ビジネス

会計の本質を理解するために,データベースの知識が活かせる

「会計とは何か」という哲学的な問いかけに,どれだけの人が自信をもって答えられるでしょうか。

会計は写像であるとか,地図であるとか,言語であると言われます。

こうしたアナロジーを眺めていると,会計というのはものの見方であって,なんらかの方法と形式でビジネスのありようを写し取っているのだということに気づきます。

会計というものの見方がビジネスを写し取るにあたって,会計はビジネスのどんな要素に着目しているのでしょうか。

REA会計モデルはこの問いかけに対して,資源(resource),事象(event),主体(agent)の3つの要素に着目すると回答しています。

REA会計モデルとはなにか

どんな要素に着目して情報を整理するのかという視点は,データベースの設計にも求められます。データベース(DB)は,興味の対象をどのようにデータに写し取るのかを考える際に,対象や関係を把握します。そこでは「この世界のどんな構造に着目するか」という視点が求められています。

会計が写し取るビジネスの要素がわかれば,それをDBで表現できます。逆に,ビジネスの要素をDB表現できれば,その背後には会計的な見方があるとも考えられます。

複雑なこの世界のありようをDBという完結明瞭な形式の写し取るというプロセスについて理解することで,会計というビジネスの見方がどういう風になっているのかを理解する助けになります。

こちらのテキストは汎用的な会計データベースによって多様な会計目的を達成する可能性について論じています。

その参考文献にも挙げられている以下のテキストは,DBの数学的特徴やDBの操作について解説しています。

なぜ経理人材が足りないのか。その理由と対応策

公認会計士である私が決算支援という専門業務を提供する中で,多くの企業から「経理人材がいない」という悩みの声を聞きます。

なぜ経理人材がいないのでしょうか。新しいテクノロジーの導入によって経理業務は自動化され,経理スタッフはいらなくなったはずではなかったのでしょうか。

上場企業も中小企業もベンチャー企業も,経理の作業者・マネージャーがいないと嘆く理由について考えます。

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REA会計モデルとはなにか

この記事では会計データの概念モデルであるREA会計モデルについて説明します。

REA会計モデルは複雑な会計事象をシンプルに表現するための基本的な視点を提供してくれます。

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ヒューマン・マシン・ミックス:経営資源として人間を使うか機械を使うか

AIなどの新しいテクノロジーが,人間の仕事を奪うという主張をよく聞きます。

特に,経理や監査の事務員は,機械に代替される確率が高いという研究もあります。

【参考】経理職員はAIに仕事を奪われるのか?

本記事では,人間の仕事が機械に代替されるか否かという「ゼロイチ」の議論ではなく,人間と機械が互いの良さを発揮できるような協働のしかた,ヒューマン・マシン・ミックスについて考えます。

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人的資源の会計処理について

2021年6月現在,主要な会計基準において人的資源を企業の貸借対照表に計上する(オンバランスする)会計処理は認められていません。

しかし,人材は企業の営業活動と成長に不可欠な経営資源であるため,これを会計情報として開示しないことにはひっかかりを覚えます。

この記事では人的資源の会計処理について,どういう可能性があるか考察します。

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仕事の繁忙期に社会人学生ができること

社会人学生は仕事をしながら勉強や研究を進めることが求められます。しかし仕事をしていると,どうしても忙しい時期が来て,勉強が手に付かないこともあります。

そんな繁忙期のなかで学業を継続するために,社会人学生はどんなことができるでしょうか。

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仕事の中で数学をどう役立てるか

趣味で数学の勉強をしていると,周りの人から「仕事の中で数学がどう役立つの?」と聞かれることがしばしばあります。

この記事では,数学の仕事への役立ちについて,私が考えたことをまとめます。

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文献をアタマから読むな,もったいない

書籍や論文は最初から順に読んでいくタイプでした。表紙をめくって最初のページ,「はじめに」の1行目から丁寧に読んでいくのがこれまでの私のスタイルでした。

しかし,『独学大全』を読んで,このような文献の読み方はもったいないことに気が付きました。


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専門性,希少性,価値

専門性で稼ぐ,ということを考えたとき,相手がその専門性に対して価値を見出してくれるかというのは,極めて重要な視点です。

特定の能力に秀でており,辞書的な意味で「専門性」持っていたとしても,それが高く値付けされるとは限りません。

もちろん,能力的な希少性は,価値を見出してもらうための必要条件です。代替可能な能力は供給も多いので,市場原理によって低く値付けされるのが通常です。

しかし,希少であるからと言って,それに高い価値を見出してくれるとは限りません。世界にたった一枚しかない素人の絵画に高い値がつかないように,たとえ希少であっても,それが価値につながるわけではありません。

他者に価値を見出してもらえるかというのは,その他者に「喜んでもらえるか」にかかっています。「喜び」というのは感情としての喜びに限らず,より高い収益をもたらすのに役立つだとか,自分の課題を解決してくれるだとか,そういう広い意味での「喜び」です。

私たちはこういった「喜び」に対価を支払います。その能力を発揮してくれて嬉しい,高度なスキルが役に立つ,そういうときに価値は生まれます。そしてそれが報酬として専門性の持ち主に還元されるとき,専門性で稼ぐという状態になります。

専門性の論点

こちらの記事で,専門性と他者評価についての視点を整理しました。専門性は他者からの評価を得ることによって,報酬に変わります。そしてそれはおそらく,フリーランスとか組織人だとかいう労働形態とは,直接関係のない仕組みです。フリーランスにはフリーランスに期待される専門性が,組織人には組織人に期待される専門性が,それぞれ評価されます。

大切なのは,自身が置かれた環境の中で何を期待されいて,それにどういった希少性で応えるかということだと思います。

それが他者から認められ,正当な報酬として還元されるとき,「あいつは専門性で稼げている」という評価が下されるのでしょう。