2019年 4月 の投稿一覧

ひふみ投信は期間をランダムにとってもTOPIXに勝つ方が多かった件

こんにちは、毛糸です。

先日の記事「ひふみ投信の対TOPIXの勝率を調べてみたら、統計的に有意に1/2より大きかった件」では、ひふみ投信の設定開始日2008/10/1から本記事執筆時点の直近営業日である2019/4/26までの2,590日を1期間として、当該期間の平均や日次勝率を算出しました。

しかし、ここでこんな疑問がわきます。

2008年から2019年という期間では確かにそうかもしれないが、最近に限れば勝率は高くないのではないか?

事実、最近はインデックスに対する勝率が低いという分析結果もあります。
参考記事:ひふみ投信の懸念点とその他投信の注意点

そこで今回は期間選択のバイアスをなくすため、計算期間をランダムに指定して、ひふみ投信とTOPIXの比較をしてみたいと思います。

ランダムな期間のとりかた

全体期間を、ひふみ投信の設定開始日2008/10/1から本記事執筆時点の直近営業日である2019/4/26とします。

この全体期間の中から、ExcelのRAND関数を用いてサンプル期間開始日( t_i^S)(下付きは( i)番目のサンプルを表す)をランダムに選択します。

次に、サンプル期間開始日( t_i^S)から全体期間終了日までの期間の中から、ExcelのRAND関数を用いてサンプル期間終了日( t_i^E)(下付きは( i)番目のサンプルを表す)をランダムに選択します。

こうしてサンプル期間(left[ t_i^S,t_i^Eright] )を作成し、これを1000セット作成します。

これがランダム期間の1000個のサンプルです。

期間をランダムサンプリングしたので、「ひふみ投信のパフォーマンスが高い期間を恣意的に選んだ」という疑念はなくなるでしょう。

各サンプル期間に対して、ひふみ投信とTOPIXの日次リターンの平均、標準偏差、シャープ・レシオ、日次勝率、期間勝率を比較します。

サンプル期間における日次リターンの平均

各サンプル期間で、ひふみ投信とTOPIXの日次リターンが計算できます。

1000件のサンプルで計算されたひふみ投信の日次リターンの平均は年率換算で16.01%、TOPIXは7.81%でした。

期間をランダムに選択した場合でも、ひふみ投信はTOPIXより良好なリターンを上げていることがわかりました。

サンプル期間における日次リターンの標準偏差

1000件のサンプルで計算されたひふみ投信の日次リターンの標準偏差(リスク)は年率換算で18.28%、TOPIXは19.25%でした。

期間をランダムに選択した場合でも、ひふみ投信はTOPIXより低リスクであることがわかりました。

サンプル期間における日次リターンのシャープ・レシオ

日次リターンの平均と標準偏差を用いて計算されるシャープ・レシオは、ひふみ投信が1.29、TOPIXが0.6でした。

投資の運用効率を測る指標であるシャープ・レシオは、ひふみ投信のほうがポイントが高いことがわかりました。

サンプル期間における日次リターンの日次勝率

各サンプル期間で、ひふみ投信の対TOPIXの日次勝率が計算できます。

日次勝率の平均は53.63%で、ランダムに期間を指定しても、ひふみ投信はTOPIXに勝つ確率のほうが高いという結果になりました。

なお、日次勝率の1000サンプルにおける勝率トップは77.5%(2019/1/7-2019/1/20)、勝率最下位は0%(2019/12/5-2018/12/8)、中央値は53.5%でした。

1000サンプルから計算される日次勝率をヒストグラムにしてみると、勝率が50%から57%の間にあるケースが最も多いという結果になりました。

サンプル期間における日次リターンの期間勝率

各サンプル期間でのひふみ投信の基準価格成長率とTOPIXの伸び率を比較することで、サンプル期間での勝敗を定義することが出来ます。

1000サンプルのうち、ひふみ投信がTOPIXの成長率を上回ったサンプルは873件であり、勝率は87.3%でした。

期間を適当に区切ったとき、ひふみ投信がTOPIXより「儲かる」確率は87.3%と解釈できます。

まとめ

本記事ではリターン計測に期間選択の恣意性が混入しないよう、ランダムに期間を選択し、その期間でリターンや勝率を計算してみました。

個別のサンプル期間で見ればひふみ投信がTOPIXに勝てない期間もありましたが、平均的にはひふみ投信はTOPIXより優れた運用成果を上げていました。

本記事の分析は多数・ランダムなサンプルによる統計的手法に基づいてはいるものの、ひふみ投信の一側面しか見えていないというご意見もあろうかと思いますので、是非SNSで「こんな見方もある」といったコメントを頂けると嬉しいです。

ひふみ投信の対TOPIXの勝率を調べてみたら、統計的に有意に1/2より大きかった件

こんにちは、毛糸です。

私は投資信託に積立投資を行っており、そのなかでアクティブファンドである「ひふみ投信」を購入しています。
参考記事:【投信定点観測】インデックス投資信託8つ・ロボアドバイザー2つ・アクティブファンド3つにドルコスト平均法で積立投資してみる

ひふみ投信は主に日本株式を中心に運用を行うアクティブファンドで、中小型株の目利き力に優れた投資信託として個人的に注目しています。

そんなひふみ投信ですが、最近ネットではパフォーマンスに疑問符を投げかける声が散見されています。

そこで今回は、ひふみ投信に対するネガティブな声に反論すべく、ひふみ投信の優位性を統計学的に検証してみたいと思います。

結論として、ひふみ投信は日本株式のインデックスであるTOPIXに対する勝率が、有意に1/2を超える結果となりました。

価格時系列データはYahoo!ファイナンスから

ひふみ投信とTOPIXのデータはYahoo!ファイナンスから取得しました。

9C31108Aひふみ投信の時系列データはこちら

TOPIXの時系列データはこちら

ひふみ投信は基準価格を、TOPIXは終値をそれぞれ使用します。

期間はひふみ投信の設定開始日2008/10/1から本記事執筆時点の直近営業日である2019/4/26までの、2,590日です。

日次リターン(算術、純額表示)の計算

日次の算術リターン(日次リターン、純額表示)を計算します。

\( t\)日目のリターン\( r_t\)は、\( t\)日目の価格\( S_t\)と\( t-1\)日目の価格\( S_{t-1}\)を用いて、以下の計算式で算出します。

\[ \begin{split}
r_t=\frac{ S_t-S_{t-1}}{ S_{t-1}}=\frac{S_t }{S_{t-1} }-1,~r_1=1
\end{split} \]

