簿記・会計の数学研究における歴史的背景と問題意識

1960年代の会計の数理研究

1960年代に会計や複式簿記に対する数学的な研究が進みました。当時はコンピュータの黎明期であり,会計をIT環境に載せるという社会的な課題感がありました。その期待に応えるべく,会計学者は簿記や会計を数学の言葉で表現することで,簿記や会計をコンピュータに実装する礎を築きました。

簿記・会計の公理化に挑んだ天才たち

こういった歴史的背景を踏まえながら,今日において会計や簿記を数学的に研究することの意義を考えるのは重要です。

今日のIT技術と問題意識

今や複式簿記を用いた会計はIT技術なしには成り立っていません。コンピュータによって会計帳簿を作成することは,会計実務の前提となっています。

そんな現環境において,1960年代当時のようなモチベーションで会計や簿記の数学的研究を進めるのはあまり得策ではないかもしれません。時代の変化を認識し,今日の社会環境に合うような目的意識で簿記や会計の数学的研究を進めていく必要があります。

例えば,クラウド会計システムなどは比較的新しい技術であり,今日の会計を支えています。クラウド会計システムならではの問題や課題が見つかれば,それを数学的に表すことで,現代的な課題を解決することにつながります。

ここでも,現状をよく理解し問題意識を持つことが重要といえるでしょう。

課題ドリブンで学ぶ

ニーズ・ベースの研究,シーズ・ベースの研究

時間内にできることをやればOK,という考え方でストレスが減る

「時間内にできることをやればOK」という考え方で物事に臨むと,ストレスをあまり受けずに済みます。

あらかじめ時間を決めておき,おおまかな作業内容も決めておくと,習慣がしやすいです。たとえば,私は最近,平日朝は英語を読むこととブログを書くことを習慣にしています。作業内容は,英語の論文の要約を日本語訳することと,自分が今考えていることを短いブログ記事にまとめることです。所要時間は会社に行くまでの30分と決めています。

しかし,その時間を超えてタスクが発生してしまうと,他の予定に悪影響を及ぼしたり,タスクが終わらないことに対して焦りを感じてしまいます。これでは習慣づけを阻害することにつながりかねません。

そういった状況を回避するために重要なのが「時間内にできることをやればOK」という考え方です。

この考え方を実行に移すと,あらかじめ予定していた時間を超えて作業をすることがなくなるので,他のタスクを犠牲にすることなく,目的のタスクを終わらせることができます。

もちろん,そのタスクについて,一定の質や量のアウトプットが求められている場合には,「時間内にできることをやればOK」という考え方は必ずしもふさわしくありません。求められるアウトプットの要件を満たせないのであれば,いくら時間内に終えたとしても,本当に達成すべき目的が達成できないからです。

しかし,学習の勉強の習慣付けのように,必ずしも進捗が重視されないようなケースであったり,思案を巡らす時間を確保するという目的であれば,「時間内にできることをやればOK」という考え方は自分を追い込まなくて済むので,ストレス軽減に役立ちます。

必ずしも成果を目的としないタスクについて,あらかじめ時間を決めて,その時間内にできることをやるという考え方で望むことで,ストレスが軽減されます。

人的資源の会計処理について

2021年6月現在,主要な会計基準において人的資源を企業の貸借対照表に計上する(オンバランスする)会計処理は認められていません。

しかし,人材は企業の営業活動と成長に不可欠な経営資源であるため,これを会計情報として開示しないことにはひっかかりを覚えます。

この記事では人的資源の会計処理について,どういう可能性があるか考察します。

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ニーズ・ベースの研究,シーズ・ベースの研究

この記事では研究におけるニーズとシーズの考え方について説明します。シーズとは研究において解決したい課題のことであり,ニーズとは何らかの解決手段のことです。

何を解決したいのかをまず考える

教科書を読んで面白い分析手法や方法論について勉強したとします。

研究ではそれを何に使うか,何に活用するかという視点がとても大事になってきます。

何に使いたいかによって,その手法や方法論をどう改良し発展させていくか,その方向性が決まります。

重要なのは,課題意識がまずあって,それに対して道具を準備するのだということです。今できていないことを可能にするだとか,問題のあることを改善するだとか,そういう課題感に基づいて道具に向き合うことで,研究の方向性を見失わずに済みます。

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ニーズとシーズ

「ニーズ・ベースで考える」というフレーズが,このような研究アプローチを端的に表現しています。

ニーズとは,何かを必要とする気持ちです。マーケティングの世界では,消費者が欲しいという気持ちや,消費者が解決したい課題を,ニーズという言葉で表しています。経営学における「マーケット・イン」の考え方にも通じるものがあります。

ニーズとシーズとは?マーケティングに欠かせない2つの視点を解説

ニーズ・ベースの対義語は,シーズ・ベースです。シーズ・ベースとは,すでに持っている技術や知識を活用しようというアプローチをいいます。経営学における「プロダクト・アウト」の考え方と似ています。

シーズとは種のことです。すでに持っている研究の種をまいて,それを成長させ果実を得る,そんなイメージです。

ニーズ・ベースとシーズ・ベース,どちらのアプローチによって研究を進めるかには,正解はありません。しかし,研究価値を他人に理解してもらうには,他人と共有できる課題を解決したという役立ちがあったほうが良いでしょう。

特に社会科学は,人間社会における諸課題を解決するという大きな目的がありますから,会計学や経済学の研究においてシーズばかりに目がいってしまうと,その研究は評価されにくくなるかもしれません。

 

課題,ニーズの見つけ方

自分の経験や知識のない分野でニーズを発見するのは難しいことです。必要であれば経験を広げたり知識を広げるといったことが必要になるでしょう。

しかし,ひとたび問題意識を持つことができれば,それを解決したあとの理想像を掲げることができます。そしてその理想と現状の差を知ることによって,自分の研究の方向性が見えてきます。

研究上の課題やニーズには,それを解決したいという強い熱意が必要で,それは自分の知識や経験に基づいて湧き上がってくるものです。

日頃から「課題はなんだろう?」と考え続けることで,研究テーマにふさわしい問題意識が醸成されます。

書籍『独学大全』の第7章には,ニーズの見つけ方に関連するテクニックが説明されています。「知りたいことを発見する」という章で,独学者が何を学ぶかを見つけるための方法論を解説しています。その方法論は研究課題を見つけるのにも役立ちます。


複式簿記と会計情報のフラクタル構造

複式簿記のフラクタル構造について,Twitterでこんなコメントをいただきました。

 

この記事では複式簿記のフラクタル構造についてアイデアを整理します。

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