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テクノロジー


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仮想通貨の価格ヒストリカルデータを取得する方法|Rライブラリcryptoの使い方

こんにちは、毛糸です。

仮想通貨に再び注目が集まっています。

2017年に価格が高騰し、2018年に暴落した仮想通貨は、現代のバブルとして一躍有名になりました。
参考記事:ビットコインはバブルである

仮想通貨に関しては、その価格変動の激しさから、投機の対象ともなっていますが、適切にリスク管理しないとあっという間に資産が溶けてしまいます。
本記事では再び注目が集まっている仮想通貨に関して、統計プログラミング言語Rによる価格データの簡単な取得方法について解説します。

仮想通貨パッケージcryptoをインストールする方法

Rはライブラリと呼ばれるプログラム・パッケージを利用することで、専門的な分析を簡単に行えるようになります。
仮想通貨の価格分析をするにあたっては、cryptoパッケージが役に立ちます。
cryptoパッケージに内蔵されている関数を用いることで、仮想通貨の価格情報を簡単に取得できます(公式マニュアルPDFはこちら)。
cryptoパッケージを利用するにはお使いのPCにRがインストールされている必要がありますので、下記を参考にして環境を整えてください。

仮想通貨価格の時系列データ(ヒストリカルデータ)の入手方法

まずはじめに、cryptoパッケージ(と付随して必要な他のパッケージ)をインストールします。
Rのコンソール画面に以下のコードを入力し実行します。
install.packages("crypto", dependencies = TRUE)
しばらくの間、各種パッケージのインストールが進みます。
インストールが進んだら、cryptoパッケージを読み込みます。
library(crypto)
これでcryptoパッケージに内蔵される各種関数が使用可能になりました。
たとえば、仮想通貨のリストを入手するには、以下のコードを実行します。
#仮想通貨のリストを表示
crypto_list()
出力結果は以下のようになります。
> #仮想通貨のリストを表示
> crypto_list()
# A tibble: 2,212 x 6
   symbol name     slug      rank exchange_url                history_url                           
   <chr>  <chr>    <chr>    <dbl> <chr>                       <chr>                                 
 1 BTC    Bitcoin  bitcoin      1 https://coinmarketcap.com/… https://coinmarketcap.com/currencies/…
 2 ETH    Ethereum ethereum     2 https://coinmarketcap.com/… https://coinmarketcap.com/currencies/…
 3 XRP    XRP      ripple       3 https://coinmarketcap.com/… https://coinmarketcap.com/currencies/…
 4 BCH    Bitcoin… bitcoin…     4 https://coinmarketcap.com/… https://coinmarketcap.com/currencies/…
 5 EOS    EOS      eos          5 https://coinmarketcap.com/… https://coinmarketcap.com/currencies/…
 6 LTC    Litecoin litecoin     6 https://coinmarketcap.com/… https://coinmarketcap.com/currencies/…
 7 BNB    Binance… binance…     7 https://coinmarketcap.com/… https://coinmarketcap.com/currencies/…
 8 BSV    Bitcoin… bitcoin…     8 https://coinmarketcap.com/… https://coinmarketcap.com/currencies/…
 9 USDT   Tether   tether       9 https://coinmarketcap.com/… https://coinmarketcap.com/currencies/…
10 XLM    Stellar  stellar     10 https://coinmarketcap.com/… https://coinmarketcap.com/currencies/…
# … with 2,202 more rows

ビットコイン(BTC)の価格データからリターンとリスクを計算する

実際にデータを分析してみましょう。

ヒストリカルデータの取得

crypto_history()関数で、指定した仮想通貨の時系列価格情報を取得できます。
#crypto_history(coin = NULL, limit = NULL, start_date = NULL
#end_date = NULL, coin_list = NULL, sleep = NULL)
#仮想通貨の価格等情報を取得
#dateはyyyymmdd形式で。NULLとすると最長期間
BTC<-crypto_history(coin = "BTC",
                    start_date = NULL,end_date = NULL)
日付を指定することで、特定期間のデータを取得することも出来ます。
BTC_saikin<-crypto_history(coin = "BTC",
              start_date = "20190501",end_date = "20190530")
head()関数、tail()関数で、データの先頭と最後尾を確認できます。
#データの先頭
head(BTC,1)
#データの最後尾
tail(BTC,1)
crypto_history()で取得される情報は、時点の情報や始値、終値など、いくつかの列から構成されています。
それぞれの情報にアクセスしたければ、たとえばBTC$closeのように$マークのあとに取り出したい列のラベルを指定します。

終値を時系列データとして抽出

今回使うのはBTCの終値closeです。関数ts()にデータを入れることで、時系列(time series)データとして扱うことが出来ます。
#BTCの終値情報を時系列として取り出す。
#時系列情報の開始日をBTC$date[1]と指定
BTC_price<-ts(BTC$close,start=BTC$date[1])

価格チャート

BTC価格のチャートを描いてみます。データの図示にはplot()関数を使います。
#type="l"は線グラフ
plot(BTC_price,type="l")

BTCの日次収益率(リターン)

日次収益率を計算します。
t日目のBTC価格を\( P_t\)、収益率を\( r_t\)と表すと、
\[ \begin{split}r_t=\frac{ P_{t}-P_{t-1}}{ P_{t-1}} \end{split} \]
と計算できます。
分子は1時点前との差額を計算するdiff(_,lag=1)関数、分母は1時点前の価格を返すlag(_,k=-1)関数を用いて計算できますので、BTCの日次収益率は以下のようにして求めます。
#日次収益率
BTC_return_daily<-diff(BTC_price,lag=1)/lag(BTC_price,k=-1)
plot(BTC_return_daily,type="l")

BTCリターンの平均と標準偏差(リスク)

日次収益率の平均はmean()関数を用いて計算できます。
mean(BTC_return_daily)*100
#[1] 0.2808807
#表示は%
#年率換算では
mean(BTC_return_daily)*100*365
#[1] 102.5215
BTCの日次平均リターンは0.28%(年率換算102%)でした。この値はデータ期間によって変わります。

標準偏差はsd()関数で計算できます。

sd(BTC_return_daily)*100
#[1] 4.333606
#表示は%
sd(BTC_return_daily)*100*365^0.5
#[1] 82.79343
リスクを示す標準偏差は日次で4.33%、年率換算82.79%でした。極めてハイリスクです。

まとめ

Rパッケージcryptoを用いて仮想通貨の価格を用意に取得できることを説明しました。
今後このデータを用いて、仮想通貨に関する統計分析をシリーズでお送りする予定です。
もし面白いと思っていただけたら、SNSでのシェアをよろしくお願いします。

