2019年 6月 の投稿一覧

外国債券は投資に値するか?分散投資、期待リターン、金利平価からの考察

こんにちは、毛糸です。

個人の資産運用は、分散投資が基本と言われます。

特に、異なる値動きをする資産クラスに分散投資することが重要とされ、国内と外国の株式と債券の4資産は「伝統的4資産」と呼ばれています。

しかし、この伝統的4資産のうち、外国の債券に関しては、実は組み入れる必要はないのではないか?という意見があります。

本記事ではこの意見について深掘りします。

ある一定の条件のもとでは「外国債券は組入不要」であることがわかりますが、しかしその条件が現実に成り立っているかは微妙なので、実際には外国債券にも意味があるということを説明します。

外国債券必要論

国内と外国の株式と債券、計4つの資産クラスは、値動きのパターンが異なっており、これらに分散投資することでリスクを低減できるとされています。

値動きのパターンが異なるもの (統計学の言葉で言えば、相関係数が小さいもの)を組み合わせることにより、ポートフォリオのリスクは個々の資産のリスクの合算よりも小さくなります。

これを「分散効果」といい、確率論によって数学的に証明できます。

多数の資産に分散投資することが最善であるというのは、ノーベル経済学賞を受賞したマーコウィッツによる平均分散分析に始まる「現代ファイナンス論」の結論として有名です。

(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;
b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript
||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)};
c.getElementById(a)||(d=c.createElement(f),d.src=g,
d.id=a,e=c.getElementsByTagName(“body”)[0],e.appendChild(d))})
(window,document,”script”,”//dn.msmstatic.com/site/cardlink/bundle.js”,”msmaflink”);
msmaflink({“n”:”ウォール街のランダムウォーカー原著第11版株式投資の不滅の真理”,”b”:””,”t”:””,”d”:”https://images-fe.ssl-images-amazon.com”,”c_p”:”/images/I”,”p”:[“/51j3XxuLcML.jpg”,”/51L5VguO16L.jpg”,”/51pXH1cT26L.jpg”,”/51qzhDA8N8L.jpg”,”/516KF7nD4ML.jpg”,”/51RqxJ5YdzL.jpg”,”/41Z4TQLguaL.jpg”,”/41RDCEkVSWL.jpg”,”/51ZC6wiROQL.jpg”,”/416UAK2gjbL.jpg”,”/51COLQfOYZL.jpg”,”/41wAkIpxalL.jpg”,”/517pu9qvoaL.jpg”,”/51Qd00xstPL.jpg”,”/41a6WwcjPUL.jpg”,”/41whOykxo9L.jpg”,”/51ZYk6jqWTL.jpg”,”/51JXyzvOypL.jpg”,”/51Cx1OLwZwL.jpg”],”u”:{“u”:”https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%A1%97%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%80%88%E5%8E%9F%E8%91%97%E7%AC%AC11%E7%89%88%E3%80%89-%E2%80%95%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E6%8A%95%E8%B3%87%E3%81%AE%E4%B8%8D%E6%BB%85%E3%81%AE%E7%9C%9F%E7%90%86-%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/4532356873″,”t”:”amazon”,”r_v”:””},”aid”:{“amazon”:”1251300″,”rakuten”:”1249750″,”yahoo”:”1251299″},”eid”:”P0miQ”});

外国債券不要論

分散投資投資を享受するためには、外国債券の組入には意味がありそうです。

しかし、投資信託によるインデックス投資の指南書『お金は寝かせて増やしなさい』には、外債について以下のようなネガティブなコメントが書かれています。

一見、魅力的に見える高金利の外貨は、長期的には通貨自体が安くなって金利差は相殺されてしまうという考え方があります(金利平価説といいます)。この考え方に従うと、外国債券クラスの期待リターンは、結局、国内債券の期待リターンと同じということになります。

つまり、外債の高利回りは、運用通貨が安くなることで相殺されると考えられるため、為替リスクを取る価値がないのでは、ということです。

実は、金利(債券)と通貨は、両者を同時に考慮して、それぞれの価格(レート)が決まります。

ややテクニカルな話になりますが、通貨の先渡価格とスポット・レートの関係式「フォワード・パリティ」と、国内外の金利と先渡価格の関係式「カバー付き金利平価」が成り立てば、金利利益は通貨損失とちょうど等しくなり、相殺されます。この関係を「カバーなし金利平価」といいます。
参考>>FXの期待リターン、億り人になれる確率、破産する確率

したがって、理論上は、海外無リスク債券の収益率は、国内の無リスク債券の収益率と一致するはずなので、海外の高金利な無リスク債券に投資することに意味はない(為替リスクがあるぶんネガティブ)ということになります。

外国債券は投資に値しない、という説明に対する反論

ただし、上記のような「外国債券投資は無意味」という主張には、いくつか前提があります。

1つは「カバーなし金利平価が実際に成り立つ」ということ。

もう1つが「外国債券は、為替影響を除いて、国内債券と同じリスクである」ということです。

カバーなし金利平価は成り立つか?

「フォワード・パリティ」と「カバー付き金利平価」が成り立てば「カバーなし金利平価」が成り立ち、外国無リスク債券の期待リターンは国内無リスク債券の期待リターンと一致します。

カバー付き金利平価については、実際にかなり正確に成り立っているらしいのですが、実はフォワード・パリティが成り立つかについては諸説あります。

(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;
b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript
||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)};
c.getElementById(a)||(d=c.createElement(f),d.src=g,
d.id=a,e=c.getElementsByTagName(“body”)[0],e.appendChild(d))})
(window,document,”script”,”//dn.msmstatic.com/site/cardlink/bundle.js”,”msmaflink”);
msmaflink({“n”:”[参考文献]新証券投資論II”,”b”:””,”t”:””,”d”:”https://images-fe.ssl-images-amazon.com”,”c_p”:”/images/I”,”p”:[“/51qz2IyTafL.jpg”,”/31HIJwDY-hL.jpg”],”u”:{“u”:”https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E3%83%BB%E8%A8%BC%E5%88%B8%E6%8A%95%E8%B3%87%E8%AB%96II-%E4%BC%8A%E8%97%A4-%E6%95%AC%E4%BB%8B/dp/4532133734″,”t”:”amazon”,”r_v”:””},”aid”:{“amazon”:”1251300″,”rakuten”:”1249750″,”yahoo”:”1251299″},”eid”:”Ums8t”});

フォワード・パリティは、実は投資家がリスクに対してリターンを要求しないという仮定しないと成り立たないので、おそらく現実にはあまり成り立っておらず、したがって金利・為替リターンはゼロではないと考えられます。

したがって、「外国債券の期待リターンは国内債券と同じで、為替リスクを余計に取っている」というのは、正しくない可能性があります。

外国債券投信は為替影響を除けば国内債券と同じリスク?

仮にカバーなし金利平価が成り立ち、金利と通貨が相殺されるとしても、異なるリスクを持つ資産は当然ながらリターンも異なります。

つまり、安全資産に近い国内債券と、国家レベルで破綻する可能性がある外国の債券とでは、内在するリスクが異なるため、通貨変動考慮後のリターンも異なるのではないかいうことです。

たとえば、日本の国債とギリシャの国債が通貨変動を考慮したら同じ、と言われても、ギリシャ国債を通貨ヘッジ付きで買う人は少ないのではないでしょうか。

もし、外国債券インデックスに連動する投資信託が無リスク資産にのみ投資しているのであれば、通貨変動調整後のリターンは国内の無リスク債券のリターンに近いはずですが、海外の国債・債券には相応のクレジットスプレッドが載っていると考えられ、これを考慮すると外国債券の通貨変動考慮後のリターンが国内債券のリターンと一致するとは限りません。

新興国債券の高いパフォーマンス

事実、新興国債券インデックス投信は過去優れたリターンを上げています。

「通貨変動考慮後での外国債券の期待リターンは国内債券とおなじくらい」と主張するには新興国債券のリターンが「ありえる話」であることを統計的に示す必要があります。

これについては深く検証していませんので、今後の課題とします。

まとめ

「外国債券は投資に値しない」という主張についていくつかの視点から考察してみました。

今回得た結論は、

  • いくつかの仮定に基づけば理論上外国債券の超過リターンはなさそう
  • この「いくつかの仮定」が怪しい
  • 外国債券にクレジットスプレッドが載っていれば外債投資の意味はある
  • 新興国債券では事実、上手く行っていた
ということです。
インデックスファンドへの積立投資をリポートする【投信定点観測】では、外国債券インデックスファインドにも投資を行っています。
今回の考察が妥当かどうかは、自分の投資成果も踏まえて考えてみたいと思います。

