r_1r_2
\end{split} \]

と考えてみましょう。

\( (r_1+r_2+r_1r_2)\)は2日目までの指数の変動率ですから、

レバETFの変動率=\(1+2\)指数の変動率\(+2r_1r_2 \)

という関係にあります。

この式からわかることは、

2日間のレバETFの変動率は、2日間の指数の変動率と\( 2r_1r_2\)だけズレる

ということです。

さらに言えば、\( r_1\)と\( r_2\)の符号が逆の場合、\( 2r_1r_2\)の符号はマイナスになるので、

レバETFの変動率<\(1+2\)指数の変動率

となります。

\( r_1\)と\( r_2\)の符号が逆の場合、つまり上げと下げが交互に来た場合、レバETFの変動率は指数の変動率の2倍を下回ります

これが減価の正体です。

一方、\( r_1\)と\( r_2\)の符号が同じ場合、つまり上げ・下げが繰り返した場合、

レバETFの変動率>\(1+2\)指数の変動率

となり、レバETFの変動率は指数の変動率の2倍を上回ります

この数学的事実から言えるのは、

そもそもレバETFが減価していくというのは確定した話ではなく

変動の方向が同じような値動きをしたときは減価せず、


文字通り収益にレバレッジがかけられる。

ということです。

「レバETFは減価する」と書いてある記事をよく見てみてください、変動率がプラスとマイナスを行き来しているような設定になっているはずです。

以下の表にまとめました。

  • 2倍レバETFを複数日保有したときの累積収益率は、指数の累積収益率の2倍にはならない
  • 両者の差はレバETFが生む複利効果を意味する
  • 指数の上げと下げが交互に起こる場合、レバETFは減価する
  • 指数の上げと下げが継続して起こる場合、レバETFは指数の2倍以上の収益を生む

レバレッジETFのブルベアショートが必ずしも儲からない理由

レバETFは必ずしも減価しない、ということが数理的にわかりました。
したがって、レバETFの減価が戦略の前提になっていたレバETFのブルベアショートも、必ずしも収益を生まないのではないか、と考えられます。
次はレバETFのブルベアショートが必ずしも収益を産まない理由を数式と図で考えてみます。

レバETFのブルベアショートが儲かる(?)数学的理由

【0日目】
指数2円をロングし、2倍のレバETFに1円、-2倍のインバETFを1円、それぞれショートする戦略することを考えます。【1日目】
指数の変動率が\( r_1\)%だったとしましょう。

指数は変動し、\( 2\times(1+r_1)=2+2r_1\)円になります。

レバETFは変動率の2倍の値動きをするので、\( 1+2r_1\)円のショート・ポジションになります。

インバETFは変動率の-2倍の値動きをするので、\( 1-2r_1\)円のショート・ポジションになります。

レバETFとインバETFのポートフォリオ(以下、ブルベアといいます)の価値は、\( 1+2r_1+1-2r_1=2\)円(ショート)です。

すでに指数とブルベアの価格差が\( 2r_1\)円出てきていますね。

\( r_1\)がプラスかマイナスかで、この戦略は利益にも損失にもなります

【2日目】
指数の変動率が\( r_2\)%だったとしましょう。

指数は変動し、\( 2\times(1+r_1)(1+r_2)=2+2r_1+2r_2+2r_1r_2\)円になります。

レバETFは変動率の2倍の値動きをするので、\( (1+2r_1)(1+2r_2)=1+2r_1+2r_2+4r_1r_2\)円(ショート)になります。

インバETFは変動率の-2倍の値動きをするので、\( (1-2r_1)(1-2r_2)=1-2r_1-2r_2+4r_1r_2\)円(ショート)になります。

レバETFとインバETFのポートフォリオ(以下、ブルベアといいます)の価値は、\( 2+8r_1r_2\)円(ショート)です。

したがって、2日目における指数とブルベアの価格差は\( 2r_1+2r_2-6r_1r_2\)円となります。

この式からわかることは、

  • 2日間のブルベアの変動率は、2日間の指数の変動率とずれ、そのズレが損益となる
  • 損益の方向(利益か損失か)は\( r_1\)と\( r_2\)の符号、つまり日次の指数変動率の方向による

