「進捗ダメです……」成果が出ないときに見直すべき3つのこと

こんにちは、毛糸です。

思ったような成果が出ない、満足いく結果が出せない……

そういう後ろ向きな気持ちになることはありせんか?

忙しい時期には特に、仕事が思い通りに進まず、進捗の悪さに嫌になることもあります。
参考記事:つらい繁忙期を少しでも楽に乗り越えるための対策5つ

今回は、そんな「進捗ダメです……」な状況で、私が行っている3つの見直しポイントについてまとめます。

成果が上がらない状況で以下のことを見直すことで、嫌な気持ちから開放されるでしょう。

本当に成果を出す必要があるのか?

成果が上がらず、アウトプットに繋がらないととても焦ります。

しかし、そんなときはまず、

そもそも成果を出す必要があるのか?

ということを問いかけてみましょう。

いまは成果を求められているタイミングなのかということについて、冷静に見直します。

常に成果を出し続けるのは難しいことです。

時にはチカラを溜め、インプットに励み、準備を整えることも大切です。

落ち着いて考えてみると、気持ちばかりが先走り、成果が求められていないのに焦ってしまっているケースはよくあります。

本当に成果を上げる必要があるのか、落ち着いて考えてみましょう。

誰かと比べていないか?

成果が上がらないと焦っているときは、誰かと自分を比較してしまっていることがよくあります。

同僚が優れた成果を上げているのを見て、自分は何も達成できていないと卑屈になることがあります。

しかし、他人と比較することにどれだけの意味があるのでしょうか。

比較対象にしている誰かだって、それまでの努力がたまたま実を結んだに過ぎません。

常に自分が集団の先頭を走ることは出来ず、成果の有無も単なるタイミングの問題であることがほとんどです。

誰かと比較して自分を卑下する必要はありません

自分のペースで、必要な準備をし、然るべきタイミングで成果につなげればいいのです。

自分の方法は間違っていないか?

いまが成果を出すべきときで、自分なりの準備をしてきたのに、それでも成果が上がらないことがあります。

そんなときは、これまでの自分のやり方を見直す必要があります。

具体的には、以下のような視点で自分のこれまでを振り返ります。

  • 成果に結びつかないムダはなかったか
  • 必要な努力を怠らなかったか
  • 時間やお金などの資源は十分に投下したか

進捗が思わしくない理由はきっと見つかります、それを認識して、改善しましょう。

振り返りの結果、自分に足りなかった部分が見えてきたり、単純に時間が足りなかっただけと気づくことだってあります。

課題が見つかれば、そのあとは成功している人のやり方を真似してもいいですし、本を読んだり、自分が手本にする人(メンター)に相談するなどして、問題を解決します。

思い込みを捨て、解決策を自分の外に求めると上手く行くこともあります。

我流に走らず、スタンダードな方法を学び、ベストソリューションがないか調べてみましょう。

反省点が見つかれば、それを改善することで、きっと成果に結びつきます。

まとめ

「進捗だめです……」と気を落としそうなときには、私は3つの振り返りをしています。

  • 本当に成果を出す必要があるのか
  • 誰かと比べていないか
  • 自分の方法は間違っていないか

これらの振り返りによって、後ろ向きな気持ちになる必要などなく、ただ必要なことをやっていけばいいのだと、前向きな気持ちになります。

もし成果が上がらず焦ってしまったら、ここで述べた3つの振り返りを実践してみてください。

参考記事:つらい繁忙期を少しでも楽に乗り越えるための対策5つ

 

チェックリストで仕事が劇的に楽になった件

こんにちは、毛糸です。

先日こんな記事を書きました。
>>つらい繁忙期を少しでも楽に乗り越えるための対策5つ

この記事の中で、繁忙期を楽にするためには、業務チェックリストを作成することが有効だと述べました。

今日も私は自作のチェックリストを使って、業務を効率的に進め、4/23日現在で、既にゴールデンウィーク後が期限の仕事にも着手できました。

今回はチェックリストの効果について考えてみたいと思います。

チェックリストの効果その1:ミスが激減した

チェックリストを使って感じた効果の1つ目は、ミスが圧倒的に減ったということです。

私はそそっかしい性格で、細かな部分に気が回らないことが多々あり、以前は先輩から細かな指摘を何度も受けていました。

しかし、作業手順をチェックリスト化し始めてからは、こうしたミスが劇的に減りました

作業をチェックリストにすることで、必要な作業を漏れなく実施することができ、作業の安全性が高まります。

もちろん、最初から完璧なチェックリストは作れませんから、作業を進めていく中で、チェックリストに足りない項目が出てくることがあるでしょう。

しかし、そういう場合も、チェックリストを更新し続け改善していけば十分です。

最初はざっくり手順をまとめ、徐々に細部を詰め、セルフチェックのポイントなどを織り込んでいきます。

なんども作業を繰り返し、ときにはミスにぶつかることで、チェックリストの汎用性が増していきます。

こうして作り上げたチェックリストを使い、その通りに作業することで、作業の抜け漏れが防止でき、自然と業務の安全性が高まります。

チェックリストの効果その2:判断に疲弊しなくなった

チェックリストを使って感じた効果の2つ目は、判断の余地がなくなり疲れなくなったということです。

判断や意思決定は、脳を酷使します。

これは正しいか?見逃しはないか?確認は十分か?

と考えながら作業するのは、大変消耗します。

しかし、チェックリストを作っておけば、必要な手順や確認は、リストをなぞっていけば自然と満たされますから、判断が介在する余地が少なくなってきます。

チェックリストを使うことで、タスクを「単純作業」に近づけられるので、スタミナを減らさずに仕事を消化できるようになります。

チェックリストを使うと成長できない?

これをお読みの方のなかには

頭を使ってこそ成長できる!チェックリストなんか使って楽しようとするな!

