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ビジネス


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ブロックチェーンやAIは会計士の脅威にはならないだろうけど、それでも残る2つの不安

AIやブロックチェーンといった新しい技術は、公認会計士という会計専門職の驚異になるのではないか、という不安の声が聞かれます。

「AIで会計士はいらなくなる!」「ブロックチェーンで監査は不要になる!」という主張の殆どは、会計士や監査という仕事を十分に理解していないことから生じる誤解です。

【参考記事】
「AIで会計士の仕事(監査)はなくなるのか」に対するひとつの数理的整理

「ブロックチェーンで監査はなくなる」という誤解について

しかしながら、会計士や監査をよく知る立場であっても、拭い去れない不安が2つあります。本記事ではその懸念について説明します。

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インサイダー取引の数理

公開されていない情報を用いた取引をインサイダー取引といいます。

インサイダー取引は数学的にどのように定式化されるのでしょうか。本記事ではインサイダー取引の数理的研究に関する文献を紹介します。

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秘密計算の会計不正研究への活用

データを開示することなく種々の計算を可能にする技術を「秘密計算」といいます。

秘密計算は既にたくさんのユースケースが提案されています。本記事では会計・監査業務における情報共有や不正予測の観点から、秘密計算の活用例について考えます。

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株式報酬の会計処理と現行処理への疑問点

企業が経営者や従業員などに対して、自社の株式や新株予約権(ストック・オプション)を付与することがあります。企業は経営者等に「もっと頑張ってほしい」と考えこのような取引を行います。

このとき、付与した株式や新株予約権は報酬としての性格をもち、企業はそれに見合う費用を認識します。あたかも彼らに給料を支払ったかのような会計処理を行うわけです。

このような「株式報酬」の会計処理について、他の会計処理との整合性の観点から、ひとつの疑問点を提示します。

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プロマネの「いろは」はPMBOKに学べ:プロジェクトマネジメント知識体系の活用例

エンジニアやコンサルタントの業務はプロジェクト単位で管理されます。

プロジェクトを成功に導くための管理手法は「プロジェクト・マネジメント」(プロマネ)と呼ばれ、十分な経験を持った専門職がその職務を担います。

本記事ではプロマネ業務における膨大な蓄積を体系的に整理した「PMBOK(ピンボック:プロジェクトマネジメント知識体系)」を紹介します。

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業務が属人化することのメリットとデメリット

「この業務はあの人にしか出来ない」「この業務の全体像を理解しているのは○○さんだけ」というような状態は、業務の属人化と呼ばれます。

業務の属人化は組織のリスクであるという考え方は私が見聞きする範囲では多く、属人化は避けるべきとの認識が多数派です。

しかし、業務の属人化は本当に避けるべきものなのでしょうか?

本記事では業務の属人化に関するメリットとデメリットについて考えます。

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誰がための自動化か

ビジネス現場におけるIT推進は今や当然の流れ担っているように思います。RPAによるアプリケーションを跨いだ業務自動化が流行ったのも記憶に新しいです。

最近ではプログラミングスキルを発揮して業務を自動化・効率化したという話もよく聞きます。

本記事ではそんな「自動化」について、それによって喜ぶ人・反対する人について考えてみます。

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会計数値の集計(aggregation)に関するいくつかの論点

会計(より具体的には決算)という手続きには、会計数値の集計が伴います。

会計数値の集計とは例えば、複数の仕訳から同じ勘定科目の金額を集計しその勘定の残高を計算したり、資産勘定に含まれる勘定残高を集計して総資産の金額を計算したりといった手続きのことです。

この集計という手続きにはどんな「意味」や「効果」があるのでしょうか。Arya et al.(2000)で指摘されたポイントを考察してみます。

Arya, A., Fellingham, J. C., Glover, J. C., Schroeder, D. A., & Strang, G. (2000). Inferring transactions from financial statements. Contemporary Accounting Research, 17(3), 366-385.(LINK)

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【再考察】外国通貨投資の期待リターン

FXや外貨預金に投資した際の期待リターンはゼロである、ということを、以下の記事で解説しました。

FXの期待リターン、億り人になれる確率、破産する確率【モンテカルロ・シミュレーション】

この記事では、裁定取引によるフォワードパリティと、カバー付き金利パリティという条件が成り立つとき、FX等の期待リターンはゼロであることを数式で示しています。

すなわち、他国通貨と自国通貨の金利差(インカムゲイン\(i_F−i_D\))と通貨高による増分(キャピタルゲイン\(E[s0,t]\))について

\begin{equation} \begin{split}
\left(i_F−i_D\right)+E[s0,t]=0
\end{split} \end{equation}

が成り立つので、外貨投資のトータルゲイン(インカムゲインとキャピタルゲインの和)はゼロと言えます。

フォワードパリティは成り立つのか?(投資家のリスク中立性の仮定は妥当か)

