コミュニティ

独りでもやるけど,どうせならみんなで,という考え方について

私の思考のなかで,以下のような考え方をすることがしばしばあります。

〇〇に興味がある,探求したい。独りでも探求するけど,どうせならみんなでやりたい。その方が楽しいし,自分だけでは得られない発見があるだろう。

この考え方に基づいて,これまでいろいろな取り組みをしてきました。

IT×会計コミュニティPyCPAが発足した当初のもくもく会は,Pythonの勉強を誰かと一緒にしたいという気持ちがありました。

簿記代数のテキストを読むというのも,この分野に興味を持ってくれる人と一緒に進めました。

最近では,会計学のトップジャーナルを読むという取り組みを始めています。

プログラミングにせよ,簿記代数にせよ,論文調査にせよ,たとえ仲間が集まらなくても独りでやっていただろうと思います。

しかし,同じ探究心をもつ仲間は必ずいて,きっとその人も一緒に探求してくれるだろうという,確信めいたものがありました。

実際,これらの取り組みには同じ興味を持つ仲間が参加してくださり,私なんかよりよっぽど能力もあって,人格も備えた方と,たくさんお近づきになれました。

また,どの取り組みもそれなりの規模と継続性を備えるようになり,私という一個人の興味関心を超えたものになっています。

「どうせならみんなでやりたい。その方が楽しいし,自分だけでは得られない発見がある。」という期待は,いまのところ例外なく叶っています。

本当に素敵な仲間に恵まれたものだと思います。

こうした仲間になにか貢献できることはないかと常々考えているのですが,結局同じ興味関心に集まった者同士,その興味の対象に探究心を燃やすのが一番の貢献なのかもしれないと思っています。

これからもいろいろなことに興味を持ち,一緒に探求してくれる仲間と出会えるのだと思うと,楽しみでなりません。

オンライン勉強会に参加しづらい原因を考える

オンラインの勉強会は探せばたくさん見つかります。Connpassのような勉強会支援のサービスもありますし,SNSで情報を目にすることも多いです。

でも,こうしたイベントを見つけても,実際に参加する気持ちになれなかったりもします。

この記事では,勉強会は気になるけど行動にうつせない,その要因と向き合い方について考えます。

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アラサーまでにやっておいてよかったこと・すべきだったこと

こんにちは、毛糸ブログ管理人の毛糸です。今日は私の32回めの誕生日です。「アラサーです」と自己紹介するようになり数年たちます。

アラサーとしてこれまでを振り返ると、これはやっておいてよかった・これがあるから充実した日々がある、という「やっておいてよかったこと」がいくつもみつかります。公認会計士という難関資格に合格したことや、趣味の仲間に恵まれたことなど、充実した生活の基礎となっていることがいくつもあります。

同時に、アラサーになるまでにこういうことをしておけばよかったな、という反省もあります。

本記事ではそんな「やっておいてよかったこと」「すべきだったこと」を紹介しようと思います。この記事のことを10年前の自分に伝えたら、その後の人生に少しは役立つだろうと思ってくれる、そんな内容を目指しました。