この計算により、ひふみ投信の日次リターン\( r_t^H\)とTOPIXの日次リターン\( r_t^T\)(\( t=1,2,\cdots,2590\))が得られます。

ひふみ投信とTOPIXの日次リターンの平均

2008/10/1から2019/4/26までの日次リターンの平均は、
ひふみ投信が0.07%/日、TOPIXが0.02%/日でした。
日次リターンの平均はひふみ投信の方が高い結果となりました。

ひふみ投信とTOPIXの日次リターンの分散、標準偏差(リスク)

2008/10/1から2019/4/26までの日次リターンの分散(平均からの乖離の尺度)は、
ひふみ投信が0.00001、TOPIXが0.00002でした。
日次リターンのリスクを示す標準偏差(分散の平方根)は、
ひふみ投信が0.02%、TOPIXが0.03%でした。
日次リターンのリスクはひふみ投信の方が低い結果となりました。

ひふみ投信とTOPIXの日次リターンのシャープ・レシオ

リスクに対するリターンの効率性を図る指標であるシャープ・レシオ(=リターン÷リスク)は、
ひふみ投信が2.84、TOPIXが0.90でした。
リスクに対するリターンの効率性はひふみ投信のほうが優れているという結果になりました。

ひふみ投信とTOPIXの日次リターンの累積リターン

当該期間中、ひふみ投信の基準価格は4.70倍(純リターン371%)に、TOPIXは1.47倍(純リターン47%)になっています。

ひふみ投信の方が当該期間中の利殖幅が大きいという結果になりました。

ひふみ投信の対TOPIX超過収益率

ひふみ投信の対TOPIX超過収益率\( r_t^E\)は、ひふみ投信の日次リターン\( r_t^H\)とTOPIXの日次リターン\( r_t^T\)を用いて

\[ \begin{split}
r_t^E=r_t^H-r_t^T
\end{split} \]
と表せます。

ひふみ投信の対TOPIX超過収益率\( r_t^E\)は、ひふみ投信をロング、TOPIXをショートするポートフォリオのリターンに近似し、ひふみ投信がTOPIXをどれだけアウトパフォームしているかを測る指標になります。

ひふみ投信の対TOPIX超過収益率\( r_t^E\)の平均は0.04%、標準偏差は0.01%でした。

超過収益率が正であったため、ひふみ投信はTOPIXに対して良好なパフォーマンスを上げているという結果になりました。

ひふみ投信の対TOPIXの勝率

ひふみ投信の対TOPIX超過収益率\( r_t^E\)が正の値であるとき、ひふみ投信はTOPIXを上回るリターンを実現させたことになります。

\( r_t^E\)が正のとき\( 1\)、負のとき\( 0\)を取る変数(勝敗変数)を\( t=1,2,\cdots,2590\)に対して計算し、和を取ることで、ひふみ投信のリターンがTOPIXのリターンを上回った日数をカウントできます。

こうして計算した結果、2,590日中、ひふみ投信がTOPIXを上回った日数は1,385日、割合にして53.5%でした。

2008/10/1から2019/4/26までを計算期間としたときの、ひふみ投信の対TOPIXの勝率は53.5%であり、勝敗が一様に確からしい時の確率\( \frac{ 1}{ 2}\)を上回る結果となりました。

ひふみ投信の対TOPIX勝敗変数の二項検定(正規分布近似)

ひふみ投信の対TOPIX勝率は上記計算によると53.5%であり、勝率トントン(\(\frac{ 1}{ 2} \))に近く、偶然\(\frac{ 1}{ 2} \)を少し超える勝率が記録されただけではないか、という疑問を持ちます。

そこで、ひふみ投信の対TOPIX勝率53.5%という数字が、統計学的に意味がある数字なのかを検証します。

ひふみ投信の対TOPIX勝敗変数は、ひふみ投信の対TOPIX勝率\( p\)をパラメタとする二項分布に従うと考えられます。

「\( p=\frac{ 1}{ 2} \)と仮定したとき、ひふみ投信の対TOPIX勝率の実際値53.5%がどれくらいの珍しさで起こったのか」を統計的に検証する方法を、仮説検定と言います。

\( p=\frac{ 1}{ 2} \)と仮定したとき、ひふみ投信がTOPIXに2,590日中1,385日勝った、という結果が生じる確率が小さければ、ひふみ投信がTOPIXに勝ったのは偶然ではない、と結論付けられます。

仮説検定の詳細は他の記事にゆずりますが、今回はひふみ投信の対TOPIX勝利日数を二項分布\(Bi(2590,p) \)として、帰無仮説:\( p=\frac{ 1}{ 2} \)、有意水準5%で検定を行います。
参考記事:25-2. 二項分布を用いた検定

ひふみ投信の対TOPIX勝利日数は帰無仮説\( p=\frac{ 1}{ 2} \)のもとでは、近似的に平均\( 2590p=\frac{ 2590}{ 2}\)、分散\(2590p(1-p) =\frac{ 2590}{ 4}\)の正規分布に従います。

ひふみ投信の対TOPIX勝利日数を基準化した統計量が1.96より大きいとき、帰無仮説は棄却され、ひふみ投信の対TOPIX勝率は\( \frac{ 1}{ 2}\)と有意に異なる、と結論付けることが出来ます。

統計量は

\[ \begin{split}
\frac{ 1385- 2590p}{ \sqrt{2590p(1-p)}}=3.54>1.96
\end{split} \]
なので、

ひふみ投信の対TOPIX勝率は\( \frac{ 1}{ 2}\)と有意に異なります

つまり、ひふみ投信の勝率が53.5%であり、\( \frac{ 1}{ 2}\)より大きかったのは、統計的には偶然ではない、という結論が導けます。

まとめ

ひふみ投信の設定以来のデータを用い、基本統計量をTOPIXと比較しました。

また、日次の勝敗率を計算し、ひふみ投信がTOPIXに有意に勝っていることを確認しました。

本記事の分析は統計的手法に基づいてはいるものの、ひふみ投信の一側面しか見えていないというご意見もあろうかと思いますので、是非SNSで「こんな見方もある」といったコメントを頂けると嬉しいです。

