こんにちは、毛糸です。
【君の知らない複式簿記】シリーズ第4弾となる本記事では、複式簿記の代数的構造に関する研究書『Algebraic Models For Accounting Systems』についてお話します。
【君の知らない複式簿記】シリーズの過去記事は以下のリンクから辿ることが出来ます。
本記事は下記記事を読まれていない方にも理解いただける内容です。
こんにちは、毛糸です。
【君の知らない複式簿記】シリーズ第4弾となる本記事では、複式簿記の代数的構造に関する研究書『Algebraic Models For Accounting Systems』についてお話します。
【君の知らない複式簿記】シリーズの過去記事は以下のリンクから辿ることが出来ます。
本記事は下記記事を読まれていない方にも理解いただける内容です。
こんにちは、毛糸です。
【投信定点観測】2019年8月第1週(スタートから21週目)の損益の報告です。
今週末における損益率は2.57%(年率4.56%)です。
今週の含み損益ランキングは、【投信定点観測】の全14の投資先のうち、WealthNaviは第6位、THEOは第11位です。
日本株式については、アベノミクスで脅威的な上昇を見せたとはいえ、バブル崩壊と失われた20年のイメージが強く残っているためか、投資対象として魅力的に映らない人が多いようです。
しかし、市場の効率性を考えると、日本株式の先行きは現在の株価に反映されていると考えられるので、安易な思考で投資対象から除くのは懸命ではないように思います。
【参考記事】
「日本株に投資すると長期的には損」は本当か?
将来のリターンを予測するのは大変困難なことなので、個人投資家は広く分散した投資によって、リスクを低減するのが王道でしょう。
引き続き、投資信託による「コツコツ」積立投資で、安定的な資産形成を目指していきます。
こんにちは、毛糸です。
最近、企業の配当はどう決まるか?ということを考えています。
配当とは、企業が獲得した利益を株主に分配することであり、株主にとってみれば投資の回収を意味します。
配当は、会計的には純資産の一部を取り崩すと同時に現預金を社外に流出させるものです。
配当と純資産などの会計数値の関係は、以下の「クリーン・サープラス関係」と呼ばれる関係式で記述されます。
この式は、時点\(t\)における純資産の額\(B_t\)は、1期前の純資産額\(B_{t-1}\)に\(t\)期の利益\(e_t\)を加え、配当\(d_t\)を差し引いた額として決まる、という規則を示しています。
配当\(d_t\)はキャッシュフローであるのに対し、純資産額\(B_t\)や利益\(e_t\)は会計数値ですから、キャッシュフローを中心とした理論展開が行われるファイナンスと会計とは、このクリーン・サープラス関係を通じて関連付けられることになります。
ファイナンスでは配当の割引現在価値として株価が決まるという「配当割引モデル」がよく知られていますが、これをクリーン・サープラス関係と組み合わせることで、会計数値に立脚した「残余利益モデル」と呼ばれる会計数値ベースの株式評価モデルが構築できます。
配当割引にせよ残余利益モデルにせよ、配当はそれ自体が確率変数であると考えて理論展開されることが多いです。
しかしながら、配当は企業が株主との関係を伺いながら、ある意味で「適切な」水準で「決定」するものです。
したがって、その決定プロセスを考察することなしに、天下り的に確率変数(ランダムな変数)と考えてしまうのはよくないのではないかと考えています。
私はこの問題意識に基づき、企業はどんな意思決定に基づき「最適な配当戦略」を決めているのかを、経済学的観点から検証しています。
何か発見があったら、ブログでも取り上げたいと思います。
こんにちは、毛糸です。
最近、会計学を数学の言葉で表現できないか、という問題に取り組んでいます。
本記事では数学(確率論)と会計の対比をしつつ、両者の大きな差異について述べたあと、経済学の枠組みで決まる「最適な会計」についてのアイデアをまとめます。
こんにちは、毛糸です。
「数学 グラフ」でググっていたら、良さげなツールを見つけたのでメモしておきます。
BarChart({1.5,2.5,3.5,4.5,5.5},{1,1/2,1/3,1/4,1/5})
こんにちは、毛糸です。
先日、金融庁から「老後までに2,000万必要」とも読める報告書が公開され、多くの国民が投資に意識を向けています。
【参考記事】
【年金は頼れない?】「老後までに2,000万」報告書を読んだあとに私たちが取るべき行動
老後に豊かな生活を送るには「リスクをとる」必要があるということを多くの人が認識し始めていますが、同時に金融詐欺の話もちらほら聞こえてきます。
先日私の友人から「平均利回り10%超のヘッジファンドがあるんだが、どうだろう?」という相談を受けました。
ヘッジファンドとは「金融派生商品など複数の金融商品に分散化させて、高い運用収益を得ようとする代替投資の一つ」(Wikipedia)であり、デリバティブなどの複雑な金融商品を利用して高いリターンの獲得を目的とする基金(ファンド)や運用主体のことを言います。
調べてみるとヘッジファンドに関する情報源はいくつかあり、ヘッジファンドを比較するサイトもいくつかあります(あえてリンクは載せません)。
友人から相談を受けた(ヘッジファンド)(本記事ではカッコを付けて呼称します)についても、比較サイトにはよく取り上げられているようなので、少し調べてみました。
しかし、どうも怪しいのです……
ぱっと気になった点だけでも
などなど、引っかかる点がたくさんあります。