「投資シミュレーションプログラム」サマリー(随時追加)

こんにちは、毛糸です。

本記事は「投資シミュレーションプログラム」に関する記事のまとめページです。

「投資シミュレーションプログラム」とそれを使った各種の分析について、このページから各記事に飛ぶことが出来ます。

投資シミュレーションプログラム

投資シミュレーションプログラムVer.1.0

投資シミュレーションプログラムVer.1.0のコード例と、投資シミュレーションプログラムが用いている「モンテカルロ・シミュレーション」に関する説明は下記ページです。
>>投資シミュレーションプログラムを作ってみた【Rでプログラミング】

投資シミュレーションプログラムVer.1.1

投資シミュレーションプログラムは何千何万という膨大な数のシナリオをコンピュータの圧倒的計算力で処理するプログラムですが、Ver.1.0ではサンプルの計算をfor文を用いて行っていました。

統計プログラミング言語Rはfor文による繰り返し計算よりベクトル演算の方が高速に処理することができ、これを実装したのがVer.1.1です。
>>投資シミュレーションプログラムを高速化してみた

活用例

年金の分析

投資シミュレーションプログラムを用いて、年金積立金のポートフォリオの将来予測を行っています。積立金の100年後の状況を予測したり、1年後に損失が生じる確率が35%あることなどが明らかになりました。
今後、運用期間中に資金が出入りするような、より現実的な仮定のもとで分析を行う予定です。

FX・外貨預金の分析

FXの期待リターンの理論値を計算したうえで、それをパラメタとして投資シミュレーションプログラムを使い、FXで億り人になれる確率や破産する確率を計算しました。

レバレッジが億り人になれるキーであることが明らかになりましたが、破産確率の上昇と隣合わせであることもわかりました。
>>FXの期待リターン、億り人になれる確率、破産する確率【モンテカルロ・シミュレーション】

インデックス投資の分析

資産運用の王道、インデックス投資について、投資シミュレーションプログラムを用いた将来予測を行う予定です。

投資シミュレーションプログラムを支える技術

投資シミュレーションプログラムは、3つの技術と知識によって支えられています。
  1. 確率論・統計学
  2. ファイナンス理論(金融工学)
  3. プログラミング言語
投資シミュレーションプログラムは、確率論における「大数の法則」によって正当性が保証される「モンテカルロ・シミュレーション(モンテカルロ法)」により、将来の予測値を計算しています。
分析の対象は投資であり、金融商品です。金融商品の性質や運用戦略の策定については、ファイナンス(金融工学)の分野において知見が蓄積されています。
投資シミュレーションプログラムにおける実際の計算はコンピュータが行いますので、必然的にプログラミングのスキルが必要になります。投資シミュレーションプログラムは統計プログラミングRを用いて作成されています。
ファイナンスにおけるモンテカルロ法の活用については、下記の書籍が大変役に立ちます。

統計プログラミング言語Rによるファイナンス分析に関しては、下記書籍を読めば、Rの基本的な使いかたから、本格的な分析までを学ぶことが出来ます。

 

オリジナルの仮想通貨を作りたい!アイデアと方法について

こんにちは、毛糸です。

最近、仮想通貨(今は暗号資産と言うのでしたっけ)の価格が持ち直して来ているようです。

仮想通貨が現代のバブルとして大きな爪痕を残したのは記憶に新しいです。
参考記事:ビットコインはバブルである

さて最近、オリジナルの仮想通貨を作って配布したら、なにか楽しいことになるんじゃないか、というアイデアを思いつきました。

今回はこの目論見の概要と方法について整理しておきたいと思います。

業界型仮想通貨がおもしろいんじゃないか

仮想通貨はコミュニティーの帰属意識を高めるのに役立つのではないか、と考えています。

仮想通貨を会員証のように発行し、保有者はそのコミュニティの一員であることを示すことができる、そんな使い方ができると思っています。

ある業界の振興や発展のためにデザインされた「業界型」仮想通貨というのは、すでにいくつかあります。

  • アニメやマンガなどのエンタメ業界の振興を目的としたOtaku coin
  • 歯科業界で使われることを目的に開発されたDentacoin
  • 格闘技界での普及を目指したMAS OYAMA COIN

残念ながら、これら業界型コインは、仮想通貨バブル崩壊とともに、大きなムーブメントを起こすことなく鳴りを潜めてしまったものがほとんどです。

しかし、ICOによるマネタイズや「通貨」としての利用に重きをおかず、保有していればコミュニティへの帰属意識は高められる「会員証」として位置づけることで、コミュニティの活動に何かしらの利益をもたらすのではないかと思います。

今回の試みでは、オリジナルな仮想通貨を作り、私が参加する勉強会で配布しようと考えています。

私が参加している会計×テクノロジー勉強会PyCPA(外部リンク)というコミュニティには、新しいテクノロジーに敏感な優秀なメンバーが揃っています。

そんなコミュニティの話題として、オリジナルの仮想通貨を作るというのは、よいネタになるのではとも考え、今回こうしてアイデアを公開している次第です。

NEMのMOSAIC(モザイク)トークンでオリジナル仮想通貨をつくる

業界型仮想通貨は、業界の発展に寄与するものであることが必要です。

したがって、業界内で何らかのアクションを起こした人の間で、簡単に・頻繁にやりとりされるようなものであると良いと思っています。

仮想通貨の送金は、Twitterで気軽にやり取りが出来るのが良いかなぁと思います。

仮想通貨の中にはTwitter上のリプライで送金を行えるサービスがいくつもあります。

そのサービス(bot)を利用することで、業界型仮想通貨を気軽にやり取りすることが出来るのではないかと考えています。
参考記事:仮想通貨で気軽にチップ!Twitterを利用した投げ銭の方法をご紹介!

Twitterで送金が行える仮想通貨には、BitcoinやMonacoinがありますが、今回のオリジナル仮想通貨の発行にはNEMが役立ちそうです。

NEMは、オリジナルの仮想通貨(厳密にはMOSAICと呼ばれるトークン)を発行することが可能です。

いくらかのNEMを使ってMOSAICトークンを作ることが出来、これをTwitter上で送り合うことが出来ます。

割と簡単に作れるようなので、当面はNEMのモザイクトークンでオリジナル仮想通貨を作ってみようと思います。

まとめ

勉強会でオリジナルな仮想通貨を作り配布したら面白いのではないかと考えました。

業界振興のため、仮想通貨は簡単に送金できるようにしたいので、NEMをベースとしたトークンを作ろうと思います。

まだアイデア段階ですが、あまりお金をかけずにできそうなので、楽しみながらやってみようと思います。

終身雇用のインセンティブとは何だったか?そして、なぜそれが破綻したのか?