と考える方もいらっしゃると思います。

確かにチェックリストは業務を機械的に処理するのに近く、判断の余地を小さくするため、「頭を使う」ことが少なくなります

しかしこれこそがチェックリストのメリットであり、繁忙期を楽に乗り越えるためのキモでもあります。

繁忙期は仕事で及第点とるだけでも疲弊しますから、なにもこの辛い時期に成長を敢えて志向しなくてもよいのではないでしょうか。

業務に必要なスキルは、繁忙期を乗り越える中で自然に身につきます。

チェックリストは必ずしも必要でない(価値を産まない)仕事を効率化するためのツールですから、チェックリストを使うと成長しない、というのは的はずれな気がします。

成長につながる挑戦は、余裕のあるときにしたらよいのではないでしょうか。

チェックリスト化するほど単純じゃない?

これをお読みの方のなかには

私の仕事は複雑でチェックリスト化できない

という人もいるかもしれません。

もちろん、業務が複雑で、様々な資料や関係者とのやり取りを経て達成される仕事は、チェックリスト化しづらいようにも思います。

ただ、業務の理解と整理が出来ていないためにチェックリスト化出来ないというのは別にして、業務の複雑性を理由にチェックリストが作れないという人は、チェックリストを細かく作ろうとしすぎではないでしょうか?

チェックリストは、作業ひとつひとつを記載する必要はありません。

もっとざっくりと、自分の行動を振り返るのに使えるレベルのアバウトさでも十分機能します。

例えば、私が使っているチェックリストは、こんな内容です。

□過去の改善や課題はクリアしたか?
□当期の会計数値は前記と比べて異常でないか?
□手順書の内容は遵守したか?
□エクセル関数や範囲に誤りはないか?
□資料にコメントした通りの確認をしたか?

このように、個別具体的な作業に触れなくとも、チェックリストを確認することでミスが防げれば、ざっくりとした内容で十分なのです。

肝心なことは、そのチェックリストを埋めることで、リスクが潰せるようなチェック内容になっていることなのです。

まとめ

チェックリストには2つのメリット、

  • ミスが減る
  • 疲れが減る

があることを述べました。

チェックリストを使うことで、仕事の能率が上がり、繁忙期を少しだけ楽にすることができます。

自分の性格や業務内容に合ったチェックリストを作って、仕事を効率化してみてはいかがでしょうか。

つらい繁忙期を少しでも楽に乗り越えるための対策5つ

こんにちは、毛糸です。

4月に新年度を迎えたと会社はいま、決算で大忙しです。

私も決算支援コンサルタントとして働いていますので、この時期は業務負荷が高まります。

今回は、そんな繁忙期を少しでも楽にするために、私が実践していることについてまとめます。

業務スケジュールを立てる

繁忙期を楽にするためにまずすべきことは、プロジェクトが始まってすぐに、自分の業務スケジュールを立てることです。

自分のタスクの総量と、プロジェクト期間中に投下できる標準時間(私の場合は1日8時間)を日次で整理し、両者の差をとって業務負荷の目安とします。

私はプロジェクト期間中のタスクを細分化して認識しており、それぞれのタスクがどれくらいの時間で終わるかの見積もりを持っています。

その見積もり作業時間を日次でスケジューリングし、投下できる時間(=定時勤務時間)との差を計算することで、いつ・どれだけの残業が必要になるかを事前に把握します。

これにより、業務に対する漠然とした不安が解消され、日々「今日はこれさえ終わらせれば良い」という状態を維持することで、精神的消耗を抑えることができます。

私は今回の繁忙期について「業務スケジュール」を立てたところ、44時間の残業が必要であると判明し、43営業日に忙しさのピークを迎えることがわかりました。

忙しさを定量的に把握しておくことで、これからどういった対処をすればよいのかがわかるので、とても安心します。

プロジェクトの性質によっては、前もって所要時間を見積もることが難しいかもしれませんし、これまで業務時間の測定を行ってこなかったかもしれません。

しかし、業務時間の測定は精神衛生上、大変有用ですから、この機会に時間測定を開始してみることを勧めます。

まずはざっくりと、この業務に大体何時間、というふうに時間を測りましょう。

この繁忙期に、自分に与えられた業務がどのくらいの量で、各タスクにどれだけの時間がかかったかを記録してみることで、次回の繁忙期がとても楽になるはずです。

繁忙期を効率的に乗り越えるコツは、「プロジェクトマネジメント」というスキルの中に見つけることが出来ますので、興味がある方は勉強してみてください。

業務をコントロールする

繁忙期に少しでも楽にするために心がけることの2つ目は、立てたスケジュールをもとに業務をコントロールすることです。

作業の着手前にスケジュールを立てる段階で、これは危なさそうだ、時間が足りなくなるかもしれない、といった予測が立てられるようになります。

新しい事象が発生したときは、要注意です。

自身の業務遂行にリスクを識別したら、速やかに上司やクライアントと協議し、必要な対策を講じます

大事なことは「勝てる勝負しかしない」という気構えを持つことです。

業務管理のノウハウをわかりやすく解説する良書『外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』では、連戦連勝を飾ったナポレオンのことを「勝てる勝負しかしなかったからだ」と分析しており、勝負を勝てる状態に持っていくことの重要性を説いています。


認識したリスクや業務負荷に対して、それを削減したり、効率化のためのツールを使ったり、人を増やしてもらったり、タイミングをずらしてもらうなどして、業務負荷の低減を図りましょう。

リンカーンはこういう名言を残しています。

もし8時間、木を切る時間を与えられたら、そのうち6時間を私は斧を研ぐのに使うだろう。

日本にも、段取り八分、という言葉があります。

これらの言葉は、事前のスケジューリングや準備が成功のためにいかに重要かを端的に表しています。

私は今回の繁忙期に44時間の残業が必要になりましたが、関係者との交渉や、タスクのタイミングの調整、業務の統合・効率化などの準備をすることで見積もり残業時間を10分の一にまで圧縮することが出来ました。

