損失という会計数値は、その金額よりも「損失状態であること」が重要な意味を持っています。
本記事では企業の損失に関する行動を例にして、損失状態であるか否かというデジタルな尺度に意味があるという考え方について述べます。
損失という会計数値は、その金額よりも「損失状態であること」が重要な意味を持っています。
本記事では企業の損失に関する行動を例にして、損失状態であるか否かというデジタルな尺度に意味があるという考え方について述べます。
人生において何を重視するか、というのは人それぞれ違います。
たとえば私が重視していることは
です。これらに同意してくれる方もいるでしょうし、他にもっと大事なものがあるという方もいるでしょう。
ここに挙げた項目のほかに「ビジネスで成功すること」「仕事人として成長すること」を重視する人も多いと思われます。ハードに働いて多額の給料を稼いだり、自分のスキルを高めたりしたいという話はよく聞きます。
しかしながら、ハードワークをするということは、それなりの犠牲を伴います。それは健康であったり、余暇の時間であったりします。
「あちらを立てればこちらが立たず」という関係をトレードオフといいます。激務と健康、仕事と余暇は、トレードオフの関係にあります。
経済的な豊かさ、健康、家族関係、余暇などの「人生の満足度」(経済学でいうところの効用)を左右する諸変数について、その重要性は個人とその環境によってまったく異なります。
経済的豊かさを得るためには余暇が少なくても構わないという人は、豊かさの限界効用よりも余暇の限界効用のほうが小さい、と表現されます。
満足度の源泉にはトレードオフが存在します。先に述べた、激務と健康のトレードオフなどです。
私たちはこのようなトレードオフのもと、自分が人生において何を大切にしているのか(どの変数の限界効用が大きいのか)という価値観に照らして、自分の生涯効用を最大化させるために意思決定を行っています。
時折、ワークライフバランスを重視したいという価値観に対して、スキルの獲得や成長を阻害すると言われることがあります。
確かに、ハードに働けばそれだけ仕事を覚える機会も増え、仕事への順応も早くなるでしょうから、このような主張には一理あります。
ここで重要なのは、ワークライフバランスを得ることと、ハードワークで成長を得ることと、どちらが自分の人生をより良くするか(生涯の効用を高められるか)という視点です。
ワークライフバランスを得ることの満足度と、ハードワークで大きな成長を得ることの満足度を天秤にかけたとき、前者が大きいのであれば良好なワークライフバランスのもと働くのがよいでしょうし、後者のほうが大きければ一心不乱に働くのが合理的な意思決定といえます。
もちろん、よく働く人の方が仕事人として評価されるのは当然ですから、場合によってはワークライフバランス重視派の人とハードワーク派の人とで、評価に差がつくこともあるでしょう。もしワークライフバランス派の人が「自分も仕事人として評価されたい」と思うのであれば、それは仕事の限界効用が高いとわかったということですから、そのときは仕事を頑張ればいいのです。
ただ、どの分野に比重を置くかが十人十色である以上、特定分野で他者と序列をつけることに大した意味はないように思えます。
大切なのは自分がどんな価値観をもち、どうありたいかを明確に認識して、自分で選択することです。
「これが私の選択だから」
と胸を張って言える、そんな生き方をしたいものです。
社会人になってから「学生時代にもっと勉強すればよかった」と後悔することがたまにあります。
またそれに似た後悔として、社会人になりたての頃に受けた研修をもっと真面目に受ければよかったと思う時もあります。
どうしてこんな後悔が生まれるのでしょうか。
こうした後悔には、どんな気持ちで向き合えばよいのでしょうか。
日本公認会計士協会 東京会 IT委員会研究報告書
『公認会計士業務のリモート化における業務現場での課題とITの利用について』
が公表されました。
https://tokyo.jicpa.or.jp/member/document/list.html?pdid=5629
リモートワークが普及した昨今の監査・会計業務において、知っておくべきTipsを解説しています。
東京会所属の会計士の方はお役立てください。
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また、これらの制度・会計処理・時価評価に関して参考になる書籍も紹介します。
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ビジネスパーソンは、日々さまざまな課題に直面します。それは社会構造に由来する事業上の課題であったり、社外のお客さんとの関係から生じる課題であったり、組織内の人間関係に起因する課題であったりします。
業界人と話をしてみると、意外とみんな似たような課題に直面していることに気付きます。
そして多くの場合、似たような結論にたどり着いています。
このような状況は、個々の実務的課題は具体のレベルで異なってはいても、抽象的なレベルでは同じ課題に直面していることを示唆しています。抽象的なレベルで共通しているが故に、同じ業界では「あるある」と同意してくれるのです。
もし、個々の具体的課題を具体的に解決するのではなく、抽象的なレベルで解を用意しておくことができれば、多くの課題を一網打尽にできます。
MBA(経営管理修士)の課程では、そうした抽象的問題解決の訓練をしています。
座学で抽象論・原則論を学び、それをケーススタディなどに活かすことで具体化の術を学ぶのです。
実務課題を抽象的に考えることで、広範な問題に立ち向かうことができます。
監査と(公認会計士による財務諸表監査)は、企業がみずから作成した財務諸表が、一般に構成妥当と認められた企業会計の基準に準拠していることを確かめる手続きであり、「保証業務」のひとつです。
具体と抽象、という言葉を使うなら、監査というのは保証業務の具体のひとつであり、保証業務は監査の抽象化です。
監査・保証実務委員会研究報告第31号では、保証業務を次のように定義しています。
「保証業務」とは、適合する規準によって主題を測定又は評価した結果である主題情報に信頼性を付与することを目的として、業務実施者が、十分かつ適切な証拠を入手し、想定利用者(主題に責任を負う者を除く。)に対して、主題情報に関する結論を報告する業務をいう。
保証業務の対象となる主題、つまり「なにを保証するか」については、財務諸表以外のものもあります。
上記研究報告においては財務諸表のほかに、内部統制の有効性、サステナビリティに関する状況、温室効果ガスの排出に関する状況などが挙げられています。
このように、監査を抽象化した保証業務という概念を見出すことで、監査「のような」業務を考案したり、適当な仕組みを作るのに役立てたりできます。
2021年2月に実施された簿記2級の合格率が、速報値で10%を割ってます。
時代は変わったんですね……
10%と言えば従来の1級の合格率くらいのイメージでしたが、まさか2級でこれとは驚きです。
今回は簿記2級の難化について、いち会計士として・実務家としてどう向き合うべきか考えます。
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