こんにちは、毛糸です。

先日、トヨタの豊田社長が「雇用を続けている企業へのインセンティブがあまりない」と述べたことが話題になっています。

経団連の中西会長も「終身雇用なんてもう守れないと思っている」と答えています。

終身雇用(しゅうしんこよう)とは、

同一企業で業績悪化による企業倒産が発生しないかぎり定年まで雇用され続けるという、日本の正社員雇用においての慣行(Wikipedia)

のことですが、そのインセンティブとは一体何だったのでしょうか。

そしてなぜそれが今、破綻してしまったのでしょうか。

今回は終身雇用のインセンティブとその崩壊について整理したいと思います。

終身雇用のインセンティブ

日本の終身雇用の原型は、第一次・第二次大戦の中間期に始まり、日本がまだ高度経済成長を果たす前、企業が熟練した作業者の確保に悩まされていた時期に、昇給や退職金の仕組みを整えたのがきっかけと言われています。

その後、大正デモクラシーによる雇用の慎重化や、高度成長時代の労働者不足の深刻化により、企業が人材流出を食い止めるべく、終身雇用が確立しました。

我が国の企業が長きに渡り「守ってきた」とされる終身雇用には、以下の4つのインセンティブがあります(正確には、ありました、というべきかもしれません)。

終身雇用のインセンティブ1:人材投資の不確実性の低減

終身雇用を前提とすれば、企業は採用した人材を長期的な人的資源として利用でき、人材投資の不確実性が減るというメリットがあります。

雇用した人材がすぐに辞めてしまうような状況では、企業は短期的な利益に貢献しない社内教育などを実施しづらくなりますが、終身雇用が浸透していれば、長期的戦略に基づいて人材投資を行うことが可能になります。

終身雇用が破綻し、労働の流動性(離職転職率)が高くなった場合、企業は採用のための広告費といった直接的なコストや、離職転職が多いことによる労使関係への悪影響などの間接的コストを負担することになります。

しかし終身雇用が確立していれば、企業は余計なコストを負担せずに済み、人員投資の不確実性は小さくなります。

終身雇用のインセンティブ2:余剰労働力の確保

企業はさまざまなビジネスリスクにさらされており、需給の変化によって業績が下がることもあります。

人員は基本的には自由な解雇が行えないため、需要低下時には雇用過剰(人余り)の状態になります。

しかし、その需要低下が一時的であり、いずれ需要は回復し業績は改善するという前提に立てば、教育コストを勘案すると、一時的な雇用過剰でも雇い続けることに経済合理性があります。

したがって、終身雇用によって教育コストを回収することができるのです。

終身雇用のインセンティブ3:企業特殊熟練の蓄積による生産性向上

終身雇用は勤続の長期化をもたらします。
勤続が長期化することで、その企業の文化や方法を反映した、企業独自のスキル(企業特殊熟練)が蓄積されるようになります。
企業特殊熟練はその企業のビジネスを遂行する上で必要なスキルであり、この企業独自スキルが高まることで、生産性が向上します。
終身雇用はこうした企業特殊熟練の蓄積に貢献し、生産性を上げるのに役立ってきました。

終身雇用のインセンティブ4:監督費用の削減

労働を高い能率で働かせるためには、監督が必要ですが、終身雇用は低能率な労働者を発見するのに役立つと言われます。

短期で離職転職が起こる企業では、短期的な非効率を発見するための労働者監督コストが高く付きますが、終身雇用(と退職金や年功序列制度)では、長期の労働実態から能率的でない労働者を発見し、異なった待遇に処することが可能です。

したがって、終身雇用によって長期的な目線で労働者を「品定め」することが出来るというメリットがあります。

終身雇用のインセンティブはなぜ崩れたか

トヨタ社長豊田氏の言葉を借りれば、現代日本は「雇用を続けている企業へのインセンティブがあまりない」状況になりました。
一体、何が状況を変えてしまったのでしょうか。

もっとも大きな原因は、現代という社会が目まぐるしい変化を伴うようになってきた、ということでしょう。

インターネットの普及以後、情報はまたたく間に世界に伝播し、ビジネスを国際化させ、あらゆる前提が揺らぐようになり、全く新しいテクノロジーが次々ともたらされるようになってきました。

企業の将来予測や戦略采配のミスにより、またたくまに企業生命を脅かすような状況に見舞われるようになった現代においては、もはや「需要の回復を待つ」というような悠長なことは言っていられません

したがって、企業の教育コストはもはや回収の蓋然性が高いものではなくなり(「インセンティブ2:余剰労働力の確保」の崩壊)、熟練した労働者のスキルもあっという間に陳腐化します(「インセンティブ3:企業特殊熟練の蓄積による生産性向上」の崩壊)。

一旦崩れ始めた終身雇用制は、終身雇用を前提とした均衡を崩し、採用コストの増加や人材投資の不確実性を高めます(「インセンティブ1:人材投資の不確実性の低減」の崩壊)。

流動的になった人員のマネジメントのため、追加的なコストもかかるようになるでしょう(「「インセンティブ4:監督費用の削減」の崩壊)。

このようにして、現代の日本においては、終身雇用の前提となっていた経済状況は完全に過去のものになったのです。

つまり、我が国を代表する企業のトップが「終身雇用は守れない」と口にするようになったことの背後には、変化の激し現代に終身雇用がそぐわなくなったという理由があるのです。

まとめ

企業が終身雇用を守るインセンティブには、以下のようなことが考えられます。

  • 人材投資の不確実性低減
  • 余剰労働力の確保
  • 生産性向上
  • コスト削減

しかし、これらが成り立つ前提は崩れました。

テクノロジーの進歩により、企業を取り巻く環境は様変わりしています。

終身雇用のインセンティブがなくなった現在、労働者としての私たちも、そのあり方を見つめ直す必要があります。

参考文献

勉強会「意識高い……」「レベル高そう……」いやいや、誤解してませんか?

