2019年 4月 の投稿一覧

繁忙期にも学びを止めないための3つの心がけ

こんにちは、毛糸です。

多くの企業で年度が変わり、会計・経理に携わる人にとって繁忙期が到来しました。

私も決算支援コンサルタントとして仕事をしていますから、いよいよ繁忙期突入といった感じです。

そんな忙しい中でも、学ぶ姿勢は持ち続けたいと思っています。

今回は繁忙期に学びを止めないための3つの心がけについてお話します。

十分な休息を取る

探求には、心理的・時間的な余裕が必要、という話」でも述べたとおり、探求には余裕が必要です。

探究心というのは余裕ある生活の中で自然と湧き出てくるものですから、余裕を持つことが学びを止めないために必要です。

仕事で消耗してしまっては、誰だって勉強しようという意欲が持てません。

学びを止めないためには、忙しい中でも十分な休息を取り、可能な限り心身に余裕を持つことが大切です。

忙しい時期だからこそ、「休む」ということを能動的に行う意識付けが重要です。

具体的には、業務を可能な限り効率化し、上司や同僚の飲みの誘いを上手くかわしながら、出来る限り早く帰りましょう

良質な食事と睡眠は、体力回復には必要不可欠です。

お昼休みに昼寝をする、というのも、私が実践しているおすすめの休息法です。

「忙しい」と思考停止にならず、どうしたら少しでも余裕が持てるか、アグレッシブに考えることが必要です。

仕事の中で学ぶ

自宅で机に向かうことだけが勉強ではありません。

仕事の中でも学びは得られます。

繁忙期には1日の大部分が仕事で埋め尽くされてしまいますから、いっそ仕事から何かを勉強したらいいのです。

生活の大部分を占める仕事の時間で学び、それを仕事に生かせるなら、こんなに効率の良い学びはありません。

投資効率の観点からも、仕事に学び、仕事に活かすことが出来ないかを模索すべきです。

普段の仕事の中でも、何かインプットできることはないか、何か体系化出来る知識はないか、と意識しながら取り組むことで、今までにない視点を得られることがあります。

私自身、会計の仕事をする中で、複式簿記の数学的構造に気がつくなどの発見をしています。

仕事は仕事、勉強は勉強、と区別せずに、日常の全てから学び取ろうとする姿勢を持つことが重要です。

習慣化・仕組み化

学びの習慣が確固たるものになっていれば、少しくらい仕事が忙しくでも、学び続けられるでしょう。

大事なことは、忙しさを理由に、習慣を止める「例外」を作らないことです。

今日は疲れたからやめておこう……

という「例外」を作った時点で、習慣は途切れます。

例外なく続けることで、段々と苦しさから開放される、ということだってあります。

かく言う私も、繁忙期の今でも、業後にはすぐ帰宅するのではなく、小一時間でいいのでPCに向かいアウトプットに時間を使うという「自分ルール」を課すことで、探求の習慣化を行っています。

習慣化出来ていない段階では、仕組み化が有効です。

仕組み化といっても、大それたものではありません。

例えば、行き帰りの電車の中で、YouTubeや音声メディアでインプットをすると決める、のでもいいでしょう。

週末の勉強会の予定を前もって入れてしまう、というのも、勉強する「仕組み」を作る効果的な手段です。

何か新しいことを知ったら、考察とともにSNSで発信するルールを作る、というのもおすすめの方法です。

習慣化・仕組み化は、勉強を続けるためには是非身につけておきたいスキルです。

まとめ

繁忙期にも学びを止めないために、以下の3つの心がけについて説明しました。

  • 十分な休息
  • 仕事の中で学ぶ
  • 習慣化・仕組み化

こういった心がけで学びを継続するのが少し簡単になります。

とは言え、「学び続けなければ!」という考えで自分を縛り付けてしまうのは考えものです。

大切なのは自分のペースを知り、それを守ることです。

体を壊してまで勉強することに、何の意味もありません。

勉強するのは繁忙期が終わってから、まずは仕事で精一杯の成果を出そう、そういう気持ちも大変尊いものです。

健康第一で繁忙期を乗り越えましょう。

リアル・オプションを用いた無形資産投資評価(無形資産のプットオプション性)

こんにちは、毛糸です。

リアル・オプションに関する勉強会が、5/11に開催されます。

>>『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』輪読会第1回 hosted by PyCPA

この勉強会に触発されて、こんな本を読んでいます。

この本の中に『リアルオプションを用いた無形資産価値評価について』という論文が掲載されていました。

とても興味深い内容だったので、メモを残しておきます。

無形資産を評価することの重要性

企業の生産性向上が叫ばれるなか、その目的達成のために無形資産を活用することの重要性が認識されつつあります。

無形資産は、機械設備等の有形資産とは異なり、実体を持たない資産ですが、近年、無形資産が企業価値に与える影響が重大であることが指摘されています。

無形資産とは、企業の研究開発力であったり、雇用する人材の能力であったりと多様ですが、会計上、バランスシートに記載されないものも多く、それを活用するのは簡単ではありません。

無形資産を活用するためには、まず無形資産の価値を評価する必要があります。

無形資産を評価するための従来の方法

無形資産の評価手法には、以下のような方法があると言われています。

  • インカム・アプローチ
  • コスト・アプローチ
  • マーケット・アプローチ

近年ではリアル・オプションという考え方も徐々に広まってきました。

リアル・オプションとは、企業の意思決定の柔軟性のことを指します。

具体的には、研究開発が上手く行ったら事業化する、とか、売上が好調なら広告を打って規模を拡大する、といった条件付きの意思決定がもつ価値を分析するのがリアル・オプションの考え方です。