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研究してる!と言うために必要な条件について考える

このブログでは、私が見聞きしたことやアイデアを発信しています。たとえば【君の知らない複式簿記】シリーズでは、複式簿記の持ついろいろな側面を紹介しています。

こうした取り組みは既存研究のインプット(つまり勉強)とちょっとしたアイデアの追加から出来ています。

この記事ではそんな趣味の活動を「研究」に消化させるために必要となるポイントについて考えます。

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行列の基本、最初の一歩

こんにちは、毛糸です。

最近、有志を集めてデータサイエンスの実践的手法を学ぶ勉強会を開催しています。

その勉強会で教材にしているのが、『東京大学のデータサイエンティスト育成講座』です。


本書はプログラミング言語Pythonを用いて、データ分析の手法や応用について解説する、大変良いテキストです。

データ分析と数学

データ分析の手法を学ぶには、統計学をはじめとする数学の知識が必須です。

とくに、昨今話題のAI・機械学習・データアナリティクスといったトピックスを理解するには、高校数学以上のやや高度な数学が不可避になっています。

具体的には、微分積分学(解析学)や行列(線形代数学)についての大学初級レベルの知識がまず求められます。

しかし、かんたんな微積分はさておき、行列に関しては、高校時代に文系課程を修了した人や、若い世代の人は、高校数学の範囲内で勉強してこなかったため、

いざデータ分析の勉強をしてみようと思っても、テキストの最初からちんぷんかんぷん、ということが多々あります。

本記事ではこの「行列」に関する「最初の一歩」を踏み出すことを目的として、高校レベルの行列について基本的な事項をさらっと整理しておきます。

行列とはなにか、その定義とイメージ

私たちが数学でよく目にするのは、整数\( 1\)とか、変数\( x\)とか、関数\( f(x)\)だったりします。

これらの文字や数字は、今までは「単体で」目にすることが多かったでしょう。

しかし、これら文字や数字を

並べて、まとめる

ことで、計算が簡略化されたり、数式が見やすくなったりと、いろいろと嬉しいことが起こります。

本記事で解説する行列(行列、martixマトリックス)とは、「文字や数字を長方形に並べ、両側をカッコでくくったもの」のことです。

行列は次のように表します。

\begin{equation} \begin{split}  \left( \begin{array}{ccc} 1 & x & 5 \\ y & 0 & 7 \end{array} \right) \end{split} \end{equation}

このようにして作った行列の、ヨコ方向のまとまりを「行(row)」、タテ方向のまとまりを「列(column)」といいます。

上の行列において、行は2つあり、
\begin{equation} \begin{split} 第1行 = \left( \begin{array}{ccc} 1 & x & 5 \end{array} \right)\\ 第2行 = \left( \begin{array}{ccc} y & 0 & 7 \end{array} \right) \end{split} \end{equation}

です。

上の行列において、列は3つあり、
\begin{equation} \begin{split} 第1列= \left( \begin{array}{c} 1 \\ y \end{array} \right), 第2列= \left( \begin{array}{c} x\\ 0 \end{array} \right), 第3列= \left( \begin{array}{c} 5 \\ 7 \end{array} \right) \end{split} \end{equation}

です。

行列の大きさ・サイズは、行数と列数によって言い表すことが出来ます。

行数が\( m\)、列数が\( n\)の行列を「\( m\times n\)行列」といいます。

正方行列とはなにか

「文字や数字を長方形に並べ、両側をカッコでくくったもの」が行列ですから、長方形の特別な場合である正方形に並べることがあっても構いません。

正方形に並べるとき、行数と列数は一致しますので、「\( n\times n\)行列」が作れることになります。これを正方行列といいます。以下の行列\( A\)は\( 3\times 3\)行列です。

\begin{equation} \begin{split} A = \left( \begin{array}{ccc} 1 & x & 5 \\ y & 0 & 7\\ -2& 0.4 & z\\ \end{array} \right) \end{split} \end{equation}


行列の要素・成分

行列のなかに置かれている数字や文字は「成分」もしくは「要素」と呼ばれ、行数と列数を指定することで特定してあげることが出来ます。

上の行列\( A\)における\( y\)は、2行目・1列目の成分です。

行列の成分を文字を使って表すこともあり、たとえば行列\( A\)の\( i\)行目・\( j\)列目の成分を表すときに\( a_{ij}\)と表したりします。

上の行列\( A\)では
\begin{equation} \begin{split} a_{2,1}&=y\\ a_{3,2}&=0.4 \end{split} \end{equation}

です。

行列の足し算(加算)と引き算(減算)

