複式簿記の「複」を「二」ととらえると,二式簿記は三式簿記や四式以上に拡張できるのではと思えてきます。
そうしたアイデアを実現させたのが井尻先生の三式簿記の理論です。
【君の知らない複式簿記2】複式簿記の拡張、三式簿記
四式以上への拡張も可能なのかという疑問も当然湧いて出てきます。
この疑問に対して\( 2n\)式簿記を提唱する研究を見つけたので紹介します。
大貫裕二,交換代数による多元簿記とバリュー・マネジメント, 国際P2M学会研究発表大会予稿集,2013(J-STAGE)
以前このブログでテンソル簿記なる概念を披露しました。仕訳や試算表がベクトル表現できるというアイデアを,行列やテンソル(多次元配列)へと拡張するというものです。
【君の知らない複式簿記5】簿記とベクトル、行列、そしてテンソルへ
テンソル簿記は\(2^n\)式簿記をイメージしており,\(2n\)簿記とは趣が異なります。
おそらく,\(2^n\)式簿記は\(n\)組の基底のテンソル積,\(2n\)簿記は\(n\)組の基底の直和なのではないかと考えています。
この記事で述べたような「複式簿記の拡張」に関する議論は今なお続いています。以下の書籍は複式簿記の本質的な構造に鋭く切り込む良書です,是非チェックしてみてください。
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