友人曰く「検索上位のサイトでおすすめされているから、たくさんの閲覧者がいる信頼できる情報だよ」とのことですが、検索上位であることは法的に信頼できる情報であることを意味しません。
直接話を聞きに行きたいという話も聞いていましたが、相手が「よからぬ輩」である可能性も否めません。
そこで、金融の専門相談窓口に電話してみることにしました。
金融サービス利用者相談室は「あやしいな」「投資しても大丈夫なのかな」といった相談にも乗ってくれる金融庁の窓口です。
▼金融サービス利用者相談室より
こちらに電話をかけ、(ヘッジファンド)の名称や、その情報に行き着いた経緯をお話したところ、以下のような回答が得られました。
平たく言うと「付き合っちゃいけない人たちの可能性が高い」ということですね。
ヘッジファンドについては、Wikipediaに「監督官庁に届け出る義務や規制がなく」と記載されていますがこれは誤りであり、日本においては金融商品取引法で明確に規制されています。
金融商品取引法においては、いわゆるファンド業務を行う者は、金融商品取引業者の登録を行うか、適格機関投資家等特例業務の届出を行わなければいけません。
【参考】
ファンド関連ビジネスを行う方へ(登録・届出業務について)-金融庁
あるまとめサイトにはこの(ヘッジファンド)について、適格機関投資家等特例業者等で少人数にしか勧誘を行わない私募であるから、規制は受けないのだ、と書いてありましたが、もし適格機関投資家等特例業者等であるとすると金融庁のこちらのページに公開されているはずです。
しかしこの(ヘッジファンド)の名前は見つかりませんでした……
この事実を知った私の知人も、さすがに実際に会いに行くのは諦めたようです。
金融に関する規制は、我々一般市民を不慮の損害から守るための大切なルールであり、一般的な金融機関であれば法令遵守の重要性を強く認識しています。
しかし一部の悪質な(詐欺的な)集団は、「高利回り」「損失なし」といった謳い文句で消費者を煽動し、実態のない、もしくは法令に違反した形で資金を得ようとしてきます。
そうした資金は不適切な立場の人間に渡ることもあれば、実際に面会する相手がそういう立場の人間かもしれません。
「おかしいのではないか」と疑う気持ちが少し欠けるだけで、お金を、そして命をも危険に晒す可能性があることを忘れてはなりません。
「うまい話はない」とよく言われますが、これは金融経済学における無裁定の原理として知られており、この世をよく表しています。
投資について勉強するべきと感じたのはとても素晴らしいことですが、是非焦らず、きちんと勉強をして、リテラシーを高めてください。
【参考記事】
「投資しなきゃ……」焦るなキケン!
こんにちは、毛糸です。
先日、金融庁から「老後までに2,000万必要」とも読める報告書が公開され、多くの国民が投資に意識を向けています。
【参考記事】
【年金は頼れない?】「老後までに2,000万」報告書を読んだあとに私たちが取るべき行動
まず、何をどう勉強し理解したら良いのかわかりません。
私がおすすめするのは、まずFP(ファイナンシャル・プランナー)の勉強をしてみることです。
FPは家計の財産や資産運用など、お金に関する総合的なコンサルティングを行う専門職です。
そんなFPを名乗るための資格として、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士がありますが、その勉強のなかで、日常に潜む多くのお金の問題と向き合うことができます。
投資においてはリテラシー(判断能力)が重要であると言われますが、資格勉強はその分野の知識を体系的にインプットするのに適した教材を使うため、マネーリテラシーを高めるためにFP資格を目指すのはとても良い方法です。
【参考記事】
体系的インプットのための資格受験はおすすめです
決して焦ってはいけませんし、金融機関に駆け込んでもいけません。
金融機関は営利企業であり、儲けを出すことを目的に活動しています。
したがって、彼らの勧める商品は、購入者が儲かること以前に、金融機関が儲かることが前提になっています。
最近は購入者の利益と金融機関の利益が同じ方向を向くように規制がしかれつつありますが、しかし基本的には、金融機関の商品はあまりおすすめできません。
下記書籍は、タイトルの割に中身がかなりまともで驚いたのですが、その中に「金融機関から買うべき金融商品はない」とすら書かれています(笑)
インターネットには投資に関する情報が溢れかえっており、本屋さんに行けばズラーッと投資本が並んでいます。
この中から自分にあった投資商品を見つけるのは、容易なことではありません。
しかし、焦って投資を行おうとすると、小賢しい奴らの格好の的になります。
投資をしなければ、お金が減ることはありません。
でも焦って投資をしてお金を減らすことは高い確度で起こりえます。
まず調べる、勉強する、それからでも遅くありません。
こんにちは、毛糸です。
【投信定点観測】2019年7月第4週(スタートから20週目)の損益の報告です。
今週末における損益率は2.57%(年率4.56%)です。
今週の含み損益ランキングは、【投信定点観測】の全14の投資先のうち、WealthNaviは第6位、THEOは第11位です。
日本株式については、アベノミクスで脅威的な上昇を見せたとはいえ、バブル崩壊と失われた20年のイメージが強く残っているためか、投資対象として魅力的に映らない人が多いようです。
しかし、市場の効率性を考えると、日本株式の先行きは現在の株価に反映されていると考えられるので、安易な思考で投資対象から除くのは懸命ではないように思います。
【参考記事】
「日本株に投資すると長期的には損」は本当か?