数字が足し引きできたのと同様、行列も足し引きできます。

行列は「長方形に並べた要素」のことでした。

行列を足し引きしたければ、「要素ごとに足し引きする」のが自然でしょう。

\begin{equation} \begin{split} \left( \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right)+ \left( \begin{array}{cc} p & q \\ r & s \end{array} \right)= \left( \begin{array}{cc} a+p & b+q \\ c+r & d+s \end{array} \right) \end{split} \end{equation}

\begin{equation} \begin{split} \left( \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right)- \left( \begin{array}{cc} p & q \\ r & s \end{array} \right)= \left( \begin{array}{cc} a-p & b-q \\ c-r & d-s \end{array} \right) \end{split} \end{equation}


このように足し算引き算を考える上で大切なことは、足し引きする行列の行と列の数が一致している必要がある、ということです。

例えば\( 2\times 3\)行列と\( 2\times 4\)行列を足すことはできません。

行列の実数倍

行列を実数倍(定数倍)するときも、「要素ごとに掛け算する」というルールで計算できます。

\begin{equation} \begin{split} k\times \left( \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right)= \left( \begin{array}{cc} ka & kb \\ kc & kd \end{array} \right) \end{split} \end{equation}



行列同士の掛け算(乗法)

行列に実数を掛けるのは簡単でしたが、では「行列と行列を掛ける」ことはできるのでしょうか。

実は、ここが行列を勉強するときの最初のつまづきポイントです。

最初は「要素ごとに掛け算したらいいのでは?」と思うでしょう。

つまり掛け算を(あえて\( \times\)と書かずに)\( \circ\)と書いて
\begin{equation} \begin{split} \left( \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right)\circ \left( \begin{array}{cc} p & q \\ r & s \end{array} \right)= \left( \begin{array}{cc} ap & bq \\ cr & ds \end{array} \right) \end{split} \end{equation}


として掛け算するのが自然だ、と思いたくなります。

この掛け算をアダマール積とか要素積といいます。

しかし、この掛け算は「ベクトルの内積」と相性がよくありません(内積についてはこちらのサイトを参考にしてください)。

ベクトルの内積については別の機会に説明をしますが、ここでは「要素ごとの掛け算は、行列同士の掛け算としてはあまり適当でない」ということを押さえておいてください。

「要素のまとまり」を考える行列においては、実は以下のようなルールで、行列同士の掛け算を考えると都合がいいとされています(掛け算記号\( \times\)は省略して書くのが通常です)。
\begin{equation} \begin{split} \left( \begin{array}{cc} a & b \\ c & d \end{array} \right) \left( \begin{array}{cc} p & q \\ r & s \end{array} \right) = \left( \begin{array}{cc} ap+br & aq+bs \\ cp+dr & cq+ds \end{array} \right) \end{split} \end{equation}

この掛け算のルールを言葉で表現すると、「左の行列の各行と、右の行列の各列の内積を並べる」ということになります。

より詳しい内容は参考文献に書いてありますので、是非読んでみてください。

行列の掛け算は、右の行列の列数と、左の行列の行数が一致している必要があります。

つまり\( l\times \underline{m}\)行列と\(\underline{m}\times n \)行列のようなセットでないと、計算することが出来ません。

また、行列\( A\)と\( B\)の掛け算であっても、\( AB\)と\( BA\)は一致しないことがあります。つまり、行列\( A\)に、行列\( B\)を右から掛けるか、左から掛けるかによって、答えが変わるのです。

行列の掛け算のポイントをまとめるます。

  • 要素ごとの掛け算は、あまり適当でない
  • ちょっと複雑な計算によって、掛け算を定義する(右の行列の行と、左の行列の列の、内積をならべる)
  • 右の行列の列数と、左の行列の行数が一致している必要がある
  • 行列を右から掛けるのと左から掛けるのとで、答えが変わる


単位行列とはなにか

さて、すこし頭の体操です。

以下のような「\( 1\)を斜めに並べ、他の要素は\( 0\)」になるような正方行列\( E\)(ここでは\( 2\times 2\)行列)を考えてみましょう。
\begin{equation} \begin{split} E= \left( \begin{array}{cc} 1 & 0 \\ 0 & 1 \end{array} \right) \end{split} \end{equation}


