2019年 4月 の投稿一覧

コミュニティ・マーケティングを成功させる3つの「ファースト」

こんにちは、毛糸です。

私は最近、定期的に勉強会を開いて、自分のインプットとアウトプットの機会を確保しています。
参考:会計士×テクノロジー勉強会PyCPA

最近では勉強会が「コミュニティ」化しており、比較的多くの方に参加していただけるようになりました。

コミュニティ運営を充実したものにするため、こんな本を読んでいます。

この本では、コミュニティをマーケティングに活かす方法について述べられています。

その中で、コミュニティ・マーケティングを成功させるためには3つの「ファースト」が大切になってくるということを学びました。

今回はそんなコミュニティ・マーケティングの3つの「ファースト」について考えてみたいと思います。

アウトプット・ファースト

コミュニティは、その規模を大きくしながら成長し、メンバーに価値を提供します。

そのためには、コミュニティが継続して外部から人を集める仕組みが必要であり、それを実現するのが、メンバーによる発信です。

コミュニティメンバーが外部の人に対して、我々の取り組みはこんなに素晴らしい、我々が好きなこのサービスはこんなにイケている、と発信することで、コミュニティは大きくなっていきます。

メンバーの熱量が、コミュニティの外に伝わり、コミュニティを拡大させるのです。

そのためには、コミュニティメンバーに「発信」してもらう重要性を認識して貰う必要があります。

SNSで「今回の勉強会は楽しかった!」とつぶやいてもらうだけでもいいでしょう。

コミュニティの集まりが楽しく、それで満足してくれる人は多いですが、それだけではコミュニティは成長しません。

コミュニティ活動を「消費」するだけでは、コミュニティの発展にはつながらないのです。

コミュニティを創造的な場にするためには、各メンバーに発信者になって貰う必要があります。

コミュニティのリーダーは、メンバーに対してアウトプットをお願いする義務があります。

「発信してください、発信してくれると、運営者もセミナーの登壇者もとてもよろこびます」

と正直に伝えるのがいいでしょう。

前回の勉強会に関する発信をみんなの前で見せて、こんなに嬉しい発信があった、と報告するのもいい方法です。

発信を歓迎し、メンバーの発信に対するハードルを下げることで、コミュニティの健全な発展に繋がります。

コンテキスト・ファースト

コンテキストとは、文脈や背景のことです。

コミュニティ・マーケティングにおけるコンテキストとは、そのコミュニティが何に興味を持つ集団なのか、なぜ集まっているのかということです。

本書では「関心軸」という言葉で表現されています。

コミュニティメンバーの興味や、目指す方向がバラバラだと、メンバーの足並みは揃わず、コミュニティの方向性が定まりません

人がたくさん集まってから、こうした方向性を修正するのは難しいので、コミュニティリーダーは当初から「こういう関心のある人のコミュニティです」とハッキリ伝えるのがいいでしょう。

私が運営している勉強会PyCPAは、探求の場であることをメンバーに伝えています。

勉強会の趣旨は最近共有するようにし始めたのですが、従来からメンバーが漠然と感じていた目的意識を吸い上げたものであったため、比較的受け入れられていると思います。

オフライン・ファースト

SNSが発達した現代において、オンラインのコミュニティ活動もかなりの発信力と熱量を持てるようになってきました。

しかし、コミュニティの方向を決め、コミュニティが走り出すための最初の熱量を与えるのは、オフラインの場が適していると本書では述べられています。

アウトプットファーストでも述べたような、メンバーへの発信の働きかけも、対面でこそより効果を発揮します。

SNS上でのお願いより、実際に会ってお願いするほうが、気持ちが伝わります

事実、私が運営する勉強会でも、先日のセミナーで発信をお願いしたところ、過去最高の盛り上がりを見せました。
参考資料:第9回PyCPA勉強会(togetter)

コミュニティ・マーケティングは、人が人を呼ぶ仕組みです。

コミュニティでの発信がコミュニティの価値を高める良いサイクルを作り出せれば、コミュニティはどんどん拡大していくといいます。

オフラインの場を上手く使って、コミュニティの熱量を高めたいですね。

まとめ

コミュニティ・マーケティングを成功させる3つの「ファースト」について述べました。

アウトプットでコミュニティの価値を高め、

コンテキストを共有し方向付けして、

オフラインで結びつきを強くする。

これからのマーケティング手法として、意識していきたいですね。

 