外貨投資の期待リターンがゼロであるという結論は、フォワードパリティとカバー付き金利パリティが成立するときに成り立つ主張です。

したがって、どちらかいずれかが成り立たない場合には、必ずしも「期待リターンはゼロ」といえなくなります。

実は、以下のフォワードパリティの式は、投資家がリスク中立的であるときには成り立ちますが、投資家がリスク回避的であるときには成り立ちません

\begin{equation} \begin{split}
F_T=E\left[S_T\right]
\end{split} \end{equation}

ここで\(S_T\)は将来時点\(T\)におけるスポット為替レート、\(F_T\)は現時点\(0\)において結ぶ時点\(T\)のフォワード為替レートで、\(E\left[\cdot\right]\)は期待値を表します。

この期待値がくせ者で、上記式は「現実世界の確率のもとでの期待値」を表しており、上記等式が成り立つのは投資家がリスク中立的(リスクに対して追加的なリターンを求めない)のときだけです。

現実の投資家はリスク回避的であり、フォワード為替レートは将来のスポットレートの「リスク調整済み確率の下での期待値\(E^*\left[\cdot\right]\)」として決まります。フォワード為替レートは将来のスポットレートにリスクプレミアム\(\Pi\)を乗せた額として決まる、と言ってもいいでしょう。

\begin{equation} \begin{split}
F_T=E^*\left[S_T\right]=E\left[S_T\right]+\Pi
\end{split} \end{equation}

このように、投資家がリスク回避的であることを前提とすると、もはや「FX等の期待リターンはゼロ」とは言えず、為替のリスクプレミアムだけ期待リターンを生むという結論が得られます。

【参考】リスクプレミアム考慮したときのFX等のリターン

フォワードパリティ

\begin{equation} \begin{split}
F_T&=E\left[S_T\right]+\Pi\\
\Leftrightarrow \frac{ F_T}{ S_0}&=E\left[\frac{ S_T}{ S_0}\right]+\frac{ \Pi}{ S_0}\\
\Leftrightarrow \frac{ F_T}{ S_0}&=E\left[1+s_{0,T}\right]+\pi
\end{split} \end{equation}

カバー付き金利パリティ

\begin{equation} \begin{split}
\frac{ F_T}{ S_0}-1\approx i_D-i_F
\end{split} \end{equation}

FX等の期待リターン(上記2式より)

\begin{equation} \begin{split}
E\left[s_{0,T}\right]+\pi=i_D-i_F\\
\Leftrightarrow E\left[s_{0,T}\right]+i_F-i_D=-\pi\\
\end{split} \end{equation}

 

通貨の期待リターンはいくらなのか

通貨の期待リターンを生むリスクプレミアム\(\pi\)はどれくらいなのでしょうか。

上記の式だけでは、リスクプレミアム\(\pi\)が正なのか負なのかもはっきりしません(仮にフォワードパリティが\(\Pi>0\)で成立するなら、FX投資の期待リターンはマイナスです。)

通貨のリスクプレミアムが存在するのかしないのか、存在するならば正なのか負なのかという問題は、いまだ解明されていないようです。

ファイナンスの教科書的な考え方では「分散投資によって避けられるリスクには、リスクプレミアムが生じない」とされます。

通貨投資も同様に、分散可能なリスクであればリスクプレミアムは発生しないはずです。

しかしながら通貨の場合にはどうしてもヘッジしきれないリスクが残るとされており、具体的には以下のような要因がリスクプレミアムを発生させるといいます。

  • 世界各国の対外債権債務の大きさ
  • 為替リターンの分散
  • 為替レートと世界マーケット・ポートフォリオとの共分散

たとえば日本の場合は、多額の対外純資産を有しており、それらのうち多くをヘッジなしで有しているため、市場取引において分散投資をしてもなお散らせないリスクが残ります。

結果として日本の投資家が対外資産投資で追う為替リスクにはプラスのプレミアムが生じます(参考文献参照)。

このように、通貨の期待リターンは必ずしもゼロであるとは言えず、世界各国の資産市場の状況を反映したリスクプレミアムを享受できる可能性があるということです。

 

参考文献

この記事は以下の書籍を参考にしました。第6章グローバル投資では、為替リスクの基本的理論や、国際投資における重要な定理(カバーつき・カバーなし金利平価や国際CAPM)が解説されており、ファイナンスの基本的な事項とともに幅広い分野を学べる良書です。

 

福田・斉藤(1997)”フォワード・ディスカウント・パズル:展望”では、本記事で扱ったような問題を、投資家のリスク回避性をはじめいくつかの視点から整理しています。

暗号のまま計算する技術〜準同型暗号に関する参考文献〜

暗号は秘密を守るための重要な技術です。

情報を伝えたい相手以外に情報を漏らさないよう、暗号は古くから工夫されてきました。

近年ではビットコインなどの暗号資産(少し前の言い方では、仮想通貨)を支える技術として、暗号は重要な役割を果たしています。

本記事ではそんな暗号の技術のうち、準同型暗号と呼ばれるものの参考文献を紹介します。

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