【投信定点観測】7週目|新興国債券含み損に…、ロボアドの逆相関?、ひふみvsTOPIX

こんにちは、毛糸です。

【投信定点観測】2019年4月第4週(スタートから7週目)の損益の報告です。

今週末における投資総額は143万円、含み損益は+34,674円、損益率は2.42%(年率17.70%)です。

損益状況

商品ごとの時価は以下のようになりました。【投信定点観測】開始から6週間経過時の含み損益は+34,674で、先週から2,116円のマイナスです。

損益率に直すとこんな感じです。今週末の損益率は2.42%(年率換算で17.70%)です。

インデックス投資信託の振り返り:J-REIT好調、新興債券反落

今週は日本株式・債券・REITが好調だった一方、新興国株が反落しました。

4/25の日銀政策決定会合で2020年春ごろまでの長期金利操作をコミットしたことが好感され、TOPIX、債券インデックス、REITが押し上げられました。

一方、新興国債券が反落し、含み損に転落しています。

新興国債券はここ数年大変よいパフォーマンスを上げていました。

しかし先進国の景気動向が注視される中で新興国通貨と債券にも不安定感があり、事実今週新興国債券は含み損に突入しました。

今まで良好なパフォーマンスを上げていた資産であっても、その後もパフォーマンスが持続すると考えるのは安易です。

【投信定点観測】は広く分散されたポートフォリオに機械的に積立投資する「ほったらかし」インデックス投資を実践しています。

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ロボアドバイザーの振り返り:WealthNavi(ウェルスナビ)とTHEO(テオ)は逆相関?

ロボアドバイザーはWealthNavi(ウェルスナビ)THEO(テオ)ともに含み益ですが、今週はWealthNavi(ウェルスナビ)のほうが良好なパフォーマンスをあげています。

いずれも週次ではマイナスリターンですが、THEO(テオ)は0.7%のマイナスである一方、WealthNavi(ウェルスナビ)は0.03%のマイナスに留まり、上手な「守り」を見せています。

WealthNavi(ウェルスナビ)THEO(テオ)も、ETF(上場投資信託)を用いた分散を行っていますが、そのポートフォリオには違いがあり、これまでの価格推移を見ると逆相関があるような気がしないでもありません。

いずれもETFを用いた全世界に対する分散投資を行っていますが、一口にロボアドバイザーと言っても特徴はいろいろで、研究し甲斐がありますね。

▼ロボアドバイザーWealthNavi(ウェルスナビ)の登録はこちらから!
WEALTHNAVI(ウェルスナビ)

▼ロボアドバイザーTHEO(テオ)は登録はこちらから!
THEO

アクティブファンドの振り返り:ひふみ、累積リターンで見るとインデックスに勝利中

TOPIXの今週の上昇幅が0.08%であるのに対し、ひふみ投信は0.84%と、インデックスを上回るリターンを稼ぎ出しています。

ひふみは週次リターンで見ればTOPIXに買ったり負けたりですが、累積リターンで考えた場合にはインデックスを徐々に引き離しています。

アクティブファンドは平均的にはインデックスに勝てないとされていますが、それはあくまで「平均」の話。

審美眼に覚えあり!と思う方は、勝てるアクティブファンドを見つけるのも楽しいかもしれませんね。

まとめ

【投信定点観測】を始めて7週間、市場は「適温相場」という言葉で表せられるように、目立った混乱もなく推移しています。

新興国資産など、週次で大きく買ったり負けたりする銘柄もあり、新興国資産がハイリスクであることを実感します。

特定の資産の上下に関わらず安定的にリターンを追求していけるのが、【投信定点観測】でも実践している投資信託を使った分散投資です。

投資信託積立の優位性については、下記の書籍に丁寧に解説されていますので、是非読んでみてください。

引き続き積立投資の状況をリポートして参りますので、もしよろしければSNSでのシェアよろしくお願い致します!

ビジネスマンにおすすめする、ゴールデンウィーク10連休に読んで欲しい本5冊!

こんにちは、毛糸です。

ゴールデンウィークが始まりますね、今年は10連休という超大型連休です。

10連休を使ってスキルアップしたいというビジネスマンは少なくないでしょう。

そこで今回は、私がこれまで読んだ本の中でビジネスに特に役立っているものをまとめてみます。

仕事の能率を上げ、成果を高めるための書籍を

  • プロジェクトマネジメント
  • Excel関数、マクロ、VBA
  • 見やすい資料の作り方
の3つのポイントから紹介します。
 

外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント

プロジェクトとは、ある特定の目的を達成するために人材や時間を投下し課題を解決していくプロセスです。
 
私達の仕事の多くはプロジェクトであると解釈できます。
 
したがって、プロジェクト管理(プロジェクトマネジメント)の手法を学ぶことで、日々の業務を効果的かつ効率的に遂行することができます。
 
プロジェクトマネジメントというと、通常は管理職の仕事だと思われがちですが、スタッフ職階の人でもこれを学ぶことで、自分の仕事を円滑に進めることができます。
 
プロジェクトマネジメントの解説書は多々ありますが、私はこの本を勧めます。
 

本書は、 

  • プロジェクトマネジメントとはなにか
  • プロジェクトマネジメントに必要なこととはなにか
  • どんな心づもりで取り組むべきか
  • 具体的にどういう方法をとるべきか

といった内容が網羅されています。

プロジェクトマネジメントのノウハウをインプットしておくだけで、仕事の見通しがよくなり、リスクに備えることができ、クライアントの期待に答える準備に時間をたっぷり取れるようになります。

 
仕事の忙しさの中で改善点を見つけ実行していくのは難しいですが、連休を使って「ベストソリューション」を前もって勉強しておくことで、休み明けの業務をブーストすることができます。
 

Excel関数、マクロ、VBA

ビジネスでExcelを使う人にとって、Excelを効率的に使うことは、そのまま業務効率化に繋がります
 
Excelはビジネスで当たり前のツールである一方、Excelの使いかたを基礎から体系立てて教わる機会はあまりありませんし、我流に走り非効率な使いかたをしている人もたくさんいます。
 
この大型連休を使って、Excelの使いかたを極めてみてはいかがでしょうか。 

関数は「使える順」に極めよう! Excel 最高の学び方

Excelは関数を効果的に使うことで多くの分析ができ、業務を効率化することができます。

Excel関数の数は膨大で、そのすべてを勉強することは不可能です。

しかし、ビジネスでよく使う関数というのは実は数が限られており、それらを優先的に習得することで、高い費用対効果が得られます。

本書は関数を「使える順」に解説してくれる他に類を見ない良書で、これを読むことですぐにビジネスに活かせるスキルが身につきます。

Excel VBAの教科書

Excelには処理を記録し自動化するツールが搭載されています。 

それが「マクロ」です。

マクロを使うことで、大量のデータを集計したり、加工したりする作業を、機械に任せることができます。

私自身、マクロを用いることで劇的な業務改善に成功しました。
参考記事:30時間の作業を1/3に圧縮できた3つの理由|マクロVBA、業務見直し、マニュアル化

マクロは、VBAというプログラミング言語によって作ることができます。

プログラミングというと、最近何かと話題ではあるものの、いまいちとっつきにくいと感じている人も多いのではないでしょうか。

私がおすすめする以下の本は類書と比較して、

  • 前提知識が不要で
  • 一般的なプログラミングの考え方が身につき
  • 辞書のように無味乾燥でなく
  • 特定の用途にフォーカスしてないので汎用性が高い