【投信定点観測】13週目|インデックス、ロボアドバイザー、アクティブファンドに積立投資

こんにちは、毛糸です。

【投信定点観測】2019年6月第2週(スタートから13週目)の損益の報告です。

今週末における含み損益は▲13,651円、損益率は▲0.82%(年率▲2.22%)です。

損益状況

商品ごとの含み損益は以下のようになりました。【投信定点観測】開始から13週間経過時の含み損益は▲13,651で、先週から12,547円のプラスです。

損益率に直すとこんな感じです。今週末の損益率は▲0.82%(年率換算で▲2.22%)です。

インデックス投資信託の振り返り

米中通商協議(先週誤って「日米」と記載しておりました、訂正いたします)の難航で冷水を浴びせられた資本市場でしたが、今週は米国の利下げが確実視され、株価は反発しました。

先進国株、日本株ともに週間でプラスリターンとなり、一旦は盛り返す展開です。

債券市場、とりわけ日本債券に関しては、国内の金利市場に目立った変動がなく、【投信定点観測】開始以来常に含み益をキープしています。対して外国債券は海外の金利動向に左右され比較的ボラタイルです。

投資信託を用いた分散投資において債券は組み入れるべきか?というのは議論の的ですが、株式市場の変動性がリスク許容度を上回るような状況では、当然に組み入れるべきでしょう。

しかし、特に外国債券に関しては、為替リスクを考慮すると投資するに値しないという考えもあります。

この点については下記書籍に解説がありますので、調べてみるといいでしょう。

ロボアドバイザーの振り返り:WealthNavi(ウェルスナビ)盛り返す

ロボアドバイザーのWealthNavi(ウェルスナビ)は今週+2.40%(含み損益-0.97%)、THEO(テオ)は今週+0.18%(含み損益-1.79%)、でした。

【投信定点観測】開始以来の値動きを見ると、WealthNaviのほうが変動性が大きく、特に先週今週の値動きは激しいものでした。

WealthNaviとTHEOはその投資戦略や手法に差異があり、それがリターンとリスクに現れています。
▼ロボアドバイザーTHEO(テオ)は登録はこちらから!
THEO

▼ロボアドバイザーWealthNavi(ウェルスナビ)の登録はこちらから!

WEALTHNAVI(ウェルスナビ)

アクティブファンドの振り返り:たまにはセゾンも負けを見る

日本株式に投資するアクティブファンドであるセゾン資産形成の達人ファンドですが、今週唯一週間でマイナスとなりました。

TOPIXの週次騰落率が+1.27%ですので、珍しく逆方向に動いています。

アクティブファンドは銘柄の選別力をリターンの源泉としており、時には個別銘柄が全体の方向性とはズレて動くこともあります。

インデックスのアップサイドには連動し、ダウンサイドはヘッジするようなポートフォリオはなかなか作れないということなのでしょう。

まとめ

【投信定点観測】を始めて13週、再び米国の利下げがクローズアップされています。

リーマンショック以後、10年余りをかけ経済立て直しに成功したアメリカですが、ここに来て再び利下げ=金融緩和に動こうとしています。

経済全体レベルの変動の波を乗りこなすのはプロであっても至難の業です。

投資信託の積立投資はそうしたタイミングによるリスクを回避できる投資手法です。

引き続き、投資信託による「コツコツ」積立投資で、安定的な資産形成を目指していきます。

引き続き積立投資の状況をリポートして参りますので、もしよろしければSNSでのシェアよろしくお願い致します!

老後に2,000万は実現可能なのか?家計調査を眺めてわかったこと

こんにちは、毛糸です。

2019年6月3日、金融庁金融審議会 市場ワーキング・グループが、『高齢社会における資産形成・管理』と題する報告書を公表しました。
参考>>金融審議会 「市場ワーキング・グループ」報告書 の公表について

本報告書では、日本の高齢化に伴う資産管理の問題点を浮き彫りにしつつ、資産寿命を伸ばし老後を豊かに暮らすための指針が示されています。
そのなかで、老後世帯の月々の赤字額に関する統計調査から「老後までに2,000万円の資産形成が必要」との指摘がなされました。
この指摘について、麻生財務大臣は「表現自体は不適切」と述べましたが、しかし事実として多くの国民を驚かせているようです。
本記事では「老後までに2,000万」という数字が、実現可能な水準なのか、総務省家計調査を紐解いて考えてみたいと思います。

「老後までに2,000万円」の根拠は総務省家計調査

「老後までに2,000万」の算定根拠は、市場ワーキンググループ第21回の厚労省提出資料に記載された、下記の表です。

この表によれば、退職後の高齢夫婦世帯の1ヶ月の収入(年金等)は支出を超えており、赤字額の月5万円ほどを資産の取り崩しで対応する必要があると述べています。

この表は総務省家計調査をもとに作成されています。

家計調査とは、総務省が毎月行っている世帯単位の統計調査であり、月々の収入や支出、その内訳を、世帯の属性(単身であるとか、就業者であるとか、世帯主の年齢とか)と関連付けて記録したものです。
上記表は2017年の調査報告の内容を踏まえたものであり、これによると高齢夫婦無職世帯は月々5.4万円の赤字となっています。
月5万円×12ヶ月×老後30年でざっくり2,000万円が必要、というのが「老後までに2,000万」の根拠です。

現役世代の月々の黒字額(貯蓄可能額)は?

老後までに2,000万円の根拠がわかったところで、この金額は果たして現役時代の貯蓄でまかなえるものなのでしょうか?

65歳時点で2,000万円を確保するには、現役時代(20歳から60歳)の40年間に、年50万円ずつ確保する必要がありますが、果たして可能な水準なのでしょうか。

これも家計調査から確認できます。
表番号4には世帯主の年齢別の収支が載っていますので、これを見てみましょう。

20代の家計

20代家計の実収入32万円、実支出22万円、差額の黒字額は月額10万円です。
実収入には月給31万円を含みます。
ちょっと高い印象を持ちますが、あくまで世帯単位なので、世帯主の給料プラス配偶者が働いていればその給与も含まれます。

30代の家計

30代家計の実収入48万円、実支出33万円、差額の黒字額は月額15万円です。
実収入には月給45万円を含みます。

40代の家計

40代家計の実収入56万円、実支出41万円、差額の黒字額は月額15万円です。
実収入には月給53万円を含みます。

50代の家計

50代家計の実収入57万円、実支出42万円、差額の黒字額は月額14万円です。
実収入には月給55万円を含みます。

現役世代の貯蓄可能額

以上の内容から、月々の黒字額をすべて貯蓄に回すとすると、その総額は6,600万円ほどになります。

したがって、「平均的な」生活を送ってさえいれば、金融庁の「老後までに2,000万円」という目標も余裕でクリアできることになります。

(出所:総務省家計調査2018)

所得区分が違うとどうなるか?

ただし、上記はあくまで各年齢区分の平均値であり、母集団には飛び抜けて稼ぐ人も含まれているため、我々の実感とはやや異なっているかもしれません。
家計調査には世帯主の年収別の統計もあります(表番号3)。
これによると、年収356万円以下の層では、月々の黒字が32,709円です。
仮に生涯この年収階級であったとすると、月々の黒字をすべて貯金しても1,728万円であり、2,000万円には届かないので、必然的に「投資しろ」ということになります。
何に・いくら・どのように投資するかについては踏み込んだ議論が必要になるためここでは述べませんが、投資信託の積み立て購入によって分散効果を享受するのが賢いやり方だと思います。
投資信託の積立投資に関する解説は、下記書籍が大変丁寧でわかりやすく、おすすめです。


年収水準がもう少し高い層(356〜498万円)の人は、月々の黒字が8.2万円あります。

これをすべて貯蓄に回せられれば65歳時点で4,428万円になり、それなりに余裕が持てることになります。

仮にすべて日本株に投資すれば65歳時点の投資時価の中央値は1億を超え、2,000万を確保できない確率は5%以下と、かなり安心の将来設計です。

というわけで、結論としては、2,000万確保したければ年収上げろ、ということかと思います。

(出所:総務省家計調査2018)