スケジュールを立て必要な策を講じることで、繁忙期の負担は劇的に減ります。

チェックリスト

繁忙期を楽にするための3つ目の施策が、チェックリストの活用です。

チェックリストというと、よそから「作れ!」と言われて嫌々ながら埋めるもの、という印象があるかもしれません。

しかし、チェックリストは業務の安全性と効率性を高める素晴らしいツールです。

私は時間のかかる業務について、作業手順を並べたチェックリストを自作しています。

手順を書き出しチェックリスト化することで、

  • ミスが減る
  • 判断が減り疲れにくくなる

という2つのメリットがあります。

チェックリストを使って業務が劇的に改善されたという私の経験談は、別の記事で詳しく述べているので、合わせてご覧ください。
参考記事:チェックリストで仕事が劇的に楽になった件

よく休む

繁忙期に楽にするために必要なことの4つ目は、休息です。

繁忙期に疲れてしまうことは、もはや避けようがないことです。

なので、疲れを翌日に繰り越さないよう、回復させるための意識が不可欠です。

そもそも休む時間もとれなくなるのが繁忙期ですが、それでも仕事が終わったら真っ直ぐ帰宅しましょう。

家族との団らんでMPを回復しつつ、良質な食事と睡眠でHP回復に努めます。

食事の準備にはあまり手間をかけず、外食や中食を利用して、可能な限り手間を少なく栄養を取るのが良いでしょう。

多少お金がかかりますが、健康維持のためには必要な投資と割り切ります、残業代で取り返せるのですから。

また、個人的に一番効果があるのが昼寝です。

昼寝に10分でいいので、目を閉じ体を休めましょう。

午後の生産性が格段に上がります。

私もどんなに忙しくても必ず昼休みに昼寝の時間を確保しています。

繁忙期には休息が不足しがちですが、食事や睡眠に気を使い、なりふり構わず体力回復に努めましょう。

ポモドーロ・テクニック

ポモドーロ・テクニックとは、25分の作業集中5分の休憩を繰り返す時間管理術です。
参考記事:ポモドーロ・テクニック:世界が実践する時間管理術はこうして生まれた

人間の集中力は訓練された人でも90分が限界と言われています。

ポモドーロ・テクニックで短期の集中と休憩を繰り返すことで、作業効率を落とさずに仕事に取り組むことができ、また疲労も感じづらくなります。

休憩の5分にはストレッチをしたり立ち上がって体を動かすのが良いです。

気分が乗っていて、集中を途切れさせたくないという思いに駆られますが、この5分休憩が生産性を維持しますので、思い切って休むことを勧めます。

私はこの休憩の間に、次の作業に使う資料を取りにいくなど、気分転換にもなる準備をすることもあります。

大切なのは一度緊張の糸を切ってリフレッシュすることです。

繁忙期は長丁場になるので、短期的な生産性を重視するあまり、長期的な疲労を残してしまうのは避けるべきです。

まとめ

繁忙期を少しでも楽なものにするために私が行っている5つのことについてまとめました。

  • スケジュール
  • コントロール
  • チェックリスト
  • 休息
  • ポモドーロ

忙しい時期というのは避けがたいものですが、創意工夫でなんとか乗り越えていきましょう。

是非あなたが実践している方法も、SNSで教えてください。

PyCPA GASハンズオンセミナーはこんなことをやりました!参加者アンケート結果も報告します

こんにちは、毛糸です。

先日、会計×テクノロジーをテーマとした勉強会コミュニティPyCPAのGASハンズオンセミナー第1回が開催されました

今回は20名近い参加者にお集まりいただきました。

本記事では今回のセミナーの振り返りをしてみたいと思います。

参加者には事前にアンケートにお答えいただいてますので、その結果もあわせて公開します。

PyCPAとは

PyCPAは、テクノロジーの進化を武器に次世代の担い手となる探求者たちのコミュニティです。

もともとは、プログラミング言語Pythonに関心のある公認会計士(CPA)の勉強会として発足しましたが、現在ではより広く、テクノロジー全般に興味を持ち、探求する意欲のある、会計士、経理財務人材、エンジニアなどがメンバーとなって活動しています。

PyCPAは毎月勉強会を開催しており、もくもく会やセミナー、参加型ワークショップを行っています。

現在のコミュニティメンバーはSlack登録者ベースで170名ほど、2019年3月現在の勉強会の累計参加者は200名を超えます

PyCPAコミュニティと勉強会への参加は無料となっており、運営事務、会場確保、講師の登壇等はすべて、コミュニティのビジョンに共感していただいている組織・個人のボランティアでなりたっています。

PyCPAにコミュニティメンバーとして参加したい方はPyCPAのSlackにご登録ください。

ツイッターでのPyCPAコミュニティメンバーのやり取りは、こちらからご覧いただけます。

GASハンズオンセミナーの概要

今回の勉強会は初のハンズオンセミナー形式となりました。

ハンズオンとは「体験型」という意味合いで、講師が課題を示し、参加者がそれを解決するために自分で手を動かすように設計されたタイプのセミナーです。

講演内容は以下のとおりです。

  • GoogleAppsScriptの始め方
  • 変数とはなにか、変数宣言
  • GASの基本構文と、for文、while文、if文
  • 要件定義の重要性
  • 自作関数、所得税速算表を関数にする
GoogleAppsScriptはGmailやGoogleスプレッドシートなどのGoogle アプリをより複雑に使いこなすためのプログラミング言語で、JavaScriptが基本となっています。

セミナーでは教科書的なプログラミングの文法解説は最低限に、実際に「動かす」ことを主眼において進行したため、とても楽しく学ぶことが出来ました。

変数の使いかたやfor文、if文の使いかたを実例を交えて解説しました。

その後、これら文法を応用する形で「税金の計算」をしてみる、という実務的な課題にチャレンジしました。

与えられたデータに対して、どのような処理を行えば、期待する結果が帰ってくるかという「要件定義」の重要性に触れつつ、膨大な数の従業員の所得データから各々の税金を一気に計算してみることで、プログラミングのパワーを実感できました。

プログラミングのテキストを読むだけでは「なんでこんな書き方が必要なんだ?」という疑問が湧いて、何に応用できるのかという実感が持ちづらいことがありますが、今回のセミナーでは勉強した内容が「税金の計算」とう実際上の問題解決に利用できることがわかり、とても納得感を持って取り組むことが出来ました。