ということです。

たとえば1日目の変動が1%、2日目の変動が1%であった場合には、ブルベアショート戦略から利益が得られますが、

1日目の変動が-1%、2日目の変動が-1%であった場合には、ブルベアショート戦略からは損失が生じます。

具体的に\( r_1\)と\( r_2\)がどういうときに利益になり損失になるのか、というと、

  • \( r_1>0\)かつ\( r_2>0\)、つまり上昇が続けば利益
  • \( r_1<0\)かつ\( r_2<0\)、つまり下落が続けば損失
  • それ以外の場合、変動率の大小関係による

となります。

それを表しているのが以下の図です。

横軸が1日目の指数変動率\( r_1\)、横軸が2日目の指数変動率\( r_2\)で、グラフの上側がブルベアショートで利益を獲得できるゾーン、下側が損失ゾーンです。

以上のことから、レバETFのブルベアショートは、必ずしも収益を生む戦略ではなく、指数の変動の方向によっては損失を被る可能性もある、ということがわかります。

まとめ

本記事では、レバレッジETFが減価すると言われている理由を数式で明らかにし、「レバETFのブルベアショート」という戦略が必ずしも収益を生まないことを数式とグラフで示しました。

市場で広く知られている商品の組み合わせから、安定的な高収益を生み出すことは難しいものです。

うまい話のように思えたら、きちんと検証してみる姿勢が、投資においては重要だと考えます。

分析が得意な方の中には、過去のデータ(バックテスト)からこの戦略の有効性を実証している方もいるかも知れません。

いずれ、実際のデータやモンテカルロ・シミュレーションを用いて、レバETFのブルベアショート戦略の有効性を検証する機会を儲けようと思います。

参考文献

本記事を書くに当たり、以下の本が大変参考になりました。
神谷政敏『運もお金もない人のための資産の増やし方

数式を計算するに際しては、数式処理ソフトMaximaを利用しました。
複雑な数式の計算を自動でやってくれるので、大変便利なツールです。
梅野 善雄 『いつでも・どこでも・スマホで数学! Maxima on Android活用マニュアル

投資と投機の違いとは?目的・時間・リスクに注目!

こんばんは、毛糸です。

今回は「投資」と「投機」の違いについて考えていきます。

投資(Investment)は良いもの、投機(Speculation)は悪いもの。

そんな風に漠然と考えていませんか?

実はそれほど簡単な話ではないのです。


辞書的な意味は?

Weblio辞書によれば、投資と投機はそれぞれ以下のような意味です。

  • 投資:利益を得る目的で,資金を証券・事業などに投下すること。
  • 投機:偶然の利益をねらって行う行為。将来の価格変動を予想して、価格差から生じる利益を目的に行う売買取引。

この定義によると、「利益を得る目的」という点で両者は共通しています。

一方で、投機は偶然性や価格変動という意味合いを含んでいます。

しかしながら、投資であってもそのリターンは偶然に左右されますし、投資する以上は値上がりを期待するものでしょうから、投資にも価格差から生じる利益(キャピタルゲインといいます)を目的にしているという側面もあります。

辞書的な意味だけでは、投資と投機の明確な違いはわかりませんね。

Twitterでのご意見は?

この話題をTwitterで投げかけたところ、いくつかご意見を頂戴したので、紹介しましょう。

利益の発生形態と不確実性の多寡

利益が継続的で不確実性が小さいのが投資、利益が単発的で不確実性が高いのが投機、というご意見です。
うん、もっともらしいですね。
しかし、何を持って継続的・単発的と定義するのか、不確実性の高低はどこで線引されるのかなど、不明瞭な点が残ります。

資(モノ)にお金を投げ込むのが投資・機(トキ)にお金を投げ込むのが投機 

資(モノ)にお金を投げ込むのが投資、機(トキ)にお金を投げ込むのが投機、というご意見も、もっともらしいですね。
お米を蒔いて収穫するのが投資の典型、といったイメージでしょうか。
しかし、資産運用の第一歩であるところの定期預金はモノにお金を投じていませんが、これを投機とするのは不自然な気がしますね。

金融機関・専門書の意見は?