こんにちは、毛糸です。

このところ毎月のように勉強会を企画したりしているのですが、先日「意識が高い」「近寄りにくい雰囲気」という声を耳にしました。

私はそういう声にはあまり気持ちを乱されないタイプですが、しかしそういうイメージを持たれるのは本意でなく、誤解であると感じているため、今回はそういった声に対するメッセージをお届けします。

私はなぜ勉強会を開いたか

私は昨年のプログラミングブームの中で、自分と同じようにテクノロジーを学ぶ人達と交流したいという思いで、勉強会を企画しました。

当時の私はプログラミング言語Pythonに興味を持っていました。

日頃、会計士として仕事をしていますので、Pythonを会計の仕事に役立てられないかと考え、会計×テクノロジーの勉強会 PyCPAを立ち上げました。

PyCPAという勉強会は昨年の発足以来、10回以上の開催実績があり、参加者も述べ250人を超える規模となりましたが、最初はプログラミングに興味のある会計士ツイッタラーを集めた小規模な集団でした。

会計とテクノロジー(プログラミング)という、ある種「オタク」な趣味を共有するために、SNSで仲間を募り集まってみた、とうただそれだけの勉強会です。

PyCPAという勉強会は、これまで色々な形式で開催されてきました。

  • ただ集まって各自黙々と作業を行うもくもく会
  • 講師を招き実務の最先端を学ぶセミナー
  • 実際にプログラミングをしながら学ぶハンズオン
  • 専門書をみんなで読み進めていく輪読会
などなど、多彩なバリエーションで開催しています。
勉強会は完全無償で運営されており、会場の提供や講師の登壇まで、すべで勉強会のビジョンに共感して下さる方々の善意で成り立っております。

勉強会に対する誤解

そんな勉強会PyCPAですが、最近「意識が高い」「レベルが高くて近づきがたい」という声をちらほら耳にするようになりました。
前述の通りPyCPAは、Twitterに生息する一部の「オタクな」会計士による趣味の集まりとして発足しました。
今でこそ多くの支援者に恵まれ、コミュニティとしての輪郭を備えつつありますが、「楽しさを探求する」というあり方は、当初から全く変わっていません。
意識の高さを志向しているようなことはまったくなく(おそらくコミュニティメンバーもそれを望んでおらず)、ただ楽しいから・知りたいからと言う理由で、探求し発信しています。なので、
なに意味わからんこと追い求めてるんだあいつら……
という方向で近寄りがたいのならよくわかりますが、
なんかレベル高いことやってるよ意識たかっ……
と思ってるなら、それは大きな誤解です。
もちろん、会計やテクノロジーに興味を持ち探求することを楽しむ人種が世の中の多数派だとは思っておりませんので、そういう意味では「尖った」集団であることには間違いないのですが、もし「意識高い」奴らと映っているのであれば、それはこのコミュニティの本質を十分理解いただいていないということでしょう。

やりたいからやる、楽しいから学ぶ

私の周りには、私の興味ある話題について話を深められる人があまりいません(私の交友関係の狭さゆえです)。
私が気になる、AIの新技術とか、正規分布の和とか、簿記の代数的構造とか、そういう話題を一緒に楽しめる人が近くにいないのです。
しかしSNSは違いました。
SNSではどんなにニッチな趣向でも、広く発信すれば必ずと言っていいほど共感してくれる人が現れます。
SNSの広がりによって、リアルな人脈を超えた人間関係が構築できるようになりました。
こうしたネットでのつながりをリアルに感じたい、同じ志を持ち共通の話題を楽しめる人たちともっと交流したい、そういう気持ちが勉強会を企画する原動力になりました。
やりたいからやる、楽しいから学ぶ。
そうした娯楽を一緒に楽しめる仲間が、勉強会に集まっています。
そこにあるのは決して意識の高いインテリジェンスな集団ではなく、ちょっと変わったことに興味を持つ人たちが集まる探求の場なのです。

まとめ

「意識高い」「近寄りにくい」という声が、私たちの勉強会を形容する言葉としてはちょっとずれていると思い、考えていることを述べました。
私たちの勉強会は、ただ楽しいから集まり、知識を共有しているだけです。
もし「レベルが高くて……」と遠ざけてしまっている方がいたら、それは大きな誤解です。

PyCPAで登壇する人たちだって、最初はみんな手探りで学んでいたのです。

もし、今まで勉強会なんて行ったことも開いたこともないけれど、興味があるという方がいらっしゃったら、勉強会に足を運んでいただくか、こんな勉強会を開きたいとリクエストしてみてください。
参考記事:PyCPAで勉強会を開催する、もしくはリクエストする方法

どうせ楽しむなら、話のわかる人と一緒にやったほうが楽しいのです。

一緒に楽しく学びませんか。

PyCPAリアル・オプション輪読会まとめと参加者アンケート結果

こんにちは、毛糸です。

先日、会計×テクノロジーをテーマとした勉強会コミュニティPyCPAの『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』輪読会第1回が開催されました。

今回は20名近い参加者にお集まりいただきました。

本記事では今回の輪読会の振り返りをしてみたいと思います。

参加者には事前にアンケートにお答えいただいてますので、その結果もあわせて公開します。

PyCPAとは

PyCPAは、テクノロジーの進化を武器に次世代の担い手となる探求者たちのコミュニティです。

もともとは、プログラミング言語Pythonに関心のある公認会計士(CPA)の勉強会として発足しましたが、現在ではより広く、テクノロジー全般に興味を持ち、探求する意欲のある、会計士、経理財務人材、エンジニアなどがメンバーとなって活動しています。

PyCPAは毎月勉強会を開催しており、もくもく会やセミナー、参加型ワークショップを行っています。

現在のコミュニティメンバーはSlack登録者ベースで170名ほど、2019年5月現在の勉強会の累計参加者は250名を超えます

PyCPAコミュニティと勉強会への参加は無料となっており、運営事務、会場確保、講師の登壇等はすべて、コミュニティのビジョンに共感していただいている組織・個人のボランティアでなりたっています。

PyCPAにコミュニティメンバーとして参加したい方はPyCPAのSlackにご登録ください。

ツイッターでのPyCPAコミュニティメンバーのやり取りは、こちらからご覧いただけます。

リアル・オプション輪読会の概要

今回の勉強会は初の輪読会となりました。

輪読会とは、複数人で同じ本を読み進め、集まって内容を共有し、理解を深める方法です。

今回の輪読会で取り組んだのは『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』という専門書です。


この本は、ファイナンス(金融工学)とプログラミング(ExcelVBA)を用いて、経営意思決定の柔軟性が創出する価値=リアル・オプションを定量的に評価する手法が学べる本です。
参考記事:『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』内容の概説、こんな人におすすめ、いい点と注意点

本書はリアル・オプションを学ぶとても良い題材である一方で、なかなか難易度の高い本だったので、輪読会の題材にしました。

今回は初回ということで、輪読会の目的や進め方について説明しました。
参考記事:【開催前夜】リアル・オプション輪読会の目的、理由、進め方

輪読は第1章を扱いました。

第1章はプログラミング言語ExcelVBAの基礎で、テキストに書かれたコードを入力しながら参加者全員で読み進めました。

VBAの始め方や、変数や関数の定義、for文やDoWhile文などの基本構文、配列の使いかたなどについて学びました。

途中、ファシリテーターから「このコードはモンテカルロ法のこんなシーンで役に立ちます」「この構文は株価シミュレーションの計算で使います」というような解説をはさみながら進めました。