このとき、\( 2\times 2\)の正方行列\( A\)について
\begin{equation} \begin{split} AE=EA=A \end{split} \end{equation}
が成り立ちます。実際に計算してみてください。

\( E\)は右から掛けても左から掛けても、掛けられる行列\( A\)がそのまま返ってきます。

「どんな実数も1を掛けると、掛けられた数がそのまま返ってくる」のと似ていますね。

この「\( 1\)を斜めに並べ、他の要素は\( 0\)」になるような正方行列\( E\)を単位行列といい、「行列の世界での\( 1\)のような役割」を果たします。

逆行列とはなにか

実数を考えたとき、かならずそれに逆数が存在することを、私たちは知っています。

実数\( a\)に「ある実数\( x\)」を掛けた答えが\( 1\)になるような実数のことを、\( a\)の逆数と言うのでした(この\( x\)はつまり\( \frac{ 1}{ a}=a^{-1}\)のことです)。

\( 2\)の逆数は\( \frac{ 1}{ 2}\)ですし、\( \sqrt{3}\)の逆数は\(\frac{1 }{ \sqrt{  3}}=\frac{\sqrt{ 3 }}{ 3} \)です。

行列にも逆数のようなものが存在します。

つまり、行列\( A\)に「ある行列\( X\)」を掛けた答えが単位行列\( E\)(行列の世界での\( 1\)の役割)になるような行列のことを、\( A\)の逆行列といい、\( A^{-1}\)と表します。

数式で表すと

\begin{equation} \begin{split} AX=XA=E \end{split} \end{equation}
となるような行列\(X \)が、\(A \)の逆行列です。
\begin{equation} \begin{split} AA^{-1}=A^{-1}A=E \end{split} \end{equation}
と書いても同じことです。

逆行列なんてどこで使うんだ、と思われる方もいるでしょう。

私たちが方程式\( ax=1\)を解くときに、\( a\)の逆数\(\frac{ 1}{ a} \)が登場して\( x=\frac{ 1}{a }\)と解くことができたように、