従来、リアル・オプションは事業価値に関するコールオプション=アップサイドの利益を享受し、ダウンサイドの利益を回避するようなポジション、として定式化されてきました。

代表的な無形資産投資である研究開発投資も、新知識の発見・開発・事業化という「リニア・モデル」に従って、リアル・オプションの考え方を用いて評価されてきました。

しかし、近年では従来のような技術主導型の研究開発に加え、ニーズ主導型の投資が多くなってきているといいます。

技術目標を予め設定し、それを確保すべく投資を行うと行ったプロセスを踏むことで、必要な能力や効果を獲得していきます。

本書では新しい無形資産評価として、将来の事業化への投資機会獲得(コールオプション)ではなく、必要資産の獲得という観点から、評価手法を組み立てています。

プットオプションとしての無形資産

本書では、無形資産はMVA(Marked Value Added。スターンスチュワート社が定義[リンク])として市場から評価されていると考えます。

MVAは株式時価総額と自己資本の差額として評価される、会計上の「のれん」に近い概念です。

コーポレートブランド(CB)の観点からMVAを算出するCBバリュエーターなどのツールもありますが、こちらは算定ロジックが非公開となっています。

無形資産それ自体は取引不能であり、無形資産から得られる利益の期待値の変動でMVAは変化することから、無形資産とMVAは全く同等ではありません

本書では無形資産への投資を、無形資産を獲得するためのプットオプションへの投資とみなします。

無形資産に投資することで、市場が評価する株式時価総額に一定の下限値を設けつつ、アップサイドの株式時価総額を実現させる効果が得られます。

つまり、株式時価総額と無形資産のポートフォリオが、株式時価総額のコールオプションの買いポジションになると考え、無形資産はプロテクティブ・プットとして機能すると考えるのです。

無形資産への投資により、将来の株式時価総額の下方リスクをヘッジ出来る、といってもいいでしょう。

無形資産投資( p)は、将来の無形資産価値( I_e)を権利行使価格とした、株式時価総額( M_T)のプットオプションとして表します。
[ begin{split}
p=PV[max(I_e-M_T,0)]
end{split} ]

無形資産への投資とは具体的には、研究開発投資、広告投資、超過人件費投資を指します。

プットオプション価格としての無形資産投資( p)と、現在の株式時価総額( M_0)がわかれば、オプション価格に内包される権利行使価格( I_e)が求まり、これを無形資産の価値とみなすことが出来ます。

具体的な計算式や分析の詳細は本書を参考にしていただきたいと思いますが、本研究によれば、無形資産投資のオプション性(フロア効果)が示されており、無形資産に投資することで株価にポジティブな影響が認められることが実証されています。

本書にはモデルの詳しい説明と、財務諸表との関係、日本の上場企業を対象とした無形資産価値のランキング表などが示されています。

まとめ

本研究では、無形資産に投資することで株式価値の下方リスクをヘッジすることが出来るというアイデアによって、無形資産をプットオプションとみなし、無形資産の価値を評価する手法が説明されています。

無形資産の重要性が叫ばれる昨今、無形資産の活用の緒として、リアル・オプションの考え方を用いた分析がパワーを発揮します。

リアル・オプションに興味を持たれた方は、勉強会を開催しておりますので、是非参加してみてください。
>>『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』輪読会第1回 hosted by PyCPA

『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』内容の概説、こんな人におすすめ、いい点と注意点

こんにちは、毛糸です。

5/11土曜日に、『モンテカルロ法によるリアルオプション分析』(きんざい)の輪読会を開催します。

>>『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』輪読会第1回 hosted by PyCPA(外部サイトに飛びます)

今回は本書の内容をざっくり紹介したあと、この本がどんな人におすすめかに触れたあと、いい点と注意点について説明します。

目次

  • 本書の目次と内容概説
  • こんな人におすすめ
  • いい点と注意点その1:ファイナンス・金融工学・リアルオプションの教材として
  • いい点と注意点その2:エクセルVBAの教材として
  • まとめ

本書の目次と内容概説

第1章 エクセルVBAプログラミング入門

エクセルVBAとはどんなプログラミング言語なのか、どうやって使い始めたらよいのかを解説しています。

第2章 数値解析入門

モンテカルロ法とは何かを説明し、実際にモンテカルロ法を用いて円周率の推定を行います。覆面算、方程式、数値積分、常微分方程式などを題材に、モンテカルロ法の理解を深めます。

第3章 乱数

乱数とは何かについて説明したあと、乱数の生成方法について述べます。乱数発生アドインのインストールを解説し、以後の章の準備をします。本書では線形合同ジェネレーターの拡張版と、インバース法を用いて正規乱数を生成します。

第4章 基本株価プロセスとブラック・ショールズ・モデル

二項モデルの例をみたあとに、ランダムウォークと株価プロセスのモデル化を行います。モンテカルロ法による「ブラック・ショールズ・モデル」の実装方法について説明します。