将来のリターンを予測するのは大変困難なことなので、個人投資家は広く分散した投資によって、リスクを低減するのが王道でしょう。
引き続き、投資信託による「コツコツ」積立投資で、安定的な資産形成を目指していきます。
こんにちは、毛糸です。
先日こんなつぶやきをしました。
「俺の会計基準」について経済主体は自身の効用を最大化させるような会計規則を決定する。
会計基準が経済主体の民主的投票により決まるとき、アローの不可能性定理により、経済主体全員が納得する投票メカニズムは決められず、全員に望まれた会計基準は存在しない。という仮説。— 毛糸 (@keito_oz) July 25, 2019
会計基準とは、企業の経済活動を会計情報として表現するためのルールのうち、社会的合意によって決まったもののことです。
社会的合意によって決まったものでなくとも、一定のコミュニティの中で有用性が認められた表現ルールというのは考えてもいいわけで、そのようなものを総称して「会計ルール」と呼ぶことにしましょう。
このような用語の使い方を約束すると、たとえば自分の中で有用と認められた会計ルールは「俺の会計基準」と呼んでもよさそうです(笑)
本記事では、会計ルールはどのように決まるのか、そしてどう決まるべきなのかということを考えてみます。
こんにちは、毛糸です。
先日こんなつぶやきをしました。
「京都大学がビッグデータの新統計法則を発見、「べき則」の普遍性を解明」というニュースを読んで – アドレナリン https://t.co/yNN0PtTu6i安定分布について調べていたら、京大研究者による「超一般化中心極限定理」に行き着いたのだけど、どうも証明が怪しいらしい。
— 毛糸 (@keito_oz) July 25, 2019
本記事では株価リターンを題材に、確率論における中心極限定理とその一般化についてまとめます。
「独立同分布の確率変数の和は正規分布に従う」というのが中心極限定理のざっくりとした内容です。
中心極限定理は確率論における重要な定理であり、それが成立するための前提条件がもちろんあります。
ある定理を、より広い範囲に適用できるようにしたり、前提条件を緩めたりした場合にも成り立つことを示す、というのは、数学においてはよく行われます。
こうした「一般化」は中心極限定理についても存在し、一般化中心極限定理という「拡張版の中心極限定理」では、確率変数の和は正規分布ではなく、べき乗則をもつ安定分布に従うことが示されます。
株式リターンの実際の分布は、正規分布よりも「レアな値が出やすい」ものであり、統計的には正規分布に従いません。
【参考記事】
日本株式、米国株式、欧州株式、全世界株式の日次リターンが正規分布ではなかった件
ファイナンスの多くの理論では、リターンの正規性を仮定して結論を導いていますから、実際のリターンが正規分布ではないことについて危機感を覚える人もいるでしょう。
しかし実は正規分布でないケースにも、多くの理論は成り立ちます。
【参考記事】
株価リターンが正規分布でなくてもファイナンス理論は成り立ちます!
正規分布でなければ何なのだ、ということで注目されているのが、「べき乗則」を持つ分布です。
リターンが正規分布に従うとき、「レアな」リターンが実現する確率は、期待リターンから遠くなればなるほど急激に減っていきます。
しかし実際には、「レアな」リターンはそれほど急激に減っていくものではなく、「べき乗則」というゆったりとした減り方をしているという研究があります。
一般化中心極限定理の帰結として得られる安定分布はこのべき乗則に則った確率分布であり、実際の金融データへの当てはまりの良さが期待されています。
冒頭で述べた超一般化中心極限定理は、これを更に広範囲に拡張した定理のようです。
最近のコメント