最近のエンジニア・バブルと、バブルの中でとるべきたった1つの行動

こんにちは、毛糸です。

先日、フリーランスのITエンジニアの月収が高騰しているというニュースを見ました。
参考記事:フリーITエンジニア、月収相場65万円 正社員より高額

この金額は、50代のサラリーマンの平均的な所得53万円(年645万円、doda調べ)よりもさらに高い水準です。

私はこの状況をバブルだと考えています。

今回は、バブルの定義と、バブルに気づくことの難しさ、そしてバブル期にすべきことについて述べたいと思います。

バブルとはなにか

バブルとは、本来の価値を超えて、実態以上の高い値がつけられる現象のことです。

1980年代の日本のバブルでは、土地が本来の価値を超えて高く評価されました。

2000年頃のITバブルも、収益力の乏しい企業が、ITビジネスを行っていると標榜するだけで多額の資金を調達し株価も上がる状況にありました。

2017年の仮想通貨バブルも記憶に新しいでしょう、時価総額は一時期の3分の1にまでなりました。

バブルとは、期待が期待を生み、実態以上の価値を見出される集団催眠状態のようなものです。

バブルに気づくことの難しさ

バブルは、バブルの中にいるときには、バブルであると気づけない人がほとんどです。

バブルの対象になっているものは、時代の寵愛を受けた輝かしい資産や技術なので、誰しもその繁栄がずっと続くと思いがちです。

連邦準備制度理事会 (FRB) 議長を務めた経済学者、ベン・バーナンキ氏も、

バブルとは、終わってみないとそれがバブルであったのか、それとも経済のファンダメンタルズを表したものであったのかは解らない

と述べており、バブルに気づくことの難しさを物語っています。

冒頭に述べたエンジニアの月収高騰も、IT人材の需要過多や、テック系企業の台頭によるものであり、需要に即した適正な水準だ、と言う人もいます。

確かに、グーグルやアマゾン、ソフトバンクなどの大手企業がITベンチャーに投資を続けていることを考慮すれば、今後もIT業界は伸び続け、エンジニアが「儲かる」職業であり続けるだろうとも考えられます。