行列を使って方程式を解くときなどに、逆行列は大活躍します。

行列\( A\)の逆行列\( A^{-1}\)の求め方や、逆行列を使った方程式の解き方は、参考文献のテキストに説明されています。

参考文献

本記事の参考にした『もう一度高校数学』は、高校1年生の数学から初めて、微積分や行列など、AIやデータ分析を理解するために必須の数学をイチから学び直せる良書です。

とくに、2012年の指導要領改訂で高校数学から消えてしまった

数学C 行列

が解説されている点がおすすめできます。

文系社会人がデータ分析やAIの技術を学ぼうとしたとき、行列についての予備知識が皆無なので、テキストの最初から意味がわからない、ということが多々ありますが、

この本で(旧課程の)高校レベルの知識を身につけておけば、データ分析のテキストの理解もスムーズに進むでしょう。

もう一度高校数学』はテキストの構成が、高校の教科書のように無味乾燥ではないのでとっつきやすいです。



中小企業における「人材」の意味と採用活動

こんにちは、毛糸です。

私は会計士資格を武器に、大企業の決算支援の仕事をしています。

いわゆる会計事務所に所属していますが、職員は会計士有資格者が100人程度の中小事務所です。

私の所属する会計事務所の主な業務内容は、大手企業の決算支援や、上場準備支援です。

夏場は決算シーズンから外れており、比較的自由に過ごすことができます。

自由に、といっても暇を持て余しているわけではなく、新しい会計トピックに追いついたり、ビジネスに関連するテクノロジーに関する勉強をしたりして過ごします。

しかし、こういった自己研鑽と同じくらい大切なことが、仲間の募集、すなわち採用活動です。

会計事務所、とくに中小事務所において、事業の成否を左右するのは人材です。

大手会計事務所であれば、社内の教育力も十分にあり、また組織内に十分なスキルを持つ専門家をたくさん抱えることができますが、中小事務所ではそうはいきません。

中小事務所では、ゼロから教育を施すほどの投資を行える余力はなかなかないのが通常ですし、さまざまなスキルを持つ専門家たちを多数抱えるのも難しいのです。

したがって、優れた人材を、適時に確保することが極めて重要です。

いくら市況がよく、会計事務所への業務依頼が活発であっても、人材がなければ収益には一切結びつきません。

中小会計事務所においては人材の確保は業務拡大の必要条件なのです。

幸運にも、私のいる会計事務所は労務管理が行き届いた、働きやすい職場です。

決算支援という「目の前のお客さんに喜ばれる仕事」にも誇りをもっていますし、大変充実したキャリアを歩んでいます。

こういう私自身の充実した毎日を売り文句にしながら、同じ志を持って働ける仲間を見つけていこうと思います。

奨学型勉強会|学びを対価としたパーソナルファイナンスの提案

こんにちは、毛糸です。

先日こういったつぶやきをしました。

最近、社会人の勉強会や学習・研究コミュニティが普及しています。

SNSの発達やチャット・通話・資料共有アプリの普及によって、同じ興味関心を持つ人が気軽に集まり勉強することが簡単にできるようになっています。

私も会計×ITを軸にしたコミュニティPyCPAの運営者のひとりとして勉強会を企画することもあります。

 

【参考記事】
PyCPAで勉強会を開催する、もしくはリクエストする方法

そんな社会環境の中で、「お金はあるけど時間がない社会人」と「お金はないけど時間はある学生」を上手くマッチングさせることができれば、相互にメリットのある勉強会ができるのではないか、というアイデアを思いつきました。

本記事ではこの「奨学型勉強会」についてまとめます。

 

社会人と学生の補完関係

社会人は経済的な余裕はありますが、業務に忙殺され、日々の生活の中で興味関心を深めていく余裕を持ちづらい人が多いことと思います。

専門的な勉強をするなら、ある程度腰を据えてテキストや論文に取り組む必要がありますが、多くの社会人には時間の捻出がハードルになりがちです。

【参考記事】
学習意欲を持ち続けるための心がけ4つ

繁忙期にも学びを止めないための3つの心がけ

この点、学生は社会人に比べ学術研究に割ける時間の割合が多く、興味関心を深める自由が比較的大きいと思われますが、一方で専門書は高価なものも多く、書籍の購入をためらうケースもあります。

ここに「お金はあるけど時間がない社会人」と「お金はないけど時間はある学生」という相互補完的な関係が見いだせます。

つまり、社会人がお金を出して学生を支援する代わりに、学生が社会人のために研究内容を提供するという関係が築ければ、両者が自分の足りない部分を補い、ともに知的欲求を満たすことができます。

 

奨学型勉強会の仕組み

具体的にどうするのかというと、次の通りです。

奨学型勉強会のイメージ

ます、社会人がお金を出し、テキストを学生に買い与えます。

学生はその対価として、テキストの内容を社会人に講義するような勉強会を行います。

奨学のための経済的支援と勉強会を両立するイベント、すなわち「奨学型勉強会」によって、マッチングが成立するのではないかというわけです。

社会人は気になるテキストの内容の要約を「お金で買う」ことができ、学生はアウトプットを約束する代わりにテキスト代を工面できます。

意欲ある学生ならば、きっとゼミなどで発表の場を持つでしょうから、この勉強会のために追加的な負担が生じることは少ないと思われます。

社会人側も、何人か集まって教科書代を工面するくらいであれば、比較的低負担に支援が行えるでしょう。

問題意識豊富な社会人と柔軟な発想の学生が共に勉強することで、新しいアイデアの創出にもつながると期待されます。

ちなみに、説明上「社会人」「学生」という言葉を使いましたが、資金提供者(パトロン)と発表者(奨学生)の区別がつきさえすれば、社会的役割に関係なく「奨学型勉強会」は行えるでしょう。

