PSYCHO-PASSの世界に近づいた「万引き察知AI」

PSYCHO-PASSというアニメをご存知でしょうか。高度に情報化した近未来の日本で,人々の心理情報から将来的な犯罪の潜在的可能性を計測することができる世界を描くSFアニメです。

PSYCHO-PASSの劇中ではドミネーターいう拳銃型の デバイスを相手に向けることで,その人の犯罪係数を測定し,一定の閾値以上の人はその場で「執行」(≒処刑)されます。デバイスを向けるだけでその人の潜在的な犯罪傾向がわかるというのはいかにも近未来的です。

PSYCHO-PASS

画像出典IGN Japan:TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』第3期の制作が決定!

こうした技術は徐々に現実のものとなっています。

万引きは捕まえずに防げ!! 怪しい動き AI大魔神が見ているゾ…

こちらの記事では万引きをしそうな人の行動をAIが察知することによって,万引きを未然に防ぐ仕組みを提案しています。万引き犯が起こしやすい行動の傾向を事前に学習させておくことによって,お客さんが不審な行動をしたときにそれを店員に通知するようなシステムです。

 

この万引き察知AIは,万引き犯が罪を犯す前にそれを察知し,犯罪に至る前に事前に予防できるという意味で,素晴らしいテクノロジーだと思います。

人間の行動のデータが蓄積され,犯罪に手を染めてしまうことを未然に察知できるというのは,まさにアニメの世界の中で犯罪係数を測定することに限りなく近いものだと思います(現実にはPSYCHO-PASSのように犯罪に至る可能性が高いという理由で「執行」されることはありませんが)。

アニメの中の未来的なテクノロジーが現実のものになろうとしているのは,とてもワクワクします。今後の技術発展に夢が膨らみますね。


物事を数学的に考える意義

すでに知られていることを数学的に表しただけでは学術的価値は見出しにくいものです。

数学という「言葉」に翻訳するだけでは単にものの見方が多様になるだけで,それ自体が新たな発見になるわけではありません。

この記事では物事を数学的に考える意義について述べます。

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書評『Algebraic Models for Accounting Systems』複式簿記と会計システムの代数構造を解明する

Algebraic Models for Accounting Systems

この記事は,複式簿記と会計システムの構造を代数的に解明する研究書『Algebraic Models for Accounting Systems』の書評です。

複式簿記の美しさや規則性の背後には,代数的な構造が見いだせます。本書はそんな複式簿記にもとづく会計システムの諸性質を証明によって明らかにするチャレンジングなテキストです。

この記事ではテキストの概要を述べたあと,章ごとに内容をまとめます。



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準同型写像【簿記数学の基礎知識】

この記事では代数学における重要概念,準同型写像(以下,準同型)について,直感的な説明と定義を与えます。

複式簿記の数学的研究において, 準同型がどのように登場するかも解説します。

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簿記代数と会計学の着眼点の違い

この記事では,簿記代数と会計学の着眼点の相違について説明します。

簿記代数は会計学の広範な研究対象の中で,会計報告の様式(報告書)がどういった構造を持っているのかを明らかにしようとするものです。

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簿記代数を理解してもらうための説明

簿記代数を理解してもらいたい気持ち

簿記代数という研究分野について聞かれることが増えました。

「これは布教のチャンス!」と思い,群の構造やベクトルの話をするのですが,だいたいポカンとされます。

【君の知らない複式簿記3】複式簿記の代数的構造「群」

【君の知らない複式簿記4】簿記代数の教科書『Algebraic Models For Accounting Systems』とバランスベクトル

私の説明が下手だというのもありますが,そもそも多くの人は群とかベクトルとか言われてもピンとこないと思われます。

もっと身近な例を挙げイメージを膨らませられる説明をすれば,もう少し興味を持ってもらえる気がしています。

たとえば,複式簿記はルービックキューブに似ている,なんて話はどうでしょうか。

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独りでもやるけど,どうせならみんなで,という考え方について

私の思考のなかで,以下のような考え方をすることがしばしばあります。

〇〇に興味がある,探求したい。独りでも探求するけど,どうせならみんなでやりたい。その方が楽しいし,自分だけでは得られない発見があるだろう。

この考え方に基づいて,これまでいろいろな取り組みをしてきました。

IT×会計コミュニティPyCPAが発足した当初のもくもく会は,Pythonの勉強を誰かと一緒にしたいという気持ちがありました。

簿記代数のテキストを読むというのも,この分野に興味を持ってくれる人と一緒に進めました。

最近では,会計学のトップジャーナルを読むという取り組みを始めています。

プログラミングにせよ,簿記代数にせよ,論文調査にせよ,たとえ仲間が集まらなくても独りでやっていただろうと思います。

しかし,同じ探究心をもつ仲間は必ずいて,きっとその人も一緒に探求してくれるだろうという,確信めいたものがありました。

実際,これらの取り組みには同じ興味を持つ仲間が参加してくださり,私なんかよりよっぽど能力もあって,人格も備えた方と,たくさんお近づきになれました。

また,どの取り組みもそれなりの規模と継続性を備えるようになり,私という一個人の興味関心を超えたものになっています。

「どうせならみんなでやりたい。その方が楽しいし,自分だけでは得られない発見がある。」という期待は,いまのところ例外なく叶っています。

本当に素敵な仲間に恵まれたものだと思います。

こうした仲間になにか貢献できることはないかと常々考えているのですが,結局同じ興味関心に集まった者同士,その興味の対象に探究心を燃やすのが一番の貢献なのかもしれないと思っています。

これからもいろいろなことに興味を持ち,一緒に探求してくれる仲間と出会えるのだと思うと,楽しみでなりません。

トップティアのジャーナルぜんぶ読む

トップティアのジャーナルを全部読む覚悟を持ちます。

最新の世界最高水準の研究成果を知ることは,自分の研究の品質を上げるのに役立ちます。

世界最高水準の問題意識,世界最高水準の先行研究レビュー,世界最高水準の手法,世界最高水準のモデル,世界最高水準の成果。

これらに数多く触れることで,自分の研究の足りない部分を浮き彫りにし,自分の論文をより良いものにしてくれます。また,トップティアジャーナルに採択されることを目標にするなら,どういう論文が採択されているかを研究するのも重要です。

トップティアのジャーナルを全部読もうと思ったら,自分の研究テーマとは必ずしも関連しているわけではない論文も数多く出会うでしょう。むしろそうした研究が大半です。しかし,世界最高水準の研究を知ることで,その分野の研究で何が注目され,評価されているかがわかります。

関連の強いものはじっくりと,関連の弱いものはあっさりと,メリハリをつけて読んでいきます。

会計学のトップジャーナル

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