理解度、満足度ともに高く、大変価値あるセミナーでした。

参加者アンケート結果報告

PyCPA GASハンズオンセミナー第1回参加者には、事前に以下のアンケートにお答えいただいています。
  • 参加者の所属
  • 参加理由
  • 意見・感想・提案など
その回答状況を見ていきましょう。

参加者の所属

今回のセミナーは多様なバックグラウンドの方にお越しいただけました。

エンジニア、一般企業勤務の方が多く、今までにない参加者構成だったと思います。

セミナー内容が、GASであったため、普段からGASに近いところでお仕事をされている人が多かったのでしょう。

会計系の人はいま一年で最も忙しい時期ですので、少し参加が少なかったというのもありますね。

PyCPAがCPA(会計士)の勉強会から発足していながら、会計士でない多くの方が関心を寄せていることからも分かる通り、PyCPAのコミュニティはその裾野をどんどん広げていっています。

参加理由

PyCPAへの参加理由は、IT技術力向上が首位、次いで業界情報の収集ネットワーク構築となっています。

テクノロジーに関する探求者が集うコミュニティとして、PyCPAはIT技術とテクノロジーに関する情報収集・意見交換に役立つ場となることが期待されています。

意見・感想・提案など

自由回答で寄せられた意見等についてまとめます。

GASを修得したいと考えていた矢先、本イベントを知る機会に恵まれました

数回に渡る内容があっても良いかと思いました

今回のGASハンズオンセミナーはシリーズで企画していますので、徐々にステップアップできるように内容が高度になっていきます。

GASの初心者から中級者くらいまでを対象に、手を動かすことでスキルを習得できる内容となっていますので、ご期待下さい。

今後企画されている輪読会も複数回に分けて実施する予定です。

それ以外にもシリーズ企画のリクエストが有りましたらお聞かせください。

IT×会計士という生き方にチャレンジしたいと思っているので参考にさせていただければと思います

ITスキルは今後ビジネスを推進していく上で必須になります。

PyCPAではIT×会計士のロールモデルを排出することも目的にしており、そのための様々な取り組みをしてまいります。

既にPyCPAでの発信をきっかけとして新しいビジネスを開拓している会計士が現れつつありますので、是非コミュニティ内での発信にチャレンジしてみてください。

元機械学習エンジニアとして公認会計士に貢献できることとは

最近はエンジニアの方にもたくさん参加していただいています。
PyCPAメンバーの多くはエンジニアではない会計人材ですので、是非エンジニアの方の知識を提供していただきたく思います。
機械学習やデータ解析など、会計領域に適用可能なテクノロジーを知りたがっているメンバーは多数存在します。
是非チカラを貸してください。

AWSの使い方

管理会計のデザインに興味があります

pythonの活用事例

リアルオプションの輪読会

企業価値評価の輪読会

PyCPAではこれまでにも、経営管理、監査、仮想通貨、数学、海外テクノロジーなどのセミナーを開催してきました。

今後も一風変わったコンテンツを用意しておりますので、ご期待ください。

これらコンテンツを継続的に企画・実施していくためには、運営事務局のみではリソースが絶対的に不足しています。

勉強会の運営をお手伝いしてくれる方がいらっしゃいましたら、是非お力添えを頂きたく存じます。

勉強会を開催したいトピックがありましたら、是非主催者としてPyCPAを盛り上げてみてはいかがでしょうか。

まとめ

PyCPA GASハンズオンセミナーの概要と、セミナーの振り返りについて述べました。

徐々にその裾野を広げつつ、コミュニティとしての輪郭を備え始めたPyCPAですが、まだまだ始まったばかりです。

みなさんの学ぶ意欲と発信で、一緒に楽しみましょう。

【投信定点観測】6週目|新興国株躍進、テオとウェルスナビの差小さく、アクティブはインデックスをアンダーパフォーム

こんにちは、毛糸です。

【投信定点観測】2019年4月第3週(スタートから6週目)の損益の報告です。

今週末における投資総額は142万円、含み損益は+36,790円、損益率は2.59%(年率22.52%)です。

損益状況

商品ごとの時価は以下のようになりました。【投信定点観測】開始から6週間経過時の含み損益は+36,790円で、先週から2,401円のプラスです。

損益率に直すとこんな感じです。今週末の損益率は2.59%(年率換算で22.52%)です。

インデックス投資信託の振り返り:新興・先進国株躍進、REITが失速

今週は新興国株・先進国株の伸びが著しい1週間でした。

米国経済指標が期待を上回り株式市場はリスクオンムードで、新興国株・先進国株の指数を押し上げました。

一方、これまで快進撃を続けて来たREITがやや失速しています。

米国の先行き見通しが明るくなったことで金利上昇が意識されたためか、今週は-2%ほど含み益が毀損しています。

投資成果を前もって予測するのはプロであっても困難です。

向こう1週間という短期ですら、新興国株が上がる!REITが上がる!という予測を高い精度で行うのは難しいでしょう。

そんなランダムな相場の世界で安定的にリターンを生み出すのが、インデックスによる分散投資です。

【投信定点観測】で積立投資するインデックス投資は、それ自体が高い分散効果を持つ優秀な資産です。

▼インデックス投信で国際分散投資を100円から始めましょう。




ロボアドバイザーの振り返り:THEO(テオ)とWealthNavi(ウェルスナビ)の差が小さく

ロボアドバイザーはWealthNavi(ウェルスナビ)THEO(テオ)ともに含み益ですが、THEO(テオ)が利益を伸ばす一方、WealthNavi(ウェルスナビ)はリターンが悪化しています。