進度を合わせて読み進め、コードも入力しながらということでしたので、理解にばらつきが出るかな?と恐れていましたが、みなさん思いの外つまづくことも少なく、理解度、満足度ともに高かったように思います。

感想とフィードバック

予習について

全員でコードを入力しながら、さくさくと読み進めたので、ちょっと駆け足気味になりました。

この点に関して、参加者から「次回は予習して来ようと思った」という声が上がりました。

事前に準備をしてくれば、輪読会をより意義深いものにできそうです。

バグについて

事前に予習してきた方も、その場でコードを入力した人も、みなさんバグ=プログラムが動かない問題に悩まされていました。

しかし、参加者のひとり(エンジニア)の方から「バグは出るもの、人は完璧じゃない、能率的にバグがとれればOK」という前向きな意見が出て、参加者の気持ちも楽になったように思います。

プログラミングにはバグがつきものですので、輪読会のように他の人と助け合える環境で学習を進めるのがよいと思います。

練習と実践について

プログラミングは一度勉強しても、使わなければすぐ忘れてしまう、という感想が出ました。

たしかに、人は忘れる生き物ですから、どんなに勉強しても使わなければ忘れてしまいます。

もし勉強したことを忘れたくないのであれば、お仕事で使うなり、勉強会で披露するなりして、知識の維持に努める必要がありそうです。

参加者アンケート結果報告

PyCPA リアル・オプション輪読会第1回参加者には、事前に以下のアンケートにお答えいただいています。
  • 参加者の所属
  • 参加理由
  • 意見・感想・提案など
その回答状況を見ていきましょう。

参加者の所属

PyCPAは会計士の勉強会として発足したこともあり、会計士等の比率が一番多い結果となりました。

次いで一般事業会社(経理財務系)の方、金融機関勤務と続きます。

輪読会の内容がプログラミングであったため、エンジニアの方の存在感はとても大きかったです。

会の最後にMVPを決めたのですが、AI開発がご専門のプログラマの方が絶大な支持を得て見事MVPを獲得されました。

参加理由

リアル・オプション輪読会の参加理由は、金融工学、ファイナンスへの関心が首位、次いでリアル・オプション、企業価値評価への関心となっています。

みなさんお仕事で金融・ファイナンスに関わりがある方がほとんどで、その理解を深めたいという方が大多数でした。

リアル・オプションという経営意思決定のためのツールを学びたいという、このテキストの目的ど真ん中のかたもたくさんいらっしゃいました。

ファイナンスにせよ、VBAプログラミングにせよ、このテキストはとてもよい教材になりますので、是非チャレンジしてほしいと思います。

参考記事:『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』内容の概説、こんな人におすすめ、いい点と注意点

意見・感想・提案など

自由回答で寄せられた意見等についてまとめます。

まったく門外漢ですが、なにか楽しそうだと思いました

モンテカルロ法という言葉ぐらいしか知らないので、その内容を理解したい

私も最初はそうでした。

モンテカルロ法という何やら凄い技術があるらしい、なんか楽しそう。

そういう興味が人生を豊かにしてくれると信じています。

一緒に楽しみましょう。

将来的に転換社債のプライシンクモデルを作りたいです!

業績連動型のストックオプション

モンテカルロ法は金融商品評価の強力なツールで、その応用範囲は膨大です。

輪読会での学びをきっかけに、よりアドバンストな内容に挑戦してみるのもいいでしょう。

意思決定にどう活かすのかに興味があります。

リアル・オプションは経営意思決定のツールとして有用です。

単に本を読み、ふーん、そういう手法があるのね、で終わらせることなく、是非輪読会で他の方とディスカッションすることで、ビジネスへの応用について探っていきましょう。

私もとても楽しみです。

まとめ

PyCPA リアル・オプション輪読会の振り返りについて述べました。

徐々にその裾野を広げつつ、コミュニティとしての輪郭を備え始めたPyCPAですが、まだまだ始まったばかりです。

みなさんの学ぶ意欲と発信で、一緒に楽しみましょう。

ひふみ投信の対TOPIXの勝率を調べてみたら、統計的に有意に1/2より大きかった件

こんにちは、毛糸です。

私は投資信託に積立投資を行っており、そのなかでアクティブファンドである「ひふみ投信」を購入しています。
参考記事:【投信定点観測】インデックス投資信託8つ・ロボアドバイザー2つ・アクティブファンド3つにドルコスト平均法で積立投資してみる

ひふみ投信は主に日本株式を中心に運用を行うアクティブファンドで、中小型株の目利き力に優れた投資信託として個人的に注目しています。

そんなひふみ投信ですが、最近ネットではパフォーマンスに疑問符を投げかける声が散見されています。

そこで今回は、ひふみ投信に対するネガティブな声に反論すべく、ひふみ投信の優位性を統計学的に検証してみたいと思います。

結論として、ひふみ投信は日本株式のインデックスであるTOPIXに対する勝率が、有意に1/2を超える結果となりました。

価格時系列データはYahoo!ファイナンスから

ひふみ投信とTOPIXのデータはYahoo!ファイナンスから取得しました。

9C31108Aひふみ投信の時系列データはこちら

TOPIXの時系列データはこちら

ひふみ投信は基準価格を、TOPIXは終値をそれぞれ使用します。

期間はひふみ投信の設定開始日2008/10/1から本記事執筆時点の直近営業日である2019/4/26までの、2,590日です。

日次リターン(算術、純額表示)の計算

日次の算術リターン(日次リターン、純額表示)を計算します。

\( t\)日目のリターン\( r_t\)は、\( t\)日目の価格\( S_t\)と\( t-1\)日目の価格\( S_{t-1}\)を用いて、以下の計算式で算出します。

\[ \begin{split}
r_t=\frac{ S_t-S_{t-1}}{ S_{t-1}}=\frac{S_t }{S_{t-1} }-1,~r_1=1
\end{split} \]

この計算により、ひふみ投信の日次リターン\( r_t^H\)とTOPIXの日次リターン\( r_t^T\)(\( t=1,2,\cdots,2590\))が得られます。

ひふみ投信とTOPIXの日次リターンの平均

2008/10/1から2019/4/26までの日次リターンの平均は、
ひふみ投信が0.07%/日、TOPIXが0.02%/日でした。
日次リターンの平均はひふみ投信の方が高い結果となりました。

ひふみ投信とTOPIXの日次リターンの分散、標準偏差(リスク)