個人的にこの「奨学型勉強会」は是非やってみたいと思っており、現在テキストを選定中です。

パトロンとして・奨学生として賛同していただける方は、Twitterでお知らせください

学会に参加してきた|日本経営分析学会・日本ディスクロージャー研究学会から、日本経済会計学会へ

こんにちは、毛糸です。

2019/7/12,13,14に、日本経営分析学会・日本ディスクロージャー研究学会の年次大会が行われました(プログラムPDFはこちら)。

両学会はこのたび合併することなり、新たに

日本経済会計学会 The Accounting and Economic Association of Japan(AEAJ)

として生まれ変わりました。

今回開催された大会においては、会員総会と講演会・研究報告会が催されました。

会員総会では日本経営分析学会・日本ディスクロージャー研究学会の財務報告や、日本経済会計学会 The Accounting and Economic Association of Japan(AEAJ)の会則等について審議が行われました。

私が参加した大会2日目の7/13には、学会賞受賞のテキストを著した研究者による講演が行われました。以下ではその内容をまとめます。

浅野敬志先生「資本市場の変容と会計研究の方向性」

首都大学東京の浅野敬志先生による著書『会計情報と資本市場』の紹介と概略についてお話されました。

会計情報と資本市場』では、

  • 会計情報の変容
  • 経営者による会計の選択
  • 会計目標の達成

に着目した仮説検証型の実証分析を行っています。

本公演ではこの他に、資産運用の側面から見た会計情報の有用性について語られました。

クオンツ運用、スマートベータ、市場の効率性、会計情報

昨今の「定量的な資産運用」(クオンツ運用)には、AI・ビッグデータの活用と、スマートベータ(ファクター投資)という2つの新潮流があります。

特に後者については会計情報による指標も用いられ(MSCIクオリティ指数など)、本公演ではこの部分に着目しています。

会計情報は過去情報であり、効率的市場においては超過リターンに寄与しないと考えられます、実証的には会計情報を用いた投資が超過収益を生むことが多くの研究で明らかになっています。

たとえば、総資産売上総利益率の高い企業を買い、低い企業を売るとリターンが得られるような戦略が知られており、これらは効率的市場という前提に反する「アノマリー」と考えられています。

会計情報、とくに売上総利益がなぜリターンに寄与するのかという理由は、投資家の行動バイアスや裁量余地が少ないためと考えられています。

売上総利益のほかにも、キャッシュベースの営業利益がリターンに寄与するという研究もあります。

会計情報の(いくつかの意味での)質は指数として定量化されており、それはクオリティファクターと呼ばれます。

クオリティ・ファクターは、企業の割安感を示すバリュー・ファクターと、負の相関があることがわかっています。

つまり、バリュー投資は、低収益性企業への投資を意味します。

統計的には、クオリティ投資のリターン>バリュー投資のリターンであるようです。

ファクター投資の普及により超過リターンは徐々に小さくなっていくと考えられており、事実、有名なアノマリーであった「アクルーアル・アノマリー」は解消しつつあります。

結局のところ、残余利益モデルやDCFモデルによって、会計情報と株価の関係を見出し、ファンダメンタル分析を行うこと重要になるということです。

会計情報の機能「投資意思決定支援機能」を重視するならば、市場が十分に効率的であるという前提を持たず、財務情報の改善に努めるべきで、投資家は「会計の質」を判断して業績予測や価値評価を行う必要があります。