まとめ

金融庁の報告書に込められた「老後までに2,000万円」というメッセージについて、現役世代の貯蓄でまかなえるのかを、総務省家計調査から考えてみました。
年齢別の平均黒字額をすべて貯蓄に回せば、「老後までに2,000万円」は余裕でクリアできる水準です。
所得別にみると、年収356万円以下の層は、平均どおりの収支では老後資金をまかなえませんので、投資によってリターンを稼ぐ必要が出てきます。
しかし年収が498万円まで増えれば、黒字額は大幅に増えますので、必ずしも投資リスクを取る必要はありません。
「老後までに2,000万円」を叶えるには、年収を上げるのが最も効果がありそうです。

ドルコスト平均法と一括投資の比較シミュレーション|リスク、リターン、損失確率

こんにちは、毛糸です。

手軽な投資手法として有名なドルコスト平均法は、専門家でもその有効性に関して評価が分かれており、分析するのは簡単ではありません。

分析が難しい理由は、対象とするデータ期間によって結果が変わってしまったり、確率論の手法が単純には適用できないためです。
参考記事>>ドルコスト平均法の検証が難しい理由

本記事ではこのような困難さを伴うドルコスト平均法に関して、シミュレーションによってその有効性を検証してみたいと思います。

検証の結果、ドルコスト平均法は一括投資に比べてリスク・リターンともに低くなり、また将来時点の損失確率が一括投資よりも大きくなることがわかりました。

 

検証方法

検証には投資シミュレーションプログラムVer2を使用します。

参考記事>>積立投資をシミュレーションするプログラムを作った(投資シミュレーションプログラムVer2)

投資シミュレーションプログラムVer2は積立投資を行った場合に将来の資産額がどのような分布を描くかをシミュレーションするプログラムです。
シミュレーションはモンテカルロ法という手法を利用しており、確率論に立脚した統計的推論に基づいて将来を予測します。
本記事では、月額1万円のドルコスト平均法による積立投資をした場合の将来の資産分布と、それと同じ総投資額を一括で投資した場合の資産分布を比較し、将来時点のリスクとリターンを比較します。

ドルコスト平均法と一括投資の比較をしたいので、使用する期待リターンとリスクは条件を揃えればなんでもいいのですが、ここでは年金の基本ポートフォリオの期待リターン4.57%と、リスクを示す標準偏差12.8%を使うことにします。レバレッジはかけません。
参考記事>>年金のリスクとリターンを統計プログラミング言語Rで計算してみた

投資期間は、1年・10年・30年・50年とします。

ドルコスト平均法と一括投資の比較

投資シミュレーションプログラムVer2を用いたシミュレーション結果は、以下のとおりです。シミュレーション回数は1万回です。

投資期間1年

投資月数は1年*12ヶ月=12ヶ月、総投資額は12万円です。

ドルコスト平均法

当初投資額0円、月1万円の積立投資をします。

1年後の資産額の期待値12.26万円、中央値12.26万円です。

1年後の資産額を総投資額で割ったトータルリターンは2.21%です。

1年後の資産額の標準偏差を総投資額で割ったトータルリスクは7.09%です。


1年時点で損失を被る確率は39.64%です。

一括投資

当初投資額12万円の一括投資をします。

1年後の資産額の期待値12.57万円、中央値12.50万円です。

1年後の資産額を総投資額で割ったトータルリターンは4.80%です。

1年後の資産額の標準偏差を総投資額で割ったトータルリスクは13.36%です。


1年時点で損失を被る確率は38.11%です。

投資期間10年

投資月数は10年*12ヶ月=120ヶ月、総投資額は120万円です。

ドルコスト平均法

当初投資額0円、月1万円の積立投資をします。

10年後の資産額の期待値151.46万円、中央値146.30万円です。

10年後の資産額を総投資額で割ったトータルリターンは26.22%です。

10年後の資産額の標準偏差を総投資額で割ったトータルリスクは31.63%です。


10年時点で損失を被る確率は20.04%です。

一括投資

当初投資額120万円の一括投資をします。

10年後の資産額の期待値189.57万円、中央値173.92万円です。

10年後の資産額を総投資額で割ったトータルリターンは57.97%です。

10年後の資産額の標準偏差を総投資額で割ったトータルリスクは66.69%です。


10年時点で損失を被る確率は17.58%です。

投資期間30年

投資月数は30年*12ヶ月=360ヶ月、総投資額は360万円です。

ドルコスト平均法

当初投資額0円、月1万円の積立投資をします。

30年後の資産額の期待値765.48万円、中央値673.64万円です。

30年後の資産額を総投資額で割ったトータルリターンは112.63%です。

30年後の資産額の標準偏差を総投資額で割ったトータルリスクは108.04%です。


30年時点で損失を被る確率は7.39%です。

一括投資

当初投資額360万円の一括投資をします。

30年後の資産額の期待値1406.71万円、中央値1099.39万円です。

30年後の資産額を総投資額で割ったトータルリターンは290.75%です。

30年後の資産額の標準偏差を総投資額で割ったトータルリスクは310.57%です。


30年時点で損失を被る確率は5.53%です。

投資期間50年

投資月数は50年*12ヶ月=600ヶ月、総投資額は600万円です。

ドルコスト平均法

当初投資額0円、月1万円の積立投資をします。

50年後の資産額の期待値2286.82万円、中央値1820.05万円です。

50年後の資産額を総投資額で割ったトータルリターンは281.31%です。

50年後の資産額の標準偏差を総投資額で割ったトータルリスクは284.51%です。


50年時点で損失を被る確率は2.75%です。

一括投資

当初投資額600万円の一括投資をします。

50年後の資産額の期待値5794.77万円、中央値3921.94万円です。

50年後の資産額を総投資額で割ったトータルリターンは865.79%です。

50年後の資産額の標準偏差を総投資額で割ったトータルリスクは1072.02%です。


50年時点で損失を被る確率は1.93%です。

考察

ドルコスト平均法と一括投資のトータル・リターンとリスクは以下のようになりました。

この結果から、次のようなことがわかります。

長期になるほどリターン・リスクは上がる

ドルコスト平均法と一括投資のどちらの方法によっても、投資年数が長くなればなるほど、トータルのリターンとリスクは大きくなります。

ときおり「長期投資は安全」という主張を目にしますが、将来時点の資産の変動性をリスクと呼ぶ限りにおいて、長期の投資はリスクを増大させます(その裏でリターンという報酬も大きくなります)。
参考記事>>長期投資は【安全ではない】ことをシミュレーションで証明する

ドルコスト平均法より一括投資の方がハイリスク・ハイリターン

投資期間が同じならば、ドルコスト平均法よりも一括投資の方がリターン・リスクともに高いです。

これは、投資総額が同じであれば、ドルコスト平均法のほうが資金の待機時間が長く、リスクにさらされる期間と金額が小さくなるためです。

投資期間が短ければ、おおよそドルコスト平均法の2倍程度が一括投資のリターン・リスクになりますが、期間が長くなればなるほど複利の効果によって幅が大きくなってきます。

損失確率

損失確率についてまとめたのが以下の表です。

この表からわかることは、①投資が長期になるほど損失確率は小さくなる、②ドルコスト平均法よりも一括投資の方が損失確率が低い、ということです。

投資年数が同じであれば一括投資の方がハイリスク・ハイリターンですが、損失確率という別の「リスク(危険性)」の尺度で考えると、一括投資の方が安全である(損失が生じにくい)ということは驚きに値します。

まとめ

モンテカルロ法を用いた投資シミュレーションプログラムによって、ドルコスト平均法と一括投資の比較を行いました。

結論として

  1. いずれの方法でも長期投資はリスクとリターンを増大させる
  2. ドルコスト平均法より一括投資の方がハイリスク・ハイリターン
  3. ドルコスト平均法より一括投資の方が損失確率が小さい
ことがわかりました。
ドルコスト平均法の有効性に関する研究はあまり知られていないので、引き続き他の視点からも検証してみたいと思います。

積立投資をシミュレーションするプログラムを作った(投資シミュレーションプログラムVer2)

こんにちは、毛糸です。
先日開発した「投資シミュレーションプログラム」は、年金運用やFXなど幅広い投資活動の分析に役立っています。
最初のバージョン以降、レバレッジと撤退の意思決定を考慮したり、ベクトル演算による高速化を行うなど、改善を続けてきました。
しかしながら、投資シミュレーションプログラムは実際の投資活動をリアルに分析するツールとしてはまだ不十分です。
今回、投資シミュレーションプログラムを更に改良し、積立投資の分析ができるようなプログラムにアップグレードしたので、その内容を解説します。

 