2008/10/1から2019/4/26までの日次リターンの分散(平均からの乖離の尺度)は、
ひふみ投信が0.00001、TOPIXが0.00002でした。
日次リターンのリスクを示す標準偏差(分散の平方根)は、
ひふみ投信が0.02%、TOPIXが0.03%でした。
日次リターンのリスクはひふみ投信の方が低い結果となりました。

ひふみ投信とTOPIXの日次リターンのシャープ・レシオ

リスクに対するリターンの効率性を図る指標であるシャープ・レシオ(=リターン÷リスク)は、
ひふみ投信が2.84、TOPIXが0.90でした。
リスクに対するリターンの効率性はひふみ投信のほうが優れているという結果になりました。

ひふみ投信とTOPIXの日次リターンの累積リターン

当該期間中、ひふみ投信の基準価格は4.70倍(純リターン371%)に、TOPIXは1.47倍(純リターン47%)になっています。

ひふみ投信の方が当該期間中の利殖幅が大きいという結果になりました。

ひふみ投信の対TOPIX超過収益率

ひふみ投信の対TOPIX超過収益率\( r_t^E\)は、ひふみ投信の日次リターン\( r_t^H\)とTOPIXの日次リターン\( r_t^T\)を用いて

\[ \begin{split}
r_t^E=r_t^H-r_t^T
\end{split} \]
と表せます。

ひふみ投信の対TOPIX超過収益率\( r_t^E\)は、ひふみ投信をロング、TOPIXをショートするポートフォリオのリターンに近似し、ひふみ投信がTOPIXをどれだけアウトパフォームしているかを測る指標になります。

ひふみ投信の対TOPIX超過収益率\( r_t^E\)の平均は0.04%、標準偏差は0.01%でした。

超過収益率が正であったため、ひふみ投信はTOPIXに対して良好なパフォーマンスを上げているという結果になりました。

ひふみ投信の対TOPIXの勝率

ひふみ投信の対TOPIX超過収益率\( r_t^E\)が正の値であるとき、ひふみ投信はTOPIXを上回るリターンを実現させたことになります。

\( r_t^E\)が正のとき\( 1\)、負のとき\( 0\)を取る変数(勝敗変数)を\( t=1,2,\cdots,2590\)に対して計算し、和を取ることで、ひふみ投信のリターンがTOPIXのリターンを上回った日数をカウントできます。

こうして計算した結果、2,590日中、ひふみ投信がTOPIXを上回った日数は1,385日、割合にして53.5%でした。

2008/10/1から2019/4/26までを計算期間としたときの、ひふみ投信の対TOPIXの勝率は53.5%であり、勝敗が一様に確からしい時の確率\( \frac{ 1}{ 2}\)を上回る結果となりました。

ひふみ投信の対TOPIX勝敗変数の二項検定(正規分布近似)

ひふみ投信の対TOPIX勝率は上記計算によると53.5%であり、勝率トントン(\(\frac{ 1}{ 2} \))に近く、偶然\(\frac{ 1}{ 2} \)を少し超える勝率が記録されただけではないか、という疑問を持ちます。

そこで、ひふみ投信の対TOPIX勝率53.5%という数字が、統計学的に意味がある数字なのかを検証します。

ひふみ投信の対TOPIX勝敗変数は、ひふみ投信の対TOPIX勝率\( p\)をパラメタとする二項分布に従うと考えられます。

「\( p=\frac{ 1}{ 2} \)と仮定したとき、ひふみ投信の対TOPIX勝率の実際値53.5%がどれくらいの珍しさで起こったのか」を統計的に検証する方法を、仮説検定と言います。

\( p=\frac{ 1}{ 2} \)と仮定したとき、ひふみ投信がTOPIXに2,590日中1,385日勝った、という結果が生じる確率が小さければ、ひふみ投信がTOPIXに勝ったのは偶然ではない、と結論付けられます。

仮説検定の詳細は他の記事にゆずりますが、今回はひふみ投信の対TOPIX勝利日数を二項分布\(Bi(2590,p) \)として、帰無仮説:\( p=\frac{ 1}{ 2} \)、有意水準5%で検定を行います。
参考記事:25-2. 二項分布を用いた検定

ひふみ投信の対TOPIX勝利日数は帰無仮説\( p=\frac{ 1}{ 2} \)のもとでは、近似的に平均\( 2590p=\frac{ 2590}{ 2}\)、分散\(2590p(1-p) =\frac{ 2590}{ 4}\)の正規分布に従います。

ひふみ投信の対TOPIX勝利日数を基準化した統計量が1.96より大きいとき、帰無仮説は棄却され、ひふみ投信の対TOPIX勝率は\( \frac{ 1}{ 2}\)と有意に異なる、と結論付けることが出来ます。

統計量は

\[ \begin{split}
\frac{ 1385- 2590p}{ \sqrt{2590p(1-p)}}=3.54>1.96
\end{split} \]
なので、

ひふみ投信の対TOPIX勝率は\( \frac{ 1}{ 2}\)と有意に異なります

つまり、ひふみ投信の勝率が53.5%であり、\( \frac{ 1}{ 2}\)より大きかったのは、統計的には偶然ではない、という結論が導けます。

まとめ

ひふみ投信の設定以来のデータを用い、基本統計量をTOPIXと比較しました。

また、日次の勝敗率を計算し、ひふみ投信がTOPIXに有意に勝っていることを確認しました。

本記事の分析は統計的手法に基づいてはいるものの、ひふみ投信の一側面しか見えていないというご意見もあろうかと思いますので、是非SNSで「こんな見方もある」といったコメントを頂けると嬉しいです。

ビジネスマンにおすすめする、ゴールデンウィーク10連休に読んで欲しい本5冊!