ビジネスと会計は複雑化しており、会計情報はわかりにくくなっていると言われていますが、経営者は中期やMD&Aでこれを補完し、投資家と対話することが求められます。

田口先生「Disclosure is a gift that encourages trust and reciprocity」

同志社大学の田口聡志先生の著書『実験制度会計論』で論じられた、実験会計学のお話です。

本書は理論と実験により、制度と情報の仕組みを探る挑戦的なテキストです。

会計を抽象化したエッセンスをモデル化し、情報のもとでの仕組みと人間の相互作用を分析しています。

通常、情報開示によって、情報を持つ者の優位性は低下します。

従来、長期的関係により評判向上につながってきましたが、近年はより短期主義的に、直接的に信頼を向上することが求められています。

ゲーム理論を用いたモデル分析によれば、意図的な情報開示は社会の信頼と互恵を活性化する(gift exchange)ことが明らかになります。

また、外部要求による開示のほうが信頼性が高いこともわかります。

Excel VBA「RPAです」「よし、通れ!」に潜む危うさ

こんにちは、毛糸です。

先日こんなツイートを見かけました。

このツイートをパク……いえ、インスパイアされて、こんな呟きをしました。

本記事ではこのツイートの内容を深掘りし、VBAをRPAと間違えて通してしまうような状況がどうして起こるのか、その問題はどこにあるのかについて考えてみます。

RPAというバズワード

RPAとは、次世代の新しい労働力と期待される自動化システム(ロボティック・プロセス・オートメーション)のことです。

いまビジネス界ではAIと並ぶ技術として多くの企業が注目し、実際に業務に適用されています。

RPAに関しては、以前開催された勉強会PyCPAでも取り上げられ、大変反響がありました。

RPAは一種のバズワードとして、ビジネスマンなら知らないでは済まされない言葉になりつつあり、企業の「偉い人」たちの中でも、業務に組み込めないものかと画策する人は少なくありません。

冒頭のツイートは、そんなRPAブームを風刺するものです。

VBAではなくRPA、その心は

RPAは業務アプリケーションをまたぐようなプロセスの自動化を可能にするソフトウェアです。

業務自動化という点に着目すれば、すでに「広く普及したツール」により、ある程度のことは可能になっています。

それがExcelマクロであり、その記述プログラミング言語であるVBAです。

Excel VBAはエクセルの操作の自動化や、他のOfficeソフトやインターネットエクスプローラーとの連携により、様々な処理を自動化可能です。

実際、大企業ではExcel VBAによる大規模なツールを開発・導入し、業務効率化を行っている例が数多くあります。

しかし、RPA全盛期の今、「それExcel VBAでもできますよ」というフレーズは、「偉い人」たちの心には刺さりません。

「RPAじゃないの?それじゃあだめだよ、RPAを使わなくちゃ」

と一蹴され、RPAではなくExcel VBAでプログラム組みましょうとはなりづらい現状があります。

このような現象はひとえに「RPAを使いたい」ということが目的化していることが原因です。

RPAは本来、従来の方法では自動化できなかったアプリケーション間の連携などを柔軟につなぎ合わせることが可能な技術として、業務改善に用いられるべきものです。

しかし空前の「RPAブーム」によって、「RPAを使うこと」それ自体が目的化し、そのために課題を探すという逆転現象が起こっているのです。

配られたカードと、課題と解決の一致

もちろん、RPAという新しい技術が世に広く知られたことで、見えてきた課題もあるでしょう。

スヌーピーでおなじみの漫画ピーナッツにもこんな名言があります。

配られたトランプで勝負するっきゃないのさ……(YOU PLAY WITH THE CARDS YOU’RE DEALT…)

RPAというカードが配られたからには、そのカードを使って勝ちを挙げたい、と考える人は多いでしょう。

しかし他者もやっているからうちも、とか、Excel VBAでできるような比較的簡単な自動処理もRPAでやりたい、とかいう話になってくると、手段と目的が入れ替わっていると言わざるを得ません。

ベストセラーになった『起業の科学』には、事業の成功の条件の1つに、問題と解決策が一致していること(プロブレム・ソリューション・フィット)を挙げています。

起業という文脈を抜きにしても、課題とその解決策が一致していなければその取組みから成果を上げることは難しく、したがって「解決策(RPA)」ありきで課題を見つけるようなやり方が、常にうまくいくとは限りません。

ましてや冒頭のように、Excel VBAを「RPAです」と言って「よしよし」と納得してしまうのは、RPAという技術がなんたるかを知らないばかりか、自分の課題すらも見失っているのではないかと心配になる状況です。