全国銀行協会の【90秒でわかる!】貯蓄と投資・投資と投機の違いには、投資と投機の違いが以下のように説明されています。
  • 投資:将来が有望な投資先に長期的に資金を投じること
  • 投機:相場の変動を利用して利益を得ようとする短期的な取引
東証マネ部の投機と投資の違いは? 長期投資に欠かせない運用コストを意識しようでは、投資と投機の性質の違いを以下のようにまとめています。

一般的には、ギャンブル的要素が強い・リスクが高い・保有期間が短いといったときには「投機」、手堅い・リスクが低い・中長期で運用といったときには「投資」という表現を使うことが多い

インデックス運用のバイブルと名高い『ウォール街のランダム・ウォーカー』にも、以下のような投資と投機の線引が述べられています。

投資と投機を区別する基準は、どのような期間で投資リターンを考えるかがはっきり意識されているかどうかと、リターンが合理的に予測できるかどうか、の二点にある。投機家は二、三日あるいは二、三週間の間に大儲けすることを狙って株式を取得する。これに対して、投資家は、何年、あるいは何十年先まで安定的に配当をもたらし、あるいは持続的な値上がりが期待できるような株式を保有する

いずれの定義においても、

  • 投資は長期目線で安定的なリターンの獲得を目指す
  • 投機は短期的な取引で大きなリターンを目指す
という点で共通していますね。

学術的な差異は?

ファイナンスや金融経済学の教科書的な立場からは、実は投資と投機を使い分けることは少ないです。

投資も、投機も、もっというとギャンブルであっても、ファイナンス・金融経済学という学問の立場からは、本質的な差異はありません。

金融経済学の立場からいうと、投資も投機もギャンブルも、

  • 実行する前に結果を予測することができず、かつ
  • 結果によってキャッシュフローが変わる

という意味で、同じものなのです。

結論:投資と投機の違いは目的・時間・リスクにあり!

以上のように、投資と投機は「どこからが投資、どこからが投機」という明確な線引はないものの、その目的・リターンを得るための時間・リスクの負い方に差があるということがわかりました。

これまでの内容をまとめると、次のようになります。

  • 投資:将来性を見込んで、長期目線で、安定的にリターンを追い求める
  • 投機:価格変動を目論んで、短期目線で、積極的にリスクを取り利益を追い求める
最近は「貯蓄から投資へ」の政府の号令のもと、NISAやiDeCoといった投資に関する優遇政策がいくつも打ち出されています。
そんな社会情勢の中で、投資と投機の違いを意識することで、みなさんの資産形成はより豊かなものに出来るのではないでしょうか。

参考文献

  1. ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質, 2009, ナシーム・ニコラス・タレブ, ダイヤモンド社
  2.  ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理, 2016, バートン・マルキール, 日本経済新聞出版社

ビットコインはバブルである

ビットコインが話題になっています

現在、1BTC(ビットコイン)の価格は156万円ほどです。私がビットコインに興味を持ち始めた2017年3月ころは1BTC13万円ほどでしたから、この9ヶ月で10倍以上になっています。
ビットコインを始めとする仮想通貨の価格は、何度か調整を経つつも、右肩上がりの急成長を見せています。

Twitterではビットコイン価格とチューリップ・バブルやITバブルを比較して見せるグラフが注目を集めました。

ビットコインは従来の金融資産とは違うのか

投機対象として熱狂の渦を巻き起こしているビットコインですが、その性質は株や債券といった金融資産とは、大きく性質を異にします。

そもそも「資産」という言葉には経済学的に明確な意味があります。それは、
現時点で契約を結び、将来時点で財を受け渡しする契約
です。
ここでいう財は、モノやサービスのほか、キャッシュ・フローも含むものと考えます。資産の価格は、この将来財やキャッシュ・フローを今の価値に換算したらいくらになるか、という観点で決まります。

ビットコインはバブルなのか

ビットコインの価値の源泉はキャッシュ・フローではなく、明日には今日より値上がりするだろうという「期待」であると考えることが出来ます。

この「期待」を価値の源泉とする資産は、標準的な経済学の枠組みの中で起こりうるバブルという意味で、合理的バブルと呼ばれます。

合理的バブルは欲しいと思うプレーヤーが多ければ、際限なく価格を上昇させます。

しかし、キャッシュ・フローの裏付けのない資産を(持っていても誰も保証してくれない資産を)大金をはたいて買うことに疑問を抱き始めると、バブルははじけます。いつそれが訪れるかはわかりません。しかし、いつか必ずはじけます。

まとめと経済学的補足

終わりに 

ビットコインを標準的な経済学のフレームワークで考えると、これはバブルであると考えられます

しかし、バブルがいつはじけるか、はじけた後いくらになるかは、誰にもわかりません。

ビットコインが革新的技術の産物であることは否定しようもありませんが、これを投機対象とするには、相応の覚悟が必要です。

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