こんにちは、毛糸です。

ゴールデンウィークが始まりますね、今年は10連休という超大型連休です。

10連休を使ってスキルアップしたいというビジネスマンは少なくないでしょう。

そこで今回は、私がこれまで読んだ本の中でビジネスに特に役立っているものをまとめてみます。

仕事の能率を上げ、成果を高めるための書籍を

  • プロジェクトマネジメント
  • Excel関数、マクロ、VBA
  • 見やすい資料の作り方
の3つのポイントから紹介します。
 

外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント

プロジェクトとは、ある特定の目的を達成するために人材や時間を投下し課題を解決していくプロセスです。
 
私達の仕事の多くはプロジェクトであると解釈できます。
 
したがって、プロジェクト管理(プロジェクトマネジメント)の手法を学ぶことで、日々の業務を効果的かつ効率的に遂行することができます。
 
プロジェクトマネジメントというと、通常は管理職の仕事だと思われがちですが、スタッフ職階の人でもこれを学ぶことで、自分の仕事を円滑に進めることができます。
 
プロジェクトマネジメントの解説書は多々ありますが、私はこの本を勧めます。
 

本書は、 

  • プロジェクトマネジメントとはなにか
  • プロジェクトマネジメントに必要なこととはなにか
  • どんな心づもりで取り組むべきか
  • 具体的にどういう方法をとるべきか

といった内容が網羅されています。

プロジェクトマネジメントのノウハウをインプットしておくだけで、仕事の見通しがよくなり、リスクに備えることができ、クライアントの期待に答える準備に時間をたっぷり取れるようになります。

 
仕事の忙しさの中で改善点を見つけ実行していくのは難しいですが、連休を使って「ベストソリューション」を前もって勉強しておくことで、休み明けの業務をブーストすることができます。
 

Excel関数、マクロ、VBA

ビジネスでExcelを使う人にとって、Excelを効率的に使うことは、そのまま業務効率化に繋がります
 
Excelはビジネスで当たり前のツールである一方、Excelの使いかたを基礎から体系立てて教わる機会はあまりありませんし、我流に走り非効率な使いかたをしている人もたくさんいます。
 
この大型連休を使って、Excelの使いかたを極めてみてはいかがでしょうか。 

関数は「使える順」に極めよう! Excel 最高の学び方

Excelは関数を効果的に使うことで多くの分析ができ、業務を効率化することができます。

Excel関数の数は膨大で、そのすべてを勉強することは不可能です。

しかし、ビジネスでよく使う関数というのは実は数が限られており、それらを優先的に習得することで、高い費用対効果が得られます。

本書は関数を「使える順」に解説してくれる他に類を見ない良書で、これを読むことですぐにビジネスに活かせるスキルが身につきます。

Excel VBAの教科書

Excelには処理を記録し自動化するツールが搭載されています。 

それが「マクロ」です。

マクロを使うことで、大量のデータを集計したり、加工したりする作業を、機械に任せることができます。

私自身、マクロを用いることで劇的な業務改善に成功しました。
参考記事:30時間の作業を1/3に圧縮できた3つの理由|マクロVBA、業務見直し、マニュアル化

マクロは、VBAというプログラミング言語によって作ることができます。

プログラミングというと、最近何かと話題ではあるものの、いまいちとっつきにくいと感じている人も多いのではないでしょうか。

私がおすすめする以下の本は類書と比較して、

  • 前提知識が不要で
  • 一般的なプログラミングの考え方が身につき
  • 辞書のように無味乾燥でなく
  • 特定の用途にフォーカスしてないので汎用性が高い

という特徴のある良書です。

Excelワークを更に効率化したいと考えている方は、このゴールデンウィークにVBAプログラミングによるExcelマクロの作成にチャレンジしてみてください。

見やすい資料の作り方

ゴールデンウィークに習得をおすすめしたいのが、見やすい資料の作り方です。
 
見やすくわかりやすい資料というのは、ビジネスでは様々な場面で求められますが、見やすさというのは個人の感性にも左右され、体系的に勉強する機会は少ないと思います。
 
しかし「見やすい」「わかりやすい」資料を作るためのルールというのは、ある程度セオリーや標準的な規則が決まっています
 
ゴールデンウィークにこれら「基礎」を身につけることで、今後ずっと、資料作りに迷うことがなくなるでしょう。
 

外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方

本書はエリートが集う外資系金融機関で「エクセルニンジャ」の異名をとった著者による、美しい表の作り方を説明した本です。
 
罫線の引き方や、インデント(段落)の効果的な使いかた、ベタ打ちなのか関数なのかひと目で分かるフォント色のルールなど、Excel表をわかりやすく作るためのノウハウが満載です。
 

 

 
本書の後編は「財務モデル」に関する解説で、これだけでも十分価値ある内容です。 

ただし、初見ではかならず引っかかるであろう落とし穴があるため、注意が必要です。
参考記事:『外資系金融のExcel作成術』誤植?数字が合わない理由と解決策

伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料を作るためのレイアウトのルール

本書は、見やすく・わかりやすい資料の作り方を解説しています。
 
フォントの選び方、配色、レイアウトなど、Excel表にとどまらず、資料全般に適用可能な手法が載っています。
 
デザインの本というと、センスが必要なのではないか?と心配になるかもしれません。
 
しかし、本書ではなぜその方法が伝わりやすいのかを丁寧に解説しているのに加え、良い例と悪い例を比較して図解してくれるので、再現性がとても高いです。
 

 

 
 
本書で説明されているフォントの使いかたは、下記の記事にもまとめてあるので、参考にしてみてください。
参考記事:おすすめフォント保存版!WindowsとMacそれぞれの見やすいフォントをまとめました。 

まとめ

大型連休は勉強するのに絶好のチャンスです。

本記事では、ビジネスを効果的に進めるために、

  • プロジェクトマネジメント
  • Excel関数、マクロ、VBA
  • 見やすい資料の作り方
の3つの観点から、おすすめ書籍を紹介しました。
 
是非このゴールデンウィークを有効活用して、スキルアップを図りましょう。
 
 

『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』内容の概説、こんな人におすすめ、いい点と注意点

こんにちは、毛糸です。

5/11土曜日に、『モンテカルロ法によるリアルオプション分析』(きんざい)の輪読会を開催します。

>>『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』輪読会第1回 hosted by PyCPA(外部サイトに飛びます)

今回は本書の内容をざっくり紹介したあと、この本がどんな人におすすめかに触れたあと、いい点と注意点について説明します。

目次

  • 本書の目次と内容概説
  • こんな人におすすめ
  • いい点と注意点その1:ファイナンス・金融工学・リアルオプションの教材として
  • いい点と注意点その2:エクセルVBAの教材として
  • まとめ

本書の目次と内容概説

第1章 エクセルVBAプログラミング入門

エクセルVBAとはどんなプログラミング言語なのか、どうやって使い始めたらよいのかを解説しています。

第2章 数値解析入門

モンテカルロ法とは何かを説明し、実際にモンテカルロ法を用いて円周率の推定を行います。覆面算、方程式、数値積分、常微分方程式などを題材に、モンテカルロ法の理解を深めます。

第3章 乱数

乱数とは何かについて説明したあと、乱数の生成方法について述べます。乱数発生アドインのインストールを解説し、以後の章の準備をします。本書では線形合同ジェネレーターの拡張版と、インバース法を用いて正規乱数を生成します。

第4章 基本株価プロセスとブラック・ショールズ・モデル

二項モデルの例をみたあとに、ランダムウォークと株価プロセスのモデル化を行います。モンテカルロ法による「ブラック・ショールズ・モデル」の実装方法について説明します。