しかし、冷静に経済のプレイヤーを分析すると、綻びが見つかります。

例えば、このエンジニアの例では、難関資格があるわけでもなく、参入障壁は比較的低いことがわかります。

エンジニアになるための学習教材も、本、動画、web講義、プログラミングスクールなど、どんどん増えてきています。

そもそも、エンジニアが日本人である必要もないため、海外に外注するケースも増えるでしょう。

エンジニアの給料が上がるということは、企業にとって見ればコストが増えるということですから、企業は代替策を講じるはずです。

企業という主体は合理的に行動するため、高コストな人材を無尽蔵に使うことはできません。

このことに気づくと、エンジニア界隈の活況も未来永劫続くものではなく、栄華もいつか衰えるということが想像できます。

過去においても、ビットコインがバブルであるということ、それがいつか弾けることはわかっていました。

私自身、ビットコインがバブルであることは、バブル崩壊直前の12月にブログで指摘しています。
参考記事:ビットコインはバブルである

また、会計士業界においても、昨年独立ブームが起こり、日当5万というのがかなり現実的な数字になっていましたが、これも私は早くからバブルであると指摘しています。

いま、監査法人はパートナーの首切りが噂されており、独立ブームも去ろうとしています。

バブルの中でも落ち着いて分析すれば、いつまでも熱狂は続かないと気づくでしょう

バブルの中でとるべきたった1つの行動

バブルは、それが弾けるまでは、高い収益をもたらします

バブルはババ抜きゲームにも例えられますが、冷静に市場を見極めることで、ある程度は利益に預かれます。

バブルが高い収益をもたらすことは、経済学や資産価格理論(asset pricing)のテキストにも書いてあることです。

バブルが最高潮に達したときに手を引くのは不可能なので、欲をかかずに波に乗るのが肝要です。

そしてそれより大切なこと、バブルの中でとるべきことは、バブルにおける良い条件を固定化することです。

バブルの最中はみんな好況が続くと考えているので、その高い報酬水準、価格水準で契約を固定化することは難しくありません。

好条件でキャッシュフローを固定化することで、リスクをなくすのです。

「条件を固定化」とはつまり、人材バブルでいえば、独立というリスクをとるのではなく、高い給料で転職するということです。

そうすることで、バブルが弾けたときにも高い収入を確保することができます。

バブルの波にのるのは簡単ではないので、欲をかかず、適当なタイミングで「手を打つ」ことが大切です。

まとめ

バブルとは、期待が期待を呼ぶことで生じる、実態と乖離した熱狂です。

バブルは、バブルの最中にはそれと気づくことは難しいです。

しかし絶対に気づけないわけではなく、そこかしこに綻びは見つかります。

バブルは上手く乗りこなせば大きな収穫を得られる機会ですので、上手く立ち回りたいですね。

探求には、心理的・時間的な余裕が必要、という話。

こんにちは、毛糸です。

先日こういった呟きをしました。

今回は、探求の必要条件としての余裕について考えてみたいと思います。

勉強のやる気はどうやったら湧いてくるのか

勉強することを苦痛に感じる人は少なくありません。

小中高校の勉強に嫌気が差した人はたくさんいるでしょうし、大学に入ってからも勉強せずに遊ぶ人はたくさんいます。

「若いときは遊べ」と忠告する社会人の多くも、根底には勉強が楽しくないものであるという考えがあるような気がします。

しかし、楽しくない勉強も、様々な理由でやらざるを得ない状況というのがあります。

テストがあるとか、資格を取らなければならないとかで、強制的にでも勉強しなければならない状況というのは、なかなか避けては通れません。

勉強のやる気を高める方法にはいろいろありますが、私が実践しているのは、

とりあえず手を付けてみることから始める

ということです。

人間の脳は刺激を受けて活性化するそうなので、勉強のやる気を出す最も良い方法は、勉強に向かう刺激を与えることです。

そのためにはまず、どんな些細なことでもいいので、勉強に手を付けると、勢いが付きます。

そもそも勉強は苦しいものなのか?