という特徴のある良書です。

Excelワークを更に効率化したいと考えている方は、このゴールデンウィークにVBAプログラミングによるExcelマクロの作成にチャレンジしてみてください。

見やすい資料の作り方

ゴールデンウィークに習得をおすすめしたいのが、見やすい資料の作り方です。
 
見やすくわかりやすい資料というのは、ビジネスでは様々な場面で求められますが、見やすさというのは個人の感性にも左右され、体系的に勉強する機会は少ないと思います。
 
しかし「見やすい」「わかりやすい」資料を作るためのルールというのは、ある程度セオリーや標準的な規則が決まっています
 
ゴールデンウィークにこれら「基礎」を身につけることで、今後ずっと、資料作りに迷うことがなくなるでしょう。
 

外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方

本書はエリートが集う外資系金融機関で「エクセルニンジャ」の異名をとった著者による、美しい表の作り方を説明した本です。
 
罫線の引き方や、インデント(段落)の効果的な使いかた、ベタ打ちなのか関数なのかひと目で分かるフォント色のルールなど、Excel表をわかりやすく作るためのノウハウが満載です。
 

 

 
本書の後編は「財務モデル」に関する解説で、これだけでも十分価値ある内容です。 

ただし、初見ではかならず引っかかるであろう落とし穴があるため、注意が必要です。
参考記事:『外資系金融のExcel作成術』誤植?数字が合わない理由と解決策

伝わるデザインの基本 増補改訂版 よい資料を作るためのレイアウトのルール

本書は、見やすく・わかりやすい資料の作り方を解説しています。
 
フォントの選び方、配色、レイアウトなど、Excel表にとどまらず、資料全般に適用可能な手法が載っています。
 
デザインの本というと、センスが必要なのではないか?と心配になるかもしれません。
 
しかし、本書ではなぜその方法が伝わりやすいのかを丁寧に解説しているのに加え、良い例と悪い例を比較して図解してくれるので、再現性がとても高いです。
 

 

 
 
本書で説明されているフォントの使いかたは、下記の記事にもまとめてあるので、参考にしてみてください。
参考記事:おすすめフォント保存版!WindowsとMacそれぞれの見やすいフォントをまとめました。 

まとめ

大型連休は勉強するのに絶好のチャンスです。

本記事では、ビジネスを効果的に進めるために、

  • プロジェクトマネジメント
  • Excel関数、マクロ、VBA
  • 見やすい資料の作り方
の3つの観点から、おすすめ書籍を紹介しました。
 
是非このゴールデンウィークを有効活用して、スキルアップを図りましょう。
 
 

30時間の作業を1/3に圧縮できた3つの理由|マクロVBA、業務見直し、マニュアル化

こんにちは、毛糸です。

私は決算支援コンサルタントとして大企業の経理支援をしています。

毎期の作業の中で、1つのタスクに30時間もの工数がかかっていた、繁忙期の悩みのタネになっていたExcel作業がありました。

大量のcsvファイルを一つ一つ開き、必要な加工をし、集計した上、他の資料と照合するというもので、かねてから決算作業の中で最も嫌な作業として扱われてきました。

しかし、私はこの作業を10時間まで圧縮することに成功し、67%の業務効率化を達成しました。

今回は30時間の作業を1/3に圧縮できた3つの理由についてまとめます。

マクロを導入した(VBAプログラミング)

30時間の作業を1/3に圧縮できた1つ目の理由は、Excelマクロの導入です。

マクロとはExcelの手続きをコンピュータに記憶させ、処理を自動化することが出来る機能です。

私が取り組んでいた作業は大量のデータを開き、加工し、集計する必要がありました。

扱うファイルが膨大であったため、30時間(8時間勤務で4日弱かかる)という工数のかさむ作業です。

しかし、手続自体は簡単で、かつ、似た作業の繰り返しで構成されていました。

こんなときに役立つのがExcelマクロです。

マクロを用いると、手続きのパターンをExcelに覚えさせ、大量のデータを処理するプロセスを自動化することが出来ます。

もちろん途中で人の目が必要な部分や、判断を伴う箇所がありましたが、そういった部分を適切にExcelに伝えておくことで、人と機械が共同して作業を行うプロセスを確立できました。

Excelマクロの導入によって、30時間の作業のうち15時間が削減できました。

ExcelマクロはVBA(Visual Basic for Application)というプログラミング言語によって作ることが出来ます。

今話題のプログラミングに興味があるという方は、日々の業務の効率化に結びつくVBA(Excelマクロ)を習得することで、高い費用対効果が得られますので、是非チャレンジしてみてください。

業務の抜本的な見直しを行った

30時間の作業を1/3に圧縮できた2つ目の理由は、業務の見直しです。

私がこの業務を担当することになったとき、この業務が本当に必要なのか別の視点から同じ効果が得られないか、もっと速く行う方法はないかを、注意深く検討しました。

マクロの導入はこうした視点から得られた解決策の1つです。

他にも、既にある別の資料を参照することで業務そのものをスリム化したり、複雑な数式が組んであるワークシートをシンプルな設計にしたり、「あればベター」な部分を思い切って廃止するなどの見直しを行いました。

業務を批判的に見つめ直すことにより、削減・効率化が出来る余地が見えてきます。

業務の見直しによる削減時間は3時間ほど、作業の10%を削減できました。

マニュアル化を徹底した

30時間の作業を1/3に圧縮できた3つ目の理由は、マニュアル化の徹底です。

この業務は大量のデータをミスなくさばく必要がありましたが、従来はミスが混入しがちで、手戻りが多く存在していました。

そこで私が行ったことが、業務のマニュアル化です。

作業内容を記録し、無駄が生じないように並び替えて効率化を図りました。

業務プロセスをチェックリスト化することによって、作業の抜け漏れを回避することが出来ました。

この取り組みによってミスや手戻りが劇的に減り、毎期の作業が2時間は圧縮されました。

まとめ

繁忙期の悩みのタネだった30時間のExcel作業は、

  • VBAマクロの導入
  • 業務の見直し
  • マニュアル化

によって時間が1/3に削減されました。

特にマクロの利用が大きかったですが、昨今の働き方改革や仕事効率の向上のため、プログラミングを勉強することの意義は大きいと思います。

皆さんも是非、スキルを身に着け自分を忙しさから開放させてみてはいかがでしょう。

「進捗ダメです……」成果が出ないときに見直すべき3つのこと

こんにちは、毛糸です。

思ったような成果が出ない、満足いく結果が出せない……

そういう後ろ向きな気持ちになることはありせんか?