その理由は、THEO(テオ)よりWealthNavi(ウェルスナビ)の方がREITや金の比重が多く、今週それら資産クラスの価格が下落したことにあると思われます。

WealthNavi(ウェルスナビ)THEO(テオ)も、ETF(上場投資信託)を用いて広く分散されたポートフォリオで運用を行っています。

そのため、【投信定点観測】のポートフォリオのなかでも、常に中位程度の値動きで安定してリターンを稼ぎ出しています。

完全おまかせで分散投資を行うなら、ロボアドバイザーはとても簡単です。

▼ロボアドバイザーTHEO(テオ)は200パターン以上の投資プランから最適なものを提案してくれます
THEO

▼ロボアドバイザーWealthNavi(ウェルスナビ)はリスク許容度に応じて投資プランを選べます
WEALTHNAVI(ウェルスナビ)

アクティブファンドの振り返り:インデックスをアンダーパフォーム

TOPIXの今週の上昇幅が0.7%であるのに対し、ひふみ投信は0.4%と、やや物足りない印象です。

同じ日本株式アクティブファンドのセゾン資産の達人が0.58%の伸びであることも考えると、やはりアクティブファンド常勝、というわけには行かないようです。

アクティブファンドが平均的にはインデックスに勝てない、という統計事実は、下記書籍にも「不都合な真実」として指摘されています、是非読んでみてください。

まとめ

【投信定点観測】を始めて6週間、目立った混乱もなく推移しています。

債券系のリターンが小さい一方、株やREITが変動の中で大きなリターンを上げており、ハイリスク・ハイリターンの教科書的パターンです。

こういう状況では「やはり株のほうが儲かる!株の比重を上げないと!」と考えがちですが、【投信定点観測】では引き続きシステマティックに積立投資を続けていきます。

投資信託の積立投資が資産形成に有効であるというのは多くの本で語られていますが、最近読んだ本では特に以下が参考になりました。

積立投資の考え方や方法、出口戦略まで述べられた大変価値ある内容です。

引き続き積立投資の状況をリポートして参りますので、もしよろしければSNSでのシェアよろしくお願い致します!

繁忙期にも学びを止めないための3つの心がけ

こんにちは、毛糸です。

多くの企業で年度が変わり、会計・経理に携わる人にとって繁忙期が到来しました。

私も決算支援コンサルタントとして仕事をしていますから、いよいよ繁忙期突入といった感じです。

そんな忙しい中でも、学ぶ姿勢は持ち続けたいと思っています。

今回は繁忙期に学びを止めないための3つの心がけについてお話します。

十分な休息を取る

探求には、心理的・時間的な余裕が必要、という話」でも述べたとおり、探求には余裕が必要です。

探究心というのは余裕ある生活の中で自然と湧き出てくるものですから、余裕を持つことが学びを止めないために必要です。

仕事で消耗してしまっては、誰だって勉強しようという意欲が持てません。

学びを止めないためには、忙しい中でも十分な休息を取り、可能な限り心身に余裕を持つことが大切です。

忙しい時期だからこそ、「休む」ということを能動的に行う意識付けが重要です。

具体的には、業務を可能な限り効率化し、上司や同僚の飲みの誘いを上手くかわしながら、出来る限り早く帰りましょう

良質な食事と睡眠は、体力回復には必要不可欠です。

お昼休みに昼寝をする、というのも、私が実践しているおすすめの休息法です。

「忙しい」と思考停止にならず、どうしたら少しでも余裕が持てるか、アグレッシブに考えることが必要です。

仕事の中で学ぶ

自宅で机に向かうことだけが勉強ではありません。

仕事の中でも学びは得られます。

繁忙期には1日の大部分が仕事で埋め尽くされてしまいますから、いっそ仕事から何かを勉強したらいいのです。

生活の大部分を占める仕事の時間で学び、それを仕事に生かせるなら、こんなに効率の良い学びはありません。

投資効率の観点からも、仕事に学び、仕事に活かすことが出来ないかを模索すべきです。

普段の仕事の中でも、何かインプットできることはないか、何か体系化出来る知識はないか、と意識しながら取り組むことで、今までにない視点を得られることがあります。

私自身、会計の仕事をする中で、複式簿記の数学的構造に気がつくなどの発見をしています。

仕事は仕事、勉強は勉強、と区別せずに、日常の全てから学び取ろうとする姿勢を持つことが重要です。

習慣化・仕組み化

学びの習慣が確固たるものになっていれば、少しくらい仕事が忙しくでも、学び続けられるでしょう。

大事なことは、忙しさを理由に、習慣を止める「例外」を作らないことです。

今日は疲れたからやめておこう……

という「例外」を作った時点で、習慣は途切れます。

例外なく続けることで、段々と苦しさから開放される、ということだってあります。

かく言う私も、繁忙期の今でも、業後にはすぐ帰宅するのではなく、小一時間でいいのでPCに向かいアウトプットに時間を使うという「自分ルール」を課すことで、探求の習慣化を行っています。

習慣化出来ていない段階では、仕組み化が有効です。

仕組み化といっても、大それたものではありません。

例えば、行き帰りの電車の中で、YouTubeや音声メディアでインプットをすると決める、のでもいいでしょう。

週末の勉強会の予定を前もって入れてしまう、というのも、勉強する「仕組み」を作る効果的な手段です。

何か新しいことを知ったら、考察とともにSNSで発信するルールを作る、というのもおすすめの方法です。

習慣化・仕組み化は、勉強を続けるためには是非身につけておきたいスキルです。

まとめ

繁忙期にも学びを止めないために、以下の3つの心がけについて説明しました。

  • 十分な休息
  • 仕事の中で学ぶ
  • 習慣化・仕組み化

こういった心がけで学びを継続するのが少し簡単になります。

とは言え、「学び続けなければ!」という考えで自分を縛り付けてしまうのは考えものです。

大切なのは自分のペースを知り、それを守ることです。

体を壊してまで勉強することに、何の意味もありません。

勉強するのは繁忙期が終わってから、まずは仕事で精一杯の成果を出そう、そういう気持ちも大変尊いものです。

健康第一で繁忙期を乗り越えましょう。

リアル・オプションを用いた無形資産投資評価(無形資産のプットオプション性)