私は大学を出て、大学院に進学し、社会人になってからも勉強を続けています。

勉強というのは、数学の証明を追うことであったり、金融工学の成果をプログラミングするであったり、投資に役立つ情報を収集するであったりと、色々です。

先述の通り、世の中には勉強を強制される状況が多いとはいえ、私自身は勉強を誰かに強要されることなく、自発的に取り組んでいます。

私にとって勉強は、自分の興味を探求し、自身の知識の幅を広げる、とても創造的で楽しい行為です。

探求する意欲というのは、誰しもが持っていることです。

机に向かう「ベンキョウ」が、勉強のすべてではありません。

学び、探求することは、決して苦しいものではなく、自発的興味からくる創造的な営みです。

探求の必要条件としての余裕

自発的に興味を持ち探求する勉強は、誰しもが楽しめる可能性を持っています。

しかし、その探求としての勉強には、必要な条件があります。

それは心理的・時間的に余裕がある、ということです。

いくら興味関心を持っていたとしても、仕事で嫌なことがあったり、夜遅くまで残業してへとへとになったりしていれば、探求に没頭することはできないでしょう。

自分のスキルを伸ばすために資格を取ろうと思っても、仕事に忙殺されては十分な時間も取れません。

いくら勉強が楽しいものであっても、楽しむための心理的余裕や、勉強のために確保する時間的余裕がなければ、興味関心を深めることが出来ません。

これは個々人の性格の問題ではなく、人間の活動キャパシティの限界によるものです。

もし、勉強したいこと、取り組みたいことがあるのに、疲れていつもくたくただと言う人は、自分の今の時間の使い方を見直して見る必要があるかもしれません。

自分の心に芽生えた貴重な探究心を、キャパシティのせいで諦めるのはとてももったいないことのように思います。

学びたいという気持ちを行動に繋げられるように、日々の時間の使い方をデザインするといいでしょう。

強制的に勉強の習慣をつける、というのも一つの方法です。

私は友人と協力して、月に一度勉強会を開催しています。

自分と同じような志を持つ人と同じ時間を共有することで、心理的・時間的余裕を強制的に確保する試みです。

こうした機会を利用するのも、いい方法だと思います。

まとめ

勉強のやる気は、勉強することで沸き起こります。

そもそも勉強は苦しいものではなく、自発的に興味関心を深めたいという気持ちがある場合、勉強は大変有意義で楽しいものになります。

しかし、そういった探究心を行動に移すには、心理的・時間的余裕が必要です。

もし取り組みたいことがあるのに時間が確保できないなら、時間の使い方を反省してみるべきかもしれません。

【投信定点観測】2019年4月第1週|含み損完全解消!アクティブ投信の強さ

こんにちは、毛糸です。

【投信定点観測】2019年4月第1週(スタートから4週目)の損益の報告です。

今週末における投資総額は142万円、含み損益は+33,530円、損益率は2.36%(年率30.79%)です。

損益状況

商品ごとの時価は以下のようになりました。【投信定点観測】開始から4週間経過時の含み損益は+33,539円で、先週から24,428円のプラスです。

損益率に直すとこんな感じです。今週末の損益率は2.36%(年率換算で30.79%)です。

インデックス投資信託の振り返り:全銘柄含み益へ。

今週の株式市場は米中貿易交渉の合意が近いという見方を好感し、指数はすべてプラス圏で推移しています。

先週冴えない展開となった新興国株式についても回復し、時価は投資元本以上となっています。

世界的な金利低下から、REITは多大な恩恵を受けており、G-REITは3.8%という大きなリターンを生んでいます。

世界経済に対する前向きな見方が、資産市場の好況につながっています。

経済の成長を資産形成につなげるためには、自分のリスク許容度に応じて適切なリスクをとり投資を行うのが必須です。

少額からで良いので、投資を始め資産運用に挑戦してみることで、世界情勢にも詳しくなり、情報感度が上がり自己投資にもなります。

▼月々100円からのインデックス投信で、「怖くない」投資を始めましょう。




ロボアドバイザーの振り返り:WealthNavi(ウェルスナビ)躍進、THEOは安定

ロボアドバイザーはWealthNavi(ウェルスナビ)THEO(テオ)ともに含み益となっています。

WealthNavi(ウェルスナビ)では最大のリスク量で運用していることもあり、これまでの投資期間中は常にTHEOを上回る成果を上げています。

WealthNavi(ウェルスナビ)THEO(テオ)も、自分のリスク許容度に応じて最適なポートフォリオを提案し、それに応じて自動で投資を行ってくれます。

忙しい社会人が完全おまかせで投資をしたいと考えるなら、これらロボアドバイザーは良い選択肢かもしれません。

▼ロボアドバイザーTHEO(テオ)は200パターン以上の投資プランから最適なものを提案してくれます
THEO

▼ロボアドバイザーWealthNavi(ウェルスナビ)はリスク許容度に応じて投資プランを選べます
WEALTHNAVI(ウェルスナビ)

アクティブファンドの振り返り:インデックスを大きく上回る成果

アクィブファンドのひふみ投信(日本株式)、セゾン資産形成の達人(日本株式)、セゾングローバルバランス(外国株式)のいずれも、【投信定点観測】のポートフォリオ全体を超える収益率となっております。

特に、日本株式インデックスTOPIXの収益率が1.62%のところ、セゾン資産形成の達人は4.53%と倍以上のリターンを叩き出しており、アクティブ運用に希望を与える結果となっています。

インデックス運用の優位性は多くの研究者や投資家に指摘されていますが、これは統計的な性質であって、「アクティブは常にインデックスには勝てない」わけではありません。

アクティブファンドのなかには、インデックスを大きく上回る投資成果を上げるものもありますので、そういう商品に出会えたら儲けものです。
参考記事:投資信託はインデックスか、アクティブか。日経ヴェリタスの記事を読み解く

まとめ

【投信定点観測】を初めて4週間、資産市場全体が盛り上がりを見せています。

世界経済が上向いているときにその成果を享受するためには、まず自身の資産を投資のリスクに晒さなくてはいけません。

投資のリスクをどれほど受け入れられるかは人によりますが、まずは投資信託を少額購入してみてはいかがでしょう。

こちらの本には初心者向けの投資の初め方が詳しく載っているので、是非読んでみてください。

引き続き積立投資の状況をリポートして参りますので、もしよろしければSNSでのシェアよろしくお願い致します!

「リスクをとる」とは何か?よくある誤解と本当の意味。

こんにちは、毛糸です。

資産運用や、何かに挑戦するときに

リスクをとる

という言葉を使いますね。

仮想通貨バブルの最中には盛んに「リスクをとれ!」と叫ばれていましたし、今も起業や副業の文脈で「リスクを取ろう!」と声を大きくしているインフルエンサーがたくさんいます。

しかし、「リスクをとる」ということがどういうことか、十分に理解している人は多くないようです。

「リスクをとればリターンが得られるんでしょう?」という考えでは、きっと後悔するでしょう。

今回はこの「リスクをとる」ということの本当の意味について考えていこうと思います。

「リスク」の意味

リスク、という言葉を日本語訳するとき、多くの人は「危険」という言葉を充てるでしょう。

Wikipediaの「リスク」のページにも、

OXFORD現代英英辞典によると、”the probability of something bad happening at some time in the future(将来のいずれかの時において何か悪い事象が起こる可能性)” とされている。

という記載があります。

つまり、リスクとは悪いことが起こる可能性、というのが一般的な意味です。

一方、「リスクをとる」という言葉を使うときには、やや意味が異なります。

「リスクをとる」と言ったときの「リスク」とは、経済学上のリスクを指します。

経済学(特に金融経済学)においてリスクとは、ある事象の不確実性を意味し、良いことも悪いことも含めて、将来の結果が予期できないことを意味します。

「リスクとは分散や標準偏差のことだ!」という専門的な主張も、不確実性の度合いが、分散や標準偏差で測られることを意味しています。

この定義に当てはめると、「リスクをとる」とは、結果が不確実な試みに参加する、という意味になります。

将来の収益が予測できない株式投資や、上手くいくかわからない起業などは、まさしくこの意味で「リスクをとる」ことなのです。

「リスクをとる」の本当の意味は、上手くいかない未来を覚悟するということ

老後の貯えを充実させるため、若い時からリスクをとって資産運用をしましょう、と金融機関からの勧められることがあります。

こちらの記事でも、老後を安定して生活するためには、1億円の財産が必要であると金融機関に教えられたという話が載っています。
参考記事:「老後に1億」まじめな人ほど要注意!思い込みが家計を脅かす