第5章 エキゾチック・オプション

バイナリー・オプション、ルックバック・オプション、バリア・オプション、アジア型オプションの評価方法とコード例を説明します。

第6章 推定誤差

サンプル数による推定誤差の理論と計算について述べます。推定精度の向上法や離散化による推定誤差について説明しています。

第7章 シンプルなモデル

売上高のランダムなパスを生成し、リアルオプション分析のためのシンプルなモデルを作成します。

第8章 リスク中立評価

リアルオプションを含むデリバティブの評価理論に必要なリスク中立評価法について、数式で詳しく説明します。

第9章 基本プロセスの拡張

前章までで紹介された基本プロセスに、配当、外国為替、価格のジャンプなどを入れて拡張します。ファット・テイル分布からのサンプリングや平均回帰過程についても説明します。

第10章 スタートアップ企業の評価

Schwartz and Moonの「アマゾン」モデルを使って、スタートアップ企業の評価を行います。

第11章 アメリカン・オプションの評価

最小二乗モンテカルロ法(LSM法)について説明し、バミューダ・プット・オプションの評価を行います。

こんな人におすすめ

本書はファイナンス・金融工学で研究されてきたデリバティブの価格評価理論を応用し、経営上の意思決定の柔軟性が生む企業価値(リアル・オプション)の評価を行います。
リアル・オプション分析に必要な金融工学の数学的背景が丁寧に解説されているため、金融工学を学ぶためのテキストとしても適しています。
数学(解析学や確率論)に触れてきた人で、その知識を実務に活かしたい人は、本書でデリバティブ理論を学ぶことが出来ます。
また、リアル・オプション分析を行うに当たり、プログラミングが必要になります。
本書ではエクセルに標準搭載されたプログラミング言語VBAを用いてリアル・オプション評価のためのプログラムを作成します。
プログラミングに初めて触れる人でも躓かないよう、エクセルVBAの使い方からプログラミングの基礎的内容を説明しています。
昨今のプログラミングブームのなかで、自分も何か始めたいけれど、どんな言語を始めたらいいのかわからず、勉強方法についても悩んでいる、という人は、本書を手を動かしながら読むことで実力が身につきます。

いい点と注意点その1:ファイナンス・金融工学・リアルオプション

本書のテーマはモンテカルロ法を用いて企業の意思決定の柔軟性から生まれる価値=リアル・オプション価値を定量的に評価することです。
本書で学ぶリアル・オプション分析は、従来、ファイナンス・金融工学という分野で蓄積されてきた研究成果を応用したものです。
ファイナンスとは、リスク(不確実性)と時間の概念を明示的に考慮した経済学の一分野であり、確率論を高度に利用した応用数学の側面もあります。
金融工学とは、ファイナンスのうち、実務的便益を企図していることを強調した表現です。
本書ではファイナンス・金融工学のうち、リアル・オプション分析に必要な部分を整理して解説してくれているため、ファイナンス・金融工学を勉強する大変よい教材となっています。
本書に取り組むことで、実務への応用を前提としたファイナンス理論を習得することが出来ます。
ただし、ファイナンス・金融工学を完全に理解するためには、数学、とくに解析学や確率論の知識が必要不可欠です。
本書ではファイナンスに用いる数学を最低限しか解説していないため、例えば高校レベルの数学に抵抗感を持っているような人には、通読が難しい内容となっています。
高校数学に不安のある方はまず高校数学の参考書に取り組むことをおすすめします。

また、ファイナンスで用いる数学は、高校数学+アルファなので、この「+アルファ」の部分を勉強する必要もあります。具体的には確率解析と呼ばれる、確率論と微積分学の応用分野が必要になります。
ファイナンスに用いる数学については、以下の本に必要最低限の内容がまとまっているため、参考文献にすることを勧めます(増補版は入手しづらいようですが、古い版でも十分です)

いい点と注意点その2:Excel VBA

リアル・オプション分析では、乱数を用いた将来予測(モンテカルロ・シミュレーション)を強力なツールとして利用します。

コンピュータの計算力をフル活用した現代的手法であるモンテカルロ・シミュレーションを行うには、コンピュータに処理をさせるためのプログラミング言語を習得する必要があります(簡単なものであれば、エクセルシートでもなんとかなります)。

本書はモンテカルロ法を実行するに当たり、エクセルに標準搭載されているプログラミング言語VBAを用います、

VBAはエクセルがインストールされたPCであれば特別なことをしなくてもすぐに使えるようになりますので、プログラミングの入門には適しています

構文も難しいものではなく、少し訓練すれば容易に習得可能ですし、その訓練は本書にじっくり取り組むことで達成されます。

実際、私のプログラミング力を飛躍的に上昇させたのは、この本を読んだからです(私はプログラミング勉強会を開くまでにスキルアップしました)。

実際に手を動かしながら本書を読み勧めていく中で、エクセルVBAとプログラミングの基礎がしっかり身につきます

ただし、一点注意点があります。

プログラミング習得には近道は存在しません。

本書を流し読みすれば勝手にプログラミング力が身につくということは絶対にありませんので、しっかり自分で手を動かす必要があります。

本書に記載されているコードを実際に打ち込む(エンジニア用語で、写経する、と言います)ことでしか、プログラミング力は向上しません。

そもそも本書は、紙面上でコードが記載されてはいるものの、コーディング済みのエクセルシートなどは公開されていません

もし「手軽にリアル・オプション分析を行うためのツールが欲しい」と考えている人にとっては、本書はふさわしくないでしょう。

裏を返せば、確かなプログラミング力を身につけるための教材としてはこれ以上のものはないと言ってもいいでしょう。

スキルアップを目指す方にとって最高の教材です。

まとめ

『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』はファイナンスとVBAを使ってリアル・オプションを学ぶ大変良い教材です。
ある程度の数学の素養がある人が、ファイナンスとプログラミングを学ぶのにおすすめの本です。
ファイナンスを基礎から学び、数理的思考力を鍛えることが出来るとともに、VBAプログラミングのスキルを効率的に学ぶことが出来ます。
リアル・オプション分析の手法を学ぶことで、企業の意思決定に説得力をもたせることも出来ます。
難書ではありますが、間違い無しの良書です。是非チャレンジしてみてください。