投資シミュレーションプログラムver2の改善点

今回アップデートする投資シミュレーションプログラムでは、「追加投資」の分析が行えるようになります。
従来の投資シミュレーションプログラムでは、投資期間を決めたら、期初に一括投資を行い、その後資金の出し入れは行わない前提で計算を行っていました。
しかし、実際の投資活動においては、投資資金の出し入れが行われることが通常であり、広く利用されている投資手法であるドルコスト平均法も、定期的な積立を行うものです。
今回アップデートする投資シミュレーションプログラムでは、投資期間中の資金の出入りスケジュールを計算に織り込むことができるようにします。
これにより、追加投資や引き出し、積立投資など、より現実的な分析が可能になります。
参考記事>>ドルコスト平均法の検証が難しい理由

コード例

投資シミュレーションプログラムでは、投資スケジュールを設定することで、投資期間中の追加投資や資金の引き出しが可能になります。
具体的には、投資スケジュールを時間区分の数だけ設定し、これを期中の投資時価に反映させます。
最終的な投資時価は期中の投資スケジュールを反映させたものになり、この投資時価を何万パターンも発生させることで、将来をシミュレーションします。

資金の出入りを反映させるに伴い、まず期間を原則として月数とするようにし、投資月数をhorizonという変数に格納します。

#投資年数(自由入力)
Year<-1
#1年あたりの月数(通常は12)
Month_par_year<-12
#投資月数
horizon<-Year*Month_par_year#monthes

また、投資期間中の資金の出入りを、inv_schedule変数に格納します。たとえば、毎月1万円の積立投資を行う場合には、指定した数字を繰り返す関数rep()を用いて、以下のように記述します。

#投資スケジュールを入力(自由入力)
inv_schedule<-rep(1,horizon)

投資のリスク・リターンも、月次ベースに直します。

#年率期待リターン(期待収益率μ、自由入力)
mu<-7/100
mu_par_month<-mu/Month_par_year
#年率リスク(標準偏差σ、自由入力)
sigma<-12.88/100
sigma_par_month<-sigma/(Month_par_year)^0.5

シミュレーションを行う繰り返し計算の部分に、前述のinv_scheduleの各要素を足すように変更します。

#シミュレーション開始
for (s in 1:sample){
        for ( t in 1:horizon){
            #撤退していれば計算を飛ばす
            if(W[s]==1) break
            #今年の資産額=前年の資産額*(1+レバ比率*収益率)
            A[s,t+1]<-A[s,t]*(1+Lev*z[s,t])+inv_schedule[t]
            #もし資産額が撤退額を下回ったら撤退目印を立てる
            if(A[s,t+1]<Withdraw)W[s]<-1
        }
}
以上を加味した、投資シミュレーションプログラムver2.0のコードは以下のとおりです。
#投資年数(自由入力)
Year<-1
#1年あたりの月数(通常は12)
Month_par_year<-12
#投資月数
horizon<-Year*Month_par_year#monthes
#シミュレーション回数(自由入力、多いほど正確だが時間がかかる)
sample<-1000
#シミュレーション数値を格納する行列
A<-matrix(0,sample,horizon+1)
#初期投資額を入力(自由入力)
initial<-1000
#投資スケジュールを入力(自由入力)
inv_schedule<-rep(1,horizon)
#シミュレーション数値に初期投資額を入力
A[,1]<-initial
#年率期待リターン(期待収益率μ、自由入力)
mu<-7/100
mu_par_month<-mu/Month_par_year
#年率リスク(標準偏差σ、自由入力)
sigma<-12.88/100
sigma_par_month<-sigma/(Month_par_year)^0.5
#レバレッジ比率
Lev<-1
#撤退をカウントする目印
W<-rep(0,sample)
#撤退額を設定
Withdraw<-0
#乱数を生成(ランダムな投資収益率)
set.seed(1234)
x<-rnorm(sample*horizon,mu_par_month,sigma_par_month)
#乱数(ランダムな収益率)を行列形式に変換
z<-matrix(x,sample,horizon)
#シミュレーション開始
for (s in 1:sample){
        for ( t in 1:horizon){
            #撤退していれば計算を飛ばす
            if(W[s]==1) break
            #今年の資産額=前年の資産額*(1+レバ比率*収益率)
            A[s,t+1]<-A[s,t]*(1+Lev*z[s,t])+inv_schedule[t]
            #もし資産額が撤退額を下回ったら撤退目印を立てる
            if(A[s,t+1]<Withdraw)W[s]<-1
        }
}
#シミュレーション結果の期待値を表示
paste(Year,"年後の資産額の期待値は",mean(A[,horizon+1]))
#シミュレーション結果の中央値を表示
paste(Year,"年後の資産額の中央値は",median(A[,horizon+1]))
#損する確率を表示
paste("損失を被る確率は",length(A[,horizon+1][A[,horizon+1]<initial])/sample)
#億り人になれる確率を表示
paste("億り人になれる確率は",length(A[,horizon+1][A[,horizon+1]>10000])/sample)
#破産する確率を表示
paste("破産する確率は",sum(W)/sample)
#将来の資産額の確率分布(ヒストグラム)を表示
hist(A[,Year+1])

 

まとめ

投資シミュレーションプログラムをアップデートし、期中の資金の出入りを考慮できるようになりました。
これにより、積立投資のシミュレーションや、資金の引き出しについての分析が行なえます。
具体的なシミュレーションの例は、近日公開予定です。

ドルコスト平均法の検証が難しい理由

こんにちは、毛糸です。

日本の年金制度に対する不透明感から、資産運用の必要性を感じている人も増えてきていることと思います。
資産運用の「王道」として挙げられるのが、投資信託などを毎月定額で積み立て購入する手法「ドルコスト平均法」です。
ドルコスト平均法は初心者でも実施できる効果的な投資手法として紹介されることも多いですが、実はその有用性については評価が分かれています。
本記事ではドルコスト平均法の有効性を検証することが難しい2つの理由を解説します。

ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法は投資手法の一つであり、決まった期間ごと(たとえば一ヶ月ごと)に一定の金額を投資することを指します。

ドルコスト平均法は投資の平均買い付け価格を下げる効果があるとされています。

ドルコスト平均法の考え方は単純で、手軽に行える投資手法であり、上記のような「効果」があるとされているため、人気の手法です。

しかし、ドルコスト平均法が投資手法として優れているのかというのは、学術的には肯定的な意見も否定的な意見もあり、科学的に立証された方法ではありません。

資産運用の初心者におすすめの入門書『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』には、ドルコスト平均法について、

三流ファイナンシャルプランナーが書いたんじゃない?

早めに買ってお金に働いてもらう期間が長いほうが、現時点の判断としては正しい。

と書かれており、ドルコスト平均法に否定的です。

このように、専門家の間でもドルコスト平均法の有効性については判断が分かれています。

以下ではなぜドルコスト平均法の検証が難しいのか、2つの理由を挙げます。

データ期間に依存する

ドルコスト平均法に関する設例の多くは、資産価格が上げ下げを繰り返すようなケースがほとんどです。

こういうケースにおいては、ドルコスト平均法によって、買い付け単価の平均は小さく抑えられます。

出典:三井住友DSアセットマネジメントhttps://www.daiwasbi.co.jp/fundcollege/investment/about/index4.html

しかし、これはあくまで「そういう相場だから有利だった」という話で、これからも上げ下げを繰り返すような相場になるとは限りません。
時には今を「底」として右肩上がりで資産価格が上昇する場合もあり、そのときは当初一括購入するのが、最も買い付け単価を安くする方法です。
このように、ドルコスト平均法の検証につかうデータ次第では、ドルコスト平均法が有利とも不利とも言えることになります。

したがって、特定期間のデータに依拠したドルコスト平均法の分析は説得力にかけるものがほとんどです。

データ期間に依存しない一般的なケースでの分析が難しいことが、ドルコスト平均法の分析を難しくする要因のひとつとなっています。

確率論の問題として扱いづらい

投資を確率論の立場から検証するのがファイナンス理論です。
ブラック・ショールズ式を厳密に証明しノーベル賞を受賞したロバート・マートンも、確率論に基づく最適ポートフォリオの研究をしています。
ファイナンス理論において投資を分析するのは今やメジャーとなっていますが、しかし、ドルコスト平均法は標準的なファイナンス理論とあまり相性がありません。
標準的なファイナンス理論では、資産価格が対数正規分布に従うと仮定されます。
参考記事>>年金のリスクとリターンを統計プログラミング言語Rで計算してみた
ドルコスト平均法は、異なる時点で一定金額を買い付ける手法であり、その際の購入量は一定金額÷資産価格で求められます。