第5章 エキゾチック・オプション

バイナリー・オプション、ルックバック・オプション、バリア・オプション、アジア型オプションの評価方法とコード例を説明します。

第6章 推定誤差

サンプル数による推定誤差の理論と計算について述べます。推定精度の向上法や離散化による推定誤差について説明しています。

第7章 シンプルなモデル

売上高のランダムなパスを生成し、リアルオプション分析のためのシンプルなモデルを作成します。

第8章 リスク中立評価

リアルオプションを含むデリバティブの評価理論に必要なリスク中立評価法について、数式で詳しく説明します。

第9章 基本プロセスの拡張

前章までで紹介された基本プロセスに、配当、外国為替、価格のジャンプなどを入れて拡張します。ファット・テイル分布からのサンプリングや平均回帰過程についても説明します。

第10章 スタートアップ企業の評価

Schwartz and Moonの「アマゾン」モデルを使って、スタートアップ企業の評価を行います。

第11章 アメリカン・オプションの評価

最小二乗モンテカルロ法(LSM法)について説明し、バミューダ・プット・オプションの評価を行います。

こんな人におすすめ

本書はファイナンス・金融工学で研究されてきたデリバティブの価格評価理論を応用し、経営上の意思決定の柔軟性が生む企業価値(リアル・オプション)の評価を行います。
リアル・オプション分析に必要な金融工学の数学的背景が丁寧に解説されているため、金融工学を学ぶためのテキストとしても適しています。
数学(解析学や確率論)に触れてきた人で、その知識を実務に活かしたい人は、本書でデリバティブ理論を学ぶことが出来ます。
また、リアル・オプション分析を行うに当たり、プログラミングが必要になります。
本書ではエクセルに標準搭載されたプログラミング言語VBAを用いてリアル・オプション評価のためのプログラムを作成します。
プログラミングに初めて触れる人でも躓かないよう、エクセルVBAの使い方からプログラミングの基礎的内容を説明しています。
昨今のプログラミングブームのなかで、自分も何か始めたいけれど、どんな言語を始めたらいいのかわからず、勉強方法についても悩んでいる、という人は、本書を手を動かしながら読むことで実力が身につきます。

いい点と注意点その1:ファイナンス・金融工学・リアルオプション

本書のテーマはモンテカルロ法を用いて企業の意思決定の柔軟性から生まれる価値=リアル・オプション価値を定量的に評価することです。
本書で学ぶリアル・オプション分析は、従来、ファイナンス・金融工学という分野で蓄積されてきた研究成果を応用したものです。
ファイナンスとは、リスク(不確実性)と時間の概念を明示的に考慮した経済学の一分野であり、確率論を高度に利用した応用数学の側面もあります。
金融工学とは、ファイナンスのうち、実務的便益を企図していることを強調した表現です。
本書ではファイナンス・金融工学のうち、リアル・オプション分析に必要な部分を整理して解説してくれているため、ファイナンス・金融工学を勉強する大変よい教材となっています。
本書に取り組むことで、実務への応用を前提としたファイナンス理論を習得することが出来ます。
ただし、ファイナンス・金融工学を完全に理解するためには、数学、とくに解析学や確率論の知識が必要不可欠です。
本書ではファイナンスに用いる数学を最低限しか解説していないため、例えば高校レベルの数学に抵抗感を持っているような人には、通読が難しい内容となっています。
高校数学に不安のある方はまず高校数学の参考書に取り組むことをおすすめします。

また、ファイナンスで用いる数学は、高校数学+アルファなので、この「+アルファ」の部分を勉強する必要もあります。具体的には確率解析と呼ばれる、確率論と微積分学の応用分野が必要になります。
ファイナンスに用いる数学については、以下の本に必要最低限の内容がまとまっているため、参考文献にすることを勧めます(増補版は入手しづらいようですが、古い版でも十分です)

いい点と注意点その2:Excel VBA

リアル・オプション分析では、乱数を用いた将来予測(モンテカルロ・シミュレーション)を強力なツールとして利用します。

コンピュータの計算力をフル活用した現代的手法であるモンテカルロ・シミュレーションを行うには、コンピュータに処理をさせるためのプログラミング言語を習得する必要があります(簡単なものであれば、エクセルシートでもなんとかなります)。

本書はモンテカルロ法を実行するに当たり、エクセルに標準搭載されているプログラミング言語VBAを用います、

VBAはエクセルがインストールされたPCであれば特別なことをしなくてもすぐに使えるようになりますので、プログラミングの入門には適しています

構文も難しいものではなく、少し訓練すれば容易に習得可能ですし、その訓練は本書にじっくり取り組むことで達成されます。

実際、私のプログラミング力を飛躍的に上昇させたのは、この本を読んだからです(私はプログラミング勉強会を開くまでにスキルアップしました)。

実際に手を動かしながら本書を読み勧めていく中で、エクセルVBAとプログラミングの基礎がしっかり身につきます

ただし、一点注意点があります。

プログラミング習得には近道は存在しません。

本書を流し読みすれば勝手にプログラミング力が身につくということは絶対にありませんので、しっかり自分で手を動かす必要があります。

本書に記載されているコードを実際に打ち込む(エンジニア用語で、写経する、と言います)ことでしか、プログラミング力は向上しません。

そもそも本書は、紙面上でコードが記載されてはいるものの、コーディング済みのエクセルシートなどは公開されていません

もし「手軽にリアル・オプション分析を行うためのツールが欲しい」と考えている人にとっては、本書はふさわしくないでしょう。

裏を返せば、確かなプログラミング力を身につけるための教材としてはこれ以上のものはないと言ってもいいでしょう。

スキルアップを目指す方にとって最高の教材です。

まとめ

『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』はファイナンスとVBAを使ってリアル・オプションを学ぶ大変良い教材です。
ある程度の数学の素養がある人が、ファイナンスとプログラミングを学ぶのにおすすめの本です。
ファイナンスを基礎から学び、数理的思考力を鍛えることが出来るとともに、VBAプログラミングのスキルを効率的に学ぶことが出来ます。
リアル・オプション分析の手法を学ぶことで、企業の意思決定に説得力をもたせることも出来ます。
難書ではありますが、間違い無しの良書です。是非チャレンジしてみてください。

まだ数学から逃げてるの?これからのビジネスと数学

こんにちは、毛糸です。

先日、私が所属している勉強会で「会計士と数学」に関するセミナーが行われました。

昨今のAIを始めとするテクノロジーの進展の背景には数学の利用があり、ビジネスマンの中でも数学を勉強したいという人が増えているようです。

今回は、これからのビジネスと数学についてお話します。

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