毎月分配型投信は悪か?デメリットと、商品ニーズ・金融経済学から考えるメリット。

こんにちは、毛糸です。

先週の日経ヴェリタスで、毎月分配型投信の残高減少に関する記事を読みました。

「毎月分配型投信は悪」という主張を多く見かけるいま、この主張は正しいのか、考えてみたいと思います。

毎月分配型投信(毎月分配型ファンド)とは

投資信託とは、資産運用のプロにお金を預けて運用してもらい、値上がり益や配当利益などを還元してもらう金融商品です。

投資信託には、稼いだ利益を分配金として投資家に支払うタイプがあります。

このうち、分配金が毎月支払われるものを、毎月分配型投信(毎月分配型ファンド)といいます。

毎月分配型投信は我が国の投資信託残高の大部分を占めており、主にシニア世代に人気の金融商品です。

ただ、毎月分配型投信は、昨今そのネガティブな面がクローズアップされており、冒頭のような「毎月分配型投信は悪」という見方が徐々に強まりつつあります。

以下では毎月分配型投信のデメリットについて触れた後、メリットはないのかについて考察します。

毎月分配型投信のデメリット

毎月分配型投信は資産形成につながらないとする主張があります。

毎月分配型投信は運用資金を毎月換金していくため、複利の効果(利息に利息が付き、雪だるま式に資金が増える効果)が得られづらいという主張です。

毎月分配型投信のなかには元本を取り崩す例も多いと言われており、長期の資産形成に向かないとの批判が近年高まっています。

金融庁により公表された平成28事務年度「金融レポート」(外部リンク)にも、以下のような記述があります(太字は筆者修飾)。

我が国の投資信託の残高の過半を占めている毎月分配型投資信託については、複利効果が働きにくいことに加えて、元本を取り崩しながら分配される場合には運用原資が大きく目減りして、運用効率を下げてしまうということが問題点として指摘されている。

このように、我が国の金融投資実務を統括する金融庁が「顧客本位でない」と問題視しているほど、物議を醸している投資商品なのです。

毎月分配型投信の比率が高い運用会社は資金流出が目立つという記事(外部リンク)もあり、毎月分配型投信に対する風当たりの強さは増しています。

毎月分配型投信のメリット

毎月分配型投信は上記のようなデメリットがあると言われつつも、シニア世代が年金を補うための定期的な収入源として人気を集めています。

金融庁により公表された平成28事務年度「金融レポート」(外部リンク)に記載されているように、「毎月分配型投資信託保有者の毎月分配金の使用目的」の上位には「自分のこづかい」「生活費」 が入っており、毎月分配型投信が定期的な消費の財源になっていることが見て取れます。

(平成28事務年度「金融レポート」より)

この調査を見る限り、年金では消費を賄いきれないシニア世代が、投資を行いながら定期的に資金を取り崩す手段として、毎月分配型投信は一定の存在価値があると認識されているとも言えます。

もちろん、インデックス投信などで運用を行いつつ、自分で必要な額を取り崩せばよいだけのことなのですが、高齢者にそういった手間を強いるのは難儀です。

また、日経新聞の記事(外部リンク)によれば、2019年1月の月間資金純増額ランキング上位に毎月決算型が入っており、毎月分配型投信に復活の兆しが見えているといいます。

運用成績と安定分配を両立させた毎月分配型投信が相対的に浮上したと考えられており、それだけニーズがあると考えることもできるのではないでしょうか。

そもそも金融経済学の理論研究では、投資家は年を取るほどにリスク資産の額を減らしていくべきということが明らかにされています。

マートンのポートフォリオ問題という金融経済学の問題を解くと、投資家は余生が短くなるにつれ、リスク資産の投資額を減らすのが最善であることがわかります。

少し踏み込んだことを述べると、金融経済学で想定されるHARA型効用を持つ投資家が時々刻々変化するリスク資産に投資を行う場合、その投資額\(\omega^*W_t\)は以下のような数式で表せます。

\[ \begin{split}
\omega^\ast W_t=\frac{ \mu-r}{\sigma}\frac{1}{ \sigma\left( 1-\gamma\right)}W_t+\frac{ \mu-r}{\sigma^2 }\frac{\beta }{ r\alpha}\left(1-e^{-r(T-t)} \right)
\end{split} \]