計算によって、この購入量もまた、対数正規分布に従うことがわかります。

数式で書くと、時点\( t\)において資産価格が\( S_t\)だったときに、一定額\( A\)を投資したときの購入量\(Q_t \)は、以下のように表すことができ、これは対数正規分布に従います。

\[ \begin{split} Q_t=\frac{A }{S_t }=\frac{ A}{ S_0}e^{-(\mu-\frac{ 1}{ 2}\sigma^2)t-\sigma W_t}\end{split} \]
ただし、\( \mu\)は資産の期待リターン、\( \sigma\)はリスク、\( W_t\)は正規分布に従う確率変数です。

さて、ドルコスト平均法によった場合、購入は何度かに分かれて行われるため、最終的な投資量は各回の購入量の和、すなわち対数正規分布の和になります。
対数正規分布の和は、数式で簡潔に表現することができません。
参考記事>>対数正規分布の和、幾何ブラウン運動の和、リスク資産ポートフォリオ
正規分布であれば、正規分布の和は再び正規分布になり、簡潔に表現することができますが、対数正規分布の和は扱いやすい確率分布にはなりません。
したがって、確率論を使ってドルコスト平均法の定量的な議論を行うのは難しくなります。
もちろん、資産価格が対数正規分布に従わない別のモデルを考えればこの限りではありませんが、いずれにせよ、確率論で扱うような簡潔な形で扱うのは難しく、これがドルコスト平均法の検証が困難な理由です。

まとめ

ドルコスト平均法は簡単に実施できる投資法として人気ですが、その検証は簡単ではありません。
データに依存しますし、確率論の道具を使うことができないからです。
これらを踏まえ、ドルコスト平均法の検証には、シミュレーションが有効なのではないかと考えています。
近く、シミュレーションを用いたドルコスト平均法の検証をしてみたいと思います。

「日本株に投資すると長期的には損」は本当か?

こんにちは、毛糸です。
先日公表された金融庁の報告案「高齢社会における資産形成・管理」のなかで、日本の年金に対する不透明性が示され、国民一人ひとりが自助努力による資産運用を行うべき、ともとれるメッセージが投げかけられました。
これを読んで投資を始めようとした人の中には、こんな考えを抱いている人もいるでしょう。

日本は高齢化が進み、人口も減少している。国の借金も増え続けているし、日本株式に投資しても損をするのは目に見えているから、日本株は買わないようにしよう。

さて、この考え方は正しいのでしょうか?
資産運用の初心者におすすめの入門書『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』には、こういった考え方について、

『低成長だから、株価は下がる』というのは誤り

と解説しています。
本記事ではなぜ「日本株は下がる」と考えるのが誤りなのか、ファイナンス理論の考え方と合わせて解説します。

(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;
b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript
||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)};
c.getElementById(a)||(d=c.createElement(f),d.src=g,
d.id=a,e=c.getElementsByTagName(“body”)[0],e.appendChild(d))})
(window,document,”script”,”//dn.msmstatic.com/site/cardlink/bundle.js”,”msmaflink”);
msmaflink({“n”:”難しいことはわかりませんがお金の増やし方を教えてください”,”b”:””,”t”:””,”d”:”https://images-fe.ssl-images-amazon.com”,”c_p”:””,”p”:[“/images/I/61KYTun14uL.jpg”],”u”:{“u”:”https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%B3%E8%A7%A3%E3%83%BB%E6%9C%80%E6%96%B0-%E9%9B%A3%E3%81%97%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%81%8C%E3%80%81%E3%81%8A%E9%87%91%E3%81%AE%E5%A2%97%E3%82%84%E3%81%97%E6%96%B9%E3%82%92%E6%95%99%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%81%A0%E3%81%95%E3%81%84%EF%BC%81-%E5%B1%B1%E5%B4%8E%E5%85%83-ebook/dp/B077F4SK36″,”t”:”amazon”,”r_v”:””},”aid”:{“amazon”:”1251300″,”rakuten”:”1249750″,”yahoo”:”1251299″},”eid”:”yI0sr”});

株式市場の効率性

株式市場には膨大な数のプレーヤーが参加しており、個々の投資家が様々な思惑で株式を売買しています。
もし国家レベルで先行きが怪しくなった場合、多くの投資家はすぐさまその情報を察知し、その国の企業の株価が下がる前に投資を清算しようとします。
そうすると、需要(買い)より供給(売り)が多くなり、株価が下がります。
情報が早く伝わるほど、そしてプレーヤーが多いほど、株価は情報を折り込みやすくなり、情報を手に入れることで得られる超過リターンはなくなっていきます。
ファイナンス理論ではこれを「市場の効率性」とよび、過去から現在までに公表された情報を使って超過リターンが得られないほど効率的であることを「セミストロングフォームで効率的」といいます。
多くの研究で、株式市場はセミストロングフォームで効率的であると考えられています。
したがって、過去に公表され世間に知れ渡った情報は、すでに現在の株価に織り込み済みであると考えられます。

(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;
b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript
||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)};
c.getElementById(a)||(d=c.createElement(f),d.src=g,
d.id=a,e=c.getElementsByTagName(“body”)[0],e.appendChild(d))})
(window,document,”script”,”//dn.msmstatic.com/site/cardlink/bundle.js”,”msmaflink”);
msmaflink({“n”:”ウォール街のランダムウォーカー原著第11版株式投資の不滅の真理”,”b”:””,”t”:””,”d”:”https://images-fe.ssl-images-amazon.com”,”c_p”:”/images/I”,”p”:[“/51j3XxuLcML.jpg”,”/51L5VguO16L.jpg”,”/51pXH1cT26L.jpg”,”/51qzhDA8N8L.jpg”,”/516KF7nD4ML.jpg”,”/51RqxJ5YdzL.jpg”,”/41Z4TQLguaL.jpg”,”/41RDCEkVSWL.jpg”,”/51ZC6wiROQL.jpg”,”/416UAK2gjbL.jpg”,”/51COLQfOYZL.jpg”,”/41wAkIpxalL.jpg”,”/517pu9qvoaL.jpg”,”/51Qd00xstPL.jpg”,”/41a6WwcjPUL.jpg”,”/41whOykxo9L.jpg”,”/51ZYk6jqWTL.jpg”,”/51JXyzvOypL.jpg”,”/51Cx1OLwZwL.jpg”],”u”:{“u”:”https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%A1%97%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%80%88%E5%8E%9F%E8%91%97%E7%AC%AC11%E7%89%88%E3%80%89-%E2%80%95%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E6%8A%95%E8%B3%87%E3%81%AE%E4%B8%8D%E6%BB%85%E3%81%AE%E7%9C%9F%E7%90%86-%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/4532356873″,”t”:”amazon”,”r_v”:””},”aid”:{“amazon”:”1251300″,”rakuten”:”1249750″,”yahoo”:”1251299″},”eid”:”0uoAM”});

高齢化・低成長な日本の先行きは株価に織り込み済み

日本が超高齢化社会であり、社会保障や企業の雇用維持に限界が来つつあることは、周知の事実です。
したがって、株式市場が効率的ならば、これらネガティブな見通しは、すでに株価に織り込まれていると考えられます。
もし織り込まれていないなら、「日本はもうダメだ」と確信する投資が日本株に売りを浴びせることで高いリターンが得られます。
しかし市場参加者は自分の信念に従い、「先は暗そう」だと考えている人は既に売りポジションを持っているもしくは投資を清算しているはずで、その投資行動の結果として現在の株価が形成されているわけですから、現在の株価に日本の暗い未来は織り込み済みなのです。

日本株は下がるのか、上がるのか

もちろん、日本の先行きに関して、さらにネガティブな情報がもたらされれば、日本株はさらに値下がりすることもあります。
しかし、こういう「予想外」の情報は、事前には予測し難いものです。
逆に、日本が今考えられているより少しはマシな社会になりそうだという見通しがたてば、株価はむしろ上がっていくでしょう。
したがって「日本は低成長だから、投資の旨味はない」という考えは、妥当ではないのです。
日本株は上がるのか、下がるのかという質問に確かな答えを出すのは不可能ですが、現在の見通しより良くなれば上がり、悪くなれば下がる、ということは言えるでしょう。

まとめ

市場の効率性という考え方に触れながら、「日本は低成長だから株価は上がらない」という考え方が適切ではないことを説明しました。
日本株が上がるか下がるかは、今の日本の将来見通しが今後好転するのか、悪化するのかにかかっています。
もし「世の中の人が考えるより確かな信念で、私は上がると思う!」と考える人が増えれば、株価は自然に上がっていくでしょう。