忙しい時期には特に、仕事が思い通りに進まず、進捗の悪さに嫌になることもあります。
参考記事:つらい繁忙期を少しでも楽に乗り越えるための対策5つ

今回は、そんな「進捗ダメです……」な状況で、私が行っている3つの見直しポイントについてまとめます。

成果が上がらない状況で以下のことを見直すことで、嫌な気持ちから開放されるでしょう。

本当に成果を出す必要があるのか?

成果が上がらず、アウトプットに繋がらないととても焦ります。

しかし、そんなときはまず、

そもそも成果を出す必要があるのか?

ということを問いかけてみましょう。

いまは成果を求められているタイミングなのかということについて、冷静に見直します。

常に成果を出し続けるのは難しいことです。

時にはチカラを溜め、インプットに励み、準備を整えることも大切です。

落ち着いて考えてみると、気持ちばかりが先走り、成果が求められていないのに焦ってしまっているケースはよくあります。

本当に成果を上げる必要があるのか、落ち着いて考えてみましょう。

誰かと比べていないか?

成果が上がらないと焦っているときは、誰かと自分を比較してしまっていることがよくあります。

同僚が優れた成果を上げているのを見て、自分は何も達成できていないと卑屈になることがあります。

しかし、他人と比較することにどれだけの意味があるのでしょうか。

比較対象にしている誰かだって、それまでの努力がたまたま実を結んだに過ぎません。

常に自分が集団の先頭を走ることは出来ず、成果の有無も単なるタイミングの問題であることがほとんどです。

誰かと比較して自分を卑下する必要はありません

自分のペースで、必要な準備をし、然るべきタイミングで成果につなげればいいのです。

自分の方法は間違っていないか?

いまが成果を出すべきときで、自分なりの準備をしてきたのに、それでも成果が上がらないことがあります。

そんなときは、これまでの自分のやり方を見直す必要があります。

具体的には、以下のような視点で自分のこれまでを振り返ります。

  • 成果に結びつかないムダはなかったか
  • 必要な努力を怠らなかったか
  • 時間やお金などの資源は十分に投下したか

進捗が思わしくない理由はきっと見つかります、それを認識して、改善しましょう。

振り返りの結果、自分に足りなかった部分が見えてきたり、単純に時間が足りなかっただけと気づくことだってあります。

課題が見つかれば、そのあとは成功している人のやり方を真似してもいいですし、本を読んだり、自分が手本にする人(メンター)に相談するなどして、問題を解決します。

思い込みを捨て、解決策を自分の外に求めると上手く行くこともあります。

我流に走らず、スタンダードな方法を学び、ベストソリューションがないか調べてみましょう。

反省点が見つかれば、それを改善することで、きっと成果に結びつきます。

まとめ

「進捗だめです……」と気を落としそうなときには、私は3つの振り返りをしています。

  • 本当に成果を出す必要があるのか
  • 誰かと比べていないか
  • 自分の方法は間違っていないか

これらの振り返りによって、後ろ向きな気持ちになる必要などなく、ただ必要なことをやっていけばいいのだと、前向きな気持ちになります。

もし成果が上がらず焦ってしまったら、ここで述べた3つの振り返りを実践してみてください。

参考記事:つらい繁忙期を少しでも楽に乗り越えるための対策5つ

 

チェックリストで仕事が劇的に楽になった件

こんにちは、毛糸です。

先日こんな記事を書きました。
>>つらい繁忙期を少しでも楽に乗り越えるための対策5つ

この記事の中で、繁忙期を楽にするためには、業務チェックリストを作成することが有効だと述べました。

今日も私は自作のチェックリストを使って、業務を効率的に進め、4/23日現在で、既にゴールデンウィーク後が期限の仕事にも着手できました。

今回はチェックリストの効果について考えてみたいと思います。

チェックリストの効果その1:ミスが激減した

チェックリストを使って感じた効果の1つ目は、ミスが圧倒的に減ったということです。

私はそそっかしい性格で、細かな部分に気が回らないことが多々あり、以前は先輩から細かな指摘を何度も受けていました。

しかし、作業手順をチェックリスト化し始めてからは、こうしたミスが劇的に減りました

作業をチェックリストにすることで、必要な作業を漏れなく実施することができ、作業の安全性が高まります。

もちろん、最初から完璧なチェックリストは作れませんから、作業を進めていく中で、チェックリストに足りない項目が出てくることがあるでしょう。

しかし、そういう場合も、チェックリストを更新し続け改善していけば十分です。

最初はざっくり手順をまとめ、徐々に細部を詰め、セルフチェックのポイントなどを織り込んでいきます。

なんども作業を繰り返し、ときにはミスにぶつかることで、チェックリストの汎用性が増していきます。

こうして作り上げたチェックリストを使い、その通りに作業することで、作業の抜け漏れが防止でき、自然と業務の安全性が高まります。

チェックリストの効果その2:判断に疲弊しなくなった

チェックリストを使って感じた効果の2つ目は、判断の余地がなくなり疲れなくなったということです。

判断や意思決定は、脳を酷使します。

これは正しいか?見逃しはないか?確認は十分か?

と考えながら作業するのは、大変消耗します。

しかし、チェックリストを作っておけば、必要な手順や確認は、リストをなぞっていけば自然と満たされますから、判断が介在する余地が少なくなってきます。

チェックリストを使うことで、タスクを「単純作業」に近づけられるので、スタミナを減らさずに仕事を消化できるようになります。

チェックリストを使うと成長できない?

これをお読みの方のなかには

頭を使ってこそ成長できる!チェックリストなんか使って楽しようとするな!