このとき、投資家の余生が短くなると(\(T-t\)が\(0\)に近づくと)、投資額\(\omega^*W_t\)は小さくなります。

つまり投資額を徐々に換金していくのが金融理論的に最適な戦略ということです。

したがって、毎月分配金を支払い、投資額を減らしていく毎月分配型投信は、理論的には即座に否定されるべきものではないようにも思います。

まとめ

毎月分配型投信はデメリットばかりが強調され、金融庁からも苦言を呈されるなどやり玉に挙がっていますが、商品ニーズと金融理論にかんがみれば必ずしも否定されるものではないことを指摘しました。

もちろん、元本を棄損させるような分配方針が資産形成につながらないのは確かですが、しかし投資家の環境によってはそれが望まれるケースもあるはずです。

毎月分配型投信は悪、という決めつけには、慎重になるべきと考えます。

まだ数学から逃げてるの?これからのビジネスと数学

こんにちは、毛糸です。

先日、私が所属している勉強会で「会計士と数学」に関するセミナーが行われました。

昨今のAIを始めとするテクノロジーの進展の背景には数学の利用があり、ビジネスマンの中でも数学を勉強したいという人が増えているようです。

今回は、これからのビジネスと数学についてお話します。

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投資は怖い?危ない?投資の心理的ハードルを下げる3つの方法

こんにちは、毛糸です。

投資を始めてみたいけど、お金がなくなってしまうのは怖いし、手続きも面倒くさそう。

そう思っている人はとても多いです。

しかし、投資は、きちんとした理解のもと行えば、資産を増やし人生を豊かにしてくれるものです。

今回は、投資の心理的ハードルを下げる3つの方法についてお話します。

1冊の本から始める

投資に抵抗感を持つ大きな理由のひとつが、投資がどういうものか知らない、ということです。

投資をすると、運が悪ければお金が全部なくなってしまうだとか、下手したら借金を負うといったネガティブな側面が強烈に印象づけられています。

また、投資を始めたら四六時中、株価を気にしなければいけないとか、そもそもお金は汚いものだというイメージを持っている方もいます。

しかし、これらは投資の本質を言い表しているものではありません。

投資はもっとずっと安全で、きちんとコントロールできるものです。

運が悪ければすべて失うなどという状況は、よっぽどのこと、たとえば借金をして投資を行い失敗する、というようなことをしなければ起こりません。

また、リスクなしに、もしくはリスクを小さく抑えながらコツコツ資産を増やす方法がいくらでもあります。

一度仕組みを整えたら「ほったらかし」でもお金がお金を生むような投資だって可能ですし、それで十分実を結ぶ結果が期待できます。

もちろん、労働して稼いだお金は素晴らしいもので、投資をするとその稼いだお金が減っていくリスクもあります。

しかし、手間をかけずに最低限の管理をすれば、お金を守りながら増やすことも可能です。

そんな方法を正しく知るために、まずは投資の初心者本を読むといいでしょう。

投資の王道を教えてくれる本はいくつもあります。

私が最近読んだ本では、この本がわかりやすく、大変おすすめです。

まずは本を読んで投資をきちんと理解することが、投資のハードルを下げる第一歩です。

 

無リスクで始める

投資にはリスクがつきもの、と思われがちですがそうではありません。

無リスクで運用することのできる投資も存在します。

たとえば、定期預金は身近な無リスク運用と考えられます。

定期預金は普通預金のようにすぐには引き出せない代わりに、10倍の利率がつきます(普通預金で0.001%、定期預金で0.01%)。

特に、ネット銀行ではメガバンクなどよりお得な金利でお金を預けられます。
参考記事:【定期預金の金利を徹底比較!】定期預金金利の高さで選ぶ!おすすめネット銀行ランキング!

また、個人向け国債も、お金を減らしたくない人にとっては適した商品です。

個人向け国債は国が保証していて、利率も比較的高いです。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
参考記事:>>投資初心者に個人向け国債を勧める4つの理由

定期預金預金も国債も、普通預金に寝かしておくより高い利息がもらえます。

ただし、ネットでいろいろ調べていると、もっと高い金利をアピールしている例が多々あります。

最近では、クラウドファンディングをよく目にします。

クラウドファンディングは、投資家からお金を集めて会社に貸付け、それを利息とともに回収するビジネスで、投資家に提示される金利がとても高く設定されます。

ここで注意したいのは、金利が高いということは、金利が高くないと割に合わないということです。

つまり、回収できないリスクが高いということです。

クラウドファンディングのような高い利率の投資は、それだけハイリスクであるということをよく認識しておいてください。

少額で始める

投資がどういうものかを理解し、無リスクの投資にも慣れてきたら、ほんの少しリスクを取ることをおすすめします。

リスクを取る、とは、値動きのブレを覚悟する代わりに、高いリターンを得る可能性を高めるということ意味します。

投資のリスクは分散投資によって低減させることができる、というのが投資の常識です。

分散投資を手軽に行うには、投資信託を活用するのが良い方法です。

投資信託は、ネット証券でなら月100円から買うことができます。

月にジュース1本分を投資するなら、たとえ少しばかり損をしても、気にならないのではないでしょうか?