この記事を見る限り、高い利回りの商品を積み立て購入すれば(リスクをとれば)将来に1億円の財産を築ける、といった説明がされているようです。

しかし、この説明は「リスクをとる」ということを十分に説明しているとは言えません。

すでに述べた通り、「リスクをとる」とは、、結果が不確実な試みに参加する、という意味です。

ここで大事なのは、将来利益になるか損失になるかはわからない、ということです。

参考記事ではさも「リスクをとれば安定した老後が迎えられますよ」と言わんばかりですが、これは誤りです。

リスクをとるというのは、目標期限までの不確実な値動きを我慢すれば、目標期限には高い実現収益が得られる、という意味ではないのです。

つたない絵ですが、図示するとこういうことです。

リスクをとるということは、将来損失が生じることを覚悟する、ということでもあります。
参考記事の例でいえば、高利回りな投資商品を購入することで、「期待値の上では」利益が得られるでしょう。
しかし、実際の運用成否は現時点ではわからず、元本を棄損してしまう可能性もある、ということです。
運用結果が好ましくない状況となる可能性もあるということは、老後に1億円の財産を築くどころか、資産が目減りしてしまう可能性もある、ということです。
このリスクの「ダウンサイド」に関する理解は、一般に十分理解されているとは言えません。
金融機関などでは、将来必要な資金を確保するためこれくらいの利回りが必要だからこのくらいのリスクをとる、というリターンベースの投資計画を提案されることもあります。
しかし、リスクをとる、ということは、好ましくない結果になることを覚悟する、ということですから、望む未来が手に入らなくなる未来も、当然あるわけです。
初心者がまず手に取るべき投資の入門書として推薦する『お金は寝かせて増やしなさい』にも、リスクに対する理解の甘さに警鐘を鳴らしています。

まとめ

リスクとは、不確実性であるということ、そして「リスクをとる」とは、上手くいかない未来を覚悟することであるということをお話ししました。

もちろん「リスクをとる」ことにより、高い収益を得る未来も、当然待ち構えています。

リスクが損失として顕在化することを恐れるあまり、チャレンジすべき機会を逃してしまうのも考え物です。

「リスクをとる」ということを安易に捉えず、自分が許容できる範囲内で挑戦していくことが大切です。

お金は純粋さを曇らすというお話。あるいは私がコミュニティ運営で気を付けていること

こんにちは、毛糸です。

私は定期的に勉強会を開催しているのですが、ときどき、

会費はとらないのですか?

と質問されることがあります。

今のところ、私が運営する勉強会で参加費を徴収することはありません(今後はわかりません)。

本記事ではその理由と「お金は純粋さを曇らす」という私自身の考えについてお話します。

アンダーマイニング効果

こんな寓話があります。

あるところに、塀に落書きをされて困っているおじいさんがいました。
おじいさんは、近所の子供らが落書きをしに来るたびに叱りつけますが、子供らは一向にやめようとしません。
ある日おじいさんは何を思ったか、落書きする子供たちにお小遣いをやり始めます。
おぉ、今日も落書きに来たのか、よしよし小遣いをやろう。
子供たちは疑問に思いながらも、自由に落書きをし小遣いまでもらえることを喜びました。

何日か後、おじいさんは子供たちに切り出します。
すまない子供たち、もうお金が無くなってしまって、落書きをしても小遣いをやれないんだ。
子供らはがっかりして、落書きするのをやめました。

この寓話は、行動経済学におけるアンダーマイニング効果を表した例として非常に有名です。

アンダーマイニング効果とは

内発的に動機づけられた行為に対して、報酬を与えるなどの外発的動機づけを行うことによって、モチベーション(やる気)が低減する現象

のことです(Wikipediaより)。

かみ砕いていうと、

好きでやっていたことに対して、

お小遣いをもらうなど外からの動機が与えられると、

それを失ったときに当初の熱意が冷めてしまう

ということです。

参考:『行動経済学まんが ヘンテコノミクス 

コンコルド効果(サンクコスト効果)

アンダーマイニング効果は人間の心理を説明したものですが、もう一つ、お金にまつわる重要な法則を紹介しましょう。

心理学におけるコンコルド効果(経済学ではサンクコスト効果ともいう)です。

コンコルド効果とは、

ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資がやめられない状態

を指します(Wikipediaより)。

コンコルド効果は、投資資金を少しでも回収しようと躍起になる心理状態とも解釈できます。
映画を見始めたはいいが、全然面白くない、けれどお金は払ったのですべて見ないともったいない。
そんな心理状態です。
合理的に考えるなら、映画を見始めた後でも、途中で退場してウィンドウショッピングでもしたほうが満足感が得られそうです。
しかし人間の心理的に、お金を払ってしまったら、それを回収しないと気が済まなくなるのです。