と考える方もいらっしゃると思います。

確かにチェックリストは業務を機械的に処理するのに近く、判断の余地を小さくするため、「頭を使う」ことが少なくなります

しかしこれこそがチェックリストのメリットであり、繁忙期を楽に乗り越えるためのキモでもあります。

繁忙期は仕事で及第点とるだけでも疲弊しますから、なにもこの辛い時期に成長を敢えて志向しなくてもよいのではないでしょうか。

業務に必要なスキルは、繁忙期を乗り越える中で自然に身につきます。

チェックリストは必ずしも必要でない(価値を産まない)仕事を効率化するためのツールですから、チェックリストを使うと成長しない、というのは的はずれな気がします。

成長につながる挑戦は、余裕のあるときにしたらよいのではないでしょうか。

チェックリスト化するほど単純じゃない?

これをお読みの方のなかには

私の仕事は複雑でチェックリスト化できない

という人もいるかもしれません。

もちろん、業務が複雑で、様々な資料や関係者とのやり取りを経て達成される仕事は、チェックリスト化しづらいようにも思います。

ただ、業務の理解と整理が出来ていないためにチェックリスト化出来ないというのは別にして、業務の複雑性を理由にチェックリストが作れないという人は、チェックリストを細かく作ろうとしすぎではないでしょうか?

チェックリストは、作業ひとつひとつを記載する必要はありません。

もっとざっくりと、自分の行動を振り返るのに使えるレベルのアバウトさでも十分機能します。

例えば、私が使っているチェックリストは、こんな内容です。

□過去の改善や課題はクリアしたか?
□当期の会計数値は前記と比べて異常でないか?
□手順書の内容は遵守したか?
□エクセル関数や範囲に誤りはないか?
□資料にコメントした通りの確認をしたか?

このように、個別具体的な作業に触れなくとも、チェックリストを確認することでミスが防げれば、ざっくりとした内容で十分なのです。

肝心なことは、そのチェックリストを埋めることで、リスクが潰せるようなチェック内容になっていることなのです。

まとめ

チェックリストには2つのメリット、

  • ミスが減る
  • 疲れが減る

があることを述べました。

チェックリストを使うことで、仕事の能率が上がり、繁忙期を少しだけ楽にすることができます。

自分の性格や業務内容に合ったチェックリストを作って、仕事を効率化してみてはいかがでしょうか。

つらい繁忙期を少しでも楽に乗り越えるための対策5つ

こんにちは、毛糸です。

4月に新年度を迎えたと会社はいま、決算で大忙しです。

私も決算支援コンサルタントとして働いていますので、この時期は業務負荷が高まります。

今回は、そんな繁忙期を少しでも楽にするために、私が実践していることについてまとめます。

業務スケジュールを立てる

繁忙期を楽にするためにまずすべきことは、プロジェクトが始まってすぐに、自分の業務スケジュールを立てることです。

自分のタスクの総量と、プロジェクト期間中に投下できる標準時間(私の場合は1日8時間)を日次で整理し、両者の差をとって業務負荷の目安とします。

私はプロジェクト期間中のタスクを細分化して認識しており、それぞれのタスクがどれくらいの時間で終わるかの見積もりを持っています。

その見積もり作業時間を日次でスケジューリングし、投下できる時間(=定時勤務時間)との差を計算することで、いつ・どれだけの残業が必要になるかを事前に把握します。

これにより、業務に対する漠然とした不安が解消され、日々「今日はこれさえ終わらせれば良い」という状態を維持することで、精神的消耗を抑えることができます。

私は今回の繁忙期について「業務スケジュール」を立てたところ、44時間の残業が必要であると判明し、43営業日に忙しさのピークを迎えることがわかりました。

忙しさを定量的に把握しておくことで、これからどういった対処をすればよいのかがわかるので、とても安心します。

プロジェクトの性質によっては、前もって所要時間を見積もることが難しいかもしれませんし、これまで業務時間の測定を行ってこなかったかもしれません。

しかし、業務時間の測定は精神衛生上、大変有用ですから、この機会に時間測定を開始してみることを勧めます。

まずはざっくりと、この業務に大体何時間、というふうに時間を測りましょう。

この繁忙期に、自分に与えられた業務がどのくらいの量で、各タスクにどれだけの時間がかかったかを記録してみることで、次回の繁忙期がとても楽になるはずです。

繁忙期を効率的に乗り越えるコツは、「プロジェクトマネジメント」というスキルの中に見つけることが出来ますので、興味がある方は勉強してみてください。

業務をコントロールする

繁忙期に少しでも楽にするために心がけることの2つ目は、立てたスケジュールをもとに業務をコントロールすることです。

作業の着手前にスケジュールを立てる段階で、これは危なさそうだ、時間が足りなくなるかもしれない、といった予測が立てられるようになります。

新しい事象が発生したときは、要注意です。

自身の業務遂行にリスクを識別したら、速やかに上司やクライアントと協議し、必要な対策を講じます

大事なことは「勝てる勝負しかしない」という気構えを持つことです。

業務管理のノウハウをわかりやすく解説する良書『外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』では、連戦連勝を飾ったナポレオンのことを「勝てる勝負しかしなかったからだ」と分析しており、勝負を勝てる状態に持っていくことの重要性を説いています。


認識したリスクや業務負荷に対して、それを削減したり、効率化のためのツールを使ったり、人を増やしてもらったり、タイミングをずらしてもらうなどして、業務負荷の低減を図りましょう。

リンカーンはこういう名言を残しています。

もし8時間、木を切る時間を与えられたら、そのうち6時間を私は斧を研ぐのに使うだろう。

日本にも、段取り八分、という言葉があります。

これらの言葉は、事前のスケジューリングや準備が成功のためにいかに重要かを端的に表しています。

私は今回の繁忙期に44時間の残業が必要になりましたが、関係者との交渉や、タスクのタイミングの調整、業務の統合・効率化などの準備をすることで見積もり残業時間を10分の一にまで圧縮することが出来ました。

スケジュールを立て必要な策を講じることで、繁忙期の負担は劇的に減ります。

チェックリスト

繁忙期を楽にするための3つ目の施策が、チェックリストの活用です。

チェックリストというと、よそから「作れ!」と言われて嫌々ながら埋めるもの、という印象があるかもしれません。

しかし、チェックリストは業務の安全性と効率性を高める素晴らしいツールです。

私は時間のかかる業務について、作業手順を並べたチェックリストを自作しています。

手順を書き出しチェックリスト化することで、

  • ミスが減る
  • 判断が減り疲れにくくなる

という2つのメリットがあります。

チェックリストを使って業務が劇的に改善されたという私の経験談は、別の記事で詳しく述べているので、合わせてご覧ください。
参考記事:チェックリストで仕事が劇的に楽になった件