ポケットにある小銭と同じくらいだけ投資してみるだけでも、投資について詳しくなり、経済の動きがわかるようになるなど、情報感度が上がります。

自分のお金について責任を持つことができ、無駄な出費を抑えられるかもしれません。

月に100円程度なら損をしてもそんなに痛くないですが、リスクが実を結びリターンがつみ重なっていくと、大きな自信になります。

ネット証券に口座を持つのは無料で、手続きにハンコを押す必要があるくらいです。

100円から90円になっても全く気にならないし、それで投資に向いていないと思ったならなら、投資のことを10円で勉強できたことになります。

もちろん、うまく行けば100円が120円に増えることもありますし、期待値の上では増えるのが投資です。

無理のない範囲で投資することは十分可能ですから、少額ではじめてみるのがおすすめです。

▼ネット証券最大手はSBI証券、こちらから無料で口座開設ができます。



まとめ

いま、普通預金の利息はほとんどゼロです。

普通預金にお金をおいておいても増える状況ではなく、またお給料も景気もなかなか好転しないなか、金に金を稼いでもらうのはますます大事になっています。

そのためには、勉強して、無リスクで始め、少額にチャレンジするというステップを踏むのがおすすめです。

それを実践するコストは、書籍代と少しの時間くらいのものです。

賢く生きるためのコストはそれだけなのです。

投資に少しでも興味がある方は、是非これらの方法を試してみてください。

投資を勉強する最初の一冊として、私は以下の本を勧めています。

投資の仕組み、リスクを取らない運用の仕方、リスクを上手に取る方法、税金や制度の活用方法など、これから投資を学ぶ人にとって必要な知識がまとまっています。

【投信定点観測】2019年4月第2週|REIT続伸、ウェルスナビ優秀、ひふみの守り

こんにちは、毛糸です。

【投信定点観測】2019年4月第2週(スタートから5週目)の損益の報告です。

今週末における投資総額は142万円、含み損益は+34,388円、損益率は2.42%(年率25.26%)です。

損益状況

商品ごとの時価は以下のようになりました。【投信定点観測】開始から5週間経過時の含み損益は+34,388円で、先週から850円のプラスです。

損益率に直すとこんな感じです。今週末の損益率は2.42%(年率換算で25.26%)です。

インデックス投資信託の振り返り:REIT続伸、日本株はやや不調

グローバルREITが引き続き好調です。

先進国の利上げ観測が後退したことで、不動産市場に追い風が吹くとの見方から、順調にリターンを稼いでいます。

日本株式は一進一退の展開を見せていますが、TOPIXについては含み益を減らす結果となっています。週後半にかけて米国市場が冴えない展開となったことも影響しているようです。

日本株式を除き、各種指数は安定した伸びを見せています。
投資家がポートフォリオを組む際に、自国資産の比率を多めにしてしまう現象を「ホームバイアス」といいますが、ホームバイアスの強いポートフォリオでは、今週のような日本株式が振るわなかったときにはリターンが稼げません。

【投信定点観測】ではシステマティックな分散投資によって、ホームバイアスにとらわれない投資が出来たため、リターンを落とさずに済んでいるのです。

▼インデックス投信で国際分散投資を100円から始めましょう。



ロボアドバイザーの振り返り:WealthNavi(ウェルスナビ)躍進、THEOは安定

ロボアドバイザーはWealthNavi(ウェルスナビ)THEO(テオ)ともに利益を伸ばしています。
特にWealthNavi(ウェルスナビ)は最大のリスク量で運用していることもあり、THEOよりも利益の伸びが大きい状況です。

WealthNavi(ウェルスナビ)THEO(テオ)も、自分のリスク許容度に応じて広く分散されたポートフォリオを提案し、自動で投資を行ってくれます。

投資に時間を使えないビジネスマンが、自分にあったポートフォリオで分散投資を行うのに、ロボアドバイザーは良い選択肢となります。

▼ロボアドバイザーWealthNavi(ウェルスナビ)はリスク許容度に応じて投資プランを選べます
WEALTHNAVI(ウェルスナビ)

▼ロボアドバイザーTHEO(テオ)は200パターン以上の投資プランから最適なものを提案してくれます
THEO

アクティブファンドの振り返り:インデックスより下落幅小さく

アクィブファンドのひふみ投信(日本株式)は日本株式の下落に伴い含み益を減らしていますが、TOPIXの今週の下落幅が-1.27%であるのに対し、ひふみ投信は−0.4%です。

ひふみ投信は守りに強いとも言われており、そのパワーを見せつけた格好です。

別の記事『投資信託はインデックスか、アクティブか。日経ヴェリタスの記事を読み解く』でも述べられている通り、アクティブが常にインデックスに劣るわけではありません。

実績あるアクティブ投信に夢を託すのも投資の楽しみ方のひとつではないかと思います。

▼ひふみ投信はSBI証券で毎月100円から積み立てられます。

まとめ

【投信定点観測】を初めて5週間、引き続き順調な運用となっています。

日本株式がやや軟調となっており、ホームバイアスが強いとリターンを損なう危険性がありましたが、分散投資によってこれを回避することが出来ました。

投資信託による分散投資が資産形成におすすめであるというのは、こちらの本にも説明されていますので是非読んでみてください。

引き続き積立投資の状況をリポートして参りますので、もしよろしければSNSでのシェアよろしくお願い致します!