勉強会でお金をとらない理由

私は純粋な興味関心から、勉強に取り組んでいます。
つまり、内的動機づけから勉強を楽しんでいます
ですから、私が勉強することに対して金銭をもらったりすると(外的動機づけが加わると)アンダーマイニング効果によって勉強意欲が落ちる可能性があります。
これは私の個性を揺るがす問題であり、何としても防ぎたい状況です。
また、参加者から会費を徴収する場合にも、参加者はコンコルド効果により、会費を回収すべく勉強会コミュニティからの「リターン」を要求するようになります。
その結果、コミュニティ内でGiveする人よりTakeする人のほうが多くなって、破綻してしまします。
このように、純粋な学習意欲から生じた勉強会に、お金の仕組みを取り入れてしまうと、コミュニティの学習意欲が低下し、価値の需給バランスが崩れてしまう可能性があるのです。
ですから私は可能な限り、勉強会という「探求」の場に、金銭的利害を持ち込まないようにしています。
もちろん、勉強会の規模が大きくなってくれば、会場の確保やセミナー講師招聘などにお金がかかることもあるでしょう。
そういう場合は、会員のモチベーションを崩さない範囲で、上手にやりくりできればと思います。
しかし、基本的には「お金は純粋さを曇らす」と考えているため、お金に頼るのは最後の最後にしたいと思っています。

ご協力いただける方に感謝を

現在、私が運営事務をしている勉強会では、コミュニティの方針に賛同していただく企業様から無償で会場をお借りしています。
また、セミナー形式での勉強会をする際にも、登壇者はお願いベースで許可をいただき、完全なボランティアで講演をしていただいております。
コミュニティのために無償で資源を提供し知見を披露してくださる協力者の皆様には、心から感謝しております。
勉強会のために労を厭わず協力していただける方々の存在を、ただただ有難く思います。
この場で再度、感謝申し上げるとともに、今後のコミュニティの発展で報いると約束したいと思います。
「お金は純粋さを曇らす」と考えてはいても、それにより誰かが我慢や犠牲を払っていては意味がありません。
純粋な気持ちを尊重しつつ、より良い方法を探る姿勢を持ち続けたいと思います。

投資信託はインデックスか、アクティブか。日経ヴェリタスの記事を読み解く

こんにちは、毛糸です。

投資信託の愛好家には、

アクティブ型投資信託の多くはインデックスに勝てない

という主張をする方が多くいます。
ファンドマネジャーが銘柄を選定し、売買のタイミングを図るアクティブ運用は、平均的にはインデックスを上回る成果は上げられない、という主張です。
この主張に関して、日経ヴェリタス 2019年3月31日号に興味深い記事が載っていたので、紹介します。

アクティブはインデックスに勝てないのか?

投資の分散効果や手間の最小化の観点から投資信託を選択する人達の間で、次のような主張をよく目にします。

アクティブ型投資信託の多くはインデックスに勝てない

例えば、インデックス投資の入門書であり、優れた解説書である『お金は寝かせて増やしなさい』には、

大半の投資信託が市場平均のインデックスに負けてしまうという結果が、古今東西明らかになっています。

と書かれています。

大手投信評価会社モーニングスターの2016年の分析でも、

2014年、2015年と2年連続で40%を下回り、2016年も9月末までの年初来で39%と低迷している。

という結果が出ています。

このように、アクティブ型投資信託は、少なくともインデックスに「常勝」する存在ではないことが、データから明らかになっています。

では、直近のデータまで含めた成績はどうなっているのでしょうか。

インデックス優位の常識を疑う

日経ヴェリタス 2019年3月31日号は「インデックス優位」という主張に対し「二元論で投信を評価するのは少々乱暴」と述べています。

記事では運用期間5年以上の追加型株式投信について運用成果をまとめており、その結果、5年、10年のリターンはアクティブ型がインデックス型を上回っていることが明らかになっています。

(出典:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO42785400S9A320C1000000/)

特に中小型株投信のリターンが大きく、記事ではインデックスの3倍近い信託報酬を控除してもなお収益を稼いでいることを強調しています。

また、日本株式以外の資産クラスについても、例えば新興国債券については、アクティブ型がインデックス型の成績を上回っていることが明らかになっています。

記事では、インデックスかアクティブかの二元論ではなく、どんな分析・情報が投資家にとって有用なのか議論をすべきと締めくくっており、インデックス優位という「常識」に疑問を投げかけています。

結局、インデックスか、アクティブか

金融工学・ファイナンスの標準的な枠組みにおいて、「最適」なポートフォリオは広く分散されたものであるべき、という結論が出ています

CAPM(資本資産評価モデル)やその派生形・拡張系の多くは、市場ポートフォリオと呼ばれる極めて広範な分散ポートフォリオに投資することが、投資家の効用を最大化させることを証明しています。