こんにちは、毛糸です。

リアル・オプションに関する勉強会が、5/11に開催されます。

>>『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』輪読会第1回 hosted by PyCPA

この勉強会に触発されて、こんな本を読んでいます。

この本の中に『リアルオプションを用いた無形資産価値評価について』という論文が掲載されていました。

とても興味深い内容だったので、メモを残しておきます。

無形資産を評価することの重要性

企業の生産性向上が叫ばれるなか、その目的達成のために無形資産を活用することの重要性が認識されつつあります。

無形資産は、機械設備等の有形資産とは異なり、実体を持たない資産ですが、近年、無形資産が企業価値に与える影響が重大であることが指摘されています。

無形資産とは、企業の研究開発力であったり、雇用する人材の能力であったりと多様ですが、会計上、バランスシートに記載されないものも多く、それを活用するのは簡単ではありません。

無形資産を活用するためには、まず無形資産の価値を評価する必要があります。

無形資産を評価するための従来の方法

無形資産の評価手法には、以下のような方法があると言われています。

  • インカム・アプローチ
  • コスト・アプローチ
  • マーケット・アプローチ

近年ではリアル・オプションという考え方も徐々に広まってきました。

リアル・オプションとは、企業の意思決定の柔軟性のことを指します。

具体的には、研究開発が上手く行ったら事業化する、とか、売上が好調なら広告を打って規模を拡大する、といった条件付きの意思決定がもつ価値を分析するのがリアル・オプションの考え方です。

従来、リアル・オプションは事業価値に関するコールオプション=アップサイドの利益を享受し、ダウンサイドの利益を回避するようなポジション、として定式化されてきました。

代表的な無形資産投資である研究開発投資も、新知識の発見・開発・事業化という「リニア・モデル」に従って、リアル・オプションの考え方を用いて評価されてきました。

しかし、近年では従来のような技術主導型の研究開発に加え、ニーズ主導型の投資が多くなってきているといいます。

技術目標を予め設定し、それを確保すべく投資を行うと行ったプロセスを踏むことで、必要な能力や効果を獲得していきます。

本書では新しい無形資産評価として、将来の事業化への投資機会獲得(コールオプション)ではなく、必要資産の獲得という観点から、評価手法を組み立てています。

プットオプションとしての無形資産

本書では、無形資産はMVA(Marked Value Added。スターンスチュワート社が定義[リンク])として市場から評価されていると考えます。

MVAは株式時価総額と自己資本の差額として評価される、会計上の「のれん」に近い概念です。

コーポレートブランド(CB)の観点からMVAを算出するCBバリュエーターなどのツールもありますが、こちらは算定ロジックが非公開となっています。

無形資産それ自体は取引不能であり、無形資産から得られる利益の期待値の変動でMVAは変化することから、無形資産とMVAは全く同等ではありません

本書では無形資産への投資を、無形資産を獲得するためのプットオプションへの投資とみなします。

無形資産に投資することで、市場が評価する株式時価総額に一定の下限値を設けつつ、アップサイドの株式時価総額を実現させる効果が得られます。

つまり、株式時価総額と無形資産のポートフォリオが、株式時価総額のコールオプションの買いポジションになると考え、無形資産はプロテクティブ・プットとして機能すると考えるのです。

無形資産への投資により、将来の株式時価総額の下方リスクをヘッジ出来る、といってもいいでしょう。

無形資産投資( p)は、将来の無形資産価値( I_e)を権利行使価格とした、株式時価総額( M_T)のプットオプションとして表します。
[ begin{split}
p=PV[max(I_e-M_T,0)]
end{split} ]

無形資産への投資とは具体的には、研究開発投資、広告投資、超過人件費投資を指します。

プットオプション価格としての無形資産投資( p)と、現在の株式時価総額( M_0)がわかれば、オプション価格に内包される権利行使価格( I_e)が求まり、これを無形資産の価値とみなすことが出来ます。

具体的な計算式や分析の詳細は本書を参考にしていただきたいと思いますが、本研究によれば、無形資産投資のオプション性(フロア効果)が示されており、無形資産に投資することで株価にポジティブな影響が認められることが実証されています。

本書にはモデルの詳しい説明と、財務諸表との関係、日本の上場企業を対象とした無形資産価値のランキング表などが示されています。

まとめ

本研究では、無形資産に投資することで株式価値の下方リスクをヘッジすることが出来るというアイデアによって、無形資産をプットオプションとみなし、無形資産の価値を評価する手法が説明されています。

無形資産の重要性が叫ばれる昨今、無形資産の活用の緒として、リアル・オプションの考え方を用いた分析がパワーを発揮します。

リアル・オプションに興味を持たれた方は、勉強会を開催しておりますので、是非参加してみてください。
>>『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』輪読会第1回 hosted by PyCPA

『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』内容の概説、こんな人におすすめ、いい点と注意点

こんにちは、毛糸です。

5/11土曜日に、『モンテカルロ法によるリアルオプション分析』(きんざい)の輪読会を開催します。

>>『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』輪読会第1回 hosted by PyCPA(外部サイトに飛びます)

今回は本書の内容をざっくり紹介したあと、この本がどんな人におすすめかに触れたあと、いい点と注意点について説明します。

目次

  • 本書の目次と内容概説
  • こんな人におすすめ
  • いい点と注意点その1:ファイナンス・金融工学・リアルオプションの教材として
  • いい点と注意点その2:エクセルVBAの教材として
  • まとめ

本書の目次と内容概説

第1章 エクセルVBAプログラミング入門

エクセルVBAとはどんなプログラミング言語なのか、どうやって使い始めたらよいのかを解説しています。

第2章 数値解析入門

モンテカルロ法とは何かを説明し、実際にモンテカルロ法を用いて円周率の推定を行います。覆面算、方程式、数値積分、常微分方程式などを題材に、モンテカルロ法の理解を深めます。

第3章 乱数

乱数とは何かについて説明したあと、乱数の生成方法について述べます。乱数発生アドインのインストールを解説し、以後の章の準備をします。本書では線形合同ジェネレーターの拡張版と、インバース法を用いて正規乱数を生成します。