残念ながら、こんな笑い話のような状況が、たまに見聞きされるのです。

まとめ

RPAの革を被ったVBAが、「偉い人」の機嫌をとる風刺は、課題より解決策が先に来て目的化する危うさを含んでいます。
バズワードに惑わされることなく、いま自分たちが直面している課題はなにか、本当に必要な解決策はどういうものかということを、きちんと考える必要があるように思います。

オリジナルの仮想通貨を作りたい!アイデアと方法について

こんにちは、毛糸です。

最近、仮想通貨(今は暗号資産と言うのでしたっけ)の価格が持ち直して来ているようです。

仮想通貨が現代のバブルとして大きな爪痕を残したのは記憶に新しいです。
参考記事:ビットコインはバブルである

さて最近、オリジナルの仮想通貨を作って配布したら、なにか楽しいことになるんじゃないか、というアイデアを思いつきました。

今回はこの目論見の概要と方法について整理しておきたいと思います。

業界型仮想通貨がおもしろいんじゃないか

仮想通貨はコミュニティーの帰属意識を高めるのに役立つのではないか、と考えています。

仮想通貨を会員証のように発行し、保有者はそのコミュニティの一員であることを示すことができる、そんな使い方ができると思っています。

ある業界の振興や発展のためにデザインされた「業界型」仮想通貨というのは、すでにいくつかあります。

  • アニメやマンガなどのエンタメ業界の振興を目的としたOtaku coin
  • 歯科業界で使われることを目的に開発されたDentacoin
  • 格闘技界での普及を目指したMAS OYAMA COIN

残念ながら、これら業界型コインは、仮想通貨バブル崩壊とともに、大きなムーブメントを起こすことなく鳴りを潜めてしまったものがほとんどです。

しかし、ICOによるマネタイズや「通貨」としての利用に重きをおかず、保有していればコミュニティへの帰属意識は高められる「会員証」として位置づけることで、コミュニティの活動に何かしらの利益をもたらすのではないかと思います。

今回の試みでは、オリジナルな仮想通貨を作り、私が参加する勉強会で配布しようと考えています。

私が参加している会計×テクノロジー勉強会PyCPA(外部リンク)というコミュニティには、新しいテクノロジーに敏感な優秀なメンバーが揃っています。

そんなコミュニティの話題として、オリジナルの仮想通貨を作るというのは、よいネタになるのではとも考え、今回こうしてアイデアを公開している次第です。

NEMのMOSAIC(モザイク)トークンでオリジナル仮想通貨をつくる

業界型仮想通貨は、業界の発展に寄与するものであることが必要です。

したがって、業界内で何らかのアクションを起こした人の間で、簡単に・頻繁にやりとりされるようなものであると良いと思っています。

仮想通貨の送金は、Twitterで気軽にやり取りが出来るのが良いかなぁと思います。

仮想通貨の中にはTwitter上のリプライで送金を行えるサービスがいくつもあります。

そのサービス(bot)を利用することで、業界型仮想通貨を気軽にやり取りすることが出来るのではないかと考えています。
参考記事:仮想通貨で気軽にチップ!Twitterを利用した投げ銭の方法をご紹介!

Twitterで送金が行える仮想通貨には、BitcoinやMonacoinがありますが、今回のオリジナル仮想通貨の発行にはNEMが役立ちそうです。

NEMは、オリジナルの仮想通貨(厳密にはMOSAICと呼ばれるトークン)を発行することが可能です。

いくらかのNEMを使ってMOSAICトークンを作ることが出来、これをTwitter上で送り合うことが出来ます。

割と簡単に作れるようなので、当面はNEMのモザイクトークンでオリジナル仮想通貨を作ってみようと思います。

まとめ

勉強会でオリジナルな仮想通貨を作り配布したら面白いのではないかと考えました。

業界振興のため、仮想通貨は簡単に送金できるようにしたいので、NEMをベースとしたトークンを作ろうと思います。

まだアイデア段階ですが、あまりお金をかけずにできそうなので、楽しみながらやってみようと思います。