したがって、金融工学が依拠する前提に立てば、広く分散されたポートフォリオとしてインデックスを保有することは一定の合理性があります。

ただし、金融工学が依拠する前提が現実に成り立っていないことも十分にありえるため、現実的にはインデックスが唯一絶対の投資手法であるとは言えません

また、インデックスかアクティブを過去データから分析する際も、過去の実績がそのまま将来にも当てはまるとは限らないため、過去データによる結論を一般論として解釈するのも危険です。

将来の予測ができず、投資の成果も確率的に決まる以上、ある一期間のデータを取り上げて、勝った負けたというのはナンセンスです。

より科学的に、統計的に立証されたアプローチにのっとった分析を行うことが重要です。

まとめ

アクティブはインデックスに勝るか。

その問いかけに対する答えは、過去の特定の期間データを分析するだけでは、結論づけることはできません。

統計的科学的に、一歩進んだ分析が必要です。

少なくとも「インデックス優位」という「常識」を疑うことを気づかせてくれた日経ヴェリタス 2019年3月31日号の記事は、一読に値するものでしょう。

なお、インデックス投資に関する基本的な事項を学ぶための教科書としては、下記の本をおすすめしておきます。

PyCPA第9回勉強会(第三回セミナー)の概要と参加者アンケート結果報告

こんにちは、毛糸です。

先日、会計×テクノロジーをテーマとした勉強会コミュニティPyCPAの第9回勉強会が開催されました

今回はセミナー形式での開催となり、40名近い参加者にお集まりいただきました。

本記事ではPyCPA第三回セミナーの振り返りをしてみたいと思います。

参加者には事前にアンケートにお答えいただいてますので、その結果もあわせて公開します。

PyCPAとは

PyCPAは、テクノロジーの進化を武器に次世代の担い手となる探求者たちのコミュニティです。

もともとは、プログラミング言語Pythonに関心のある公認会計士(CPA)の勉強会として発足しましたが、現在ではより広く、テクノロジー全般に興味を持ち、探求する意欲のある、会計士、経理財務人材、エンジニアなどがメンバーとなって活動しています。

PyCPAは毎月勉強会を開催しており、もくもく会やセミナー、参加型ワークショップを行っています。

現在のコミュニティメンバーはSlack登録者ベースで150名ほど、2019年3月現在の勉強会の累計参加者は200名を超えます

PyCPAコミュニティと勉強会への参加は無料となっており、運営事務、会場確保、講師の登壇等はすべて、コミュニティのビジョンに共感していただいている組織・個人のボランティアでなりたっています。

PyCPAにコミュニティメンバーとして参加したい方はPyCPAのSlackにご登録ください。

ツイッターでのPyCPAコミュニティメンバーのやり取りは、こちらからご覧いただけます。

第三回セミナーの概要

PyCPA第9回勉強会は、セミナー形式で行いました。セミナー形式はこれが三度目となります。

講演内容は以下のとおりです。

  • スタートアップにおけるプロダクト開発のリアル〜プロダクト開発における会計士の役割〜
  • 無人化工場とパワードスーツ〜二分化するRPAに未来はあるか?
  • キャッシュレス時代における部門経費処理のベストソリューション

スタートアップにおけるプロダクト開発のリアル

公認会計士でスタートアップの役員としても活躍するShimboさんの発表です。
課題解決型のプロダクト開発の重要性について、ご自身のスタートアップでの経験を踏まえた講演でした。
誰が、どれほどの痛みを感じているのか、という「課題」にフォーカスし、それを解決するために仮説検証を繰り返すというサイクルの重要性を説かれていました。
課題解決型のプロダクトこそスタートアップが開発すべきもの、という主張は、スタートアップに関するベストセラー『起業の科学』にも述べられており、プロダクト・マーケット・フィット(市場の課題とプロダクトの解決策とがマッチしている状態)こそスタートアップの目指すべき姿です。
また、スタートアップにおける役割として、公認会計士の基礎スキルが極めて高い利用価値を生むことも、講演の中で述べられていました。

二分化するRPAに未来はあるか?

公認会計士で大企業のRPA推進を担当するesteeさんの発表です。
RPAの意義と現状、市場分析と、今後RPAが向かっていくであろう2つの方向性についての講演でした。
発表者のRPA導入の経験を踏まえた広範かつ深い考察から、RPAは今後、

  • 「無人化工場型」=強固な内部統制を敷き大規模なシステム投資を伴うあり方
  • 「パワードスーツ型」=個人の業務支援を気とした小規模なEUCとして運用していくあり方
二分化するだろうという見解が述べられています。

発表者esteeさんのRPAに関する知見は一ユーザのレベルを超えており、公認会計士協会のIT委員会研究報告第52号「次世代の監査への展望と課題」の公開草案に対して、彼が述べた意見が報告書に盛り込まれたという影響力の持ち主です。