よく休む

繁忙期に楽にするために必要なことの4つ目は、休息です。

繁忙期に疲れてしまうことは、もはや避けようがないことです。

なので、疲れを翌日に繰り越さないよう、回復させるための意識が不可欠です。

そもそも休む時間もとれなくなるのが繁忙期ですが、それでも仕事が終わったら真っ直ぐ帰宅しましょう。

家族との団らんでMPを回復しつつ、良質な食事と睡眠でHP回復に努めます。

食事の準備にはあまり手間をかけず、外食や中食を利用して、可能な限り手間を少なく栄養を取るのが良いでしょう。

多少お金がかかりますが、健康維持のためには必要な投資と割り切ります、残業代で取り返せるのですから。

また、個人的に一番効果があるのが昼寝です。

昼寝に10分でいいので、目を閉じ体を休めましょう。

午後の生産性が格段に上がります。

私もどんなに忙しくても必ず昼休みに昼寝の時間を確保しています。

繁忙期には休息が不足しがちですが、食事や睡眠に気を使い、なりふり構わず体力回復に努めましょう。

ポモドーロ・テクニック

ポモドーロ・テクニックとは、25分の作業集中5分の休憩を繰り返す時間管理術です。
参考記事:ポモドーロ・テクニック:世界が実践する時間管理術はこうして生まれた

人間の集中力は訓練された人でも90分が限界と言われています。

ポモドーロ・テクニックで短期の集中と休憩を繰り返すことで、作業効率を落とさずに仕事に取り組むことができ、また疲労も感じづらくなります。

休憩の5分にはストレッチをしたり立ち上がって体を動かすのが良いです。

気分が乗っていて、集中を途切れさせたくないという思いに駆られますが、この5分休憩が生産性を維持しますので、思い切って休むことを勧めます。

私はこの休憩の間に、次の作業に使う資料を取りにいくなど、気分転換にもなる準備をすることもあります。

大切なのは一度緊張の糸を切ってリフレッシュすることです。

繁忙期は長丁場になるので、短期的な生産性を重視するあまり、長期的な疲労を残してしまうのは避けるべきです。

まとめ

繁忙期を少しでも楽なものにするために私が行っている5つのことについてまとめました。

  • スケジュール
  • コントロール
  • チェックリスト
  • 休息
  • ポモドーロ

忙しい時期というのは避けがたいものですが、創意工夫でなんとか乗り越えていきましょう。

是非あなたが実践している方法も、SNSで教えてください。

PyCPA GASハンズオンセミナーはこんなことをやりました!参加者アンケート結果も報告します

こんにちは、毛糸です。

先日、会計×テクノロジーをテーマとした勉強会コミュニティPyCPAのGASハンズオンセミナー第1回が開催されました

今回は20名近い参加者にお集まりいただきました。

本記事では今回のセミナーの振り返りをしてみたいと思います。

参加者には事前にアンケートにお答えいただいてますので、その結果もあわせて公開します。

PyCPAとは

PyCPAは、テクノロジーの進化を武器に次世代の担い手となる探求者たちのコミュニティです。

もともとは、プログラミング言語Pythonに関心のある公認会計士(CPA)の勉強会として発足しましたが、現在ではより広く、テクノロジー全般に興味を持ち、探求する意欲のある、会計士、経理財務人材、エンジニアなどがメンバーとなって活動しています。

PyCPAは毎月勉強会を開催しており、もくもく会やセミナー、参加型ワークショップを行っています。

現在のコミュニティメンバーはSlack登録者ベースで170名ほど、2019年3月現在の勉強会の累計参加者は200名を超えます

PyCPAコミュニティと勉強会への参加は無料となっており、運営事務、会場確保、講師の登壇等はすべて、コミュニティのビジョンに共感していただいている組織・個人のボランティアでなりたっています。

PyCPAにコミュニティメンバーとして参加したい方はPyCPAのSlackにご登録ください。

ツイッターでのPyCPAコミュニティメンバーのやり取りは、こちらからご覧いただけます。

GASハンズオンセミナーの概要

今回の勉強会は初のハンズオンセミナー形式となりました。

ハンズオンとは「体験型」という意味合いで、講師が課題を示し、参加者がそれを解決するために自分で手を動かすように設計されたタイプのセミナーです。

講演内容は以下のとおりです。

  • GoogleAppsScriptの始め方
  • 変数とはなにか、変数宣言
  • GASの基本構文と、for文、while文、if文
  • 要件定義の重要性
  • 自作関数、所得税速算表を関数にする
GoogleAppsScriptはGmailやGoogleスプレッドシートなどのGoogle アプリをより複雑に使いこなすためのプログラミング言語で、JavaScriptが基本となっています。

セミナーでは教科書的なプログラミングの文法解説は最低限に、実際に「動かす」ことを主眼において進行したため、とても楽しく学ぶことが出来ました。

変数の使いかたやfor文、if文の使いかたを実例を交えて解説しました。

その後、これら文法を応用する形で「税金の計算」をしてみる、という実務的な課題にチャレンジしました。

与えられたデータに対して、どのような処理を行えば、期待する結果が帰ってくるかという「要件定義」の重要性に触れつつ、膨大な数の従業員の所得データから各々の税金を一気に計算してみることで、プログラミングのパワーを実感できました。

プログラミングのテキストを読むだけでは「なんでこんな書き方が必要なんだ?」という疑問が湧いて、何に応用できるのかという実感が持ちづらいことがありますが、今回のセミナーでは勉強した内容が「税金の計算」とう実際上の問題解決に利用できることがわかり、とても納得感を持って取り組むことが出来ました。

理解度、満足度ともに高く、大変価値あるセミナーでした。

参加者アンケート結果報告

PyCPA GASハンズオンセミナー第1回参加者には、事前に以下のアンケートにお答えいただいています。
  • 参加者の所属
  • 参加理由
  • 意見・感想・提案など
その回答状況を見ていきましょう。

参加者の所属

今回のセミナーは多様なバックグラウンドの方にお越しいただけました。

エンジニア、一般企業勤務の方が多く、今までにない参加者構成だったと思います。

セミナー内容が、GASであったため、普段からGASに近いところでお仕事をされている人が多かったのでしょう。

会計系の人はいま一年で最も忙しい時期ですので、少し参加が少なかったというのもありますね。

PyCPAがCPA(会計士)の勉強会から発足していながら、会計士でない多くの方が関心を寄せていることからも分かる通り、PyCPAのコミュニティはその裾野をどんどん広げていっています。

