仕訳が先か 試算表が先か

この記事では、複式簿記の重要な要素としての仕訳と試算表について、その主従関係について考えてみたいと思います。

私たちが簿記の勉強をするときの手順として

  1. 期中に行われた取引を仕訳する
  2. 仕訳を勘定ごとにまとめて試算表を作る

というプロセスを経ます。つまり仕訳が主、試算表が従の関係です。

しかし、複式簿記の代数構造という観点からは、これが唯一の考え方ではなさそうなのです。

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簿記幾何・簿記トポロジーへの展望

このブログでは【君の知らない複式簿記】と題して、複式簿記の一風変わった側面を紹介しています。

【君の知らない複式簿記】目次まとめ

そのなかで、複式簿記を代数学の言葉で表現しようという試みを行っています。この分野を簿記代数と呼んでいます。

簿記代数があるなら、簿記幾何があってもいいのでは!?

ということで、この記事では簿記幾何の展望についてお話します。

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資産価格バブルの数理モデル

この記事では、資産価格バブルの性質を示す数理モデルについてお話します。

バブルは人類史のなかでいくつも知られていますが、それを数理的にモデル化し分析の俎上に載せ始めたのは最近のことです。

この記事では資産価格バブルの定義について述べたあと、バブルの性質を示すような資産価格変動として簡単な確率微分方程式(CEVモデル)を提示します。

 

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ものごとを抽象的に考えて気づく世界の広さと深さ

毛糸ブログでは【君の知らない複式簿記】というシリーズの記事を提供しています。このシリーズでは私たちに馴染みの深い複式簿記を抽象化して考える方法をいくつか提示しています。

ものごとを抽象的に考えるのには理由があります。

本記事では、ものごとを抽象的に考えるとはどういうことか、抽象的に考えることの御利益は何なのかについて述べます。

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会計学の「物理学化」に必要なこと

簿記や会計を数学の枠組みで捉え直す。そんな取り組みを、これまで多くの研究者が試みてきました。

数学の言葉を用いつつ、数学とは異なる学問体系としての会計学は確立できるのか。

すでにそうした試みが成立している分野としての物理学をイメージしながら、会計学が物理学のような「独自の数理体系」として成立するための条件について考えます。

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毛糸ブログ2021の方針

明けましておめでとうございます、毛糸です。

2021年の毛糸ブログもよろしくお願い申し上げます。

この記事では今年のブログ方針について述べます。

毛糸ブログを読んで「そんな考え方もあるのか」と感じていただける人が一人でも増えるよう、以下のような方針で更新していこうと思います。

  • 私の思考の軌跡やアイデアを、荒削りであることを怖れずに発信する
  • オリジナリティを求めすぎず、私自身の気付きを大切にする
  • 質より量(継続力)を重視する

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【君の知らない複式簿記 補遺】誘導法によるキャッシュ・フロー計算書とバランス・ベクトル

この記事では誘導法によるキャッシュ・フロー計算書を、バランス・ベクトルによって表現する方法について述べます。

誘導法とは、

キャッシュ・フローを計算するために、収入及び支出の勘定組織を設け、そのつどそれらを独自の勘定に記録し、それに基づいて誘導的にキャッシュ・フローを計算(鎌田『キャッシュ・フロー会計の原理』p.297)

する方法のことをいいます。平たく言えば、損益計算書のような独立の科目を設けて仕訳を切り、キャッシュ・フロー計算書をダイレクトに作成しようというアプローチです。キャッシュ・フロー計算書の意義、作成方法については別の記事をご覧ください。

日々の取引でキャッシュが変動する場合に、キャッシュ・フロー計算書の項目を用いて仕訳を切ることで、キャッシュ・フロー計算書の作成負荷が大幅に低減されることがと期待されます。

以下では誘導法によるキャッシュ・フロー計算書を、バランス・ベクトルを用いて作成してみます。この記事で提案する方法は参考文献に示されている方法と異なり、既存の複式簿記の構造を変えることなく実現可能な方法です。

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