第4章 基本株価プロセスとブラック・ショールズ・モデル

二項モデルの例をみたあとに、ランダムウォークと株価プロセスのモデル化を行います。モンテカルロ法による「ブラック・ショールズ・モデル」の実装方法について説明します。

第5章 エキゾチック・オプション

バイナリー・オプション、ルックバック・オプション、バリア・オプション、アジア型オプションの評価方法とコード例を説明します。

第6章 推定誤差

サンプル数による推定誤差の理論と計算について述べます。推定精度の向上法や離散化による推定誤差について説明しています。

第7章 シンプルなモデル

売上高のランダムなパスを生成し、リアルオプション分析のためのシンプルなモデルを作成します。

第8章 リスク中立評価

リアルオプションを含むデリバティブの評価理論に必要なリスク中立評価法について、数式で詳しく説明します。

第9章 基本プロセスの拡張

前章までで紹介された基本プロセスに、配当、外国為替、価格のジャンプなどを入れて拡張します。ファット・テイル分布からのサンプリングや平均回帰過程についても説明します。

第10章 スタートアップ企業の評価

Schwartz and Moonの「アマゾン」モデルを使って、スタートアップ企業の評価を行います。

第11章 アメリカン・オプションの評価

最小二乗モンテカルロ法(LSM法)について説明し、バミューダ・プット・オプションの評価を行います。

こんな人におすすめ

本書はファイナンス・金融工学で研究されてきたデリバティブの価格評価理論を応用し、経営上の意思決定の柔軟性が生む企業価値(リアル・オプション)の評価を行います。
リアル・オプション分析に必要な金融工学の数学的背景が丁寧に解説されているため、金融工学を学ぶためのテキストとしても適しています。
数学(解析学や確率論)に触れてきた人で、その知識を実務に活かしたい人は、本書でデリバティブ理論を学ぶことが出来ます。
また、リアル・オプション分析を行うに当たり、プログラミングが必要になります。
本書ではエクセルに標準搭載されたプログラミング言語VBAを用いてリアル・オプション評価のためのプログラムを作成します。
プログラミングに初めて触れる人でも躓かないよう、エクセルVBAの使い方からプログラミングの基礎的内容を説明しています。
昨今のプログラミングブームのなかで、自分も何か始めたいけれど、どんな言語を始めたらいいのかわからず、勉強方法についても悩んでいる、という人は、本書を手を動かしながら読むことで実力が身につきます。

いい点と注意点その1:ファイナンス・金融工学・リアルオプション

本書のテーマはモンテカルロ法を用いて企業の意思決定の柔軟性から生まれる価値=リアル・オプション価値を定量的に評価することです。
本書で学ぶリアル・オプション分析は、従来、ファイナンス・金融工学という分野で蓄積されてきた研究成果を応用したものです。
ファイナンスとは、リスク(不確実性)と時間の概念を明示的に考慮した経済学の一分野であり、確率論を高度に利用した応用数学の側面もあります。
金融工学とは、ファイナンスのうち、実務的便益を企図していることを強調した表現です。
本書ではファイナンス・金融工学のうち、リアル・オプション分析に必要な部分を整理して解説してくれているため、ファイナンス・金融工学を勉強する大変よい教材となっています。
本書に取り組むことで、実務への応用を前提としたファイナンス理論を習得することが出来ます。
ただし、ファイナンス・金融工学を完全に理解するためには、数学、とくに解析学や確率論の知識が必要不可欠です。
本書ではファイナンスに用いる数学を最低限しか解説していないため、例えば高校レベルの数学に抵抗感を持っているような人には、通読が難しい内容となっています。
高校数学に不安のある方はまず高校数学の参考書に取り組むことをおすすめします。

また、ファイナンスで用いる数学は、高校数学+アルファなので、この「+アルファ」の部分を勉強する必要もあります。具体的には確率解析と呼ばれる、確率論と微積分学の応用分野が必要になります。
ファイナンスに用いる数学については、以下の本に必要最低限の内容がまとまっているため、参考文献にすることを勧めます(増補版は入手しづらいようですが、古い版でも十分です)

いい点と注意点その2:Excel VBA

リアル・オプション分析では、乱数を用いた将来予測(モンテカルロ・シミュレーション)を強力なツールとして利用します。

コンピュータの計算力をフル活用した現代的手法であるモンテカルロ・シミュレーションを行うには、コンピュータに処理をさせるためのプログラミング言語を習得する必要があります(簡単なものであれば、エクセルシートでもなんとかなります)。

本書はモンテカルロ法を実行するに当たり、エクセルに標準搭載されているプログラミング言語VBAを用います、

VBAはエクセルがインストールされたPCであれば特別なことをしなくてもすぐに使えるようになりますので、プログラミングの入門には適しています

構文も難しいものではなく、少し訓練すれば容易に習得可能ですし、その訓練は本書にじっくり取り組むことで達成されます。

実際、私のプログラミング力を飛躍的に上昇させたのは、この本を読んだからです(私はプログラミング勉強会を開くまでにスキルアップしました)。

実際に手を動かしながら本書を読み勧めていく中で、エクセルVBAとプログラミングの基礎がしっかり身につきます

ただし、一点注意点があります。

プログラミング習得には近道は存在しません。

本書を流し読みすれば勝手にプログラミング力が身につくということは絶対にありませんので、しっかり自分で手を動かす必要があります。

本書に記載されているコードを実際に打ち込む(エンジニア用語で、写経する、と言います)ことでしか、プログラミング力は向上しません。

そもそも本書は、紙面上でコードが記載されてはいるものの、コーディング済みのエクセルシートなどは公開されていません

もし「手軽にリアル・オプション分析を行うためのツールが欲しい」と考えている人にとっては、本書はふさわしくないでしょう。

裏を返せば、確かなプログラミング力を身につけるための教材としてはこれ以上のものはないと言ってもいいでしょう。

スキルアップを目指す方にとって最高の教材です。

まとめ

『モンテカルロ法によるリアル・オプション分析』はファイナンスとVBAを使ってリアル・オプションを学ぶ大変良い教材です。
ある程度の数学の素養がある人が、ファイナンスとプログラミングを学ぶのにおすすめの本です。
ファイナンスを基礎から学び、数理的思考力を鍛えることが出来るとともに、VBAプログラミングのスキルを効率的に学ぶことが出来ます。
リアル・オプション分析の手法を学ぶことで、企業の意思決定に説得力をもたせることも出来ます。
難書ではありますが、間違い無しの良書です。是非チャレンジしてみてください。