(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;
b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript
||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)};
c.getElementById(a)||(d=c.createElement(f),d.src=g,
d.id=a,e=c.getElementsByTagName(“body”)[0],e.appendChild(d))})
(window,document,”script”,”//dn.msmstatic.com/site/cardlink/bundle.js”,”msmaflink”);
msmaflink({“n”:”ウォール街のランダムウォーカー原著第11版株式投資の不滅の真理”,”b”:””,”t”:””,”d”:”https://images-fe.ssl-images-amazon.com”,”c_p”:”/images/I”,”p”:[“/51j3XxuLcML.jpg”,”/51L5VguO16L.jpg”,”/51pXH1cT26L.jpg”,”/51qzhDA8N8L.jpg”,”/516KF7nD4ML.jpg”,”/51RqxJ5YdzL.jpg”,”/41Z4TQLguaL.jpg”,”/41RDCEkVSWL.jpg”,”/51ZC6wiROQL.jpg”,”/416UAK2gjbL.jpg”,”/51COLQfOYZL.jpg”,”/41wAkIpxalL.jpg”,”/517pu9qvoaL.jpg”,”/51Qd00xstPL.jpg”,”/41a6WwcjPUL.jpg”,”/41whOykxo9L.jpg”,”/51ZYk6jqWTL.jpg”,”/51JXyzvOypL.jpg”,”/51Cx1OLwZwL.jpg”],”u”:{“u”:”https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%A1%97%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%80%88%E5%8E%9F%E8%91%97%E7%AC%AC11%E7%89%88%E3%80%89-%E2%80%95%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E6%8A%95%E8%B3%87%E3%81%AE%E4%B8%8D%E6%BB%85%E3%81%AE%E7%9C%9F%E7%90%86-%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/4532356873″,”t”:”amazon”,”r_v”:””},”aid”:{“amazon”:”1251300″,”rakuten”:”1249750″,”yahoo”:”1251299″},”eid”:”8aaSi”});

ビットコインの確率分布について|期待リターン、リスク、ヒストグラム【正規分布じゃない】

こんにちは、毛糸です。

前回、Rライブラリ「crypto」を用いて、仮想通貨の価格が簡単に取得できることを説明しました。
>>仮想通貨の価格ヒストリカルデータを取得する方法|Rライブラリcryptoの使い方

今回は「crypto」を使って取得したBitcoin(BTC)の価格情報を分析します。

BTC価格の時系列データを分析することで、BTCの期待リターン、リスクが極めて高いことがわかりました。

また、ヒストグラムと「正規性の検定」により、BTCのリターンは正規分布に従わないこともわかりました。

cryptoパッケージによるBTC価格の取得とリターンのデータ

cryptoパッケージのcrypto_history()関数を用いて、BTC価格のヒストリカルデータを取得します。
>>仮想通貨の価格ヒストリカルデータを取得する方法|Rライブラリcryptoの使い方

#crypto_history(coin = NULL, limit = NULL, start_date = NULL,
#end_date = NULL, coin_list = NULL, sleep = NULL)
#仮想通貨の価格等情報を取得
#dateはyyyymmdd形式で。NULLとすると最長期間
BTC<-crypto_history(coin = "BTC",
                    start_date = NULL,end_date = NULL)
BTC価格を時系列データとして読み込みます。
BTC_price<-ts(BTC$close,start=BTC$date[1])
plot(BTC_price,type="l")
日次収益率を計算し、プロットしてみましょう。
#日次収益率
BTC_return_daily<-diff(BTC_price,lag=1)/lag(BTC_price,k=-1)
plot(BTC_return_daily,type="l")
以下ではこの日次収益率データを使って、BTCの収益率の統計分析をしていきます。

基本統計量

期待リターン(平均)

日次収益率の平均をとることで、日次期待リターンを推定できます。結果は、日次リターンが0.28%、簡易的に年率換算すると102%となりました。株式のリターンが年率5%ほどと言われていますから、驚異的な水準です。
#日次収益率の平均(期待リターン)(%)
mean(BTC_return_daily)*100
#[1] 0.2808807
#年率換算(%)
mean(BTC_return_daily)*100*365
#[1] 102.5215

リスク(標準偏差)

日次収益率の標準偏差を計算することで、日次収益率のリスクを推定できます。結果は、日次ベースの標準偏差が4.3%、簡易的に年率換算すると82%となりました。株式のリスクが年率25%ほどと言われていますから、とてつもなくハイリスクであることがわかります。
#標準偏差(%)
sd(BTC_return_daily)*100
#[1] 4.333606

#年率換算(%)
sd(BTC_return_daily)*100*365^0.5
#[1] 82.79343

歪度

歪度と尖度の計算には、「moments」ライブラリのskewness()、kurtosis() 関数を用います。
install.packages("moments")
library(moments)

分布の歪み具合を示すのが歪度です。正規分布のように左右対称な分布では、歪度は0になります。

BTC日次収益率の歪度は0.5です。歪度が正であるということは、分布のピークが左側にあり、右側の裾が広い分布であることを意味します。つまり、極端に高いリターンが出やすいと言えます。

#歪度:正規分布は0、正なら右裾が広い
skewness(BTC_return_daily)
#[1] 0.5234792

尖度

尖度は分布の尖り具合を示します。正規分布は尖度3(0とする定義もあり)であり、これより大きければ、分布は平均の周りで尖った、左右に裾野が広い分布になります。

BTC日次収益率の尖度は12であり、正規分布より極端に「尖った」、そして「裾野の広い」分布になります。つまり、極端に高い・低いリターンが出現しやすいことを意味します。

#尖度:正規分布が3
kurtosis(BTC_return_daily)
#[1] 12.9556

BTC収益率(リターン)は正規分布にしたがうか?(正規性の検定)

ファイナンス(金融工学)では、資産のリターンは正規分布に従うと仮定されることが多いです(資産価格が対数正規分布、資産価格が幾何ブラウン運動、も同様の意味です)。
BTC収益率は正規分布に従うのか、確かめてみましょう。
すでに、BTC収益率の歪度が0.5(正規分布なら0)、尖度が12(正規分布なら3)であることは確認しましたので、正規分布ではないような気がしますが、別の視点からも確認します。
本性の内容は下記記事を参考にしています。

ヒストグラム

リターンの実現値が、どの範囲でどのくらいの頻度で出現したかを見るグラフが、ヒストグラムです。

BTC日次収益率のヒストグラムを描いてみます。

正規分布のヒストグラムは左右対称のベルのような形をしていますが、BTC収益率のヒストグラムはやや右に裾野が厚く、かつ裾野が広がっている印象を受けます。

hist(BTC_return_daily,main="BTC算術日次リターンのヒストグラム",xlab="日次リターン",ylab="度数")

Q-Qプロット

Q-Qプロットは、与えられたデータがある確率分布とどれくらい「ずれているか」を図示したものです。データをQ-Qプロットしたとき、データが45度線(y=xのグラフ)に沿って並んでいれば、理論上の分布と近いという根拠になります。Rではqqnorm()関数によって、正規分布を仮定した場合のQ-Qプロットを描画できます。

BTCの日次データをQ-Qプロットしてみると、以下のように曲線を描いており、正規分布に近いとは言えません。

qqnorm(BTC_return_daily,main="BTC算術日次リターンのQ-Qプロット")

シャピロ・ウィルク検定

シャピロ・ウィルク検定は、「データが正規分布に従う」という帰無仮説に関する検定です。したがって、シャピロ・ウィルク検定で計算されたp値が小さければ、帰無仮説を棄却、つまり「データは正規分布に従わない」ということが言えます。Rではshapiro.test()を使います。
検定の結果、p値はほぼ0であり、「BTC日次収益率は正規分布に従わない」と結論付けられます。
> shapiro.test(BTC_return_daily)


 Shapiro-Wilk normality test


data:  BTC_return_daily
W = 0.87881, p-value < 0.00000000000000022

コルモゴロフ・スミルノフ検定

コルモゴロフ・スミルノフ検定は、「データが指定した確率分布に従う」という帰無仮説に関する検定です。したがって、正規分布に関するコルモゴロフ・スミルノフ検定を行ったときにp値が小さければ、帰無仮説を棄却、つまり「データは正規分布に従わない」ということが言えます。Rではks.test()を使います。
検定の結果、p値はほぼ0であり、「BTC日次収益率は正規分布に従わない」と結論付けられます。
> ks.test(BTC_return_daily, "pnorm", mean=mean(BTC_return_daily), sd=sqrt(var(BTC_return_daily)))