投資初心者に個人向け国債を勧める4つの理由

こんにちは、毛糸です。

本記事では、将来が不安なので資産運用に興味がある、という人に向けて、個人向け国債をおすすめする理由について述べます。

いまは銀行に預けていても、ほんの少しの利息しかもらえませんから、少しでも増える方法を知りたい、という人はたくさんいます。

資産運用に興味を持っていて、これから勉強を始めてみたい人には、この本を是非読んでみてください。本記事はこちらの内容を参考にしています。

この本の中で、頑張って稼いだお金を絶対に失いたくないという初心者に、投資のプロ、山崎元氏があっさりとこう言います。

『個人向け国債』ってやつを買うといい

この記事では、資産運用初心者に国債をおすすめする4つの理由についてお話します。

元本保証である

お金の増やし方を教えてください!』でおすすめされている個人向け国債とは日本政府が発行する債券(国債)のことです。

個人が日本政府にお金を貸し付け、「あなたからいくら借りました、利息をつけて返します」という証明書をもらいます。これが個人向け国債です。

国が返済を保証するため、投資額が減ってしまうことはありません。

日本政府が破綻するような極めて混沌とした状況が起こらない限り、必ず返ってくる元本保証の金融商品が個人向け国債なのです。

途中で売ってしまったりしてしまうと損が出ることもありますが、売却しない限り、元本が保証されます。

したがって、お金を絶対に減らしたくないという人には、個人向け国債はいい選択肢になります。

利率が高い

定期預金の利率は、メガバンクで0.01%ほどです。

しかし、個人向け国債の利率は最低でも0.05%が保証されています。

いまはマイナス金利の世の中なので、個人向け国債の利率もさほど高くありませんが、銀行に預けているよりも高い利回りが得られます。

変動金利型というタイプの個人向け国債だと、将来金利が上昇したときに、国債の金利も上がるようになっているので、銀行預金より利息が低いということにもなりにくいです。

国が財政破綻したり、戦争に負けたり、革命が起きたり、そういう超レアなケースのリスクを負う代わりに、幾らかの利息をあげる、という設計だということです。

いつでも換金できる

個人向け国債は1年間保有すれば、一部の利息を諦めるだけで自由に換金することができます。

過去2回分(1年分)の利息を返すだけなので、実質的に元本割れすることはありません

個人向け国債を、1年ものの定期預金で、利息が銀行より高い、と考えても差し支えないでしょう。

 

手数料がかからない

個人向け国債の購入にかかる手数料は、原則としてかかりません

お金の増やし方を教えてください!』ではネット証券の利用をおすすめしていますが、ネット証券で購入すれば、個人向け国債の購入手数料はゼロです。

ネット証券に口座を開設するのは無料で、維持費用もかかりませんし、銀行のような煩わしい営業トークを聞く必要もありません。

ネット証券の最大手はSBI証券です。

▼SBI証券の口座開設はこちらから、無料です。



投資初心者が買うべきおすすめの個人向け国債は変動10年

個人向け国債には3種類あります。

  • 固定金利型3年満期
  • 固定金利型5年満期
  • 変動金利型10年満期

の3つです。

固定型は金利が変わらないタイプで、将来、世の中の金利が上がっても、購入時の金利で利率が固定されます。

もう一つの変動型は、世の中の金利の変動に連動して、利率が変わるタイプです。

おすすめなのは変動10年です。

変動型であれば、将来金利が上がったときも、銀行に預けるのと比べてものすごく損をすることはありません。

金利が高くなったときは、それに連動して利率が上がるので、これからの上昇余地があるといえます。

 

まとめ

投資初心者に個人向け国債をおすすめする4つの理由について説明しました。

もしかしたら、なぜこんなお得な商品をみんなやらないのか?と疑問に思われる方もいるかもしれません。

お金の増やし方を教えてください!』では、山崎氏がこう述べています。

それは、知らないから。

世の中には知っているだけで得することってたくさんあるの。だから金融の正しい知識をつけることは大切なことなの

お金のことはきちんと勉強して、資産形成に役立てたいですね。

お金の増やし方を教えてください!』は初心者にわかりやすく投資について説明している良書なので、これから勉強する人はまずこの本を手に取るのをおすすめします。

学習意欲を持ち続けるための心がけ4つ

こんにちは、毛糸です。

私が社会人になって数年経ちますが、学生時代と同じかそれ以上の学習意欲を保てています。

本や論文を日常的に読んだり、興味関心を同じくする人と勉強会を開いたりしています。

参考記事:2018年は本・書籍代に185,501円使いました。おすすめ本や高額商品を振り返ります!

参考記事:Python✕会計士コミュニティ「PyCPA」発足!

今回は、私が学習意欲を持ち続けるために心がけている4つのことについてお話します。

日常に余裕を持つ

学習意欲を持ち続けるために最も重要なことは、学びのための余裕を持つことです。

誰かに強制される勉強はさておき、自分が自発的に興味を持って取り組みたいと感じる気持ちを大事にするのが、勉強継続の第一の要です。

私が日常に余裕を持つために、以下のようなことに気をつけています。

  • 仕事で消耗しない
  • 行きたくない飲み会に参加しない
  • 人と会いすぎない
  • 家族を大切にする

自発的探求心を育てるためには心理的・時間的余裕が必要です。

仕事でくたくたになって、毎日寝に帰るだけの生活を送っていたら、学習意欲を保つのは難しいですから、生活を見直す必要があるかもしれません。
参考記事:探求には、心理的・時間的な余裕が必要、という話。