毎月分配型投信は悪か?デメリットと、商品ニーズ・金融経済学から考えるメリット。

こんにちは、毛糸です。

先週の日経ヴェリタスで、毎月分配型投信の残高減少に関する記事を読みました。

「毎月分配型投信は悪」という主張を多く見かけるいま、この主張は正しいのか、考えてみたいと思います。

毎月分配型投信(毎月分配型ファンド)とは

投資信託とは、資産運用のプロにお金を預けて運用してもらい、値上がり益や配当利益などを還元してもらう金融商品です。

投資信託には、稼いだ利益を分配金として投資家に支払うタイプがあります。

このうち、分配金が毎月支払われるものを、毎月分配型投信(毎月分配型ファンド)といいます。

毎月分配型投信は我が国の投資信託残高の大部分を占めており、主にシニア世代に人気の金融商品です。

ただ、毎月分配型投信は、昨今そのネガティブな面がクローズアップされており、冒頭のような「毎月分配型投信は悪」という見方が徐々に強まりつつあります。

以下では毎月分配型投信のデメリットについて触れた後、メリットはないのかについて考察します。

毎月分配型投信のデメリット

毎月分配型投信は資産形成につながらないとする主張があります。

毎月分配型投信は運用資金を毎月換金していくため、複利の効果(利息に利息が付き、雪だるま式に資金が増える効果)が得られづらいという主張です。

毎月分配型投信のなかには元本を取り崩す例も多いと言われており、長期の資産形成に向かないとの批判が近年高まっています。

金融庁により公表された平成28事務年度「金融レポート」(外部リンク)にも、以下のような記述があります(太字は筆者修飾)。

我が国の投資信託の残高の過半を占めている毎月分配型投資信託については、複利効果が働きにくいことに加えて、元本を取り崩しながら分配される場合には運用原資が大きく目減りして、運用効率を下げてしまうということが問題点として指摘されている。

このように、我が国の金融投資実務を統括する金融庁が「顧客本位でない」と問題視しているほど、物議を醸している投資商品なのです。

毎月分配型投信の比率が高い運用会社は資金流出が目立つという記事(外部リンク)もあり、毎月分配型投信に対する風当たりの強さは増しています。

毎月分配型投信のメリット

毎月分配型投信は上記のようなデメリットがあると言われつつも、シニア世代が年金を補うための定期的な収入源として人気を集めています。

金融庁により公表された平成28事務年度「金融レポート」(外部リンク)に記載されているように、「毎月分配型投資信託保有者の毎月分配金の使用目的」の上位には「自分のこづかい」「生活費」 が入っており、毎月分配型投信が定期的な消費の財源になっていることが見て取れます。

(平成28事務年度「金融レポート」より)

この調査を見る限り、年金では消費を賄いきれないシニア世代が、投資を行いながら定期的に資金を取り崩す手段として、毎月分配型投信は一定の存在価値があると認識されているとも言えます。

もちろん、インデックス投信などで運用を行いつつ、自分で必要な額を取り崩せばよいだけのことなのですが、高齢者にそういった手間を強いるのは難儀です。

また、日経新聞の記事(外部リンク)によれば、2019年1月の月間資金純増額ランキング上位に毎月決算型が入っており、毎月分配型投信に復活の兆しが見えているといいます。

運用成績と安定分配を両立させた毎月分配型投信が相対的に浮上したと考えられており、それだけニーズがあると考えることもできるのではないでしょうか。

そもそも金融経済学の理論研究では、投資家は年を取るほどにリスク資産の額を減らしていくべきということが明らかにされています。

マートンのポートフォリオ問題という金融経済学の問題を解くと、投資家は余生が短くなるにつれ、リスク資産の投資額を減らすのが最善であることがわかります。

少し踏み込んだことを述べると、金融経済学で想定されるHARA型効用を持つ投資家が時々刻々変化するリスク資産に投資を行う場合、その投資額\(\omega^*W_t\)は以下のような数式で表せます。

\[ \begin{split}
\omega^\ast W_t=\frac{ \mu-r}{\sigma}\frac{1}{ \sigma\left( 1-\gamma\right)}W_t+\frac{ \mu-r}{\sigma^2 }\frac{\beta }{ r\alpha}\left(1-e^{-r(T-t)} \right)
\end{split} \]

このとき、投資家の余生が短くなると(\(T-t\)が\(0\)に近づくと)、投資額\(\omega^*W_t\)は小さくなります。

つまり投資額を徐々に換金していくのが金融理論的に最適な戦略ということです。

したがって、毎月分配金を支払い、投資額を減らしていく毎月分配型投信は、理論的には即座に否定されるべきものではないようにも思います。

まとめ

毎月分配型投信はデメリットばかりが強調され、金融庁からも苦言を呈されるなどやり玉に挙がっていますが、商品ニーズと金融理論にかんがみれば必ずしも否定されるものではないことを指摘しました。

もちろん、元本を棄損させるような分配方針が資産形成につながらないのは確かですが、しかし投資家の環境によってはそれが望まれるケースもあるはずです。

毎月分配型投信は悪、という決めつけには、慎重になるべきと考えます。

まだ数学から逃げてるの?これからのビジネスと数学

こんにちは、毛糸です。

先日、私が所属している勉強会で「会計士と数学」に関するセミナーが行われました。

昨今のAIを始めとするテクノロジーの進展の背景には数学の利用があり、ビジネスマンの中でも数学を勉強したいという人が増えているようです。

今回は、これからのビジネスと数学についてお話します。

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