 One-sample Kolmogorov-Smirnov test


data:  BTC_return_daily
D = 0.11752, p-value < 0.00000000000000022
alternative hypothesis: two-sided


 警告メッセージ: 
 ks.test(BTC_return_daily, "pnorm", mean = mean(BTC_return_daily),  で: 
   コルモゴロフ・スミノフ検定において、タイは現れるべきではありません
なお、警告メッセージは同一データが存在するときに発生します。連続確率分布では同一の値が実現する確率は0なので、本来生じるべきではないというアラートですが、今回は厳密な議論をしているわけではないので、スルーします。
以上のような検討の結果、いずれの方法でも、BTC日次収益率は正規分布に従わないという結論が得られました。

ビットコインの収益率が正規分布に従わないとなにが困るか

ビットコインの収益率が正規分布に従わないということは、収益率が正規分布に従うと仮定して展開される多くのファイナンス理論の道具が使えないことになります。
たとえば、オプションの価格公式であるブラック・ショールズ式は、資産価格が幾何ブラウン運動に従うこと(つまり収益率が正規分布に従うこと)を仮定しています。
したがって、ビットコインのオプションが組成されたときに、そのオプションの価格をブラック・ショールズ式で評価するのと、意思決定を誤ります。
また、将来の投資運用の成績をシミュレーションする「投資シミュレーションプログラム」も、資産の収益率に正規分布を仮定しているため、仮想通貨投資には利用できません。

このように、確率分布が標準的なファイナンスの仮定と異なることにより、やや慎重な議論が必要になってきます。

投資においては、為替や株式等よりも変動性が大きく、また極端に高いもしくは低いリターンが出やすいという点に気をつける必要があります。

まとめ

Rライブラリ「crypto」を用いて、ビットコインの価格情報を取得し、日次リターンの分析を行ってみました。
ビットコインの収益率は極めてハイリスク・ハイリターンであり、また、ファイナンスで通常仮定される正規分布とは大きく異なる性質を持っています。

ビットコインを始めとする仮想通貨のデータを扱う際には、この分布の特性をよく踏まえる必要があります。

関連記事>>ビットコインはバブルである

参考記事


データ解析その前に: 分布型の確認と正規性の検定 #rstatsj(リンク)
Leihcrev’s memo 入門本編 8章 確率分布(リンク
統計解析フリーソフト R の備忘録頁 ver.3.1 63. 正規性の検定(リンク)
Wikipedia 歪度(リンク
Wikipedia 尖度(リンク

【投信定点観測】12週目|米中通商通商協議難航

こんにちは、毛糸です。

【投信定点観測】2019年6月第1週(スタートから12週目)の損益の報告です。

今週末における含み損益は-26,198円、損益率は-1.63%(年率-4.79%)です。

損益状況

商品ごとの時価は以下のようになりました。【投信定点観測】開始から12週間経過時の含み損益は-26,198で、先週から12,307円のマイナスです。

損益率に直すとこんな感じです。今週末の損益率は-1.63%(年率換算で-4.79%)です。

インデックス投資信託の振り返り:米中通商協議難航

米中通商協議がまとまらず、今週も米国株式を中心に広く売られる展開となっています。

アメリカの中国に対する輸入関税引き上げに伴う関係悪化を嫌気して、先進国株式と日本株式は週間騰落率マイナスとなっています。

一時は金利上昇リスクの後退により指数を押し上げてきたREITですが、長引くリスクオフ環境の影響を受け、今週はJ-REIT、G-REITともにマイナスとなりました。

今週の騰落率最下位はG-REITのマイナス2.18%でしたが、【投信定点観測】ポートフォリオ全体ではマイナス0.74%に収まっています。

投資信託自体が分散効果を享受する優れた金融商品ですが、これを複数の資産クラスに拡大することで、ポートフォリオ全体のリスクは更に低減することが出来ます。

ロボアドバイザーの振り返り:THEO(テオ)の守りの堅さ

ロボアドバイザーのTHEO(テオ)は今週+0.04%(含み損益-1.97%)、WealthNavi(ウェルスナビ)は今週-1.67%(含み損益-3.37%)でした。

【投信定点観測】開始からしばらくはWealthNaviのほうがリターンが高かったのですが、市場全体に失速感が出てからは、THEOの「守りの堅さ」が目立っています。

WealthNaviとTHEOはその投資戦略や手法に差異があり、それがリターンとリスクに現れています。
▼ロボアドバイザーTHEO(テオ)は登録はこちらから!
THEO

▼ロボアドバイザーWealthNavi(ウェルスナビ)の登録はこちらから!

WEALTHNAVI(ウェルスナビ)

アクティブファンドの振り返り:ひふみとTOPIXの差広がる

日本株式に投資するアクティブファンドひふみ投信と、インデックスであるTOPIXとの成績の差が開きつつあります。

週次の勝率でみると勝ったり負けたりですが、累積リターンで見るとひふみ投信はアクティブファンドとしての価値を十分に発揮しています。

統計的にはアクティブファンドは平均するとインデックスに勝てないという研究がありあますが、あらゆるアクティブファンドがインデックスに負ける、といっているわけではありません。

これまでの成績を見る限り、ひふみ投信は継続的にインデックスに勝てる優秀なアクティブファンドブファンドであると言っても良さそうです。

まとめ

【投信定点観測】を始めて12週、経済大国の貿易を巡り市場に暗雲が立ち込めています。

国家レベルのリスク要因は分散投資を持ってしてもなかなか低減することが難しいですが、それでも個別の資産のリスクをヘッジ出来るという意味では、投資信託による分散投資は個人投資家にとって十分魅力的な投資手法です

引き続き、投資信託による「コツコツ」積立投資で、安定的な資産形成を目指していきます。

引き続き積立投資の状況をリポートして参りますので、もしよろしければSNSでのシェアよろしくお願い致します!

長期投資は【安全ではない】ことをシミュレーションで証明する

こんにちは、毛糸です。

「長期投資は安全」というイメージを抱いていませんか?

全国銀行協会のサイト(リンク)でも、長期投資の安全性に関して以下のように書いてあります。

一時的に価格が下がっても、長い目で見れば価格が上がることもあるため、長く保有すればするほど、リスクを軽減する効果があるといわれています。

しかし、この主張は極めて誤解しやすいもので、実際にはむしろ、投資収益のリスクは長期になればなるほど大きくなります。

本記事では「投資シミュレーションプログラム」を用いて、長期投資がリスクを高めることを証明します。
参考記事:>>「投資シミュレーションプログラム」サマリー

投資の「リスク」の定義

投資におけるリスクとは、投資収益の期待値からのブレを指すのが一般的です。

もう少し踏み込んで言えば、そのブレを測る尺度が、標準偏差や分散という統計量です。

投資において「リスクが高い」とは、将来の(額もしくは率ベースの)投資収益の標準偏差が高い、ということを意味します。

この意味において、投資が長期になればなるほど、リスクは高くなります。

つまり、他の条件を一定とすれば、短期と長期の投資収益は、後者のほうが高い標準偏差を持つということです。

本記事ではこのことを「投資シミュレーションプログラム」を用いて示します。

(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;
b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript
||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)};
c.getElementById(a)||(d=c.createElement(f),d.src=g,
d.id=a,e=c.getElementsByTagName(“body”)[0],e.appendChild(d))})
(window,document,”script”,”//dn.msmstatic.com/site/cardlink/bundle.js”,”msmaflink”);
msmaflink({“n”:”ウォール街のランダムウォーカー株式投資の不滅の真理”,”b”:””,”t”:””,”d”:”https://images-fe.ssl-images-amazon.com”,”c_p”:”/images/I”,”p”:[“/51j3XxuLcML.jpg”,”/51L5VguO16L.jpg”,”/51pXH1cT26L.jpg”,”/51qzhDA8N8L.jpg”,”/516KF7nD4ML.jpg”,”/51RqxJ5YdzL.jpg”,”/41Z4TQLguaL.jpg”,”/41RDCEkVSWL.jpg”,”/51ZC6wiROQL.jpg”,”/416UAK2gjbL.jpg”,”/51COLQfOYZL.jpg”,”/41wAkIpxalL.jpg”,”/517pu9qvoaL.jpg”,”/51Qd00xstPL.jpg”,”/41a6WwcjPUL.jpg”,”/41whOykxo9L.jpg”,”/51ZYk6jqWTL.jpg”,”/51JXyzvOypL.jpg”,”/51Cx1OLwZwL.jpg”],”u”:{“u”:”https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AB%E8%A1%97%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%80%88%E5%8E%9F%E8%91%97%E7%AC%AC11%E7%89%88%E3%80%89-%E2%80%95%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E6%8A%95%E8%B3%87%E3%81%AE%E4%B8%8D%E6%BB%85%E3%81%AE%E7%9C%9F%E7%90%86-%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/4532356873″,”t”:”amazon”,”r_v”:””},”aid”:{“amazon”:”1251300″,”rakuten”:”1249750″,”yahoo”:”1251299″},”eid”:”azSuX”});

