2021年2月に実施された簿記2級の合格率が、速報値で10%を割ってます。
時代は変わったんですね……
10%と言えば従来の1級の合格率くらいのイメージでしたが、まさか2級でこれとは驚きです。
今回は簿記2級の難化について、いち会計士として・実務家としてどう向き合うべきか考えます。
2021年2月に実施された簿記2級の合格率が、速報値で10%を割ってます。
時代は変わったんですね……
10%と言えば従来の1級の合格率くらいのイメージでしたが、まさか2級でこれとは驚きです。
今回は簿記2級の難化について、いち会計士として・実務家としてどう向き合うべきか考えます。
細谷功『具体と抽象』は、ものごとを抽象に考えることの重要性を説いた書籍です。
私たちは「具体的なものはわかりやすい」「抽象的なものはわかりにくい」と印象を抱きがちです。
しかしものごとを抽象的にとらえると、一般的な性質に着目できるため、私たちの理解を助ける場合があります。
本書はものごとを抽象的に考え、思考力・発想力・理解力を向上させたいという読者に向けた本です。
また、具体的なレベルでしかものごとを捉えられない人とのコミュニケーションの齟齬に悩む人も、想定読者に上げられています。
具体と抽象の行き来は、課題解決に役立つと考えています。
ユニクロの柳井社長は、具体と抽象の行き来が上手かったそうです。
「赤のフリース売れません!」という販売部門からの報告会の出来事です。
会議の参加者は「白は売れ行きは?」「トレンドカラーは茶だよ」という、色に着目した議論を進めようとしたそうです。
そんな中柳井社長は「フリース全体は?そもそも衣類支出の動向は?」と、より広い視野での質問を投げかけ、この問題を抽象化して考えようとしました。
このように、具体的な課題をさらに高い次元で考察することに、柳井社長は長けていたのだそうです。
ここに抽象化(もしくはカテゴリーの上位化)を伴っています。
このような抽象化による課題解決のアプローチを学ぶため、この本が役に立つと考えました。
具体的には異なるものを、まとめて同じものとして扱う。これが抽象化の例です。
ものごとを抽象的に捉えると、異なるものを統一して見ることができるようになり、思考の幅が広がります。
また、共通する性質に対して考察することで、広く応用しやすい結論を得られます。
これは数学を学ぶことにも似ています。
数学は数や論理を使って議論を繰り広げます。しかし、具体的に何を扱っているかは問題とせず、例えばりんごひとつもみかんひとつも「1」という数で表しますし、コーヒーカップもドーナツも穴が1つという意味で「同じ」とみなしたりします(これはトポロジーという数学の考え方です)。
具体的なものではなく、抽象的なレベルで議論を展開しておくことで、あらゆる場面に応用できる一般性のある結論が得られます。
これが抽象化のメリットです。
抽象と具体は「1:N」の関係で表現できると『具体と抽象』には書いてあります。
これは会計システムにおいて、勘定科目が階層構造を作っていることと似ています。
流動資産という抽象的な1つの勘定科目に対して、現金・預金・売掛金といった具体的な複数の勘定科目が対応しています。
また、流動資産・固定資産といった勘定科目は、さらにまとまりをつくり、資産というより抽象的な勘定科目を作ります。
このように、勘定科目の階層構造は、本書に書かれた具体と抽象のパターンそのものといえます。
参考文献:『勘定科目統一の実務』
細谷功『具体と抽象』は、ものごとを抽象的に考えることの重要性を学べる本です。
抽象的に考えることで、理解を助け、発想を豊かにし、一般的な性質を見極められます。
より広い視野でものごとを考えたいという方に、おすすめしたい一冊です。
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こんにちは、毛糸です。私は上場企業の決算を支援する仕事をしています。
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書籍『まちがえない採用』は、現代の潮流を踏まえた実践的な採用戦略の解説書です。
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今回は事業について、どんなアピールができるのか、具体例を考えてみたいと思います。
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ただ、社会人が数学を学ぼうとするとき、いくつかのハードルに直面します。
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こんにちは、毛糸ブログ管理人の毛糸です。今日は私の32回めの誕生日です。「アラサーです」と自己紹介するようになり数年たちます。
アラサーとしてこれまでを振り返ると、これはやっておいてよかった・これがあるから充実した日々がある、という「やっておいてよかったこと」がいくつもみつかります。公認会計士という難関資格に合格したことや、趣味の仲間に恵まれたことなど、充実した生活の基礎となっていることがいくつもあります。
同時に、アラサーになるまでにこういうことをしておけばよかったな、という反省もあります。
本記事ではそんな「やっておいてよかったこと」「すべきだったこと」を紹介しようと思います。この記事のことを10年前の自分に伝えたら、その後の人生に少しは役立つだろうと思ってくれる、そんな内容を目指しました。
会計士や経理人材は、仕事の中でたくさんの「表(テーブル)」を目にします。表の各列の合計額(縦計)と各行の合計額(横計)をそれぞれ集計することで、表の概要がわかります。
ここで重要なことは、縦計の合計額(つまり、縦計の横計)と、横計の合計額(つまり、横計の縦計)は一致するということです。
私たちはこの性質に依拠して、集計ミスを発見します。縦計合計と横計合計が一致しない場合、各縦計もしくは横計のいずれかに集計ミスがあることを意味するため、チェック機能を果たすのです。
しかし、そもそもなぜ縦計の合計と横計の合計は一致するのでしょうか?
この素朴な問いかけに対して、数学的な回答を考えてみます。
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