自然と湧き上がる興味と探求心に従う

「勉強」という言葉は、なにも机に向かうだけの勉強を意味しません。

自分の興味関心を深めたい、もっと詳しくなりたいという気持ちを行動に移すことも、大事な勉強です。

勉強したいという気持ちはかならず沸きます。

学習意欲を持ち続けるために必要なことの2つ目は、そんな「勉強したい」という気持ちを、あれこれ理由をつけてつぶさないということです。

前節で「余裕を持つ」ことの大切さを述べましたが、余裕があったとしても、人は怠惰な生き物なので、常にストイックに勉強できるわけではありません。

余裕があっても、「今日は他にやりたいことがあるから」とか「少しくらい勉強したところで何も変わらないや」ともっともらしい理由をつけて、学ぶことを回避しがちです。

しかし、そういう後ろ向きな気持ちを沈めて、「気になるな」「知りたいな」という気持ちを実行に移しましょう。

学びのフットワークを軽くする、といってもいいでしょう。

学習意欲を持ち続けるためには、日常のちょっとした興味や関心に気づいたとき、それを黙殺せずに、探求へとつなげることが重要です。

熱しやすく冷めやすいことを受け入れる

衝動的に勉強がしたくなったら、その衝動に素直に従いましょう。

自分の探究心に素直に生きていると、本を買ったり、セミナーに参加したり、多くの時間を使ったりします。

時には高額な本もあるでしょうし、高いセミナーに行きたくなることだってあります。

しかしここで「この情熱は冷めてしまうかもしれない、あまり投資しても回収できないかも……」と足踏みしてしまうと、学習意欲はしぼんでいってしまいます。

勉強への情熱は、冷めてしまうこともあります。

しかし、それはそれで受け入れしまっていいのです。

投資したのだから何とか回収しなくてはいけない、という心理作用をコンコルド効果といいますが、これを恐れて必要な投資をしないのももったいないことです。

熱しやすく冷めやすいそれでいいのだと割り切ることで、勉強のハードルは下がり、持続に結びつきます。

発信する

学習意欲を持ち続けるための心がけ4つ目は、発信するということです。

自分はこういうことに興味があるこんなことを勉強している、とSNSやブログで発信すると、学習意欲を維持しやすいです。

発信することで、すでに勉強している人と繋がってアドバイスをもらえたり、同じような興味を持っている人とコネクションが生まれます。

自分が勉強した内容を発信することで、誰かがその情報に価値を感じ、自分を評価し感謝してくれることもあります。

発信することで自分は独りで勉強しているのではないのだという実感が持てれば、学習意欲を持ち続けることが出来ます。

まとめ

学習意欲を持ち続けるための4つの心がけは以下の内容です。

  • 余裕を持つ
  • 興味と探究心に従う
  • 冷めることを受け入れる
  • 発信する
学ぶことは、人生を豊かにしてくれます。
無理なく勉強を続けることで、きっと生活はより楽しいものになるでしょう。

『外資系金融のExcel作成術』誤植?数字が合わない理由と解決策

こんにちは、毛糸です。

本記事では『外資系金融のExcel作成術』に含まれるつまづきポイントについて解説します。

この本には誤植(とは言えないけれど、初心者はかなりつまずきやすいポイント)があり、本に書いてある通りに財務モデルを組んでも、本に書いてある数字と一致しません。

今回は、この解決方法について説明します。

誤植?数字が合わない理由と解決策

本書の後半、財務モデルのパートには、本の通りに入力しても、本の結果と一致しない箇所があります。

具体的には、p132の前提条件を以下の通り入力したあとに、p135の予測財務数値の設備投資以下の金額が、本と一致しなくなります。

この前提条件のもとでは以下のように、1年目以降の数値が、テキストの内容と一致しません

誤植かとも思いましたが、外資系金融でエクセルニンジャと呼ばれた著者が凡ミスをするはずありません。

実は、この不一致は、本書をよく読むことで解決できます。

p133に、前提条件についてこのように書いてあります。

それぞれの値は、過去実績や事業計画を基に決めます。今回は、過去5年の平均や直近の数値を参考にして決定しました。

この文章が極めて重要なポイントです。

普通に読んでいくと、p132の前提条件は青文字になっていますから、本書p106のルールに従うと、これはインプットとしてセルに直接入力された(ベタ打ちされた)ものと考えてしまいます。

これがつまずきポイントです。

実は、p132の前提条件は、過去5年の平均や直近の数値を関数を用いて計算された数値を入力する必要があるのです。

また、表示されていませんが小数点以下に数字が隠れています。

したがって、テキストに示されている数値をベタ打ちするのではなく、過去の財務数値から関数を用いて「計算」する必要があります。

実際に、以下のように前提条件を「計算」すると、以下のような前提条件になります。小数点以下に数字が隠れていることがわかるでしょう。

このような前提条件にすると、財務モデルの数値は、テキストの金額とぴったり一致します。

本書の「青文字はベタ打ち」というルールに忠実に従い、テキストに書いてあるとおりに数字を入力した人はほぼ100%、初見でこの問題に出くわすでしょう。

ネット検索では「誤植である」「修正を期待」というレビューが散見されますが、テキストの表示がややミスリーディングなだけで、誤植とは言えません。

テキストをよく読み、懐疑心を持って考えてみると、発見できる内容であったと思います。

まとめ

本記事では『外資系金融のExcel作成術』の誤植と思われる箇所について、その理由と解決策を説明しました。

文章をよく読み、批判的にテキストを読むことが試される内容だったと言えるでしょう。

もしこの記事がお役に立てたなら、SNSで発信していただけると、とても嬉しいです。

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