投資シミュレーションプログラム

「投資シミュレーションプログラム」は、確率論に基づくモンテカルロ・シミュレーションという手法を用いて、投資収益の将来予測をするプログラムです。
参考記事:>>「投資シミュレーションプログラム」サマリー

モンテカルロ・シミュレーションとは、コンピュータによって乱数を発生させ、将来を確率的にシミュレートし、大数の法則によって将来の期待値を算定する手法です。

「投資シミュレーションプログラム」を使えば、投資の期待リターンとリスクと投資期間を入力することで、将来の資産額を計算することが出来ます。

長期投資でリスクは低減されない

今回行うシミュレーションは、投資対象をFXとした場合(期待リターン0%、リスク10%と仮定)と、インデックス投信に分散投資した場合(期待リターン4.57%、リスク12.8%)の2つのケースについて、1年・10年・30年の各投資期間で、将来時点で確定する投資収益の期待値とリスクを計算してみます。

インデックス投信に分散投資、といってもアセット・アロケーションは無限にありますが、ここでは日本の年金運用の基本ポートフォリオと同じ資産配分で行うものと仮定します。

シミュレーション結果は以下のとおりです。

FX(期待リターン0%、リスク10%)に投資した場合

1年後

  • リターンの期待値は0%
  • リスク(標準偏差)は10%
  • シャープレシオは0
  • 1年あたりの平均リターンは0%

10年後

  • リターンの期待値は0%
  • リスク(標準偏差)は32%
  • シャープレシオは0
  • 1年あたりの平均リターンは0%

30年後

  • リターンの期待値は1%
  • リスク(標準偏差)は61%
  • シャープレシオは0.02
  • 1年あたりの平均リターンは0%
FX(期待リターン0%、リスク10%)に投資した場合、長期になってもリターンは(ほぼ)増えませんが、リスクは長期になればなるほど大きくなっていることがわかります。

インデックスに分散投資(期待リターン4.57%、リスク12.8%)した場合

1年後

  • リターンの期待値は5%
  • リスク(標準偏差)は12%
  • シャープレシオは0.4
  • 1年あたりの平均リターンは5%

10年後

  • リターンの期待値は56%
  • リスク(標準偏差)は63%
  • シャープレシオは0.8
  • 1年あたりの平均リターンは5%

30年後

  • リターンの期待値は286%
  • リスク(標準偏差)は298%
  • シャープレシオは1
  • 1年あたりの平均リターンは5%
インデックスに分散投資(期待リターン4.57%、リスク12.8%)した場合、長期になればなるほどリターンは大きくなっていますが、それに伴いリスクも大きくなっていることがわかります。ちなみに、投資のリスクとリターンの比率を示すシャープレシオは、投資が長期化するほど高まります。
上記分析に用いたRのコードは以下のとおりです。
#FX
#投資年数(自由入力)
Year<-1
#シミュレーション回数(自由入力、多いほど正確だが時間がかかる)
sample<-10000
#シミュレーション数値を格納する行列
A<-matrix(0,sample,Year+1)
#初期投資額を入力(自由入力)
initial<-100
#シミュレーション数値に初期投資額を入力
A[,1]<-initial
#期待リターン(期待収益率μ、自由入力)
mu<-0/100
#リスク(標準偏差σ、自由入力)
sigma<-10/100
#シミュレーション開始
set.seed(123)
#sampleの計算は明示せずベクトル化
for ( t in 1:Year){
    #今年の資産額=前年の資産額*(1+収益率)
    A[,t+1]<-A[,t]*(1+rnorm(sample,mu,sigma))
}
#シミュレーション結果の期待値を表示
paste(Year,"年後の資産額の平均は",mean(A[,Year+1]),"万円")
paste(Year,"年後の累積リターンの平均は",(mean(A[,Year+1])/initial-1)*100,"%")
paste(Year,"年後の累積リターンの標準偏差は",sd(A[,Year+1])/initial*100,"%")
paste(Year,"年間の1年あたり 平均収益率は",((mean(A[,Year+1])/initial)^(1/Year)-1)*100,"%")
#インデックス
#投資年数(自由入力)
Year<-1
#シミュレーション回数(自由入力、多いほど正確だが時間がかかる)
sample<-10000
#シミュレーション数値を格納する行列
A<-matrix(0,sample,Year+1)
#初期投資額を入力(自由入力)
initial<-100
#シミュレーション数値に初期投資額を入力
A[,1]<-initial
#期待リターン(期待収益率μ、自由入力)
mu<-4.57/100
#リスク(標準偏差σ、自由入力)
sigma<-12.8/100
#シミュレーション開始
set.seed(123)
#sampleの計算は明示せずベクトル化
for ( t in 1:Year){
    #今年の資産額=前年の資産額*(1+収益率)
    A[,t+1]<-A[,t]*(1+rnorm(sample,mu,sigma))
}
#シミュレーション結果の期待値を表示
paste(Year,"年後の資産額の平均は",mean(A[,Year+1]),"万円")
paste(Year,"年後の累積リターンの平均は",(mean(A[,Year+1])/initial-1)*100,"%")
paste(Year,"年後の累積リターンの標準偏差は",sd(A[,Year+1])/initial*100,"%")
paste(Year,"年間の1年あたり 平均収益率は",((mean(A[,Year+1])/initial)^(1/Year)-1)*100,"%")

考察

FXでもインデックス投資でも、投資が長期になればなるほど、リターンもリスクも大きくなることがわかりました。
本記事の主張を再度述べると、「長期投資をしてもリスクは低くならず、むしろ高まる」ということです。
ちなみに、上記インデックス投資のシミュレーションを図示すると以下のようになります。青い線の1つ1つがシミュレートした資産額の変動であり、長期になればなるほど期待値(赤線)からのブレ(リスク)が大きくなっていることがわかります。

まとめ

投資シミュレーションプログラムによる予測の結果、投資期間が長期になるほど、将来時点でのリターンのブレは大きくなることがわかりました。
つまり「長期投資はリスクを低減する」という主張は、リスクを収益率のブレと解釈する限り、正しくありません。
この点に関しては多くの文献で誤解を招く表現がされているので、十分ご注意下さい。

(function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;
b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript
||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(arguments)};
c.getElementById(a)||(d=c.createElement(f),d.src=g,
d.id=a,e=c.getElementsByTagName(“body”)[0],e.appendChild(d))})
(window,document,”script”,”//dn.msmstatic.com/site/cardlink/bundle.js”,”msmaflink”);
msmaflink({“n”:”[参考文献]ファイナンスのためのRプログラミング証券投資理論の実践に向けて”,”b”:””,”t”:””,”d”:”https://images-fe.ssl-images-amazon.com”,”c_p”:””,”p”:[“/images/I/41UrHrQ9vlL.jpg”],”u”:{“u”:”https://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AER%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0-%E2%80%95%E8%A8%BC%E5%88%B8%E6%8A%95%E8%B3%87%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%AE%E5%AE%9F%E8%B7%B5%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%A6%E2%80%95-%E5%A4%A7%E5%B4%8E-%E7%A7%80%E4%B8%80/dp/4320110447″,”t”:”amazon”,”r_v”:””},”aid”:{“amazon”:”1251300″,”rakuten”:”1249750″,”yahoo”:”1251299″},”eid”:”GI2A5″});

Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/r1406503/public_html/keito.luxe/wp-content/themes/xeory_base/lib/functions/bzb-functions.php on line 299

Warning: Trying to access array offset on value of type bool in /home/r1406503/public_html/keito.luxe/wp-content/themes/xeory_base/lib/functions/bzb-functions.php on line 301
class="col-md-4" role="complementary" itemscope="itemscope" itemtype="http://schema.org/WPSideBar">