経費処理のベストソリューション

公認会計士で最新のテクノロジーについて広く深い知見を有するKBにゃすさんの発表です。
KBにゃすさんは若くして独立し会計事務所を営む中で、Tech系ベンチャー、スタートアップとの交流も深く、ご自身もエンジニアとしての開発活動に参加するなど、会計士×テクノロジーのコミュニティの中心人物です。
会社によって多様な運用がされている経費精算のプロセスに焦点を当て、主要なツールについてメリット・デメリットを整理したあと、会社の規模・ステージに応じて最適なソリューションは変わるということを指摘しています。
経費精算は「いにしえの管理手法」EXCELを利用したものから、クラウドソフトを利用するところまで様々な解決策がありますが、会社の規模に合わないツールの導入は控えるべきと警鐘を鳴らしています。
以上、PyCPA第三回の3名の講師の発表資料は、PyCPAのSlack「資料室」チャンネルで無料公開されています。

参加者アンケート結果報告

PyCPA第9回セミナー参加者には、事前に以下のアンケートにお答えいただいています。
  • 参加者の所属
  • 参加理由
  • 意見・感想・提案など
その回答状況を見ていきましょう。

参加者の所属

PyCPA第三回セミナーの参加者の4割が一般企業勤務でした。次いで監査法人職員独立会計士・税理士と続きます。
セミナー内容が、スタートアップ、RPA、経費精算であったため、一般事業会社の方により高い価値を感じていただけるものであったと感じています。
PyCPAがCPA(会計士)の勉強会から発足していながら、会計士でない多くの方が関心を寄せていることからも分かる通り、PyCPAのコミュニティはその裾野をどんどん広げていっています。

参加理由

PyCPAへの参加理由は、業界情報の収集が1位、僅差でIT技術力向上、最後にネットワーク構築となっています。

テクノロジーに関する探求者が集うコミュニティとして、PyCPAはIT技術と会計等専門領域の情報収集・意見交換に役立つ場となることが期待されています。

意見・感想・提案など

自由回答で寄せられた意見等についてまとめます。

ITの知識があまりありません、勉強します

自分にはハイレベルかなと思いましたが、良い刺激が得られればと思います

PyCPAは初心者がはじめの一歩を踏み出す場でありたいとも考えています。
PyCPAも最初は初心者の寄せ集めでした。第1回勉強会に来て始めてPythonをインストールしたという方も何人もいました。

ですが、回を重ねるごとに知識は蓄積され、初心者も自律的に学ぶ習慣を身に着けています。

はじめること、続けることのハードルを、PyCPAコミュニティメンバーと一緒に乗り越えていけたら嬉しいです。

経理財務職として視野を広げるべく学びたい

エンジニアをやっていると会計法律の分野がおろそかになるので勉強になります

会計×プログラミングに興味があります

自動化に興味があります

PyCPAは探求者のコミュニティです。探求者、と言っても決して堅苦しいものではなく、興味あることを深めたいという純粋な気持ちを持つ人、という意味です。
様々なバックグラウンドの方々が、好き勝手に学んでいます。それがPyCPAのいいところです。

ハンズオンセミナーをやってほしい

現役のITベンチャーの人を呼ぶ講演会があっても面白い

参加型セミナーや現役で活躍するIT人材による講演会は企画中です。もしPyCPAに呼びたい人がいたり、聞きたいトピックがあれば、こっそり教えてください

毎回ユニークなテーマで開催されていて感心します

RPAなどのホットトピックと、簿記数学などアカデミックな内容が共存できる場は貴重

キワモノ会計学が聞きたい

PyCPAではこれまでにも、経営管理、監査、仮想通貨、数学、海外テクノロジーなどのセミナーを開催してきました。

今後も一風変わったコンテンツを用意しておりますので、ご期待ください。

隔週希望

大阪や福岡などでも開催し、同時中継してほしい

開催頻度、動画配信や中継については、現在いい方法を探っています。こんなやりかたがあるよ、というアイデアがありましたら、是非教えてください

若い方にお会いできるのを楽しみにしています

PyCPAは比較的若い人が集まっているかと思いきや、管理職クラスの方も大勢いらっしゃいます。

PyCPAコミュニティが、副次的にネットワーキングやリクルーティングに活用されてもいいと考えていますので、是非年次を問わずご参加いただければと思います。

まとめ

PyCPAの概要と、セミナーの振り返りについて述べました。

PyCPAには会費もなければ参加資格もない、ふわっとしたコミュニティですが、探求者が集う場として確かな輪郭を備えつつあります。

みなさんの学ぶ意欲と発信で、一緒に楽しみましょう。

Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/r1406503/public_html/keito.luxe/wp-content/themes/xeory_base/lib/functions/bzb-functions.php on line 299

Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/r1406503/public_html/keito.luxe/wp-content/themes/xeory_base/lib/functions/bzb-functions.php on line 301
class="col-md-4" role="complementary" itemscope="itemscope" itemtype="http://schema.org/WPSideBar">