参加理由

PyCPAへの参加理由は、IT技術力向上が首位、次いで業界情報の収集ネットワーク構築となっています。

テクノロジーに関する探求者が集うコミュニティとして、PyCPAはIT技術とテクノロジーに関する情報収集・意見交換に役立つ場となることが期待されています。

意見・感想・提案など

自由回答で寄せられた意見等についてまとめます。

GASを修得したいと考えていた矢先、本イベントを知る機会に恵まれました

数回に渡る内容があっても良いかと思いました

今回のGASハンズオンセミナーはシリーズで企画していますので、徐々にステップアップできるように内容が高度になっていきます。

GASの初心者から中級者くらいまでを対象に、手を動かすことでスキルを習得できる内容となっていますので、ご期待下さい。

今後企画されている輪読会も複数回に分けて実施する予定です。

それ以外にもシリーズ企画のリクエストが有りましたらお聞かせください。

IT×会計士という生き方にチャレンジしたいと思っているので参考にさせていただければと思います

ITスキルは今後ビジネスを推進していく上で必須になります。

PyCPAではIT×会計士のロールモデルを排出することも目的にしており、そのための様々な取り組みをしてまいります。

既にPyCPAでの発信をきっかけとして新しいビジネスを開拓している会計士が現れつつありますので、是非コミュニティ内での発信にチャレンジしてみてください。

元機械学習エンジニアとして公認会計士に貢献できることとは

最近はエンジニアの方にもたくさん参加していただいています。
PyCPAメンバーの多くはエンジニアではない会計人材ですので、是非エンジニアの方の知識を提供していただきたく思います。
機械学習やデータ解析など、会計領域に適用可能なテクノロジーを知りたがっているメンバーは多数存在します。
是非チカラを貸してください。

AWSの使い方

管理会計のデザインに興味があります

pythonの活用事例

リアルオプションの輪読会

企業価値評価の輪読会

PyCPAではこれまでにも、経営管理、監査、仮想通貨、数学、海外テクノロジーなどのセミナーを開催してきました。

今後も一風変わったコンテンツを用意しておりますので、ご期待ください。

これらコンテンツを継続的に企画・実施していくためには、運営事務局のみではリソースが絶対的に不足しています。

勉強会の運営をお手伝いしてくれる方がいらっしゃいましたら、是非お力添えを頂きたく存じます。

勉強会を開催したいトピックがありましたら、是非主催者としてPyCPAを盛り上げてみてはいかがでしょうか。

まとめ

PyCPA GASハンズオンセミナーの概要と、セミナーの振り返りについて述べました。

徐々にその裾野を広げつつ、コミュニティとしての輪郭を備え始めたPyCPAですが、まだまだ始まったばかりです。

みなさんの学ぶ意欲と発信で、一緒に楽しみましょう。

【投信定点観測】6週目|新興国株躍進、テオとウェルスナビの差小さく、アクティブはインデックスをアンダーパフォーム

こんにちは、毛糸です。

【投信定点観測】2019年4月第3週(スタートから6週目)の損益の報告です。

今週末における投資総額は142万円、含み損益は+36,790円、損益率は2.59%(年率22.52%)です。

損益状況

商品ごとの時価は以下のようになりました。【投信定点観測】開始から6週間経過時の含み損益は+36,790円で、先週から2,401円のプラスです。

損益率に直すとこんな感じです。今週末の損益率は2.59%(年率換算で22.52%)です。

インデックス投資信託の振り返り:新興・先進国株躍進、REITが失速

今週は新興国株・先進国株の伸びが著しい1週間でした。

米国経済指標が期待を上回り株式市場はリスクオンムードで、新興国株・先進国株の指数を押し上げました。

一方、これまで快進撃を続けて来たREITがやや失速しています。

米国の先行き見通しが明るくなったことで金利上昇が意識されたためか、今週は-2%ほど含み益が毀損しています。

投資成果を前もって予測するのはプロであっても困難です。

向こう1週間という短期ですら、新興国株が上がる!REITが上がる!という予測を高い精度で行うのは難しいでしょう。

そんなランダムな相場の世界で安定的にリターンを生み出すのが、インデックスによる分散投資です。

【投信定点観測】で積立投資するインデックス投資は、それ自体が高い分散効果を持つ優秀な資産です。

▼インデックス投信で国際分散投資を100円から始めましょう。




ロボアドバイザーの振り返り:THEO(テオ)とWealthNavi(ウェルスナビ)の差が小さく

ロボアドバイザーはWealthNavi(ウェルスナビ)THEO(テオ)ともに含み益ですが、THEO(テオ)が利益を伸ばす一方、WealthNavi(ウェルスナビ)はリターンが悪化しています。

その理由は、THEO(テオ)よりWealthNavi(ウェルスナビ)の方がREITや金の比重が多く、今週それら資産クラスの価格が下落したことにあると思われます。

WealthNavi(ウェルスナビ)THEO(テオ)も、ETF(上場投資信託)を用いて広く分散されたポートフォリオで運用を行っています。

そのため、【投信定点観測】のポートフォリオのなかでも、常に中位程度の値動きで安定してリターンを稼ぎ出しています。

完全おまかせで分散投資を行うなら、ロボアドバイザーはとても簡単です。

▼ロボアドバイザーTHEO(テオ)は200パターン以上の投資プランから最適なものを提案してくれます
THEO

▼ロボアドバイザーWealthNavi(ウェルスナビ)はリスク許容度に応じて投資プランを選べます
WEALTHNAVI(ウェルスナビ)

アクティブファンドの振り返り:インデックスをアンダーパフォーム

TOPIXの今週の上昇幅が0.7%であるのに対し、ひふみ投信は0.4%と、やや物足りない印象です。

同じ日本株式アクティブファンドのセゾン資産の達人が0.58%の伸びであることも考えると、やはりアクティブファンド常勝、というわけには行かないようです。

アクティブファンドが平均的にはインデックスに勝てない、という統計事実は、下記書籍にも「不都合な真実」として指摘されています、是非読んでみてください。

まとめ

【投信定点観測】を始めて6週間、目立った混乱もなく推移しています。

債券系のリターンが小さい一方、株やREITが変動の中で大きなリターンを上げており、ハイリスク・ハイリターンの教科書的パターンです。

こういう状況では「やはり株のほうが儲かる!株の比重を上げないと!」と考えがちですが、【投信定点観測】では引き続きシステマティックに積立投資を続けていきます。

投資信託の積立投資が資産形成に有効であるというのは多くの本で語られていますが、最近読んだ本では特に以下が参考になりました。

積立投資の考え方や方法、出口戦略まで述べられた大変価値ある内容です。

引き続き積立投資の状況をリポートして参りますので、もしよろしければSNSでのシェアよろしくお願い致します!

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